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ボアオ・アジア・フォーラム会場の各国国旗

◆10月18日

 鳩山内閣になってから鳩山首相が「東アジア共同体」を主張しだしている。この東アジア共同体という構想は鳩山首相が言い出したわけではなく、もう何年も前から言われていることだ。早くは2005年12月14日、マレーシアの首都クアラルンプールで開かれた「東アジア首脳会議」で提唱されている。構想はそれ以前だ。問題はその範囲である。
 中国などが主張しているのは、東南アジアと北東アジアで構成するというものだが、日本の場合は、岡田外務大臣の説明として、「日本、中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)、インド、オーストラリア、ニュージーランドの範囲」として、更に米国は正式な加盟国としない形で創設を目指す、というものだ。
 この意図は東南アジアと北東アジアだけだと、この共同体の中では結局中国の影響力が強く発揮されることになるからだ。しかしこの共同体にインドや、オーストラリア、インドネシアなどを加えれば、中国の影響力は相殺される。相対的に日本の指導力も発揮しやすくなる、と言えるからだろう。

 ところで、ここにきてイランが「アジア同盟」なるものを提唱し出した。東アジア、と小地域に制限しないで、アジア全体の共同体を模索すべきだ、ということだろう。アジアには既にASEANが存在している。東アジア共同体はこのASEANを拡大させた格好になり、アジア同盟はその東アジア共同体を更に拡大したような格好になりそうだ。

 しかし「アジア同盟」はアジア全域を含むということならば、いささかまだ時期尚早という感は否めない。例えば、イランは現在、上海協力機構のオブザーバーになっているが、正式にこの機構の一員になることの方がより現実的なのではないか。イランが求めているのは、経済的な連携だけでなく、やはり政治的な連携も視野に入っているはずだ。今現在、イランはその核問題で国際社会の中で槍玉に挙げられてきている。それをかわす狙いもあるだろう。

 大きな共同体というものはすぐにはできない。まずは小地域間での連携を深め、その小地域の共同体同士が連携するより大きな枠組みを形成する、という方式が現実的なはずだ。

 従って、まずは中東、南西アジア、東南アジア、東アジア、太平洋諸国などをまとめる枠組みを形成、次に隣同士の小地域同士が連携してより一層大きな枠組みの共同体を形成していく、というやり方だ。
 イランの場合ならば中東地域、南西アジア地域、中央アジア地域とかかわっていくのが先決なのではないだろうか。

 いずれにしても、これら共同体構想は、経済的な協力体制がまずは可能な分野であり、言葉の意味する「共同体」の本当の実現は近未来的には困難だろう。EUの場合にはすくなくとも宗教的にはキリスト教、政治体制としては民主主義というものが共同体の形成の基礎要素として存在している(存在していないと加盟が困難)が、アジア諸国はこの宗教と民主主義という面でまとまりがない。だからそこにまとまりを見出だし、本当の共同体となるにはまだまだ多くの時間を必要とするだろう。

 日本などはその意味では、政治的には専制的な国家も存在する大陸を避けて、民主主義体制の国々、つまり台湾、フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなど「島嶼国家」と結ぶ太平洋民主連合のようなものを先に作ることが願わしい。その連合を基盤として日本が立つことで初めて、大陸の中国とも島嶼国家連合の日本という立場から対等な立場で共同体形成に向かっていけるはずだ。

