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シリアへの軍事介入の可能性を語るイギリスのサー・デイビッド・リチャーズ将軍

◆11月12日

 イギリスの将軍がシリアに対する軍事介入の可能性に言及したようだ。もとより国連安保理ではロシアと中国が反対するから、国連のお墨付きのないものになり、今すぐには出来ないことも明らかである。

 しかし情報通のジャーナリストの一人は、今回のこの将軍の発表は、反政府勢力に対するリップサービスであろう、とも指摘している。一気にアサドを退陣に追い込めるかと読んだ欧米側の目論見も、なかなか展望が開かれない為、少し活気付けようという意図からの発言だ、というのだ。

 それもあるだろうし、将軍の一人が軍事介入の可能性を語ることで、その反応を見る、ということもあるかもしれない。例えばフランスがそれに反応し、あのリビヤの時のようにシリアに対しても軍事介入をイギリスと連携して行うようなことを考える者たちが出てくることも考えられる。

 しかし来年になれば、ヨーロッパ全体は経済・金融面での混乱が拡大し、シリアに対する軍事介入などをやっておれない状況に陥っていくであろう。またオバマ政権は、二期目となって今年までの動きとは異なる動きを始める可能性があるだろう。イスラム社会との和解に向けた動きの本格化である。これは主にイランを相手にしての話だが、イランの同盟国であるシリアとの和解も含まれるはずである。

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●イギリス人将校:数ヶ月以内にシリアに介入できる
http://rt.com/news/syria-uk-military-intervention-468/
【11月11日 

 イギリスの最長老将校がBBCのインタビューで11日、人道的見地から見てのシリアの状況が悪化すれば、イギリスは「限定的」な部隊派遣の計画を持っている、と語った。

 国防軍参謀長サー・デイビッド・リチャーズ将軍の発言は、イギリスがシリアに何らかの形で軍事介入することを準備している、という最も深刻な警告である。

 これは、イギリスの政策がシリアの反政府勢力を支援し組織立てるということから、本格的な軍事介入の方向にシフトしたことを思わせるものである。

 「この冬の状況は、より一層悪化すると思うし、そのため軍事介入への要請が強まると思う」と、リチャーズ将軍はBBCのアンドリュー・マール・ショウで語った。

 「他の私と似た位置にある人々の中にあって、我々が軍を派遣できるように継続的にこれらの選択肢を常に練り直すことは、私の務めである」と彼は語った。

 国防大臣のフィリップ・ハモンドは11日、BBCのサンデー・ポリティクスの中のインタビューで、イギリスは軍事介入の選択肢を除外したことはないと追認したが、イギリスはシリアのアサド政権を非難する国連安保理決議を勝ち取れるよう、ロシアと中国の反対を乗り越えることに集中しているところだ。

 「今の段階では、我々は軍事的な介入をする法的根拠を持ってはいない。この点は首相が常に指摘する点であり、法的位置づけ、実際的な軍事介入のあり方のチェックなど、これらすべての選択肢を吟味していくだろう」と語った。

 しかしながら、イギリスの主なる関心事は、シリアにおける問題が隣国のレバノン、トルコ、ヨルダンなどに飛び火しないようにする点にある

 リチャーズ将軍は、イギリス軍を隣国に駐留させることもありうる、と指摘した。

 「彼らは我々の同盟国である。我々は小規模の軍をそこで展開しているが、何らかの災害が起きた場合にはそれに対処できるよう準備を進めているところだ」と語った。

 しかしながら、ポリティクス・ファースト誌の編集員のマーカス・パパドポウロスは、ロシア・トゥデイに対して、イギリスの発表をそんなに深刻に捉える必要はないと考えている、と語った。

 「これはシリアの欧米の代理勢力である反政府民兵たちを力づけようと意図されたものだ。同時にアサド政府を脅すことも含まれているし、長期に渡る血みどろの戦いを続けてきているシリア軍の戦意の喪失も狙ったものだ」と彼は語った。

 イギリスが考えているその他の選択肢は、2011年ヨーロッパ連合の制裁措置の改定であり、それは「人道的」理由から武器を反政府勢力側に供給することを認める内容のものだ。

 デイビッド・キャメロンは、外国から軍事支援を受けることを禁止している禁輸を終了させたいと願っている。キャメロンはまたアメリカがシリアの反政府勢力をもっと支援するよう圧力を掛けたがっているし、もし可能ならば、イギリスがシリアの反政府勢力側に直接武器を供給することを願っている。

