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アメリカの工場

◆10月31日

 昨日のダウは250ポイント近く下落した。それにつられてドルも再び1円ほど下落、90円を切りそうになってきている。
 下記にあるように「景気後退局面の終了が確実となった」と読売新聞も報じたが、アメリカの発表そのものを受け売りで報じたもので、なんらの分析もなされていないようで、情けない限りである。

 このブログでは第2波、あるいは第3波までくることをずっと指摘し続けてきている。この点を理解しないエコノミストやアナリストが多すぎるようだ。それは金融システムの抱えている問題は解決していない、という点に尽きる。だから時間の経過と共にその影響は拡大せざるを得ず、いくら応急手当をしても、それが持たなくなる時が迫ってきている、ということだ。

 基本的には消費者の消費力が落ちているどころか、これからますます減少していくから、どこにも出口はないことを理解すべきだ。これに加えて各国がドルを貿易決済通貨として使用する傾向から離脱しつつあるから、ドルはこれからも下落基調は変わらないであろう。それがある点に達すれば暴落という局面が生じるだろう。これに各自は備えねばならないだろう。

 下の記事は社会主義的観点からの指摘だが、アメリカの状況が説明されている。もっと刺激策を、という点は、我々からみると、焼け石に水だから、止めたほうが良い、と言っておきたい。もっと本質部分、すなわち連邦準備制度にメスを入れること、これの国有化が必要なのだ。これをやらねば、アメリカ政府が破綻するだろう。

 このブログではアメリカの内乱問題まで論じている。


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アメリカのGDP数値は深刻化する経済危機を隠しているhttp://www.wsws.org/articles/2009/oct2009/usec-o30.shtml
【10月30日 By Barry Grey】
 商務省は27日、アメリカのGDPは7月~9月の第3期に年率3.5%に成長したと報告した。過去の4半期4期の継続したマイナス成長を塗り替えた。
 オバマ大統領は、この報告を歓迎し、「いいニュースだ」とし、「リセッションが収まりつつあり、我々の取った措置が功を奏した」と言った。ウォール街はこの報告に沸いた。ダウ・ジョーンズは200ポイント上げた。1週間の損失を取り戻し、10000ポイントに接近した。

 この成長率の増大は殆どの予想を上回った。ダウ・ジョーンズ・ニュースワイアーの調査によるエコノミストの予想では、この4半期では3.2%だった。
 多くのエコノミストとメディアの報道では、GDPの成長は2007年12月に始まったリセッションは正式に終わったことを意味する、という。
 しかし、アナリストの何人かが指摘していたように、成長のスケールは増え続ける失業率、賃金カット、記録的な稼働率の低下という経済の実勢に対するゆがめられた姿を与えている。

 GDPの3.5%の増大分の63%(2.2%)は翌月には満期となる消費者向け政府の税還付だ。政府支出が0.6%の増加分となっている。

 一般的には、GDP上昇は、今までのところ11兆ドルと見積もられている空前の公的資金を金融システムに投入したことによる当然の結果だ。この資金の金融エリートたちに対する投入の結果は、持続不可能の財政赤字とドルの急落であり、これはドルの準備通貨としての地位と貿易決済通貨としての地位を脅かしている。
 その結果は失業率を落とすほどにはならない短期の成長の押し上げである。それはこれからの数ヶ月で金融・経済のより一層大きい問題を生み出す。

 一時的な経済成長に拍車がかかったことは、労働者階級の犠牲でなされてきている。企業利益は回復しているが、殆ど全て広い地域での雇用削減と賃金カット、労働時間の短縮に負っている。政府からの数百億ドルの支援と、低利ローン、債務保証その他の助成金を受けたウォール街の主要銀行のいくつかの利益は上昇した。
 大銀行は、政府のばら撒き資金で投機を行い、昨年の金融危機で激減した投機資金の穴埋めにしようとしている、そして彼らの重役とトレーダーらには破格のボーナスと包括決定資金が与えられた。

 労働力の厳しい搾取と共にボトムからトップまでの富の再配分は、株式市場における上昇を促した。S&P 500株価指数は3月最低から60%上昇した。
 簡単に言えば、GDP数値は労働者階級の社会的貧困化と経済不況の増大の上でなされた支配エリートらのための危うい回復を表している。

 3.5%の成長のほぼ半分となる1.7%は自動車生産から来ている。今年8月で終了した昨年の夏の車購入者向け助成金の結果である。自動車生産業に向けられた資金投入は9月には35%の販売数減少として逆の結果となった。

 初めての住宅購入者のための政府の8000ドルのクレジットは23.5%もの住宅建築率上昇を生み出した。これはGDPを四半期で0.5%押し上げた。しかしこのプログラムは11月30日に期限が切れるようになっているため、更なる住宅販売と価格の落ち込みが懸念される。
 GDP数値の下に横たわる今の危機の指標は、設備投資の減少が成長率を 0.24%押し下げていることだ。第3期に設備投資は2.5%下落した。

 もう一つは労働省レポートの失業保険需給申請数だ。新たな申請者数は予想より1000件ほど減少しただけの5000件となり、先週の1万1000件に続いて増大傾向が続いている。10月24日終了したこの週の総数は53万件で、32万5000件という、健全な経済環境と考えられている線から比べはるかに高い数値となっている。10月17日までの申請者数は580万件と大変高い数値になっている。

