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フィリッピンのマニラの火山地震科学技術研究課のモニター

◆2月13日

 北朝鮮の核開発の後ろ盾にパキスタンがいる。インドはそのことを非難している。パキスタンと中国との関係にインドはずっと悩まされてきていた。そのパキスタンが北朝鮮の核開発にかかわっているため、ますますパキスタンとの関係は険悪なものになりつつあるようだ。

 翻ってインドはずっと親日国家としてあった国だ。そのインドの前にはインド洋が広がっていてそこをペルシャ湾から石油を満載した日本行きのタンカーが列を成して通過している。したがってインドは地政学戦略的に日本にとっては最重要な友好国家の一つなのだ。

 インドも核保有国であることと、その人口において中国と匹敵する内容を持つ国であることを考慮すれば、このインドとの戦略的友好関係を深めることは今後の日本にとって不可欠の要素となるだろう。

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●インド:北朝鮮の核実験の影にパキスタン
http://m.timesofindia.com/india/India-sees-Pakistani-hand-in-North-Koreas-nuclear-test/articleshow/18472552.cms
【2月13日 Indrani Bagchi & Sachin Parashar】

 インドは12日、北朝鮮による三度目の核実験を、パキスタンの秘密の核拡散ネットワークの証拠として公式に抗議を行った。インドの情報筋では、今回の核実験が濃縮ウランを用いたものであるとすれば、それはパキスタンの「核拡散リンケージ」を立証するものであると強調した。

 北朝鮮を国際的コミットメントを破ったとして批判し、インドは北朝鮮に対して、「地域の安定と平和に反するそのような行為をしないよう」要請した。情報筋は今回の実験は北朝鮮の技術的能力が相当に進歩していることを示したと語り、そのことが核拡散活動の拡大を示唆しているとした。

 「濃縮ウランによって実験は行われたという推測が正しければ、秘密の核拡散リンケージが拡大していることを示す事になる」と情報筋は語った。12日の実験の後、北朝鮮は自国の核能力は多様性を持つようになったと発表したが、これは濃縮ウランが実験に使用されたという推測の蓋然性を高めた。

 北朝鮮の通信社コナは、「高度に安全で完全な形で小型化され軽量となった核装置で一層強烈な爆発を可能とした核実験が行われた事で、周辺の生態学的環境にネガティブな影響は与えなかったということが確認された」と報じた。

 韓国は6キロから7キロトンの爆発を予想させる地震活動を記録した。もしこのことが確認されれば北朝鮮は、その運搬システム開発にはまだ暫くの時間が必要になるだろうが、核弾頭製造の段階に入っていけるということになるだろう、と語った。

 「北朝鮮の核実験のことを語る時は、傍でパキスタンが動いているものだ」と情報筋は語った。

 パキスタンは12日、ジュネーブ軍縮会議で兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT))交渉を促進させる動きを再び阻止する動きに出た。公式筋は二つの動きは相互に関連している、と語った。

 パキスタンは兵器級濃縮ウランの技術を北朝鮮に、ミサイル開発のノウハウと引き換えに渡してきた。これはベナジール・ブットーと金正日によって合意された取引の一部である。  

 パキスタンはインドとのFMCTの交渉を非対称的だとして拒否した。2006年と2009年の核実験で北朝鮮はプルトニウムを使用し、2010年に北朝鮮が先進的なウラン濃縮計画を持っていることが分かった。

 ウラン濃縮に使用されるヨンビョンの遠心分離機工場の存在は2010年に、外国人専門家らが招待され工場見学が成された際に分かった。

 この核実験に関するインドの評価は、中国の外交の失敗というものだ。北朝鮮問題は中国の責任であったが、中国は北朝鮮が核の道を進む事を断念させることに失敗し、六カ国協議の交渉のテーブルに着けることにも失敗した。今回の実験で中国は困った状況に陥った。中国は国連安保理による制裁決議に賛成している。中国は更なる制裁に賛成することができるし、北朝鮮に対する独自の制裁を課すこともできる。どちらにしても中国は最も近い同盟国の一つとの関係を損なう危険性がある。

