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戦場になったスワット谷

◆10月17日

 中東・中央アジア地域に対するアメリカの侵出のため、アメリカは「テロとの戦争」という言葉使いを始めた。これが、あの9年前の2001年9月11日の同時多発テロ直後、ブッシュ大統領(当時)の口から出された言葉であり、彼はそれが今後50年間は継続する、と語ったのだ。なぜ、50年間なのか? つまりアメリカはこれからずっと戦争をやります、という宣言だ。

 なぜ、戦争なのか? それが一番の儲け話になるからである。これは兵器の値段だけ考えても理解できるであろう。それが短時間でどんどん消費され、追加注文がでてくるのが、戦争だ。ちっちゃな話ではない。

 オバマ政権を牛耳るこのような戦争勢力は、アフガン戦争をパキスタンにまで拡大しつつある。こうして、イスラム勢力全体を敵に回し、最終的にはこのイスラム勢力との全面対決、すなわち世界大戦まで予期した動きを進めている、とみなすべきかもしれないのだ。
 彼らは自分達の生存を確約する核シェルターを保有している、と言われているから、核戦争でも辞さないのであろう

 この動きを人類を破滅させる魑魅魍魎の動きとして、我々は賢明な対処が必要になってきている。


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●テロとの戦争
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=21474
【10月16日 by Dr. Paul Craig Roberts】

 誰か、「ケーキワーク戦争」というのを思い出す者はいるだろうか? 6週間で終了し、その費用は500億から600億ドルで済み、イラクの石油で支払える、といわれた戦争のことだ。

 誰か、ホワイトハウスのエコノミストであるローレンス・リンゼイがイラク戦争は2000億ドルはかかると予測したためブッシュ大統領(当時)に解雇させられたことを思い出す者はいるだろうか?

 ジョセフ・スティグリッツとリンダ・ビルメスによれば、リンゼイは、彼の予測より15倍以上の費用がかかったイラク戦争費用を「多く見積もった」ので解雇させられたと、いう。そしてアメリカは未だにイラクに5万の兵力を抱えている。

 イラク戦争の直前、アメリカ政府はアフガンでの対タリバン戦争に勝利したと宣言したことを思い出す者はいるだろうか?

 ブッシュ大統領(当時)が、イラクには大量破壊兵器は存在していないことを知っていたのに、イラク侵攻の理由をサダム・フセインが大量破壊兵器を保有しているからだとしたことであったことを思い出す者はいるだろうか?

 このような幻想的な過ちを犯した、あるいはこのような架空のでっち上げの嘘を喋りまくった同じネオコンの面々が、未だにワシントンの政府を牛耳っていることを知っているだろうか?

 この「テロとの戦争」というものは、10年目になっている。一体何が本当のことなのであろうか?

 最低このことは言える、つまりこの「テロとの戦争」は実際のテロリストを生み出している、ということだ。アメリカ政府はイスラム世界に対する戦争拡大を正当化するために、そして、アメリカ人に常に充分な恐怖の思いを抱かせ続けさせ、そのテロリストから安全を確保するためにアメリカが警察国家となることを受け入れさせるために、本当のテロリストを何が何でも必要としているのだ。

アメリカ政府はイスラム世界を侵略し、インフラを破壊し、多くの一般市民を殺戮することでテロリストを生み出している。アメリカはまた今日パキスタンで大規模に起きているように、イスラム教徒を支配するため傀儡政権を打ち立てその傀儡政権が一般市民を殺害、迫害することで、テロリストを生み出している。

 ネオコンは9月11日テロ事件を利用して、彼らのアメリカの世界制覇計画を実施に移した。彼らの計画は、アメリカの支配階層の利害と一致したのだ。戦争は軍事・治安関係企業体にとってはおいしい話なのだ。この危険性についてはアイゼンハワーが半世紀ほど前に警告していたことだが、むなしかったようだ。アメリカの覇権は、石油産業界にとっては油田地帯をコントロールしそこの石油を支配するためにはありがたい話なのだ。中東をアメリカの傀儡政権の国家群とすることは、イスラエルの領土拡張を願うイスラエル・ロビーのシオニスト的願望を満たしてくれるものなのだ。

 殆どのアメリカ人は、置かれている状況のため、何が起きているのか、ということを把握できていない。殆どのアメリカ人は、彼らの政府は地上で最良の政府と思い込んでいる。飢饉や自然災害のあるところには素早く助けに行くように、他の人々を支援し、良いことをするという道徳的動議に裏付けられていると信じている。殆どの人々は、アメリカ大統領は自らのセックス・スキャンダル以外は真実を語る、と信じている。

 毎日の新聞の見出しを飾る、地上の殆ど全ての国に対して行われていると言ってよい、アメリカ政府のいじめっ子ぶりを示す内容や、他国への干渉を見れば、こういった幻想が蔓延している規模は異常なほどである。アメリカ政府の政策は、国民の利益を代表する他国の指導層を買収するか、その政権を転覆させるか、その国に対する戦争を始めるか、である。最近の犠牲者は、ホンジュラスの大統領である。彼は、ホンジュラス政府はホンジュラス人のために奉仕すべきである、という野蛮(素朴)な考え方をしていた者だ。

 ホンジュラス軍はアメリカ軍によって訓練され支援されていたから、アメリカ政府はホンジュラス大統領を処分することができた。パキスタンでも同じ道理だ。アメリカ政府はパキスタン政府に、タリバンやアルカイダ、あるいは「武装勢力」そして「テロリスト」と友好関係にあるとアメリカが認識している地域に対する侵略をさせている。

