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爆弾テロの被害者
◆10月21日
42人の死者を出した自爆攻撃がイラン南部の都市で起きた。これには革命防衛隊の司令官数人が含まれ、その規模と情報の正確さから、イラン首脳部は背後に米英の情報機関の関与を見ている。
イランに対しては既にこのブログでも指摘してきたように、もう何年も前からイラン政権の不安定化を目指して、アメリカのCIAがイラン国内に侵入しているし、先の大統領選挙ではイギリス大使館が直接関与したということが分かっている。
彼らの狙いは最終的には勿論現在のアハメドネジャド政権の転覆であるが、その前にイランの核濃縮問題をこじらせ、例えばIAEAとの会談でウラン濃縮を外国で行う、というような案で国際社会が納得し一件落着しないよう、ことを荒立てる、という当面の目的もあるだろう。
また証拠を残すことで、イランの怒りを煽りたて、米英に対する直接的な攻撃などを喚起することも狙っていると思われる。ようするに静かにしている素人にやくざが難癖をつけるというのと同じやり方である。
これでイランがいきり立ち米英との直接的対峙、そして何らかの交戦ということになれば、イスラエルの思う壺ということになろう。
これをみても分かるとおり、アメリカのCIAは独自の工作をイラン内部で何年も続けてきているが、これは下記に示したオバマ大統領のカイロ大学での演説にも見られるように、イランに対する工作はしない、ということをわざわざ大統領として発言しているオバマ政権の意向ではない、と判断すべきだろう。イランとの関係をこじらせてアメリカをイランとの戦争に引き入れようと願う勢力はイスラエルであり、イランとの戦いでアメリカが得るものは何もない。
イランに対する最近の工作などはブッシュ・ネオコン政権のものだが、それがオバマ大統領時代になっても大統領の意向に反してでも継続しているのである。だからこのブログでは大統領とCIAとが殆ど敵対的関係になっていることを繰り返して指摘してきている。CIAはアメリカの国益ではなくある勢力の利益になることを進めているのである。
イランが石油取引をドルから他の通貨に替えているが、それをまたドルによる決済に戻すためとしてイラクのようにイランを叩いてアメリカの願うような政権を生み出すようなことは成功するとは到底思えない。
前にも書いたが、CIAとMI6、そしてイスラエルのモサドが存在する限り、世界に紛争は耐えない。パキスタンのISIは9月11日同時多発テロ事件にも関与していると見られるから、CIAなどアメリカの情報機関との深い関係がある。こういうのを腐れ縁と言う。
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●イラン革命防衛隊:米英に報復を誓う
【10月19日 Times Online】
イランの革命防衛隊長官は19日、6人の司令官を殺害したグループを支援したとし米英に対する報復措置をとることを語った。
革命防衛隊のモハマド・アリ・ジャファリ長官は昨日南イランで自爆攻撃を行ったジュンダラと米英そして残念だがパキスタンの情報機関とが直接つながっていることを示す書類を見た、と語った。この爆発で42人が死んだ。
この事件はイランの核計画についてイランと大国との間で行われることになっていたウィーンでの会談に暗い影をさすものとなった。
「事件の背後で、アメリカ、イギリスの情報機関が存在している。彼らに対する報復的措置が必要となろう」とジャファリ長官は語ったとISNA通信が伝えた。
「(ジュンダラの指導者のアボドルマレク・リギ)自身と彼の計画は間違いなくこれらの機関の傘の下にあり保護されていた。・・・これらの機関によって支援され彼らの指令で彼は動いていたことは間違いない」と語った。
アナリストらは、この事件では、アメリカとイギリス双方が非難されるべきで、外国の介入があったという疑惑は、昨日の防衛隊の高官と部族リーダーの会議がシスタン・バルチスタン地方であると知っていたジュンダラの情報分析の正確さのために持ち上がった。これで防衛隊の地上部隊の副司令官が殺された。
自爆攻撃者は、彼の体に巻きつけた爆弾をピシェン市のスポーツ施設の正門で、一行がスンニー派とシーア派の和解のための会議のために到着した時、爆発させた。殺された内の2人は国営放送IRIBの職員だったとこの会社が発表した。
革命防衛隊の地上軍司令官のモハマド・パクプール将軍は、イラン・テレビに対し、攻撃した者たちは欧米で訓練を受けていた、と語った。