 難民の「安全地帯」もまた考慮されているが、シリア上空に飛行禁止空域をっ設定する計画はない。飛行禁止空域なしに、難民のための「安全地帯」を確保することは殆ど不可能なことである。 

 イギリスは既にアフガンに軍を派遣しているが、陸軍と違って、海軍と空軍は予算削減に直面しているので、いかなる軍事的介入でも、アメリカの支援が必要である。

 イギリスの世論はどんな軍事介入に対しても断固反対のようだ。出来るだけ早くアフガンから軍を撤退させたいと願うイギリス人の数は、多くの政治家も含め、数を増している。国内では緊縮財政と不安定な経済のため余裕がなくなっている同盟国にとっては、どんな形であっても新たな軍事介入は受け入れがたいものとなっている。

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シリアの反政府勢力グループ内で抗争が拡大している

◆11月7日

 昔、日本には反政府勢力として共産党に反発する左翼学生グループが作った極左グループが闊歩していた時期があった。その極左グループ内も更にいくつもの派に分かれて内ゲバと称する、内部抗争をしていた。ゲバとはゲバルトというドイツ語の縮小形のつもりであり、暴力を意味し、主に角材を武器としての暴力沙汰であり、死人も沢山出た。殆どヤクザの抗争と変わらなかったのだ。その抗争で死ななかった者たちの何人かが民主党などに生息している。

 現在、シリアで行われている政府軍と反政府勢力との戦いは、武器こそ角材などという生易しいものではなく、本格的な武器を使用しての抗争だが、ここにきて主導権を誰が握るかという話し合いが行われている最中にも、実際的に有利な地点を確保しようと、反政府勢力グループ同士での抗争が激化してきている、と言う情報がでてきたのだ。

 これを見ても分かるように、シリアの反政府勢力グループの活動は、シリア国民のための「アラブの春」的解放運動ではなく、湾岸アラブ君主国などに支援されたアルカイダ系テロリストらが、アサド政権に不満を持つ者たちと組んで政権転覆を暴力的に行おうとする活動であり、しかもそれぞれのグループが主導権を握ろうとして、ついに内部抗争まで始めた、という状況なのだ。

 なんでもそうであるが、ある目標を目指す活動体が内部抗争を始め殺し合いを始めれば、当初の目標達成はおぼつかないばかりか、結局はその活動体自体が崩壊していくことになるのである。そのような活動体を支援している湾岸アラブ君主国やトルコ、欧米も、そのとばっちりを受けることになるだろう。見ていれば、分かることだ。

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●国境検問所の争奪戦を行うシリアの反政府勢力グループ
http://news.antiwar.com/2012/11/05/syrian-rebels-fighting-each-other-over-border-crossing/
by Jason Ditz, November 05, 2012

 トルコがシリアの反政府勢力グループを公的に支援しているので、国境検問所は政府軍と反政府勢力グループとの間で激しく争奪戦が行われてきたが、いくつかの検問所は反政府勢力側が支配してきた。

 従って国境での戦闘は何も新しい話ではないのだが、トルコ高官は本日、バブ・アルサラメの検問所では政府軍との戦いではなく、二つの反政府勢力グループ同士の戦いが進められているという情報に接し驚かされた。

 どのグループが戦っているのか、ということははっきりしないが、キリスにある難民キャンプに繋がる検問所はどのグループにとっても重要な検問所で、この検問所を通してどのグループが武器を手に入れることができ、どのグループができなくなるかが決められる地点なのだ。

 この戦いは、枢要なグループの傘下に指導的位置を与えることを決める重要な会議が行われている最中に成されている。最終的には、反政府勢力内での位置は、カタールで行われている交渉の席上でというよりか、戦いの戦場で決められることになりそうだ。



●シリア反政府グループ内に激しい対立
http://www.foxnews.com/world/2012/11/04/syria-dissident-trying-to-forge-new-opposition-leadership-says-it-would-win/

 11月4日、シリア反政府グループ会議で激しい対立の構図が浮き彫りにされた。この会議は国際社会の支援が容易になるためには、もっと統合された指導部的主体が必要であるため、それを生み出そうという会議である。

