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戦略的拠点奪還に成功したシリア政府軍兵士
◆5月9日
シリアでは4月25日号「シリア反政府勢力:ダマスカス郊外で500人死亡」で示したように、政府軍が反政府勢力側に対して攻勢をかけており、今回もシリア南部での戦闘でシリア政府軍が反政府勢力側を駆逐した、という情報である。
これに関連するかのように、シリア南部にあるゴラン高原に展開していた国連兵力引き離し監視隊員4名が反政府勢力によって拉致された。実は3月にも同様の事件があり、その時は21名もの隊員が拉致されたのであったが、交渉の末、解放されている。この件は殆ど世界でも日本でも報じられることは無かった。
シリア内で追い詰められたテログループが、国連からの派遣員を拉致することで、テログループは犯罪者が身近にいた一般人を誘拐・拉致し、立てこもるような事件と似た行動をしている事が分かる。
国連は当然、この行為を断罪せざるを得ないわけで、潘基文事務総長は強い調子で隊員の即時解放を要請したのは当然である。こうして、シリア領内の反政府勢力というものが、当初言われたようなシリア人の大衆的反政府運動ではなく、欧米や湾岸アラブ諸国から資金、武器を調達してもらった、外国から侵入したゲリラ戦士たちであり、その彼らがアサド政権転覆の破壊工作をしていることを、天下に示した格好になった。
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●シリア軍:南部の戦略的拠点都市の奪還に成功
http://www.globalresearch.ca/syrian-army-regains-control-of-strategic-town-in-south/5334368
【5月8日 GlobalResearch.ca】
シリア軍はシリア内部で作戦を実行している外国の支援を受けている民兵との激しい戦闘を通じて、シリア南部の戦略的都市を奪還した。
シリア軍は8日、2ヶ月に及ぶこの民兵との戦闘後、キルベト・ガザレを解放したと報じられた。この町はヨルダン国境沿いにある。
反政府側からの情報筋によれば、ヨルダンから来るはずの支援が来ないことに失望し約1000名の民兵がこの町から撤退した、という。
この情報筋は、シリア軍のこの地域での成功は、民兵達の間にヨルダンからの支援が不足していることに対する不満を増大させた、と言う。
シリア兵士はジスル・アル・シュグールでアサド大統領支援のスローガンを掲げた。
5月4日、シリア軍は民兵達をアジザとタル・アサンから駆逐した。これらの町は北方のアレッポに近いところにある町だ。アジザでは軍は民兵達が掘ったトンネルを発見した。またアレッポ郊外の町に繋がる戦略的橋梁を確保した。
この日朝早く、シリア軍はダマスカスの近くのグータの重要な二つの地域の奪還に成功した。この作戦で多数の民兵達が死亡した。
シリア危機は2011年3月から始まり、多くの兵士、治安部隊を含む大勢の人々が紛争の中で死んでいった。
シリア政府はこの混乱は、シリアの外側から工作で成されている事で、非常の多数の民兵達が外国人であると言われている。
●シリア反政府グループ:ゴラン高原の国連兵力引き離し監視隊員4名を拉致
http://rt.com/news/un-peacekeepers-syria-rebels-956/
【5月7日 Russia Today】
反政府グループに拉致された国連兵力引き離し監視隊員
シリアの反政府グループが、シリアとイスラエル占領下のゴラン高原の間の休戦ラインをモニターしている国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)員4名を拉致した、とUNDOFスポークスマンが語った。
シリアの反政府グループの「ヤルムク殉教旅団」とされるグループが、この実行犯であることを主張した。彼らは、シリアとゴラン高原の間の分離ゾーン内で起きた衝突後、自分達の安全のためにUNDOF隊員を拘束したと語った、とロイターが報じた。
・・・・略
潘基文国連事務総長は、4名のUNDOF隊員の拘束を強く非難し、即座に解放するよう要請した。事務総長は全ての関係者らが「UNDOF隊員の自由な行動と安全を尊重するよう」呼びかけた、と事務総長スポークスマンが語った。・・・以下略