「テロリストの基地と反乱者らはイランには存在していない。彼らはアメリカ人とイギリス人によっていくつかの隣国で訓練を受けていた」と彼は語った。
アハメドネジャド・イラン大統領は、アシフ・アリ・ザルダイ・パキスタン大統領に電話をし、攻撃をしたパキスタンにいる加害者らを見つけるよう要請し、ただちに対応してくれるよう要請した。
「イランとパキスタンは同胞関係にあるが、パキスタンにテロリストらが存在しることは、正当化されない」とアハメドネジャド氏はザルダイ氏に語った。
「パキスタン政府はこれらの犯罪者らを早期に逮捕することを支援するべきであり、また彼らは罰せられるべきだ」
ジャファリ将軍はイランの代表団をパキスタンに派遣し、パキスタンがリギを支援している証拠を示すという。「代表団はリギを引き渡すよう要請するだろう」と彼は語った。
アメリカ、パキスタン、イギリスはこの爆弾事件を非難し介入の事実を否定した。 「我々はこの事件とイギリスが関係しているという主張に対し強くそれを否定する」とイギリス外務省スポークスマンは語った。「テロリズムはどこで起きようと嫌悪すべきだ」
パキスタン外務省のアブドゥル・バシト・スポークスマンは、「パキスタンはテロ行為にかかわることはない・・・我々はこの脅威を取り除くことに全力を挙げている」と語った。
開発が進んでいない、イランとパキスタン、アフガンとの国境沿いにあるシスタン・バルチェスタン地方はしばしば治安部隊と少数民族のバルチ・スンニー派の反乱者らとの交戦の舞台となってきた。またアフガンから重武装したドラッグ密輸業者らがヘロインを運び入れる地である。
ジュンドラは、主流であるシーア派のスンニー派とバルチに対する差別の撤廃を目指して戦っていると言っている。5月に起き25人が死んだシーア派モスクに対する攻撃を含め、2005年以来多くの攻撃をしてきたと非難されている。
昨日の爆弾事件は、イランの核兵器の野望に対する問題で膠着状態にある状況を打開せんとして開かれる本日のIAEA(国際原子力機関)のウィーンでの会議に緊張をもたらしている。
一つの案は、国内の電力用と医療アイソトープ計画用のウラニウムを外国で濃縮させよう、とするもの。
イランのIAEAスポークスマンのアリ・シルザディアン氏は、イランは、ロシアとフランス、アメリカとの間の合意が取り付けられねば、追加の濃縮を行うと言っていると述べた。
イランは以前、ジュンドラのメンバーらはパキスタンから工作活動をしていると主張してきた。アナリストのある者たちは、ジュンドラはタリバンからパキスタンのISI情報機関に同盟者を乗り換えてきていると考えている。このパキスタンのISIは過去、スンニー派のグループ、特にアフガンで武器の支援した。
イランとパキスタンとの関係は、それでも最近は総じて良好なものだった。また両国は天然ガスのパイプライン分野で協力する計画を持っている。
●自爆テロに「反撃」宣言…拡大恐れ、対応に躍起
【10月19日 毎日新聞】
イラン南東部シスタン・バルチスタン州で18日起きた革命防衛隊を狙った自爆テロを受け、イラン政府が警戒感を強めている。米英の関与を指摘して非難を繰り返し、革命防衛隊は「反撃」を宣言。6月の大統領選後の政治不安が続く中、民族・宗派対立という新たな火種の拡大を恐れ、対応に躍起になっている。
ロイター通信などによると、これまでに革命防衛隊幹部を含む42人が死亡し、同州の武装組織「ジュンダラ(アラーの兵士)」が犯行を認めた。事件後、イラン側は「テロはイランに対する米国の敵意の表れだ」(ラリジャニ国会議長)などと要人が米英を名指しで非難、革命防衛隊幹部も「報復措置が取られるべきだ」とし、武装組織とパキスタン当局との関係にも言及した。アフマディネジャド大統領はパキスタンのザルダリ大統領と電話協議し、容疑者の逮捕を求めたという。
同州は貧困を背景に麻薬・武器密輸や誘拐など犯罪が絶えず、07年には横浜国立大の日本人学生が誘拐される事件も発生した。民族的少数派のバルチ人、宗派的少数派のスンニ派が多く居住。政権への反発が強く、今年5月にも「アラーの兵士」によるテロ事件で25人が死亡した。
北西部にクルド人居住地域も抱えるイランでは、事件を機に民族問題が拡大することが懸念されている。外国への強い反発の背景には、アフマディネジャド大統領の政権運営のまずさに加え、国内の不安を抑え込む狙いもあるとみられる。
鈴木均・アジア経済研究所副主任研究員は「政権の危機感は高まる一方で、都市と地方を問わず、より治安強化が進むのではないか」と話している。