 主なる反政府勢力グループであるシリア国民評議会(SNC)は、アメリカが支援するこの指導部擁立の計画に噛み付いた。自分たち以外の勢力にも指導部入りする余地を残している、という観点からだ。しかし、国際的圧力が加わった為、このSNCは、新しい指導チーム内にSNSの影響力をもっと残せるのならば交渉に応じる用意があると示唆した。・・・以下略

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イランの秘密兵器?であるホルムズ海峡

◆11月1日

 一昨日の記事ではイランの無人攻撃機に関するものを掲載したが、今日はイランの軍事力全般に関するものの内、イラン独自開発の兵器関連を中心とした記事を掲載することになった。

 これらを見ると、イランの兵器は欧米のそれと肩を並べるような性能を持つものが多く、アメリカやソ連、ロシアから供給された兵器をも自分たちがメンテナンスを行い、更に改良を加えたりして現役である兵器が多い。

 3000年の歴史を誇るペルシャの末裔としてのイランが、それなりの軍事力を保有していることを侮ってはならないだろう。イスラエルがイランを単独で相手として戦えば、イランに歯が立たない、とジョンソンとウォルターは書いている。

 従ってイスラエルに残っているのは核爆弾だけだが、そこまでする必要がないことは明確である。要はイスラエルがイランを攻撃しなければ、イランからイスラエルを攻撃することはない、ということを理解すればいいだけである。

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●増強されるイラン軍事力
http://www.thetruthseeker.co.uk/?p=59263
【10月30日 Robert Johnson & Walter Hickey– Business Insider】

 イランは54万5000人の兵力を有し、いくつかの最も進んだ軍事テクノロジーを持っている。多くはアメリカが与えたものである。

 これは革命前のイランが中東ではアメリカのキーとなる同盟国であった時に与えられたものだ。イランは自身の軍産複合体を発展させ、維持し、最新式の物に切り替えつつある。そしてそれに成功しつつあるのだ。

 従って彼らの核計画を無視することで、イランが扱っている軍備すべてを矮小化してみることになる。 

 数十年になる国連の禁輸とソ連とアメリカの技術がごろごろしていることを考えれば、イランが独自の兵器システム構築に躍起になっていることが分かるだろう。以下にそれらを示すことにする。
 

◆The AH-1J シーコブラ

 
 アメリカは202機のこの種のヘリコプターを1975年から78年の間にイランに売却した。現在はほぼ50機が使用されている。イランはイラン・イラク戦争でヘリコプターを使用していたことが、話題になった。
 AH-1Wは似た機種で、海兵隊の攻撃ヘリコプターでは画期的なものとされている。この攻撃ヘリは二人乗りで、最高速度は219mph、高度1万500フィートまで上昇できる。長さは53フィートある。
 イランは更に、AH-1Jからパンハ2091を製造している。性能は知られていない。

 
◆RIM-66地対空ミサイル
 

 アメリカによってデザインされた海軍用ミサイルシステムで、複数の国に輸出された。1967年から配備されているレイセオン製のこの誘導ミサイルシステムは音速の3.5倍で飛翔し、90海里の射程を持つ。長さは15フィートある。イラン海軍はこのシステムをいくつかのミサイル艇と艦隊に搭載している。


◆S-300ミサイルシステム
 
 
 このシステムは確認されていないが、イランはこのシステムを保有していると主張し、その情報筋は信頼できそうだ。もしイランがこれを保有しているとなると問題は大きい。イランはロシアといくつかのこのシステムについての契約をしたと主張しているが、ロシアははっきり否定している。 

 彼らはいくつかをカダフィから得たかもしれない。あるいはクロアチアやべラルース、ロシアのどこかから得たかもしれない。イランはババル373システムを開発したと言っているが、これは彼らが言うにはS-300と同様の性能を持っているという。

 NATOはこのシステムをS-10グラジエーターと呼んでいる。1970年代にソ連が開発し継続的に改良が加えられ2011年に製造が終了するまで続いた。これは現役の対空システムとしては最も性能的にすぐれたものの一つである。

 弾道ミサイルを迎撃するようデザインされたバリエーションも存在する。このレーダーシステムは一遍に100の標的を探知し同時に12の標的を攻撃することができる。

 23フィートのミサイルは2トンの重量があり56~93マイルの射程を持つ。音速の6倍の速度で飛翔する。このシステムは実戦に使用されたことはなかったが、NATOはその時のための訓練をしてきた。