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イスラエルは今回のシリア空爆で、劣化ウラン弾を使用した疑いが強い
◆5月2日
このROCKWAY EXPRESSでは、シリアの紛争が生じた、その最初から、これがアラブの春のような、大衆的反体制抵抗運動ではなく、一部のテロリストによるゲリラ的攻撃であることを指摘してきた。当初からそのように実態を示してきたのは、恐らく日本のインターネットのサイトではこの」ROCKWAY EXPRESS が唯一のサイトであったかもしれない。
そして紛争から2年が経過し、欧米の主流メディアも実態を隠しきれなくなったかのように、シリアで反政府テロ行為をしているのは、アルカイダに繋がるテロリスト組織であることを認めるようになったようだ。
だから、このROCKWAY EXPRESSでは、主流メディアの方が間違っていて、このブログの方が正しいと指摘し主張してきたのである。今、アメリカ政府はこの記事の最後に指摘されているように、「化学兵器」の使用があれば、アメリカのシリアに対する態度は変更せざるを得ない、というようなことを言い始めてはいる。しかし、実際はオバマ政権は軍事介入には踏み込まないであろう。少なくとも、大統領自身は踏み込みたくない勢力の方にある。
シリア問題の解決は、ロシアのプーチン大統領が繰り返し指摘してきているように、シリアの問題はシリア人自身によって決定されるべきである、ということだ。従って、アルカイダ系テロ組織のメンバー、つまり反政府勢力の大半はシリアから追い出されるべきであり、国際社会は、シリア問題解決のために、シリア領内にいる外国人テロリストらをまずは国外へ追い出すことに専念すべきである。
ところで、イスラエルがシリアの軍事施設をまたもや空爆したようだ。シリアの軍事筋では、劣化ウラン弾が使用された可能性が高い、と見ている。シリアは現在、上記ゲリラの掃討で手が一杯でイスラエルに対する反撃は出来ない事情があるところを狙われた可能性がある。シリア問題は、欧米、トルコ、湾岸アラブ諸国、イスラエルetcが共同して、よってたかってシリア弱体化・アサド政権転覆の謀略、というのが真相である。しかしシリア民衆の支援がアサド政権にある限り、アサド政権が簡単に転覆されることは無いであろう。
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●シリア内のテロリストに対する支援を停止すべき時だ -最終版-
「反政府勢力」は全面的にアルカイダによって支配されている
http://www.globalresearch.ca/time-to-end-western-support-for-terrorists-in-syria-opposition-is-entirely-run-by-al-qaeda/5333204
【4月28日 Tony Cartalucci — Global Research】
ニューヨーク・タイムズ紙は以下のように認めている:
アメリカの懸念事項の最大のものはナスラ戦線で、この組織のリーダーは最近、このグループはイラクでアルカイダと協力関係にあったし、オサマ・ビン・ラディンの代理を長期に渡って務めたアイマン・アル・ザワヒリというアルカイダのリーダーに忠節を誓ったことを明言したことだ。
シリア政府はアルカイダであると公言する者たちと戦っているばかりでなく、こういったテロリストたちはシリア人でさえないのだ。
更にひどいことは、ニューヨーク・タイムズ紙が完全に認めたことだが、ヨーロッパ連合が制裁を解除したシリアの油田で、今はその石油を買っているが、その油田は完全にアルカイダが支配しているもので、それはつまり、ヨーロッパ連合は国際的に良く知られた、その恐るべき犯罪的残虐性で知られている国際的テロリストに、意図的に石油代金を支払っているということなのだ。
ニューヨーク・タイムズ紙は以下のように報じた:
どこでも、アル・ナスラは政府の油田を掌握し労働者を仕事に呼び戻し、彼らが生産する原油から利益を得ている。
そして:
