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ロシア・シリア・アメリカの外交担当トップたち

◆9月11日

 アメリカのケリー国務長官が、シリア攻撃を避ける道はシリアが化学兵器一切を今週中に国際的管理下におくことだ、と語ったことで、シリアの化学兵器問題とアメリカなどのシリア攻撃危機が回避の方向に動き出した。

 このケリーのコメントは偶然にそのようなコメントになったのか、それともアメリカとしてもあらゆる状況を勘案した結果、シリア攻撃はできたら避けたい、という結論となり、その方法を探った結果、そのようなコメントを出してみて、それをロシアが歓迎するという感触ないしは確約を得たので、そのようなコメントをだしたのだろうか?とにかく生き馬の目を抜くようなめまぐるしい動きであり、歓迎すべき動きである。これでシリアの政府軍はいよいよ活気付き、反政府ゲリラの討伐に集中できるであろう。

 とにかくこれで、アメリカは面子を潰さずにシリア攻撃をしないで済ますことが出来るし、シリアはこれで大惨禍に見舞われる事は避けられそうだし、ロシアは今までのシリア支援が実を結ぶことになり、この三者にとってはめでたし、めでたしとなりそうだ。これは相当に画期的なことである。昨日のブログ記事に記したように、今までとは違う動きを世界はしだしているようだ。

 その後、実は化学兵器攻撃をした下手人が、反政府勢力側である、ということが権威ある存在から明確に指摘され出せば、悪者はその反政府勢力だということになり、その反政府勢力を支援してきた欧米・トルコ・サウジアラビア・カタール・イスラエル(ユダヤ)が悪者となり、急速に世界における彼らの立場が悪化することになるだろう。

 このブログでも指摘したように、「化学兵器」を反政府ゲリラ側に与えたと思われるサウジアラビア(とそのバンダル王子一派)の立場は急速に悪化するかもしれない。またトルコのエルドアン政権も今後苦しい状況に陥る可能性が出てきた。カタールも同様だ。

 アメリカによるシリア攻撃を心待ちにしていたサウジアラビアとそのバンダル王子一派は、攻撃どころか、下手をすれば自分達に矛先が向けられかねない状況の変化に泡を食っている事であろう。よく見るがよい。自らの悪事のなれの果てを。

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●米露シリア:化学兵器問題で三者会談
http://en.rian.ru/world/20130911/183346445/US-Russia-Syria-to-Discuss-Chemical-Weapons-Plan--Reports.html
【9月11日 RIA Novosti】

 アメリカ、ロシア、シリアの外相らが今週、シリアの化学兵器問題で会談を持つ、と10日、匿名のアメリカ高官が語ったとメディアが報じた。

 アメリカのケリー国務長官、ロシアのラブロフ外相、シリアのムラレム外相はジュネーブで12日会談を持つと、アメリカ高官が語ったとロイターが報じた。

 この会談のニュースはアメリカのオバマ大統領がシリアに対する軍事行動を国内と国際社会から支持を得ようと躍起になっている時、またシリアの化学兵器をどのようにして国際的管理の下に置くかという問題でロシアからの提案をアメリカが待っている時期に出てきたものだ。

 アメリカはシリアのアサド政権が8月21日にダマスカス郊外で化学兵器による攻撃を行ったとして非難しているが、アメリカの攻撃を止めようとして、ロシアがシリアから化学兵器を取り除くという提案をしたことを吟味するだろう、という。

 ケリーは10日、シリアの兵器をどう確保するかと言う件でラブロフからの提案が当日中に届くことを期待していると述べた。更にいかなる提案内容も国連安保理の決議が必要だと語った。

 「彼はこれらの提案を送ってくる。提案内容は非公式に送られてくる。我々はその内容を吟味する時間がある」とケリーは記者会見の時に語った。

 ケリーはそのような提案は、「拘束力を持つという信頼感をもたせるため国連安保理の決議が必要だ」と語り、さらに誰かがこれを台無しにしようとする場合の結果も含めるべきだ、と語った。

 安保理は10日午後、非公開の会議を持つ事になっていると、AP通信が国連スポークスマン・オフィスが語ったと報じた。しかしオーストラリアの国連大使であるゲリー・クインランは会議はキャンセルされたとツィッターで述べている。

 なぜ会議がキャンセルされたのか、ハッキリしていないが、CNNは10日、ロシアが取り消した、と報じた。

 10日の電話によるフランスのファビウス外相との話し合いで、ラブロフはシリア政府が「化学兵器を使用したかもしれない」ことの責任があると宣言する内容のフランスが提出した安保理決議案を「受け入れられない」としたとその声明で語った。

 ケリーの記者団とのインタビューと殆ど同時期に、ムアレムがシリアは化学兵器禁止条約に署名し、保管施設を外国政府に公開する用意がある、と語った。

 「我々は化学兵器を廃棄する意思がある」とムアレムはレバノンのアル・マイデンTVのインタビューで語った。

 ムアレムのコメントについて聞かれてケリーは、アサド政府が「この機会を捉えてシリアに平和をもたらすようにすることを、条約を尊重すると言ったようにきちっと履行するよう」期待する、と語り慎重ながら歓迎すると語った。

 「恐らくこれから数日間はその件でよりはっきりさせるだろうと期待している」とケリーは語った。

 10日早く、ケリーは下院軍事委員会に現れて、国連安保理はアメリカの軍事攻撃を遅らせる為の遅延戦術として利用されるべきではない、と注意を喚起した。

 「国連安保理がそれを狙っているとしたら、討論サークルになってもらうわけには行かない。我々はシリア、ロシアそして世界に我々はその遅延戦術に陥るものではないことを示さねばならない」とケリーは語った。

 シリア問題での国際的議論の行き詰まりは、ケリーがもしもシリアが「全ての」化学兵器を今週中に国際的管理の下に置くことに同意するのならば、アメリカの攻撃の標的になることを避けることができるかもしれない、とコメントした後、急速に変化している。

 ロシアとシリアは殆ど即座にこの提案を歓迎し、ラブロフは10日早くロシアはシリアの化学兵器を確保する実効的な計画を提出するだろうと語った。

 ロシアのプーチン大統領は10日、この計画はアメリカとその同盟国がシリアに対し軍事力を行使しないことを誓約するとき可能である、と語った。しかし彼はこの危機を解決する平和的な良いステップである、と期待を表明した。

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