●元国家安全保障担当大統領補佐官:アメリカはイラン内に工作員を送っている
【6月26日 Infowars.com】
by.Steve Watson
元国家安全保障担当大統領補佐官はアメリカの情報工作員がイラン内にいて、イランの動きに影響を与えることに集中していることだろうと語った。
ジェラルド・フォードおよびブッシュ(シニア)大統領時代の国家安全保障担当大統領補佐官であったブレン・スコウクロフト氏は、アルジャジーラの番組「分断戦」の中で、ジョッシュ・ラッシング氏にイランにいる反政府運動家たちを支援することは、政府のさらなる弾圧を惹起するだろう、と語った。
「イランの情勢を変える試みは我々とさらなる自由を求めデモを行う者達に跳ね返ってくるだろう」と語った。「それで我々は何が最善か見なければならない。地域でのイランの行動に影響を与えるものだ」と語った。
スコウクロフト氏は、元米空軍中将で、ニクソン政権では国防補佐官を務め、その後ブッシュ政権では外交情報審議会議長を務めた。
「イランにアメリカが何らかの情報工作員を持たないと考えることはナイーブではないだろうか?」とラッシング氏は尋ねた。
「勿論、我々はそのような工作員を持っている」とスコウクロフト氏は返答した。「彼らは反政府運動家たちを支援しているでしょうか?」とラッシング氏が尋ねる。「おそらくは。しかし革命防衛隊、民兵など、それに警察が一体となった勢力に対抗するにはとても足りないだろう」
投票データが示すように、18歳から24歳で構成される投票意欲の強い層を含むあらゆる年代に支持されているアハメドネジャド氏を支援するグループがあるが、スコウクロフト氏は以下のように語った。「増大する若い層は今の環境を好ましく思っていない。イランは変わるだろう。それはほとんど避けられないものだ」
基本的には、スコウクロフト氏のコメントはオバマ大統領はCIAのイランに対する介入についての非難は明らかに間違っていると、語ったように、真実については頑なな態度ではないという事実を際立たせる。
この状況について報告してきたように、欧米の情報機関がイランに潜入し、隠密の工作を数年にわたって進めてきているということに議論の余地はない。
CIAを背後に持つネットワークが「ソフト・リボリューション」をイランで、人と人とのコンタクトを通じて進めようとしていることが、6ヶ月前に暴露されている。
このソフト・リボリューションは、実行に移される前にイランの防諜係官によって摘発されたのだ。これは、NGO活動、労働組合運動、非暴力デモ、不服従市民運動、そして部族間紛争を惹起することなどを通して実行されることになっていた。
スコウクロフト氏が指摘していない点は、情報工作員がイランでの政権交代を願うのであれば、今の政府に強権を発動させ流血の弾圧をさせることが、注目している世界の人々の目にとって、今のイラン政府を悪の存在に仕立て上げる完全なやり方になったであろうという事実だ。
これが、イランの主権をグローバリストの作る世界秩序の流れに売り渡すことに一切の興味を持っていないイスラム指導者らの権威に直接的に挑戦する、彼らの傀儡である指導者をこの状況に投入する道を作ることになっただろうということだ。
●米大統領、CIAの対イラン秘密工作を承認か・米テレビ報道
【2007年5月23日 日経新聞】
米ABCテレビ(電子版)は22日、ブッシュ米大統領が米中央情報局(CIA)による対イラン秘密工作を承認したと伝えた。武力行使は含まれず、反政府宣伝活動やイランによる国際的な資金取引の妨害などが選択肢となっているという。米政府は「情報活動にはコメントしない」との声明を出した。
報道によると、秘密工作はイランによるウラン濃縮活動やイラクの武装勢力支援を停止させることが目的で、CIAが昨年から検討を重ねてきた。
●<米大統領>文化保持し経済成長した日韓のように…演説要旨
【6月4日 毎日新聞】
オバマ米大統領が4日にカイロで行った演説の要旨は次の通り。
略・・・
◆イラン、核問題 米国は冷戦中、民主的に選ばれたイラン政府を転覆させた。イランは、米国に対し暴力的だった。今後は互いを尊重し、話し合う。核への姿勢は揺るがない。米国は、いかなる国も核兵器を持たない世界を追求する。核拡散防止条約に従う国々はイランを含め、平和利用を認める。・・・以下略
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