 中朝関係は最近は良くなかった。先週、中国政府は環球時報で、北朝鮮に警告を発している。社説で、「もしも北朝鮮が、しないようにとの説得の努力がなされているにもかかわらず、三度目の核実験を強行すれば、重い対価を支払わねばならなくなるであろう。中国から受ける支援は削減されるであろう。中国政府はこの点については、北朝鮮が持つかもしれないいかなる幻想をも前もって打ち砕くべくはっきりさせねばならない」と書いた。
 
 この実験で国連安保理は緊急会議を12日遅く招集することになっている。

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シリアの各宗派人口の分布状況

◆2月12日

 シリア内には紛争勃発時から多くの戦士と言われる外国の傭兵らが流入し、内乱を拡大させてきたが、以下のワシントンポスト紙の記事では、イランもアサド政権を支援する目的で、5万人の民兵を支援し組織化していると指摘している。

 流入してくる外国人傭兵らが戦士として流入してくる限り、アサド政権側でもそれら戦士らと渡り合える戦闘集団としての民兵が組織されることが必要であろう。それをイランが手助けしている、ということになるようだ。

 当然それら民兵はアサド政権を構成する勢力と同じ要素、つまりアラウィ派の者たちを中心としてキリスト教徒やドゥルーズ教徒、あるいはクルド人などが中心勢力になっているのであろう。これらの5万人が民兵として、流入してきては各地でゲリラ的破壊工作をする傭兵イスラム主義戦士たちを迎撃する役目をすることになる。

 このように、シリアではアサド政権を維持せんとする勢力はまだまだ健在であり、スンニー派の反政府勢力や外国人イスラム主義戦士たちが勝利することは容易ではないことが理解されるであろう。これを見ても、もはやこれはアラブの春的な「民衆の革命」ではないのである。初めからアサド政権を武力で転覆させるという陰謀によって、アラブの春の運動が口実として喧伝されてきただけだったのだ。

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●イランとヒズボラ:シリア内に民兵ネットワーク構築
http://www.washingtonpost.com/world/national-security/iran-hezbollah-build-militia-networks-in-syria-in-event-that-assad-falls-officials-say/2013/02/10/257a41c8-720a-11e2-ac36-3d8d9dcaa2e2_story.html
【2月10日 By Karen DeYoung and Joby Warrick】

 イランとレバノンの代理的存在であるヒズボラとがシリア領内で民兵組織網を構築していると、アメリカと中東の高官が語った。この組織の目的はアサド政権が崩壊する際、自分達の利権を守る為である、という。

 この民兵はシリア政府側についてアサド政権を維持させるために戦っている。しかし、高官たちは、イランの長期的な展望は、シリアが民族的・宗派的な対立状態に陥った際、しっかりとした組織体を確保しておくためである、という。

 オバマ政権の高官の一人は、イランはシリア内で5万人の民兵を支援している、と主張していることを引用した。「それは大きな作戦である」と高官は語った。「直接的意図はシリア政権に対する支援である。しかし、イランにとってシリア内に信頼でき、依存できる勢力を維持することは重要である」と語った。

 アラブ人の高官の一人は、イランの戦略として、2つの点が上げられるとした。「一つはアサドを最後まで支援するということ、もう一つは、彼の政権が倒れる際の被害に対処するためである」.

シリアで宗派的、部族的分裂が進む事は、内乱状態がその3年目を迎えようとしていることと、政治的にも解決の兆候は見えず、軍事的にも政府側、反政府側両者とも勝利する目途は立っていない状況で、周辺国政府にとっての懸念材料となっている。
 
 大多数はスンニー派からなっている反政府勢力は、宗教的、地理的、政治的、経済的な面での分裂を抱えているため、統一とは言いがたい状態にある。外国から流入し、アルカイダとの繋がりのあるイスラム主義者の戦士たちは勢力を増大させている。

 クルド人たちは自分達の民兵を所有し、シリア北東部のかなりの部分とアレッポの一部を支配している。彼らはこの紛争ではどちらかの側と同盟するより以上に自治の方に関心を寄せている。少数派のキリスト教徒らはイスラム主義者らが勝利することを恐れ、大体はアサド政権側についている。70万人いるドゥルーズ教徒らはシーア派の支流で、徐々に反政府側に傾いていいる。