 今年の初め、アメリカの財務副長官はパキスタンに対し増税を命令し、戦争を効果的に進めるようパキスタン政府に要請した。10月14日、ヒラリー・クリントン国務長官は、パキスタンに対し再び、増税しなければ洪水のための援助を控えるとおどした。クリントン長官は、イギリスが軍事費削減をすることを懸念していると、ヨーロッパのアメリカの傀儡政権に対し同じような要請をした。アメリカからの金融津波でふらふらのイギリスが、アメリカの戦争のための費用を充分に確保しないことを神はお許しにならなかった。

 アメリカからの命令で、パキスタン政府は、スワット谷に対する軍事侵攻を行った。そこでは多くのパキスタン人が殺され、何百万人もの人々が故郷を追われた。7月には、アメリカはパキスタンに対し、対北ワジリスタンに兵を送るよう要請した。7月6日、ジェイスン・ディッツは、antiwar.com上で、アメリカの要請で、パキスタンは「スワット谷、バジャウル、南ワジリスタン、オラクザイ、ハイバー」に対する侵攻を開始した、と報告している。

 一週間後、カール・レビン上院議員は、パキスタンの部族地帯への米空軍による攻撃のエスカレーションをオバマ政権に要請した。9月30日、パキスタンのザ・フロンティア・ポスト紙は、アメリカの空爆は、「大規模で単純明瞭なパキスタンに対する侵略行為である」と書いた。

 アメリカは、アフガン駐留の米軍は、「武装勢力」を追撃するため、パキスタン領内に侵攻する権利がある、と主張した。最近、アメリカ軍ヘリコプターがタリバンと間違ってパキスタン人兵3人を殺害した。パキスタンはアメリカが謝罪するまでアフガンに繋がるアメリカ軍の主要な供給ルートを閉鎖した。
 パキスタンはアメリカ政府に対し将来の攻撃に対し警告した。しかしながらアメリカ軍将校は、、終わりのないアフガン戦争での進捗を示そうというオバマ大統領からの圧力で、その警告に対しては、アフガン戦争のパキスタン領内への拡大ということで答えたのだ。10月5日、カナダ人ジャーナリストのエリク・マルゴリスは、「アメリカはパキスタンに対する侵略寸前になっている」と書いている。
 「オバマの戦争」という著書で、ボブ・ウッドワードは、アメリカの傀儡パキスタン大統領のアシフ・アリ・ザルダリは、タリバンの仕業といわれるパキスタン領内に対するテロリストの爆弾攻撃は実際は、パキスタンの核兵器の掌握を狙っパキスタンを不安定化させようというCIAの工作によるものである、と考えている、と報告している。

 パキスタンを留めておくために、アメリカ政府は、「タイムズ・スクウェーの爆弾騒ぎ」は、一匹狼の仕業という主張を変更した。エリック・ホルダー司法長官は、「パキスタン人のタリバン」の仕業であるとその矛先を変えたのだ。また、クリントン国務長官はパキスタンを、パキスタンに対する工作であるタイムズ・スクウェー爆弾騒ぎで、「非常に深刻な結果」がもたらされるだろうと脅した。

 9月1日、高級軍人からなるパキスタン軍の8名の代表団は、フロリダのタンパでのアメリカの中央コマンドとの会合に向かう途上で、ワシントンのダラス空港でテロリスト扱いをされ勾留されるというひどい扱いを受けのだ。

 ここ数十年、アメリカ政府はイスラエル軍のレバノン侵攻を可能にさせてきた。また現在も以前はアメリカの保護国だったレバノンに対するイスラエルの新たな攻撃を支援する姿勢になっている。10月14日、アメリカ政府は、レバノン政府がイランのアハマディネジャド大統領の訪問を受け入れたことに対して、「激怒」して見せた。アメリカ議会内のイスラエルの代表者は、レバノンに対するアメリカの軍事支援を停止すると脅した。これは、ハワード・バーマン議員がイスラエルとの国境紛争のためレバノンを制裁するため、8月以来レバノンに対する支援を停止させていることを忘れているのだ。

 おそらく、新聞の見出しで最も目だったのは10月14日の、「ソマリアの新しいアメリカの首相」であろう。ソマリアの首相としてアメリカ人が立ち、ワシントンにより資金援助されている数千のウガンダ兵に支えられたアメリカ人の傀儡政府ができたのだ。

 これでも他国の権利、国境、生活、一般市民などに対するアメリカ政府の「仁愛精神」の表面をかすっただけである。

 その間、ウィキーリークスを黙らせるため、またアメリカの戦争犯罪が更にもっと暴露されることを避けるため、ワシントンの「自由と民主主義」の政府は、政府の「監視対象」企業に指定することで、またオーストラリア傀儡政権にウィキーリークスをブラックリストに載せさせることで、ウィキーリークスへの献金を封じたのだ。

 ウィキーリークスは、今ではテロリスト集団として知られている。アメリカ政府の批判封じ込め作戦はインターネット上で行われている。

 「彼らが嫌う」のは、我々が、「自由と民主主義」を持ち、米国憲法修正第一項、人身保護令状、人権擁護を掲げ、全ての人々に対する正義と慈悲を示しているからだ、ということを忘れてはならない。

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