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紅海に面したスーダンのスーダン港

◆12月12日

 紅海に面するスーダンの港にイランの軍艦が立ち寄ったようだ。スーダン大統領のオマール・バシールはイランとの関係強化に熱心である。紅海からインド洋に出る出口をイラン軍艦が睨む形となれば、イスラエルの潜水艦も自由に航行できなくなる恐れが出てくる。

 世界の大国が世界中に自分たちが使用できる軍港を持っているのに対抗して、第三世界に属するイランも自国以外の地に軍事基地を持つようになったわけだ。やればやられる・・・歯に歯を、ということにもなるだろう。

 このイランとイスラエルとの軋轢の行方次第で、ペルシャ湾の運命も決まるし、その内容次第で、日本にエネルギー供給問題が発生することになる。従って、エネルギー問題は慎重に対応すべきであり、日本の電力のほぼ3分の1を担っている原発の将来は、代替となるエネルギーを確保できる見通しが出るまでは、即座に廃炉にすべきではないだろう。

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●スーダンはイランに紅海沿岸の基地建設を許可
http://www.jpost.com/IranianThreat/News/Article.aspx?id=295411
【12月11日 The Jerusalem Post】

スーダンの反政府グループは、政府がイランとの密約で紅海に軍事基地を建設する許可を与えたとして非難した。

 反政府新聞のフリヤト・スーダン紙は10日、匿名の反政府筋の話として、スーダン政府がスーダン沿岸部にイランに基地建設を許可する話をまとめたと述べたことを報じた。

 一方、スーダンの反政府系新聞のアル・ラコバ紙によれば、スーダンの反政府グループの正義平等運動(JEM)は9日、スーダン大統領のオマール・バシールは「非常に進んだ」契約をイランの革命防衛隊(IRGC)と結び、紅海のスーダン港ないしは他の場所に海軍基地を建設させるようにした、という。

 この非難はイランの海軍艦船である1400トンのフリげーt艦であるジャマランと4700トンの支援船のブシェールが8日、スーダン港にドック入りした後に成された。

 正義平等運動のスポークスマンのマフジョブ・フセインは、この数ヶ月で2度目となるイラン軍艦の訪問はイスラエルに対するメッセージを意図したものではなく、イランの軍事基地の建設に関して中東地域の反応を見るためである、と語った。

 スーダンのメディアの記事によれば、スーダン軍スポークスマンのアル・サワミ・ハリド・サードは7日、イラン軍艦の訪問はイランとの軍事交流の一環だと語った。このイラン軍艦は3日間停泊する予定である。その期間中は一般に向かって内部を公開するだろう。

 イランは侵略的海洋戦略を進めてきている。その中には兵器システムや軍艦の拡張も含まれる。その中には、2010年にバンダル・アバスで竣工した国産のモウジ級誘導ミサイルフリゲート艦であるジャマランも含まれる。このフリゲート艦は対潜水艦用装備の対潜水艦魚雷システムや対艦・対空装備を搭載している。

 イラン海軍はホルムズ海峡を抜けて紅海のバブ・エル・マンデブ、スエズ運河、マラッカ海峡にまで行動範囲を広げている。

 海軍のプレゼンスをスーダンや紅海にまで拡張することで、イランはアデン湾でのソマリアの海賊対策の面で、あるいは紅海の航路を支配することで、ハマスが支配するガザに武器を搬入させる面など、いくつかの面で利益を獲得するだろう。スーダン港にイランの海軍が存在するということで、紅海の対面にあるスンニー派のライバルであるサウジアラビアをあわてさせている。

 スーダンの側としては、2008年3月に軍事協力で合意したイランとの関係を良好に保つため、長年努力してきた。

 バシールはイランを何回か訪問している。最後の訪問はイランが非同盟運動(NAM)サミットを主催した時である。バシールは1999年の無血クーデター後23年間権力の座にあるが、とりわけ去年石油が豊富な南スーダンが分離独立し、先月のアメリカの新規の経済制裁による380億ドルの負債問題など、増大する危機的状況を抱えている。

 先月、スーダン政府は前情報機関長のサラ・ゴシュが仕組んだバシール打倒のクーデターを防いだと発表した。

 一方、南コルドファンと青ナイル地区の反乱グループと戦っているスーダン軍は、イランから軍事援助を得ようとしているとして非難されている。

 3月、反政府グループはイランを政府軍の強化のためIRGCを送っているとして非難したが、イランはそれを否定した。

 バシールはスーダンがイランとの関係を親密にしていることを示すことに熱心な反面、イランとの関係による危機について与党の国民議会党内に意見の相違が出ている。

 11月、スーダンのアリ・カーチ外相はスーダン港にイラン軍艦を入港させたことに関して、この件で相談を受けなかったとして政府を非難した。

 イランはスーダン港に10月末に軍艦を送ったことがあった。これはイスラエルがスーダンのハルツームにある弾薬工場に対し空爆を行ったとして、スーダン政府がイスラエルを非難した数日後のことだった。イスラエルはそのヤーモク複合施設を攻撃したことを否定も肯定もしなかったが、スーダンとイランはエジプト経由でガザに武器を搬入しているとしてスーダンとイランを非難している。

 この空爆に対して、バシールは「繰り返されるイスラエルの攻撃」に対抗するため、「最新式兵器」を手に入れるよう図るとして脅した。

 10日、反政府側の情報筋は、スーダン政府はイランとイスラエルの紛争にスーダンを巻き込もうとしているとしてスーダン政府を非難した。

 反政府グループのJEMは、イラン軍艦のスーダン港への訪問はスーダンと湾岸諸国との間のデリケートな関係をめちゃくちゃにする危険性があると指摘した。湾岸諸国からの支援に頼るところのあるスーダンだからだ。カーチ外相はさらに、湾岸アラブ諸国はスーダンとイランとの関係を快く思っておらず、支援を中止することもありうると語った。

 国際通貨基金(IMF)の9月のレポートによれば、サウジアラビアはインフラ・ローンの形でスーダンに対して2億4000万ドルの支援を約束していたという。しかし今までたったの8000万ドルしか実施されていないのだ。

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