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      図1             図2              図3

◆10月25日

 パーナンキ連邦準備理事会議長はヘリコプター・ベンと言われていたそうだが、いざと言うときにはドルをヘリコプターからばら撒く、という彼の持論がある。今、彼はそれを実行している。しかしそのような動きをいつまでもやり続ければ、やがて世界中のドルに対する信頼は失われ、アメリカ自体を崩壊せしめるだろう。

 以下の主張点は、金融経済から実体経済への移行がアメリカを救うということだ。これは日本も同様であり、民主党政権での亀井大臣の郵政民営化の撤回も、日本人の最後の虎の子の資金を怪しげな金融デリバティブ商品に投入させうる道を開くところだったものを、寸でのところで阻止したようなものだ。アメリカの国債も同様であり、持っているだけで資産価値はどんどん減少し、最後にほぼゼロに近くなるだろう。
 また同じ亀井大臣のモラトリアム発言で世論が騒いだ一件も、結局は日本の優秀な中小企業を金融問題のために崩壊せしめてはいけない、ということであり、当然な措置である。日本の銀行が支援しないから、中国などがどんどん買収してその優秀な会社やその技術がどんどん外国に流れている。
 
 実際は銀行などは、経済の主流となってはならないのだ。無価値な自然的な存在を人間の利用できる存在に変えていくことの中に価値の創造があり、それが富の創造になるからだ。銀行は人の金を右から左に移すことで手数料を稼いでいるだけだ。銀行がいい加減なことをすれば、企業が最後は自分の資金だけで会社の運営をしていくようになるだろう。

 従ってこれからの人間社会では、銀行業はあくまでも脇役に徹し、決して実体経済の運命を左右するような今のような存在にさせてはならない。まして自らはなんらの価値の創造をしないのであるから、その手当ても質素なものでなければならない。数億、数十億のやれ年俸だ、ボーナスだ、というような社会は終わらせねばならない。


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ドルを破綻させる前にバーナンキを排除せよ
http://www.larouchepub.com/other/2009/3641dump_brnke_b4_dlr.html
【10月23日 by John Hoefle】

 10月17日、我々はバーナンキ連邦準備制度議長(Fed)の救済政策はドルの下落を招来せしめ、世界の金融システムを崩壊せしめると警告した。世界の多くの債権者らも同様の見解を示した。
 その中でも中国人は懸念を表明するにはっきりしていた。中国と日本はアメリカ国債の保有者では1位と2位だ。2009年8月の時点で、それぞれ中国が7970億ドルと日本は7310億ドルだ。3位のイギリスの2260億ドルよりずっと多い。もし中国なり日本がこの国債を買わなくなれば、あるいは清算し出せば、アメリカは深刻な局面に直面する。

 中国は特に、バーナンキ議長がドルを破綻させることで、そのドルを保有している自分たちの外貨資産価値を無に帰するのではないかと心配している。この心配を和らげるために、ガイトナー財務省長官を含むアメリカ高官らが中国に繰り返しドルの価値を高く維持すると約束してきた。
 しかしながら、アメリカ政府の高官らの約束にもかかわらず、最近のFedの動きはドルをゆっくりと下落させる歩みを進めていることを示している。この価値の下落政策は、銀行筋によれば、Fed内部に緊迫した議論を引き起こした。地方の連邦準備銀行の職員には、ワシントンの連邦準備制度理事会の理事より実際的な者たちがいて、彼らは、特に連邦政府の完全な店じまいを避けるために現金が必要な時なので、自分たちの債権者らを欺くことは賢いやり方ではない、と理解している者たちがいる。

 リンドン・ラルーシュは以下のように語っている。

 バーナンキ議長のやっていることは最悪だ。彼はアメリカ政府を嘘つきにしている。政府職員はドルを防衛すると約束したが、バーナンキの政策はそのドルの価値を下落させている。今やバーナンキには出て行ってもらう時が来ている。
 バーナンキを排除しなければならない。アメリカ大統領は、中国に約束したが、バーナンキはその合意を放り投げている。これは看過できないことだ。もしバーナンキと中国とを選択するとすれば、どちらが我々にとって重要なのか、といえばこれはどうあっても中国なのだ。
 アメリカは彼の失敗を看過できない。これは慢性的なもので、一過性のものではない。世界的な金融メルトダウンの状況下で、このような動きは人類を新しい暗黒時代に引きずり込むことになる。

 地方の銀行家やエコノミストの中にはこのことを理解する人々がいる。それは彼らの地方の連邦準備銀行で何が起きているか知っているからだ。彼らはバーナンキ追放の要請に直ちに加わるべきだ。

◆ドルからセントへ
 救済措置を段階的に縮小させる議論にもかかわらず、Fedはこの政策にしっかりコミットしたままだ。連邦準備銀行はセキュリティの保有高は3倍以上に膨れ上がった。2008年末で5000億ドルだったのが、今年9月1兆6000億ドルになっている。(図1)7000億ドル近い増加は担保抵当権付き有価証券(MBS)の購入によるものだ。(図2)

