忍者ブログ
* 時代の先読み    * 日本の進むべき道    * 我々の心構え
[172]  [171]  [170]  [169]  [168]  [167]  [166]  [165]  [164]  [163]  [162
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


ナスララ師の写真を掲げる女性

◆7月10日

 元CIA職員によるイスラエルのイラン攻撃についての可能性についての論評が、インタビュー記事として今年の初めに語られていた。
 ロバート・ベーア氏は、イラン攻撃はほとんど不可能、という見解を示している。それはやはり攻撃した後のイランの反撃を考慮すれば、自然とその結論になる、というのだ。専門家はそのようにみるだろう。
 だからこそ、今回のイランの大統領選挙での、CIAのイラン内の「不安定化作戦」のような工作が必要である、とも言えるのであろう。

 さて、その不可能といえるイラン攻撃をやりかねないイスラエルを、アメリカがどう説得して収めるか、という非常に困難な使命がオバマ大統領にあると言えよう。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●ロバート・ベーア:米国内にあるイラン攻撃に対する軍の拒否姿勢
http://www.voltairenet.org/article160904.html
【7月6日 Omid Memarian】
 今年始めのインター・プレス・サービスのインタビューに答えて、ガザ紛争の動向とイランの革命防衛隊、ハマス、ヒズボラに関する議論をロバート・ベーア氏が行っている。 「オバマ大統領はイスラエルからずっとイラン攻撃の圧力を受けているが、これはガザとレバノンと連携している」とベーア氏は語る。ベーア氏は元CIA職員で、「我々の知る悪魔:イラン指導層との関係で」の著者である。

 インタビューの抄訳

IPS: あるアナリストらは、イスラエルとヒズボラの34日戦争後4年経って、ガザのハマスを攻撃することは、その先イランの核施設攻撃で終了する、というより大きな計画の一部であると見る向きもあるが、どうか?
ベーア氏: いや、イラン攻撃には軍の拒否と言う問題があると思う。イラン攻撃は不可能だ。

IPS: どうして不可能なのか?
ベーア氏: つまり、一つには、ペルシャ湾でのイランの反撃がある。イランはハマスみたいに攻撃されはしないし、その反撃もハマスのように狭い範囲ではない。もし攻撃されれば、イランの反撃は世界的な広がりを持つものになるだろう。間違いない。これが彼らの抑止力である。イランについては多くの教訓を理解することが重要だ。
 もしイラン革命防衛隊ウェブ・サイトを見れば、彼らがイラン・イラク戦争で学んだ教訓を見ることができる。この戦争は消耗戦だった。いつまでも続くものだ。勝利することはできない。特にアメリカに対してはだ。それで彼らは次の、非対称戦能力を高めた。ゲリラ戦だ。これは非常に効果的だ。
 イランの優れた頭脳と精神の持ち主たちは、パスダラン(革命防衛隊)に入った。彼らは必ずしも狂信者ではない。ある意味、彼らは愛国者という者たちだ。そして私の経験から言うと、このパスダランにいる人々は、作戦の面から言えば、イスラエルとヨルダンを含む中東地域での、情報、ゲリラ戦、政治思想における最も能力の高い人々である。
 彼らは自分の任務を知っている。そして彼らはイランにおける政治的な傾向のいずれにも組しないものたちだ。

IPS: イスラエルによるイランの核施設の限定的な攻撃も考えられないか?特に、最近ニューヨーク・タイムズ紙が報道したもので、昨年イスラエルの指導層がブッシュ大統領(当時)に持ちかけたような攻撃のことだが。
ベーア氏: まったく考えられない。ブッシュ氏でさえそれを理解している。ニューヨーク・タイムズ紙は、ブッシュ氏が拒否した、と言う点では正しい。中東ではバランス・オブ・パワーがイランと米国の間に存在する。それは正しくバランス・オブ・パワーなのだ。航空機、戦車、潜水艦の数とかを言っているのではない。しかし暴力の独占と言う意味では平等だ、ということ。この点では平等だということは間違いないことなのだ。例えば我々はテヘランを爆撃することはできるだろう。しかしそれでどうだ、というのだ。それは丁度ガザで国連ビルをイスラエルが空爆したようなものだ。イスラエルはそれで何かを得たか、というのだ。何も、だ。確かに破壊することはできたが、それが何を彼らにもたらしたのか、というのだ。ハマスは相変わらず存在している。
 イランにあるすべての軍事施設は2週間もあれば空爆することはできるだろう。しかしイランは相変わらずそこに存在している。そして新しい力を生み出す能力を持っているし、このような紛争から生み出される力はより一層強固なものであろう。そしてイランの力は経済的だ。石油の価格はいかなる違いももたらさない。ヒズボラを武装化し、ハマスを支援するのは、お金とは関係ない。石油の価格が1バレル10ドルになっても、イランにとって国防は問題ないのだ。