 自分達の利益はアサドをあきらめることだという、アサド政権のアラウィ派の者たちを説得しようとするアメリカの努力にもかかわらず、彼らは固くアサド政権と結ばれている。

 シリア内の各勢力には外部からの支援者がついている。

 「シリアは国家としては分裂し始めている。レバノンで70年代に少数民族的要素に分裂したのと似ているし、イラクもそのようになったのに似ている」とラバノンのベイルートのカーネギー国際平和財団中東センター局長のポール・サレムは語った。「シリアを国家として元に戻す事は困難になりつつある」と語った。

 「シリアと呼ばれる、異なる勢力が支配するある種の地域を見ていることになる」とサレムは語った。

 表向きは権力を握っている政府を支配する事なしに、イランは混乱から利益を得てきた歴史を持っている。レバノンのシーア派の不満をイランが利用することで、ヒズボラは1970年代のレバノン内戦から勢力を伸張させてきた。このパターンはイラクでアメリカが侵略した際の混乱期にも踏襲された。

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ロシアとの関係を「リセット」し直したい、と語ったバイデン副大統領

◆2月5日

 再度バイデン副大統領に登場してもらうことになった。彼はミュンヘンの安全保障会議で、ロシアとの関係をリセットし直したい、と語ったようだ。これも今までこのROCKWAY EXOPRESSで示してきた今後の世界の流れて行く方向について非常に示唆的な事柄である、といえよう。

 世界平和の進展はプーチンとブッシュでは無理であるが、プーチンとオバマならば可能なのだ。ブッシュは戦争屋にもろに繋がっているため、戦争へのベクトルで事が進められるに反し、オバマは反戦争屋である。

 従って、今までのアメリカ政治のダイナミズムの慣性があるから、即刻戦争をしないアメリカにする事はできずとも、大型艦船のようなアメリカ外交の進路の方向を変更するように徐々に舵を切っていけば、やがて進路は変更されるだろう。

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●大量破壊兵器の処遇が米ロの「リセット」の鍵
http://rt.com/politics/russia-us-reset-lavrov-biden-kerry-400/
【2月4日 Russia Today】

 アメリカのジョセフ・バイデン副大統領は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相に、最近の険しい米ロ関係にも拘らず、アメリカは両国間をリセットして元に戻す意思がある、と語った。、

 コメルサント紙は、ミュンヘン安全保障会議に出席しているロシア代表団筋殻の情報として、バイデンはロシアとアメリカの関係正常化は大量破壊兵器(WMD)の拡散を阻止する面での協力を通して開始されるであろうと考えている、という。

 このロシア紙は、そのような計画が現実的なものになるには、第三世界におけるWMDの処分問題に対して米ロの経験を必要な条件として適用する可能性を指摘した。

 「リセット」という言葉の言い出し人である米副大統領は、「シリアを含む、国際の平和と安全保障において」、両国が一致して働くことが重要であると強調した、という。

 アメリカ副大統領はラブロフ外相との非公式の会談で、米ロ間の意見の相違は継続するだろうが、米ロ関係は、「世界が直面している問題に対して実際的な解決をもたらす必要性がある」と語った。

 米ロの「リセット」を推進する努力は、冷戦時代のお互いの疑惑の感情を払拭する努力を試みてきた二つの核超大国間で外交的報復が繰り返されることで大幅な後退を余儀なくされてきた。

昨年12月、オバマ大統領はマグニツキー法と言われる法案に署名した。これは脱税容疑の捜査のため拘留されている最中に死亡したセルゲイ・マグニツキーの事件の共犯者と考えられるロシア人を「罰する」ために作られたものだ。ロシアはこれを内政に対する外部の干渉として非難した。