 これらの証券の購入のために、Fedは膨大な紙幣を印刷してきた。2007年7月に金融システムが崩壊して以来、そのバランス・シートを2倍の2兆ドルにさせた。そして我々はFedが一切の真実を明らかにしていると信じるいかなる理由も持ち合わせない。バーナンキが議会と一般大衆を幾度となく欺いたやり方を見れば、また審査を受けることに抵抗しあらゆる努力をしたことを考慮すれば、あるいは、救済のための資金の詳細を明らかにする点で示した抵抗など、連邦準備銀行は多くのことを隠していることは明白だ。その中にはバランス・シートも含まれているのではと考えざるを得ないのである。

 一つだけはっきりしていることはFedの資金調達のやり方は世界中の警戒心を呼んでいる、ということだ。これはドルが急速に下落することに現れている。図3は、過去数年間の、主要通貨のバスケットに対しての価値を示している。期間は図1と図2と同じである。
 この図を比べてみると、Fedがより多くの証券類を購入すれば、それだけドルの下落が早まっていることが分かる。バーナンキは、彼の狂った救済スキームによって、経済と共にドルの価値を抹殺していることになる。
 彼は意図しているわけではないのかもしれないが、ドルの価値を数セントに近づけている。ひどい政策なのだ。

◆赤字
 このひどい政策の影響は、連邦政府の歳入と歳出のギャップにも現れている。
9月30日に終わった2009年会計年度は、連邦政府の財政赤字は1兆4000億ドルで2008年度のそれと比べて1兆ドルも増加している。これらはいまどきの多くの会計統計と同じく会計のトリックが行われているオバマ政権の公式発表された数字だ。赤字の額は「我々として認めてもいい程度の数字」ということであり、実態はずっともっと悪いのだ。しかし、底は抜け、状況は持続不可能である、ということを理解するのに正確な数字を知る必要はない。

 これらの赤字は勿論、借入金で賄っている。そしてドルが下落しているので、外国人投資家がアメリカの国債を購入する動機は縮小している。
 特にドルの価値を下落させることで、負債を償還する計画でいることがよりはっきりとしてきているのだから。

 中国と日本、その他の投資家らがアメリカに資金を貸し続けるのは、もしそれを行わねば、アメリカ政府は崩壊して、貸した金がチャラにされることを恐れているからだ。それが実際のところなのだ。またオバマ政権はその状況を明らかに使いこなしている。

◆3重曲線
 最終的には、アメリカ国債を人々が購入しようとしなくても、問題ではない。それは経済・金融の領域で、一切を支配している原動力は、3重曲線として表現されたプロセスだ。救済の話で注目されるのは、最初の図1と図2である。通貨・金融の集合体だ。実体経済活動を表す方は図3で、これに我々の招来がかかっている。

 ウォール街とロンドンのシティーの愚か者たちの主張にもかかわらず、金(マネー)が世界を動かしているのではなく、実体経済の生産性が世界を動かしている。我々は金を食べるわけではない。もっとも将来のいつか、掘っ立て小屋を価値のなくなった紙幣や証券で作るようになるかもしれない。ワイマール共和国では、人々は価値のなくなった紙幣を燃やして暖を取ったというから、暖炉のある人は覚えていたほうがいいかもしれない。良いニュースは、我々は億万長者になれるということだが、悪いニュースはそれでパン一斤買えるかどうか、ということだ。

 アメリカでは物的な生産は減ってしまった。下落しているドルのため、外国人のバイヤーは少し残っている生産品を安く買えるようになった。バーナンキの在庫一掃セール、ないしは店じまいセールと呼ぼう。いずれにせよ、不吉な前兆だ。

 何が必要かといえば、緊急的に、富を再び生産し始めることができるようになる、アメリカの生産的基盤、インフラ、産業の再建をするための短期集中計画だ。このために我々は小規模な支援の役割以外、銀行を必要としない。必要なものは、古風なブルーカラー職だ。物を作り出す仕事、鉱石を金属に変化させ、金属を機械に、構造物に変えるようなことだ。そうやって人間労働の力を増大させることだ。
 我々は人間知識の限界を押しのける科学者を、またその知識を仕事に適応する技術者を必要としている。丁度、月・火星計画のような将来の可能性に力を集中するための、そうすることで、楽観的な見方をとることができ、自分たちの運命を支配する意識を再び取り戻すようにさせる国家的な使命感のある目標を必要としている。

 我々は断崖の淵に立っている。そこから深淵に飛び込むこともできるし、空に飛翔することもできる。10月16日号で示したラルーシュ計画を実行することで、後者を選択しよう。バーナンキのドルと一緒に舗装された道を行くことで新しい暗黒時代という地獄に落ちるより火星にまで飛翔する方がよっぽどよいのだ。

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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