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イラン・アラクの重水炉施設
◆9月1日
イスラエルのイランの核施設に対する攻撃の可能性が相変わらず高いようだ。歴史的に見てもイスラエルはやる時には、アメリカに相談しないでやることが何回もあった。時間が経てば経つほどイスラエルに不利になることは確かなのだから、ちょうど日本がアメリカと戦争に突入した時のように、タイム・リミットというようなものを彼らは設定している可能性がある。
勿論彼らが考え方を変えて、パレスチナ人との共存をその生き方として選択すれば、イランは脅威ではなくなるはずだから、そのような方向に舵を切ればよいのだが、それができない。
以前にも書いたが、アハメディネジャド・イラン大統領が言ったのは、パレスチナ人の国家を認めないようなイスラエルの政権は歴史から抹消される、と言ったのであり、イスラエル国家を地図から抹消する、と言ったのではないのだ。つまり、イスラエル政権がパレスチナ国家を正式に認め、1967年の戦争以前の国境線に戻れば、問題は解決する。それしかイスラエルが生き残る道は無いのだが、その道をなかなかとることのできない彼らの傲慢性が呪縛となっている。
彼らが愚かでなければ、その道を取るであろう。愚かであれば、イラン攻撃をするであろう。イランを攻撃すれば、それはイスラエルの滅亡の始まりとなる。
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●イスラエルはイランを照準に合わせている
【8月30日 Los Angeles Times】
核兵器の開発をイランが進めるのを阻止することを狙った国際社会からの要請に対し、イランは9月末までに応えることが要請されている。
この要請では、イランがウラン濃縮計画を中止するならば第4回目の経済・外交的制裁を行わないことが安保理事会の約束するところとなっている。
しかし、外交的努力が失敗に終われば、イスラエルがイランの核兵器施設を攻撃することを予期しなければならなくなる。
マイケル・マレン・アメリカ軍統合参謀本部議長が最近認めたように、「イラン攻撃とイランの核兵器の獲得との間には小さく狭い隙間しかない」という。
もしイスラエルがそのようなハイリスクなイランの不安定化のための攻撃を試みるとすれば、オバマ大統領は、CIAよりかはCNNから作戦を学ぶようになるだろう。アメリカはイスラエルの軍事作戦に対し影響力を行使しようとしているが、歴史は、予防ないしは先制の攻撃をすることではイスラエルは前もって了承を求めるよりかは後から説明しようとするということを示している。
オバマ政権がイランを説得する外交的努力が長引く中、イスラエルがイランを攻撃しないようアメリカがイランの説得に成功すると考えていると間違うことになる。
現在のイラン指導部の混乱でイランの核計画が頓挫すると考える者も出てきているが、イランの核計画に関する8月28日のIAEAの報告では、過去3ヶ月の政治的危機的状況にもかかわらず、イランの遠心分離機によるウラン濃縮活動は順調に進んでいる、とある。
だから、イスラエル軍の過去4回にわたって行われた軍事演習は、イラン攻撃に関連していると判断すべきだ。
1956年10月、イスラエル、イギリス、フランスはスエズ運河を掌握するためにエジプトに対し攻撃を行ったが失敗に終わった。攻撃の前日、ジョン・フォスター・ダレス米国務長官はアバ・エバン・イスラエル大使にイスラエル軍のエジプト国境における集結について問いただしたが、エバン大使はイスラエルの計画について沈黙を保った。
1967年6月、ジョンソン米大統領がイスラエルは現状を維持し、行動に移る場合にはアメリカに相談すること、ということを強調していたにもかかわらず、イスラエルはアメリカ政府に知らせることなく6日戦争を開始した。戦争の始まる前日に、ジョンソン大統領はエシュコル首相に「イスラエルは先制攻撃はしないよう、そして敵対行為については責任を持つこと」という個人的メッセージを送っていた。
1981年6月7日、イスラエル戦闘爆撃機はイラクのオシラク原子炉を破壊した。この時も、アメリカ政府は前もって通告はされていなかった。レーガン大統領はこの攻撃を“非難”し、“他の選択肢が考慮されてしかるべきだったと考えた”
数日後、メナヘム・ベギン首相はCBSニュースに「この攻撃は将来のイスラエル政府の先例となるものだ・・・将来のすべての首相は似た状況では同じ行動を取ることだろう」と語った。
ベギン首相の予想は2007年9月6日、イスラエル航空機がシリアのアル・キバルにある北朝鮮の供給するプルトニウムによる原子炉と思われる施設を破壊した。4ヶ月前、イスラエル情報部高官は原子炉に関しブッシュ政権に重要な証拠を示し国防総省が攻撃の計画を作った。皮肉にも、ニューヨークタイムズ紙のデイビッド・サンガー記者によれば、ブッシュ大統領は大量破壊兵器の保有が予測できる国を空爆することはできない、と最終的に決定していた。
米政権の高官は、イスラエルの攻撃は「我々の許可なしに、誰にも尋ねないで行われた」と語った。
これらのエピソードは、イランの核兵器は実存的な脅威であるとイスラエルが決定すれば、軍事力を使用しないようにというアメリカの要請に対してはそれを無視することを示している。
この作戦の直後、アメリカ政府はイスラエルに対し公式・私的に懸念を表明した。長期にわたるアメリカ・イスラエル関係は、外交、経済、情報、軍事面での協力体制でかつて無いほどに強固な体制を保持し続けることだろう。
イランが9月に控えている期限の条件を満たす意志が無く、増大する潜在的核兵器能力を廃棄する意思がないということがはっきりする場合には、アメリカの許可、あるいはアメリカに警告することなしにイスラエルがイラン攻撃することを予期すべきだろう。
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