 後になって、プーチン大統領はジーマ・ヤコブレフ法という法案に署名したが、これはアメリカ人がロシア人孤児を養子にすることを禁じるものだ。これはアメリカ人の男性でこのロシア人の子供を養子にした男性がその子供を車の中に放置したことで熱中症で死亡した、その子供の名前を法律の名称にしたものだ。ロシア国会はアメリカ人の家庭に養子になったロシア人の子供達に悲劇が続いた後に、これを大統領の机に送ったのだ。

 最近では、米ロはいくつかの共同組織におけるパートナーシップを終了させている。ラブロフ外相はバイデン副大統領に対し、アメリカが最近取った政治的動きが、「ロシア社会に険悪な反応を惹き起こした」と語った。そしてこれ以上そのようなことが起きない事を期待する、と付け加えた。

 一方、最近国務長官の指名を受けたジョン・ケリーはロシアをまもなく訪問することになっている、とミュンヘンからモスクワへの飛行機の中でラブロフ外相は記者団に語った。 

 ラブロフ外相はこのような状況を総括しながら、米ロ両国間にいかなる問題があろうとも、両国は実質的にはパートナーとなるようになっている、と語った。

 「大多数の国際問題を解決するにおいて、ロシアとアメリカ抜きでは非常に困難なことになるだろう」と外相は強調した。

 「二国間協議の一般的結論は、二つの大国間には常に問題があるだろうが、それらの問題は意図的に問題を作り出す事を避けながら、平等を基盤として解決されるべきであり、またお互いの利益を尊重すべきである」とラブロフ外相は語った。

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イランとの直接対話の可能性を語るアメリカのバイデン副大統領

◆2月4日

 アメリカのバイデン副大統領は、アメリカはイランとの直接対話の用意がある、と発言したようだ。これは1月3日号「ヒラリー・クリントンはイランで飛行機事故に遭遇し負傷したのか?」でも示唆されていたことで、アメリカはイランとの関係でそのスタンスを転換させ始めていることの兆候である。

 この件では、12月26日号「アメリカの新国防長官に最適なチャック・ヘーゲル」で、「今までの親イスラエルの傾斜度が是正され、逆にイスラム教世界との融和が進む、と考えられる」と指摘した通りのことが起きていることになる。

 つまり逆に言えば、イスラエルはこのようなアメリカの姿勢に反発しより一層危険な手段に打って出る可能性も高まる、ということだろう。しかし、オバマ政権の意思は固いと、このROCKWAY EXPRESSでは見ている。

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●バイデン米副大統領:アメリカはイランとの直接対話の用意がある
http://edition.cnn.com/2013/02/02/politics/biden-us-iran/index.html
【2月2日 By Mariano Castillo, CNN】

 一定の条件下で、アメリカはイランとの直接対話を行うことについての意思があると2日、バイデン副大統領が語った。

 アメリカは、「イラン指導部と二国間会談を行う用意がある」と、副大統領はミュンヘン安全保障会議での演説で語った。

 二国家間ではイランの核計画に関して行き詰まり状態にある、しかし会談に関する呼びかけはずっと成されてきている。

 「何を話すかについてのアジェンダが無ければならない」とバイデンは語った。「練習のための準備ができているると言っているわけでない」というわけだ。

 一方、イランのアリ・アクバール・サレヒ外相は、ファーズ通信とのインタビューで、次期国務長官のジョン・ケリーがイランに対するアメリカの政策の柔軟化に貢献してくれることを期待している、と語り、彼が少なくとも、「アメリカの反イランの姿勢と政策の一部を修正する」ことを期待する、と語った。

 所謂グループ〔国連安保理常任委員国五カ国とドイツ)を通しての間接的なイランとの会談をすることは不成功で何ヶ月も停止したままだ。

 このような会談に発展がないことで、オバマ政権は外交的のやり方を再考するよう圧力が掛かっていた。

 オバマ大統領指名国防長官のチャック・ヘーゲルはかつてイランとの直接対話を語っていた事があった。彼の指名承認公聴会の時、ある共和党議員が彼の対イラン姿勢が軟弱であると非難した際の論争の焦点であった。

 ケリーの指名承認公聴会では、現在のイランに対する制裁は効果を発揮しているが、外交的手段による進展が期待できる状況がある、と語った。

 直接対話に批判的な者たちは、イランはそのようなことを制裁を遅らせることに利用するだけで、一方彼らは自分達の核計画はそのまま継続することで利益を得ることになると言っている。