IPS: オバマ氏は繰り返しイランの指導層と対話することを語ってアメリカの外交の変化をもたらそうとしている。イラン担当顧問にデニス・ロス氏を任命したことは、彼の約束したことに対してどう影響を与えるだろうか?
ベーア氏: デニス・ロス氏はイスラエルには受けがいい。もしイランとの対話が始まれば、イスラエルはロス氏が彼らを裏切るようなことはしない、と見ている。つまり、彼らは何年も掛けてロス氏をテストしてきているのだ。ロス氏はユダヤ系でイスラエルに対しては誠実だった。おかしな物も含めてイスラエルのプロジェクトに従って今まで来ている。対話が始まっても、イスラエルとしてはサプライズに出会うことはないと思っている。もしオバマ氏が新しい人物を入れても、イスラエルの知らないハーバード大学の教授とか、彼らはその人物を動けないようにし、その後には大きな政治的なブローバックが待ち受けているだろう。

IPS: 中東問題でのロス氏の位置に関して、特に過去10年のイラン問題では、オバマ大統領はどう新しい外交方針を取り入れていくのか?
ベーア氏:政治的にこれを通していくにはオバマ氏は民主党の後押しが必要だ。それで彼はデニス・ロス氏や、国家情報局長のデニス・ブレーヤー氏のような人物を招きいれたのだ。彼としては、吟味されてない人物を引き入れるわけにはいかないし、民主党に反対させるわけにもいかない。それはもしイランとの交渉が始まれば、イスラエルの沈黙の干渉があるからだ。イスラエルは関係者だからだ。
 アメリカの中東政策ではイスラエルの承諾と言うものなしには何もできない。少なくともある程度は。イスラエルを無視することはできない。

IPS: それはどうしてですか?
ベーア氏:ニューヨーク市を見てみなさい。主要新聞を。彼らはシオニストの計画を持っている。彼らはやることをやる。私はユダヤ人ではない。イスラエルはどうでもいいのだが、かといって反ユダヤでもない。これは単なる事実だ。私は、出版社にイスラエルについての本を書こうと思うと言ったら、彼らは、おやめなさい、と言うのだ。イスラエルの真実について書くことはできない、ということだ。イスラエルについての事実について語ることができる唯一の場所は、イスラエルだ。アメリカにいては聞くことのできないことを聞くことができる。

IPS: 例えば
ベーア氏: 例えば、ガザの人々はなんでそんなに不幸なのか?もし人が刑務所に住めば、不幸と思わないか?そういうことはニューヨーク・タイムズ紙を読んでいては絶対知ることはできない。ニューヨーク・タイムズ紙はイスラエルの延長みたいなものだ。

IPS: ガザ紛争のイラン・イスラエルおよびアメリカ関係における影響にはどんなものがあるか。最近の攻撃でハマスは破壊されたのか?
ベーア氏: いや、それは不可能だ。ハマスとは一つの思想だ。ハマスは組織ではない。ハマスとは思想であり、イスラエルが150万の人々をエジプトに追い出さねば、ガザを屈服させることはできない。イスラエルはガザに侵攻し指導者らを殺害し1万人を牢屋に押し込むことはできるだろうが、ハマスは一層強くなって出てくるだろう。その場合の負け組みはファタハであろう。

IPS: ハマスとヒズボラの軍・政治的行動の主な特性はなにか?
ベーア氏: 彼らは戦争を地理的に捉えなおしている。ヒズボラが洞穴を掘り、通信に光ファイバーを使用する事実は、高度な技術と原始的な戦闘方式のコンビネーションを表している。つまり、世界のどの軍隊がヒズボラのほかに光ファイバーを使用しているか、ということだ。光ファイバーは盗聴できないのだ。なにもできない。
 ハッサン・ナスララ師を見てみれば、彼はイスラム教の政治のやり方を再設定し、キリスト教徒との連携を結ぶことまでするようになった。ビン・ラディンはキリスト教徒を殺そうとした。ナスララ師はそこまでやるようになったのだ。キリスト教徒を同盟者と見るようにまでなったのだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


PR
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ROCKWAYアド
最新CM
最新TB
プロフィール
HN:
ROCKWAY
性別:
男性
自己紹介:
経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
バーコード
ブログ内検索
フリーエリア
忍者ブログ [PR]