石油の豊富なデイル・アル・ズールとハサカでは、ナスラの戦闘員は政府の油田を掌握し、そのいくつかを部族の民兵に運営を任せ、その他は自分達で運営している。
更に以下のように報じている;
ナスラの影響力はアレッポで一番強く、そこではこのグループは元子供病院に陣を張り、他のグループと共に、隣の眼科病院内にシャリア(イスラム法)委員会を設立し付近一帯の反政府勢力の支配地域を統治している。この委員会は警察と鞭打ち刑を含む裁定を下すイスラム法廷を運営している。ただし他の国では存在する四肢切断とか処刑は行われていない。
ナスラの戦士らは発電所を支配し町のパン屋の経営を続けさせる為に小麦粉を配給している。
この最後の、「町のパン屋の経営を続けさせる為に小麦粉を配給している」という点は、非常に重要な点で、それはこの配給している小麦粉はアメリカから直接入ってきているものだからだ。
ワシントン・ポスト紙では、「アメリカはシリア人に食料を与えている、ただし秘密裏に」という見出しの記事内で以下のように主張している:
シリアの北方にあるアレッポでは、大胆な欧米人らが大いなる秘密作戦を請け負っている。小さな田舎に匿名で住んで、彼らは毎日無印の車で旅をし、空爆をものともせず、砲弾や誘拐の恐れも無視し、シリア人に食料やその他必要なものを供給しているが、これら全てはアメリカ政府が支払っているものだ。
ワシントン・ポスト紙は、殆どのシリア人はこの供給される支援物資はアルカイダ系アル・ナスラによるものとしていると主張している。
「アメリカは我々のためになにもしてくれなかった。全くなにも」とモハメド・フォアド・ワイシ(50)は、アレッポの彼の小さな食料品店で強調するかのように吐き出すように言った。彼の店はパン屋がくっついていて、彼はそのパン屋から毎日パンを買っている。そのパン屋にはアメリカが支払った小麦粉が一杯あった。しかし、ワイシはこの地域に小麦粉を供給しているのは、アルカイダとの繋がりのためにテロ組織と指定されている、反政府組織のジャバト・アル・ナスラであるとした。ただし、彼は小麦粉が本当は何処からきているのかは、分からないことを認めた。
明らかに、このパズルは解けたわけだ。ワイシは正しかったのだ。ジャバト・アル・ナスラは、アメリカによってテロ組織として指定されている組織であり、その組織が人々に小麦粉を配っているのだ。その小麦粉はアメリカから意図的に直接受け取っているのだ。これは、この組織をテロ組織として断罪した反テロ法、国際法に矛盾することだ。そしてアメリカがシリア領内のテロリストを強化している、ということを国務省が頻繁に否定してきたことと矛盾している。
明らかにアメリカとその同盟国はテロリズムを支援していることになるし、もっとまずいことは、シリア人に施している「援助」なるものが、アルカイダによって政治的な道具として利用されていることであり、シリア内のテリトリーを永久的に占領し支配するようにさせていることである。ニューヨーク・タイムズ紙自身が自ら認めたように、アル・ナスラはシリア人ではない戦士達で一杯になっているということは注目されるべきである。
かくも陰険でかくも非道な、そして嘘が絡みついたような陰謀が明らかになった、欧米政府はおそらく自国の人々が自分達の税金が意図的に野蛮なテロリストらを武装させ、彼らの資金として与えられていることを信じないと読んでいるのだろう。その間、意図的に宗派間の紛争を煽り、そのための死傷者数がうなぎのぼりに増加しているのだ。
カードは下ろされたのだ。アメリカは2年間に渡っておおっぴらに資金を与え、武装を施し、シリア内のアルカイダに物資を供給してきているので、そのためにシリア領内および国境沿いに生じた死傷者、暴虐、人道的悲惨さに責任がある。
「化学兵器」という薄っぺらな、お馴染みの口実を使用し、アメリカがアルカイダの代わりに軍事介入をしようとしている間に、アメリカ兵の足が公式的にシリアの土地を踏む前に、人間に対する恐るべき犯罪行為が歴史的な規模で既にアメリカとその同盟国によってシリア民衆に対して成されいることになるだろう。
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シリア領内でゲリラ活動を行う反政府勢力グループ