 ただし本当の共同体形成には、中国の民主化は絶対必要条件だ。共産主義国家と民主主義国家が「共同体」などを形成することは不可能なのだから、


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●イランは「アジア同盟」を提案
【10月16日 Press TV】
 イランの外務大臣はアジア各国間の経済協力関係を強化するためアジア同盟の設立を提案した。「我々は現在の経済危機によって生起しているさまざまな問題に対処し、世界に適切な解決策を提供するため、統一的な対応策を発見するよう努めている」と、スリランカのコロンボで行われた第8回アジア協力対話(ADC)閣僚会議でモッタキ大臣は語った。
 「もし我々が一体化すれば、貿易、ツーリズム、運輸分野でもっと協力していけるだろう」と大臣は語り、アジア各国間での関係をより一層良いものにしていける希望を示した。
 「我々は、地域の問題では、利益は増え損失は減るというようにするために共通の努力が、要求されていると考える」とイランの大臣は語った。
 このアジア協力対話閣僚会議は「アジアの精神:世界経済の回復と発展の展望」のテーマの下、31カ国が参加してコロンボで開催されている。
 イランは2004年にADCメンバー国となった。来年はイランがこの会議の主催国になる。


● 「共同体への歴史的一歩」=人権委発足で首脳宣言採択へ-ASEAN
【10月17日 時事通信】
 東南アジア諸国連合(ASEAN)域内の人権促進と擁護を目的とした「ASEAN政府間人権委員会」発足に関する首脳宣言案が17日、明らかになった。同委員会について「ASEAN共同体に向けた歴史的な一歩。域内の人々の人権の実現、生活向上に極めて重要だ」と位置付けており、23日に中部ホアヒンで開かれるASEAN首脳会議での採択を目指す。
 ホアヒンでは25日にかけ、日本、中国、韓国が参加するASEANプラス3首脳会議、インドなどを加えた東アジアサミットが開催される。日本からは鳩山由紀夫首相が参加し、東アジア共同体構想について改めて表明する見通し。
 宣言案は、ASEAN諸国が人権を守る努力を続けることで、同委員会は域内全体の人権のとりでとなることができるとの自信を示した。同委の権限と機能強化のため、規約を5年ごとに見直すことも認め、作業は外相会合で行うとした。 

●東アジア共同体が実現なら、世界は「米国」「EU」との3大勢力へ
―ドイツ紙
【10月17日 Record China】
 2009年10月16日、新華網によると、ドイツの経済紙・ハンデルスブラットは12日、「アジアの新野心」と題した記事を掲載し、東アジア共同体が実現すれば、世界は「米国」「欧州連合(EU)」「東アジア共同体」の3大勢力によって維持されると紹介した。
記事によると、アジア各国が提唱する「東アジア共同体構想」の実現は、米国とEUにとって経済的、地政学的な強力なライバルの出現を意味する。ただしこれを実現するためには、その中心となる中国、日本、韓国が歴史観の相違などを放棄し、真に協力する姿勢が前提となる。特に中国は、共同体成立のために隣国に大きな妥協をする必要はほとんどないと認識している、という。
 その具体的な理由として、記事は、「中国は歴史的な生い立ちに加え、世界経済が金融危機で混乱し、輸出先の経済が落ち込む状況下で、自力で経済成長を維持できるだけの経済力をすでに備えている。また、軍隊(中国人民解放軍)が世界最大規模を誇るなど、それほど遠くない時期に世界で恐れる相手がいなくなることも考えられる」と指摘している。
 さらに世界の覇権という観点から見ると、人々は米中2か国による「G2」が中心になるとすでに認識している。こうした状況の下、中国がライバル視してきた日本や、明らかにスケールの劣る韓国に主導権を譲ることはほぼありえない。特にこれまで東アジア共同体構想に消極的だった日本は、鳩山由紀夫首相の誕生によって積極的な構想を打ち出しているが、これは日本経済がすでに単独では立ち行かなくなっているからだと記事は紹介する。
 しかし記事は、「さまざまな困難があるものの、東アジア共同体構想が実現すれば、巨大な経済体の誕生を意味する。例えば中国、日本、韓国3国の購買力はEUと米国を凌いでおり、また、東アジアの人口は米国とEUの合計よりも多いなど、東アジア共同体は世界のリーダーの地位を獲得する」とし、「そうなれば、世界は米国、EU、東アジア共同体の3大勢力によって維持されるようになる」としている。

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