 これらの数値は現在の失業率である 9.8%を10%に押し上げることを予測させる。実際の失業率は、職探しをあきらめてしまった人々と、パートタイムを強いられている人々も勘定に入れると、17%となり、3000万人となる。
 大量失業者数はオバマ政権による、ドルの下落と低賃金を基礎にした「消費を減らす」政策とアメリカの輸出を促進する政策の武器として利用される。

 製造業に従事する労働者の平均賃金は9月わずかに0.7%上昇しただけなのは、週平均労働時間が33時間に減少したからだ。これは年平均に直すと1964年から記録されている中で最低の成長率だ。

 2008年12月にピークに達してから、実際の週平均収入は労働統計局によれば、1.9%減少しているとなる。9月の工場稼働率は67.5%で、平均の80%には及ばない。
 これらの労働賃金と収入の下落スパイラルは、生産性の急上昇と相まって、企業収益率を押し上げている。USAトゥデイ紙が22日報じている。「企業収益はアナリストの予測を大きく上回った。Standard & Poor’s 500(S&P500種株価指数)の半数の企業は予測を上回る81%もの増加を報告しているとロイターが伝えた」
  これらの収益は第3期における歳入の10%下落にもかかわらずおきていることに注目して、「頻繁におきているレイオフと社費の急増が実際の利益を示している」と加えている。

 住宅ローン破綻と住宅差し押さえはずっと継続して上昇しており、長期の失業で叩かれている中流・上流クラス世帯に対する影響を強めている。中小銀行の破綻は増加し続けているし、州政府や地方政府はサービスの削減、無給休暇の強制、解雇などで予算不足と戦っている。

 今週も、カタピラ、US航空、アメリカン航空、シェル石油などの大企業のレイオフが発表された。ミルウォーキー郡は200人の解雇を発表した。

 銀行は政府からの支援金を貸し出しに回すよりかは、反対のことをしている。ニューヨーク・タイムズ紙は22日、8月の商業銀行からの消費者向けの貸し出しは450億ドルで、昨年末に比べて減少していると報じている。企業向け融資では、9月には1兆4110億ドルで今年初めから比べ1700億ドルの減少となっている、という。

 このような社会的な危機状態はコンフェランス・ボード社の今週の調査レポートによれば、消費者信頼指数に反映されているという。この最新の指数では、消費者信頼指数は9月が53.4%だったものが、10月には47.7%に減少したという。この8ヶ月で最大の落ち込みだという。

 深刻化する危機の更なる兆候は、商務省が21日発表した報告で、住宅販売数は9月、期待に反してこの半年で初めて減少したという。住宅購入者はバーゲンで売りに出されている現存の差し押さえられた住宅の方を選択したからだ。新築住宅販売は8月から9月にかけて、3.6%減少した。

 この新築住宅販売の減少は、新しい住宅購入者向けの税額控除期限が切れることと、更なる差し押さえが期待されることで既に昨年から11.3%下落している住宅価格の更なる減少の条件を生み出している。

 オバマ政権のGDP数値に対する歓迎の姿勢にもかかわらず、彼らは失業率が10%を超えることを認めている、少なくとも2010年末まで9.6%は続くことを予想している。
 先週、オバマ大統領の経済顧問のクリスチャン・ロウマー氏は、議会に対し、2月に行われた7870億ドルの刺激策の賞味期限は既にきれた、と述べた。
 「殆どの経済予想は、来年のGDP成長は、2.5から3%の間と見ている。就業率を保つためには2.5%の成長が必要なので、この程度の成長では失業率を減らすまでにはいかないだろう。4から5%のGDP成長がなければ、失業率を下げることは無理だ」とロウマー氏は22日語った。

 これにもかかわらず、オバマ政権は、新しい刺激策に反対している。また、赤字を減らすためメディケア予算のカットを含む、 厳しい政策を準備しようとしている。



NY株急落、250ドル安=消費不振を警戒
【10月31日 時事通信】
 週末30日のニューヨーク株式相場は、米景気のけん引役である個人消費の先行き懸念が強まり、急反落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比249.85ドル安の9712.73ドルと今月5日以来の安値で終了。1日の下げ幅としては4月20日(289.60ドル)以来約半年ぶりの大きさだった。
 ハイテク株中心のナスダック総合指数も同52.44ポイント安の2045.11の大幅安。9月8日以来、1カ月半ぶりの低水準で引けた。 


米GDP、5期ぶりプラス…景気後退終了へ
【10月29日 読売新聞】
 米商務省は29日、2009年第3四半期(7~9月)の実質国内総生産(GDP)(速報値、季節調整済み)が年率換算で前期比3・5%増だったと発表した。
 08年4~6月期以来5期ぶりのプラス成長となり、07年12月から続く戦後最長の景気後退局面の終了が確実となった。
 低燃費車への買い替え促進策などの景気対策により、GDPの約7割を占める個人消費が前期の0・9%減から3・4%増に大幅に改善した。自動車や家電などの耐久財が22・3%増、衣料などの非耐久財が2・0%増だった。
 輸出は14・7%増、輸入は16・4%増と、いずれも前期のマイナスからプラスに転じた。政府支出・投資は2・3%増だった。
 昨年秋の金融危機の影響で、米GDPは08年10~12月期に5・4%減、09年1~3月期に6・4%減と大幅に落ち込んだ。しかし、2月に成立した7870億ドルの景気対策法などの効果で小売りや住宅市場が底入れし、09年4~6月期には0・7%減まで大幅に改善した。米連邦準備制度理事会(FRB)も景気が底打ちしたとの認識を示していた。

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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