●シリア内のテロリストに対する支援を停止すべき時だ -その2-
「反政府勢力」は全面的にアルカイダによって支配されている
http://www.globalresearch.ca/time-to-end-western-support-for-terrorists-in-syria-opposition-is-entirely-run-by-al-qaeda/5333204
【4月28日 Tony Cartalucci — Global Research】
最近では、アメリカ国務省は数億ドルもの資金援助、装備、装甲車などをシリアの反政府勢力側の民兵グループに援助をしたことを発表している。その際、同盟諸国に、数十億ドルの目標額が達成できるよう資金援助を要請した。ニューヨーク・タイムズ紙はその記事の中で、「ケリーは、アメリカはシリアの反政府勢力に対する資金援助を二倍にするだろう、と語った」と報じている:
新規の支援を約束したため、アメリカからシリアの反政府グループへの、非致死性的な支援の合計は、2億5000万ドルである。ここでの会合でケリーは、国際的支援の額を10億ドルにすることを目標にして、他の諸国に対して支援を強化するよう要請した。、
そしてこの天文学的現金、武器、装備などが欧米からシリアに送られたのであるが、アメリカの国務省はシリアでの紛争の初期から、シリア内で作戦を行っている有力なグループはアルカイダであり、より正確に言えば、ナスラ戦線であることを知っていた。「イラクのアルカイダの別名としてのアル・ナスラ戦線のテロリスト指定」というタイトルの声明では、はっきりと以下のように書いてある:
2011年11月以来、アル・ナスラ戦線はダマスカス、アレッポ、ハマ、ダラ、ホムス、イドリブ、ダイル・アル・ザワルを含むシリアの各都市に対する、小火器から即席爆発物による作戦にいたる、しかも40回以上の自爆攻撃も含めて600回に上る攻撃をしてきたと主張している。これらの攻撃の期間、数多くの無辜の一般市民が犠牲となってきた。
国務省は、初めからアルカイダがシリアの主要都市に対して数百回に上る数の攻撃をしてきたということを認めている。2007年のハーシュのニューヨーカー誌の記事を読み、シリアでアルカイダが活動しだした事を知った人々にとっては、この説明は実にシンプルではないだろうか? 欧米が意図的にシステマチックにアルカイダを武装させシリアに確固とした基盤をつくるよう支援し、数年前に計画したようにシリア政府を転覆させようとしたことは明らかであろう。
しかしながら、欧米の読者によれば、米英仏、サウジアラビア、カタール、ヨルダン、トルコがシリアに何十億ドルもの現金、数千トンもの武器を「世俗的穏健派」に送ったにも関わらず、アルカイダが「反政府勢力」の中で、突出した地位を得ているのだ、と信じることを大衆は期待されているのである。
そんなことがありうるか? もしも7カ国枢軸が「世俗的穏健派」の背後に物資を揃えたならば、その穏健派が今度は更なる物資をアルカイダの背後に揃えたというのだろうか? 答えは単純なものである。「世俗的穏健派」なる存在は無かったのである。この事実をニューヨーク・タイムズ紙は完全に認めた。、
「反政府イスラム主義者がシリア政策でジレンマに」の見出しの記事で、ニューヨーク・タイムズ紙は以下のように認めている:
「シリア全土で、反政府勢力が支配する地域では、聖職者が裁くイスラム法廷が点在し、過激派の戦闘部隊が存在している。欧米が過激派グループを主流からはずす事を願った傘下の反政府組織である最高軍事評議会でさえ、イスラム法を未来のシリア政府に持ち込むことを願っている司令官らで一杯となっている。
シリアで反政府勢力が支配する場所は、どこでも世俗の戦闘部隊を語ることはない」
ある説明がその理由を説明している。その記事は以下のように記している。
イスラム主義者の反政府の性格は、反逆の主流を反映している。それはシリアのスンニー派の大多数によって開始されて以来続いてきている。殆どが保守的で周辺地域でのことだ。残虐な内乱に陥ったことで派閥の違いが鮮明になった。そして主流の反政府グループが武器の供給を確保する事で失敗したことがイスラム主義者が入り込み、支持者を獲得することに繋がった。
誰からの「武器の供給を確保する」のか?
