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財政赤字に苦しむ米国各州
◆10月23日
アメリカ連邦政府の財政もさることながら、州政府もそれ以上に厳しい状態になっていることはこのブログでも何回か示してきた。
経費削減のため切り詰められるところを必死に切り詰めるが、それでも希望的な展望を開くところまでは行かないようだ。
そのような危険水域に達している各州に対し、連邦政府が支援を充分にしなければ、連邦政府に対する求心力は失われ、離反的傾向が強まる、とこの論文では記している。そのとおりであろう。
このブログではロシアのパナリン教授や未来予測のセレンテ氏の言っているように、アメリカ合衆国の分裂の可能性は否定しない。
そこまで行かずとも、相当の騒乱状態が惹起されるものと見ている。それが内戦状態にまで悪化するかもしれない。
しかしそこから新しいアメリカが始まることになるわけで、問題はそれが問題の一番の核心になっている、中央銀行、このアメリカの場合には、連邦準備制度、の抜本的な改革がなされるかどうかだ。
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●オバマ大統領と州政府の財政危機
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=15765
【10月21日 by Tom Eley】
オバマ政権の階級的性格は、統計にはっきりと表れている。:オバマ大統領は12兆ドル以上を金融業会に対する注入、ローン、そして保証に注いだが、巨大財政赤字に悩む州政府に対しては今までのところ、3000億ドルほどしか供給していない。
オバマ政権はいくつかの最大級の州政府、例えばカリフォルニア州やペンシルベニア州などデフォルトの淵にある州政府に対する緊急支援を与えることを拒否してきた。州が就労者のレイオフ、教育費、医療保障、その他の重要な社会保障の支出削減、を進めている最中、ホワイトハウスは何もしなかった。
州政府が直面している危機は今まで無かったような規模のものだ。大規模なレイオフ、無給休暇、賃金カット、事務所の閉鎖、業務削減などを行い予算のバランスを取ろうとしている。最近終わった会計年度で赤字が積みあがったためだ。
政府系のネルソン・ロックフェラー研究所の今週号の報告によれば、4月から6月までの税収入は50年間の記録を破って16.6%の減少となった。49の州がこの四半期で歳入の減少を見ていて、36の州では2桁のマイナスとなっている。暫定的なデータでは、7月と8月の税収は、8%の減少となっている。
殆どの州では翌年の予算を7月末に決めている。2ヶ月と少し後になって、少なくとも、18の州が予期せぬ営業損失に遭遇し、そのため更なるサービスのカットが必要となった。
州の予算危機は大部分は、アメリカ人の労働者の貧困化が原因で起きた。レイオフと賃金カットは前年に比べて州の所得税収入の27.5%の減収をもたらした。ロックフェラー研究所によれば、追い詰められている労働者は当然のことだが、消費財を買わなくなったため、消費税の9.5%の減少となっていると、言う。
住宅価格の減少は不動産税収を大幅に減少させた。
失業率の増大は、州を破綻させているだけでない。それは大恐慌以来の社会的危機状況を生み出している。5つの州、ミシガン、ネバダ、ロードアイランド、カリフォルニア、オレゴンでは、失業率12%以上となっていて、ミシガン州では15.3%だ。
この社会的危機は州の予算に大きな負担を強いている。資金拠出のほぼ半分を貧困者に対する失業保険、フードスタンプ、医療扶助に使っている。その他には公立学校、大学だ。
毎日大規模なレイオフや支出削減が行われたり持ち上がっている。
6億ドルの赤字を埋めようとして、マサチューセッツ州の民主党のデバル・パトリック知事は20日、労働者が賃金と給付金のカットを受け入れなければ2000人の解雇をすると脅している。
同じく20日、ニューヨーク州のデイビッド・A・パターソン知事は、今年30億ドルのカットの概略を示し、州は3年間で500億ドルの損失を出すと警告している。パターソン知事は教育、医療、公共運輸での大規模なカットを提案し、州の全ての省庁に対し5億ドルの予算の減少を要求した。
アイオワ州の民主党のチェット・カルバー知事は先週、州の支出の一律10%のカットを命令した。これは5億6500万ドルになる。このカットは州の公務労働者の1000人の解雇になると予想されている。
テネシー州は7億5300万ドルの予算の減少では足りないことが明らかになった後、来年の予算から3億5000万ドルの追加のカットをする予定だ。その他のカットされたものの中には、テニケアーという医療プログラムに対する拠出を減らす予定だ。また7億5000万ドルになると予想される「雨の日ファンド(緊急支援ファンド)」を廃止する。
州が直面している状況は、更に悪化すると思われる。失業率のように、州と地方自治体政府の財政状況は「遅行指標」と見なされている。
「リセッションの終わりは州の予算の問題の終わりを意味しない」とロックフェラー研究所の財政問題専門家のロバート・B・ワード氏は語る。ワード氏は「長く厳しい2、3年となる」と予想している。
州立法府国内会議のコリナ・L・エケル氏は2001年に最後のリセッションが終わった時、州の予算状況は更に2年間悪化し続けた、と指摘した。
2011年会計年度で連邦政府の刺激策の資金が使い尽くされた後、州の危機は、更に悪化すると考えられている。州に対する刺激策計画の特典は財政危機により矮小化させられている。税収における今年の630億ドルの減少は刺激策で受け取った額の2倍である。いくつかのケースでは、完全に破綻するところを阻止してきた。例えばミシガン州では、数億ドルの刺激策資金を2010年の予算の赤字20億ドルの補填に向ける予定だ。
議員たちはこの資金が無くなれば更なる社会支出のカットが必要になると認めている。前のリセッションと違って、今進められているレイオフと政府のサービスの減少は元に戻ることはないだろうと、受け止められている。
「収入に応じた生活」、と、「厳しい選択」の名の下に、オバマ政権は次の刺激策には反対している。カリフォルニアの予算の危機の最中、州はオバマ政権に対し260億ドルの赤字を埋めるための支援を要請した。州は「信用力を復帰できる改革を実行すべきだ」、と言って、政府はこれをにべもなく断った。
連邦政府が州に対して行っている反動的な役割は、。連邦政府は州に反対された社会改革をすることでその存在の意味が明らかになった歴史的な国の歴史の一こまにあるものの逆転である
1950年代から60年代にかけてのアフリカ系アメリカ人労働者の大衆闘争に対する対応で、アイゼンハウアー、ケネディ、ジョンソン政府は南部の州に対し連邦政府を対抗させる一連の動きを執った。1930年代、フランクリン・ルーズベルト大統領のニューディール改革法は州の実力者たちの間に、連邦政府が地方の権力を不当に奪っているという非難を呼び起こした。
そして1861年から65年にかけて、リンカーン大統領の連邦政府は成功裏に南北戦争を行い、奴隷労働の終焉と南部の奴隷所有階級の破壊につながった。
オバマ大統領の下では、連邦政府は反対の役割を行っている。州政府が日ごと解体しつつある中、州の社会支援策に依存する労働者や生活をそういった策に依存している就労者は連邦政府からは完全に無視されている。
この新しい連邦政府と州の関係は、国家の政治的動きの中で長い間爆発力を秘めている離反的な傾向を強めるだけだろう。
政府のあらゆる部門をコントロールしているウォール街の政策に対する民衆の反発が強まるので、必然的に生まれるのは、連邦制度の内部における増大する緊張であろう。
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