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エジプト軍の出動で秩序維持が進められるエジプト

◆8月19日

 エジプトのモルシ大統領が軍によるクーデターで追放され、暫定政権ができているが、モルシ派の人々がデモその他の破壊活動を継続しているため、軍の取り締まりが厳しく多くの死傷者が出ている。この軍のやり方に欧米は反発し非難しているが、ロシアのプーチン大統領は軍支持を明確にした。反対にアメリカのオバマ大統領はエジプトに対する毎年の援助は切っていないが、それも含めて今後の対応には変化が起きることを示唆している。

 選挙で勝利してできたモルシ政権であったが、経済を中心として国民の不満が高まり、連日の抗議デモのため混乱が生じたものを、軍がその混乱する事態を収拾する目的で実権を握り、その指導の下で暫定政府ができたが、追放されたモルシ派は、反発して復権を目指してデモを繰り返してきた。これはクーデターであると同時に一種の「革命」でもある。国民の大きな意思としての軍のクーデターであり、それが民主主義の段取りを踏まえていないとしても、正当性がないわけではない。つまり「民主主義的なクーデター」だということ。別の名前で言えば、革命である。つまり、国民の多数の意思を代弁しての軍の行動であり、民主革命に軍が合流した、と言っても良い。

 プーチンの姿勢は、実質的に国民の生活を守る、という意味からとエジプトに対する影響力を増大させる、というものであろうし、そうなれば、エジプトのシリアに対する姿勢にも影響が出てくることを狙っているだろう。オバマのそれは、民主主義という観点から、それを擁護する筆頭に位置する国家としての自覚から、といえそうだ。煮え切らない態度は、エジプトを切ってしまえば、ロシアがエジプトに対する影響力を増すことになることが分かっているからだろう。

 しかし今度のアメリカの国連大使である、サマンサ・パワーは人権擁護の面では強い主張をする人物であり、エジプト軍の弾圧的行動に対し、当然それを非難する姿勢と思われるから、エジプトに対するアメリカの姿勢は国連の場では厳しいものが予想されるし、それに伴って援助が打ち切られる可能性も低くは無いであろう。ただしこのサマンサと言う人物は、イスラエルのパレスチナ人に対する虐殺などには甘い点を与える人物だから、ムスリム同胞団の台頭を懸念するイスラエルの視点からエジプト軍にも甘い点を与えるかもしれない。


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◎エジプト情勢:プーチンは軍支持、オバマは迷っている

◆プーチンはエジプトの軍を支持
http://www.debka.com/newsupdatepopup/5380/
【8月17日 DEBKA file】

 ロシアのプーチン大統領はクレムリンで17日「エジプト情勢を議論し、ロシア軍の装備をエジプト軍が使用できるようにするため」の特別会議を開いたと、モスクワで発表した。

 プーチンは、「ロシアはエジプト軍との合同軍事演習を計画するだろう」と語った。ロシアの行動はムスリム同胞団に対するエジプト軍の弾圧を糾弾する欧米と直接的に衝突するものだ。これはアメリカのオバマ大統領が、アメリカの不満を表す、エジプトと合同軍事演習をキャンセルするとの発表の後に行われた。


◆エジプト問題でジレンマに陥ったアメリカ
http://www.voanews.com/content/obama-caught-in-dilemma-on-egypt/1731792.html
【8月17日 Kent Klein】

 エジプト軍がムスリム同胞団その他のデモ隊に対する流血の弾圧を継続する中、この危機に対処することでは、アメリカのオバマ大統領の選択肢は狭まってきている。オバマは今の所は、エジプト暫定政府に対する支援を削減することは拒否している。

 大統領は、エジプト軍に対する政府の対応面では再考中であることを明確にしている。

 「我々はエジプトとの関係は維持したいとは願っているが、その協力関係は市民が通りで殺害され人権が剥奪される状況下では、今までのように継続させるわけには行かない」と彼は、アメリカは合同軍事演習をキャンセルしたという15日の発表の時に語った。

 オバマは先月のエジプトのモルシ大統領を追放した動きを「クーデター」だと烙印を押すことは避けてきた。そのような声明を出せば、自動的にエジプトに対する毎年のアメリカの13億ドルの援助は停止されることになる。大統領官邸では、そのようなことをすれば、エジプト軍指導部に対するアメリカの影響力を低下させることになることを懸念している。

 アメリカのマハディ・ブレイを含む有力なイスラム教徒たちは、強力な行動を願っている。

 「我々アメリカ・ムスリム同盟は、『クーデターには資金援助はノー』というキャンペーンを継続するつもりだということをはっきりさせておく。クーデターでできた政権なのだから、アメリカがエジプトに対する資金援助は即座に停止するよう呼びかけている」とブレイは語った。

 ワシントンのラシク・ハりリ・センターの副理事であるタレク・ラドワンは、これを建設的ステップと呼んだ。しかし彼は、エジプト軍に対するアメリカの影響力は失われつつあると語った。

 「エジプトと共有してきたことはあまりに限定的で、狭い範囲のものだったので、我々は殆ど選択肢がないし、現在起きていることに対する影響力も少ない。我々が威厳を維持しつつ取れる行動は、事実上、軍事援助を停止する事である」とラドワンは語った。

 エジプト軍の指導者であるシシ将軍は、ワシントンの中東研究所の学者であるダニエル・サーワーによれば、アメリカの援助を失う事も辞さないだろう、という。それは、エジプトの隣人らの方がずっと大きな援助をしているからだ、という。

 「私はシシ将軍は、自分がアメリカの援助を失うだろう、ということを、この弾圧の前に計算していたと思う。彼が考えていたことは、これがムスリム同胞団と彼との間の実存的な戦いである、ということだ。そしてこうすることは彼の生き残りを賭けた戦いでは必要なことなのだ」とサーワーは語った。

 しかし、ラドワンは援助の停止はしても、一定の影響力を持つと語った。彼はエジプト軍がアメリカとの関係を損なうことを願っているとは考えていない。

 「援助とは金だけのことではない。関係そのものについてなのだ。アメリカと事を共にする、という可能性のことだ。またその関係を切断するということは、孤立するということであり、エジプト軍はそうなることにいい気持ちでいられるわけが無い」とラドワンは語った。

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