欧米の説明によれば、彼らは「主流の反政府グループ」に数十億ドルの現金、数千トンの武器を供給してきた、という。そして今、BBCによれば、訓練も施してきている、という。もしも、意図的にそして直接的にアル・ナスラの手に渡したのでなければ、これらの一切の現金や武器、訓練はどこに行ったのか?
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シリアのイドリブの反政府勢力グループであるナスラ戦線の民兵たち
◆4月30日
昨日の記事を追認するような記事である。アメリカの有力紙である、ニューヨーク・タイムズ紙も、シリア内の反政府勢力はアルカイダに全面的に支配されている、と指摘するまでになったということだ。
アメリカの有力紙がそのような記事を掲載したということは、オバマ政権は今後、そのシリア内の反政府勢力に対する支援を今までと同じように継続するかどうか、分からない、ということを意味している。恐らくはアメリカは支援を縮小・停止状態に行く可能性があるのだ。
これはアメリカ国内の戦争屋との内部抗争の行方や、親イスラエルロビーの活動の如何、などとも関わってくるだろう。しかし、基本的にオバマ政権はシリア内の反政府勢力に対する支援を縮小し停止したい政権である、と分かってくるだろう。
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●シリア内のテロリストに対する支援を停止すべき時だ -その1-
「反政府勢力」は全面的にアルカイダによって支配されている
http://www.globalresearch.ca/time-to-end-western-support-for-terrorists-in-syria-opposition-is-entirely-run-by-al-qaeda/5333204
【4月28日 Tony Cartalucci — Global Research】
ニューヨークタイムズ紙が、「シリアの反政府勢力」と言われる存在が全面的にアルカイダによって支配されていることを確認し、文字通り以下のように報じた。
シリアで反政府勢力が支配する場所は、どこでも世俗の戦闘部隊を語ることはない。
最初から、地政学的アナリストにとっては、シリアでの紛争は、「民主主義擁護派」のプロテスターたちが立ち上がったものではなく、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアがアルカイダと繋がる過激派たちに武器を指令を与えている、証拠書類のある陰謀によって成されているものである。
これは2007年には書類で示されているもので、「アラブの春」が始まる2011年の4年も前の話で、ピューリッツァー賞受賞者のセイモア・ハーシュがニューヨーカー誌に書いた、「リディレクション:政府の新しい政策はテロとの戦争で敵側を利しているのだろうか?」というタイトルの記事にある。
シーア派の支配するイランを弱体化させるため、ブッシュ政権は、中東における優先事項を再設定する決定を行った。レバノンでは、米政権はスンニー派のサウジアラビア政府と協調し、イランの支援するシーア派組織であるヒズボラを弱体化させる秘密作戦に出た。
アメリカはまたイランとシリアを狙った秘密作戦に参加してきている。その影響で、こういった活動がスンニー派の過激グループを強化することになっているが、彼らはイスラム教の軍事的側面を強調したアメリカに敵対する勢力であり、親アルカイダである。
過去2年間に渡って、米英仏、サウジアラビア、カタール、ヨルダン、トルコは何十億ドルもの資金と、数千トンになる武器弾薬をシリア内に送り込んだ。これと共に、リビヤ、チェチェン、レバノン、ヨルダン、イラクなどから良く知られたテロリストらを送り込んだ。テレグラフ紙の記事で、「アメリカとヨーロッパはザグレブを通じてシリアの反政府勢力に対して武器を空輸」の記事で以下のように報じた:
11月以来ヨルダン経由で、3000トンの武器がザグレブ空港から75回にわたる空輸でシリアの反政府勢力に送られた、という。
この話は、反政府勢力側の手に渡っている元ユーゴスラビアの武器の数が増えていることがオンライン・ビデオで見られることから確認されている。これは先月デイリー・テレグラフ紙その他の新聞が明らかにしたが、以前想定された量よりはるかに大量の武器が渡っていることが示唆されている。
