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NATOの演習に参加するF-16ファイティング・ファルコン
◆3月13日
昨日はロシアの空挺部隊が軍事演習を始めたという内容であったが、今日はNATOが同じくウクライナ国境付近で軍事演習を開始した、という内容である。両者がウクライナ・クリミアを巡って、角突き合わす構図となった。
キューバ危機の時には、ケネディー大統領(当時)の不退転の姿勢の前にソ連側が折れて、キューバ向けのミサイルを反転させて危機を脱したことがあったが、今回はプーチン側が折れることはないから、折れるとしたらNATO側である。
リビヤでのNATOの仕打ちに激怒したプーチンはシリアでは一歩も引かず、そのためシリア問題は、アサド政権が欧米側の思惑から外れて、現在に至るも健在であるし、ウクライナ、とりわけクリミアとなれば、ロシアが欧米に絶対に譲る事はない事情があるから、プーチンが引き下がるわけがない。またクリミアだけでなく、恐らくはロシア系住民の多い東部一帯はロシア側が取り込む可能性が高いだろう。つまり、ウクライナは東西に分裂する可能性が高くなっている。
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●NATOはウクライナ国境近くで空軍の演習を開始
http://rt.com/news/nato-war-games-poland-142/
【3月11日 Russia Today】
NATOはポーランドで軍事演習を開始した。アメリカからの米戦闘機がこの演習に参加する。悪天候のため黒海での海軍演習は遅れている。アメリカはこの演習はウクライナで問題が起きる前から計画されていたものだ、と言っている。
空軍の演習はポーランド中央のラスク空軍基地で11日に開始された。ポーランドのコモロウスキー大統領は演習に立会い、4機のポーランドのF-16戦闘機が離陸するのを見届けた。アメリカのハーキュリーズ輸送機が支援スタッフと共に到着した。少なくともアメリカの12機のF-16戦闘機と300人の兵士が13日までに到着することになっている。
コモロウスキーは、クリミアの件は直接語ることは無かったが、「東方の出来事」は緊縮財政の時に軍事的支出を認める理由になった、と語った。
「NATOのボーダーでもあるポーランドの国境線の東方の出来事が、ポーランドの安全保障問題において厳しい決定をさせるようになることを期待する」と、彼が語ったとロイターは報じた。
このアメリカのジェット戦闘機を参加させるという決定は、アメリカのチャック・ヘーゲル国防長官とポーランドのシーモノアク国防相との間の電話会談で9日になされた。アメリカ政府はこの空軍の演習は前もって以前から計画されていたものと主張しているが、シーモノアク国防相は演習は小規模なものだったとし、輸送機だけが参加していた、と語った。
最近のクリミアの出来事に鑑みて、シモニアク国防相はアメリカ国防総省にジェット戦闘機を送るよう要請した。
「これは我々の要請だ」とシモニアクが語ったとロイターは報じた。「我々はすぐ回答がきたし十分な数だったことを評価している」と大臣は語った。
10日、NATOはウクライナでの危機の状況をモニターするために、ポーランドとルーマニア上空での早期警戒機の飛行を承認した。警戒機はドイツのガイレンキルヘン基地とイギリスのワッディングトン基地から飛行することになっている。そこから警戒機はルーマニアの基地に11日に飛行することになっている。
先週アメリカの決定で、KC-135 空中給油機と6機のF-15戦闘機をNATOのバルチック海空域のパトロールを補強するために送ることになった。これらの航空機は1月1日に到着した4機のF-15を補強することになる。
バルチック同盟国は、クリミア半島でのウクライナとロシアとの間の手詰まり状況が悪化する中、支援を要請していた。事態の推移と共に、アメリカのジョン・ケリー国務長官は、アメリカの控えめな軍事力の展開は、「我々のNATO同盟国に対する保証に向けた実体的なステップ」として見做されるべきである、と語った。
強い風と高波がアメリカとブルガリア、ルーマニアの海軍の演習を24時間遅らせている、とブルガリア国防省が語った。
「天候は良くなってきているし、海もそれほど荒れなくなったので、更に延期になるとは思っていない」と、ディミター・ティテフ中佐が語ったとロイターが報じた。
アメリカは空軍の演習と、黒海でのルーマニアとブルガリアと共同の海軍演習はウクライナの危機が生じるずっと以前から計画されていたものだ、と語った。
8日、アメリカの駆逐艦のUSSトラクスタンが、トルコのボスポラス海峡を通過し黒海に入った。この艦船は300人ほどの乗組員がいて、「以前から計画されていた」、ブルガリアとルーマニア海軍との共同演習に向かっている。この演習は実弾を使用する予定はない。
アメリカ海軍の駆逐艦トラクスタン
USSトラクスタンはアメリカ海軍の駆逐艦としては最大なものの一つで、3月12日から14日の間にブルガリアのヴァルナ港を訪問する予定になっている。しかしながら、ティテフは、悪天候のため到着時刻を前もって言うことは、現在のところ出来ないと語った。
「ブルガリア海軍のドラツキーフリゲート艦と三隻のルーマニアの海軍艦船が演習に参加する予定で、その演習はルーマニアのコンスタンタ港の南東の国際水域で行われる。コンスタンタはロシアの黒海艦隊の基地であるクリミアのセバストーポリ港から220マイル離れたところにある。
この演習は3月16日に予定されている国民投票に先立ちクリミア自治共和国議会が独立宣言を採択した状況下の中で行われる。
アメリカはクリミアの国民投票を認めないと言っているが、ロシアの議会では国民投票の後、クリミアのロシア帰属問題だけを議論するだろう、と語った。
この危機は最初、2月28日に起きた。国家の標識の無い部隊がクリミアの空港とその他の戦略的施設を占拠した時点で始まった。欧米は、これらの部隊はロシアがコントロールしていると言い、それに対しロシアのプーチン大統領は否定した。クリミア当局は、これらの部隊は「自衛団」に属する者たちだと述べた。ウクライナ政府との合意では、ロシアはクリミア半島に2万5000名の部隊を擁する事ができることになっている。
アメリカはウクライナに対する軍事侵略をしたと糾弾しているが、ロシアはいかなる行動もロシア市民を攻撃から保護するための国際的規約の枠組み内であると否定している。
プーチンはウクライナ内でのロシア軍の展開は、「最後の手段」としてのみありうる、としている。
この危機に対する外交的的解決の望みは、ケリー米国務長官がこの問題でロシアのラブロフ外相と話合うため10日にモスクワを訪問する予定をキャンセルしたことで、厳しいものになった。
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