 アメリカとイランは昨年秋に一対一の対話をすることで合意をしたと言われているが、それは大統領選後、ということだった。当時、南カリフォルニア共和党上院議員のリンゼい・グラハムはイランがアメリカの選挙戦を利用していると非難した。

 「イラン人との対話をするというが、 双務的であろうが片務的であろうが、彼らは(ウランの)濃縮を進めることだろう」と昨年の10月に語った。

 国家安全保障会議は当時、イランとの二国間協議については何も取り決められてはいないと否定した。

 先月、アメリカはイランに対する新たな制裁措置を取った。その制裁措置では、イランの核計画に技術と資材を供給している個人や会社を標的にしているという。

 この国務省と財務省によって発表された制裁は、イラン経済を標的とする最新のもので、イランの経済と核資材の開発を標的とする最新のものでもある。 

 イランは自分達の核計画は民生用エネルギー目的だといい続けている。しかし、国連の国際原子力機関は、イランの核計画の意図するものが平和目的かどうかを確かめることはできないと語った。

 いくつかの欧米諸国は、イランは核兵器を製造するに使用されるかもしれない技術を開発しようとしていると国際原子力機関が語った2010年以来、イランに対して経済と兵器に関連する制裁措置を施してきている。

 それ以来、イランはアメリカとヨーロッパ連合によって石油の禁輸および銀行といくつかのビジネスを標的とする制裁措置で打撃を受けた。

 ドイツでの安全保障会議で、ジョン・マケイン上院議員は、イランとの直接対話に反対はしないが、場違いな楽観主義に対する警告をした。

 「我々は歴史から得る教訓を学ぶべきであり、それは対話がどうであろうと、もしも基本的な問題があるとすれば、その基本的問題とはイランが核兵器を所持しようとしている、という事だが、そうであるならば対話は重要なことではない」と彼は語った。

 「我々はこの映画は以前見ている。そして明らかに、我々が支持するどんな会談でも、楽観主義を持って臨めば、それは過ちとなると考える」

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イスラエル軍のF-16戦闘機

◆1月31日

 30日未明、イスラエル軍機がシリアの軍事科学研究センターを空爆したという。その前にシリアの反乱武装勢力が繰り返し防空システム基地を攻撃していた、という。だから今度のイスラエルの空爆も同じ目的を持ったものと思われる。

 反対にイスラエルは自分達の防空システムである、アイアンドームをシリア国境付近に移動させて、シリアからの攻撃に備えようとしている。シリアの防空システムは破壊し、反対に対シリアの防空システムを設置するイスラエルの狙いは、丁度トルコがシリアとの国境沿いにパトリオットミサイルシステムを設置したことと同じである。

 つまり、いざシリア内の反乱勢力がシリア軍によって圧倒される際には、トルコは北方から、イスラエルは南方からシリアに対する空爆を行い、反乱勢力を支援し、もってアサド政権転覆を実現しよう、ということである。その際に邪魔になるのが、シリアの防空システムであるから、そのシステムの破壊を狙っての今回の先制奇襲攻撃である。

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●イスラエル軍機:ダマスカス近郊の科学研究センター爆撃
http://rt.com/news/israeli-warplanes-bomb-damascus-114/
【1月30日 Russia Today】

 イスラエルの戦闘機が30日朝、ダマスカス近郊の軍の科学研究センターを標的にした、とシリア軍が発表した。この声明は、イスラエル軍がレバノンに向かっていたシリアの兵器を載せたコンボイ(護送車列)に攻撃を加えたというレポートの後に出てきたものだ。

 シリア軍の総司令部は声明を発表し、ダマスカス近郊のジャムラヤにある軍の科学研究センターを標的とした空爆がイスラエル空軍によって行われた、と述べた。

 「イスラエルの戦闘機は本日未明シリア領空を侵犯し、シリア防衛力の向上を目指している科学研究センターに対する直接攻撃を行った」とSANA(シリア・アラブ国営通信)が軍声明として発表した。