トルコとヨルダンが武器の供給で支援したこの積荷は、既にアメリカの要請でサウジアラビアによって支払われている。しかしこの報告では、クロアチアからのも含め、「イギリスを含むいくつかのヨーロッパ諸国から」武器が来ていたという。
イギリス軍事顧問がシリアと国境を接する諸国で作戦を行っている事が知られている。彼らはフランス人とアメリカ人と共に、反政府勢力の指導者らや元シリア将官らに訓練を施している。
ニューヨーク・タイムズ紙の、「シリアに武器空輸、反政府勢力は拡大、CIAが支援」というタイトルの記事内で、以下のことを確認している:
CIAの支援で、ここ数ヶ月で、アラブの政府とトルコは急激にシリアの反政府勢力への軍事支援を増加させ、武器と装備を満載した秘密の空輸活動を拡大している。
空輸活動は2012年に小規模な形で始められたが、昨年の秋を通して継続し、年末には更に重い積荷となり回数も増えた。160回以上の軍事貨物飛行が、ヨルダン、サウジ、カタールの軍用型貨物機によりアンカラ近郊のエセンボガ空港に着陸していた。また小規模なものならば、トルコやヨルダンの他の空港でも行われていた。
3年目に入っているシリアの内戦
◆4月29日
4月25日号の「シリア反政府勢力:ダマスカス郊外で500人死亡」の記事で示されたように、シリアのアサド政権に対する反乱を起こしている反政府勢力が、大規模な損失を出した最近の戦闘の結果、シリア軍が全土で優勢に立っているため、反政府勢力を利用した代理戦争でアサド政権を転覆させようとしてきた欧米・湾岸アラブ諸国・トルコ・イスラエルらは、直接的な軍事介入路線の選択を考え出している。
子分どもがろくな戦いをしないから、親分衆が手勢を率いて直接介入しよう、という話である。しかし、その親分衆の中でも筆頭にあるアメリカは慎重な姿勢を崩していないようである。
以下のロイターの記事にあるように、軍事介入に舵を切る前に多くの分析をする必要がある、というのだ。既にアメリカはこの中東ではアフガンとイラクで戦争を行ってきたが、特にイラクではありもしない大量破壊兵器(WMD)の存在を国連の場で喧伝し、それを口実にイラクへの侵入を開始したが、結局そのWMDは発見されなかったため、生き恥をさらしたことがあった。
シリアが化学兵器を使用した、とイスラエルがわめいたが、アメリカの慎重姿勢は変わらなかった。それにシリアにはロシアが付いている。欧米が軍事介入すれば、ロシアも同じく軍事介入する可能性があるから、代理戦争が代理戦争ですまなくなり、中東を舞台にした本格的戦争に発展しないとも限らない。アメリカが慎重になるのも当然なのだ。
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●シリアに対する軍事介入にうまい手は存在しない
http://www.reuters.com/article/2013/04/27/us-usa-syria-military-options-idUSBRE93Q0C620130427
【4月27日 Reuters】
オバマ大統領はシリアが化学兵器を使用することは、「ゲーム・チェンジャー」となると語ったが、大統領がすぐに軍事介入に舵をきるとは考えられず、また同盟諸国に一緒に介入することを要請するとも考えられない。
軍事介入の方法については、一回限りの艦船からのミサイル攻撃から、飛行禁止空域設定まで幅広く存在する。
政治的に最もまずいのが、数万人もの米軍をシリアの化学兵器を確保する為に派遣することだ。
オバマは制限された軍事介入、例えば反政府勢力に対する武器供給などに反対してきているが、シリア介入に対する圧力は、アサド大統領が化学兵器を使用したようだ、という発表以後、ますます強まっている。
アフガンとイラクでの戦闘後、国防総省はシリアに対するアメリカの介入には慎重である。大統領の軍事顧問である、マーチン・デンプシー将軍は先月、「それなりの結果」をもたらす軍事介入の可能性はありそうにない、と語った。
「軍事介入の決定に向かわせる政策を推進するという大きな決断に至る前に、多くの分析がなされるべきである」とある高官がロイターに語った。
間違った大量破壊兵器に関する情報を元に戦争をしたイラクでの経験があることを考慮すれば、この慎重さは理解できるものだ。国防総省は繰り返し、シリアの内戦にアメリカが軍事介入することに対するリスクと限界について警告を発してきている。・・・以下略
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