 この攻撃でセンターは損傷し2人の従業員が死亡、5人が負傷した、と声明は指摘している。イスラエルの軍用機はレーダーの下をかいくぐって飛行し、「アルシェイク山の北側から侵入した」という。声明はこの攻撃を、シリアに対する「露骨な侵略行為」であり、シリアでのテロリストらの活動を支援していることでイスラエルを非難した。

 この前に、イスラエル機が30日朝、レバノンの領空を繰り返し侵犯しながら、レバノンとの国境近くのシリア領内の標的に対する攻撃をしたというメディアのニュースがあった。アメリカ政府高官はイスラエル軍用機がシリアからレバノンに向かうコンボイを狙った攻撃があったというニュースを確認した、とAP通信が報じた。

 シリア軍はしかしながらこれを否定した。国境でのコンボイに対するイスラエルの攻撃は無かった、という。

 しかしながら、攻撃が行われた際にこのコンボイが軍の施設付近にいたということは「ありうる」と、外交筋がロイター通信に語った。

 この空爆がダマスカス近郊の軍の施設を狙ったものかどうか、確認は取れていないが、専門家らはシリアの防空システムに対する反乱勢力による何ヶ月にも渡る攻撃の後に空爆があったということはつじつまが合うと考えている。

 「反乱勢力ないしは彼ら自身が好む言い方をすれば革命家らは、ダマスカス近郊の防空基地をこの7ヶ月間ずっと攻撃してきたのだから、この空爆は理にかなっているものだ」と、シリア・トリビューン・ニュースサイトの編集長であるあり・モハマド博士はRTに語った。

 「彼らはS-200の基地、SM-2の4ヶ所そしてSM-3の基地への攻撃をやってのけた。今度はイスラエルの空爆だ。これらは同じ目的を持っている。イスラエルはシリアの不安定化に大きな期待をしている。そしてそれはシリア内の武装反乱勢力によって支援されてきた」と博士は語った。


■化学兵器は口実
 
イスラエルは精密兵器の積荷に対する空爆を何日も計画してきたと、繰り返し報告されてきた。それには化学兵器とレバノンのヒズボラ向けのロシア製の対空ミサイルが含まれている、と言われていた。

 「この話はつまり、シリアとヒズボラに対しイスラエルの神経に障るような兵器を輸送するようなことはするな、というイスラエルの警告ということだ」と、この地域の治安筋がロイターに語った。

 今のところ、イスラエルの高官の誰も、あるいはその他の関係者らも今度の空爆の正確な場所と標的について指摘している者はいない。しかしながら、匿名の外交筋はロイターに対して、化学兵器はジャマラヤ研究センターに格納されていると考えられていると語った。ただしコンボイがこれら兵器を輸送していたとは考えられない、という。

 イスラエルの高官は繰り返し、アサドが化学兵器の備蓄に対する管理能力を失うことをイスラエルは恐れていると語った。しかし、アリ・モハマド博士は、化学兵器の危険性というのは、シリアの軍事研究センターを破壊する口実だと考えている。そうすることでシリア政府がこの地域の同盟者らに対し、武器の製造や供給をすることが出来なくなるようにさせるためである。

 「軍事研究センターは地対地長距離ミサイルを中心に兵器の開発を進める部署である」と博士は語った。「そして、イスラエルの望みは、この研究を頓挫させることである。勿論イスラエルは、これが化学兵器に繋がっている、と非難するつもりであろう。しかし、勿論そうではない。研究センターに化学兵器など備蓄されてはいないのだから」と博士は語った。

 「シリアの軍事関係の研究プロジェクトの責任を持つシリア高官がダマスカスで反乱勢力によって暗殺されたことを思い出してみよう」と彼は説明した。「また、シリアの長距離ミサイルプロジェクトに関わったダウド・ラジハ大佐がやはりダマスカスで暗殺されたことを思い出してみよう。これは、シリアの科学的軍事研究プロジェクトを頓挫させようということであり、レバノンとパレスチナのレジスタンス活動をイスラエルが圧倒できるようにさせるということである」と博士は説明した。

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