◆BGM-71 TOW
 
 
 この対戦車ミサイルは、アメリカ・イランの歴史である部分を形成するものだ。レイセオンが製造し1970年に配備されたこの対戦車ミサイルは3750mの射程を持つ。このミサイルは2003年、サダム・フセインの息子のウデイとクァセイを殺害した襲撃の際にアメリカ軍が使用したことがある。

 後にイラン・コントラ事件となる取引で、イランはアメリカからこのミサイルを受けることになった。アメリカはこのミサイルを2000機イランに供給した。 

 イランはこのTOWシステムを彼ら自身の対戦車ミサイルのトゥーファン開発に利用した。これは2006年のレバノン戦争の時ヒズボラが使用したと言われている。


◆ツフィクァル戦車
 
 
 イランは国内生産技術を開発する努力を大いにしてきた。このツフィクァル戦車は彼らが今までに成し遂げたものの中で最高傑作の一つである。重量41トン、長さ23フィートである。名称は預言者モハメドの義理の息子の名前から取っている。イランのシャヒド・コラー・ドゥーズ産業が生産している。12.5cm戦車砲と2機の機関銃をを搭載している。時速43マイルで走行できる。


◆F-14 トムキャット
  
アメリカはイランがF-14 トムキャットを手に入れたことを知っている。結局我々が彼らに売却したのだ。イラン空軍はF-14の2飛行中隊を持っている。これはシャーの時代に手に入れたものだ。

 イランが保有しているのはF-14Aで、初飛行は1970年の12月だ。イランには79機供給されて、リバースエンジニアリングのお陰で59機がまだ現役である。この迎撃機は戦闘機、巡航ミサイル、爆撃機と対戦するようデザインされている。


◆キロ級潜水艦
 
 
 イラン海軍はソ連から供給された作戦用潜水艦を保有している。イランは3隻のキロ級潜水艦を保有しているが、この潜水艦は300mの深さまで潜水でき、45日間補給なしに航行できる。この潜水艦はディーゼル発電で70mの長さがある。イラン海軍は他の国に依存しないで、艦船の維持と修理を行える、ということが分かっている。これらの潜水艦はホルムズ海峡の支配を維持するために決定的に重要である。  


◆MiG-29 戦闘機
 
 
 この戦闘機はロシア軍で現役である。1600機以上が製造された。最高速度マッハ2.25で1900マイルほどの航続距離を持つ。30mmカノン砲を搭載しおよそ4トンの武装が可能だ。これは6基の空対空ミサイルを含む。この戦闘機はジェネラル・ダイナミクスのF-16に対抗するよう企画されたものだ。イランは25機保有している。


◆カラール無人機
 
 
 この戦闘無人機は2010年に発表されたが、詳細はいまだ不明だ。国営テレビはこのカラールとは、「打撃者」ということで、航続距離は620マイルで、250kの精密誘導爆弾2発を投下できると言っている。時速は560マイルあり長さは13フィートで、イランのアハマディネジャド大統領はこのジェット機について、「人類の敵にとって死のメッセンジャーである」と述べた。


◆ラアド対空ミサイル


◆アバビル-T
 

 イランは軍事的にはイスラエル単独で相手にできる相手ではない。
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イランの開発したステルス無人攻撃機

◆10月30日

 10月6日にイランの無人機がイスラエル上空でイスラエル空軍に撃墜されたが、イスラエルの領空内に無人機を侵入させたイランの無人機の性能が注目されている。

 今回はイランがイスラエルを直接カバーできる、航続距離2000kmになる無人機を開発したということで、イスラエルに対する脅威の度合いが増した。これを大量に生産し、イランからばかりでなく、隣国レバノンのヒズボラもこの無人機をイスラエル向けに飛ばせば、どうなるか?しかもこの無人機はステルス性能を持っているのだ。

 昔、イスラエルがバビロンに捕囚となっていた時、ペルシャのクロス大王が彼らを解放したことがあった。解放されたイスラエル民族はパレスチナに戻りそこで再び国家の建設をなしたのだ。つまり、イスラエル民族にとってペルシャ、すなわち今のイランは命の恩人でもあるのだ。そのイランをイスラエルは先制攻撃で破壊し石器時代にもどしてやる、というのだから、もし本当に攻撃したとすれば、完全な恩知らずとなり、そのような民族・国家が地上に留まることは困難になるというのが、国家存亡の原理原則である。簡単に言えば天地が許さない、ということ。

 だから、イスラエルはイランを絶対攻撃するべきではないし、またイスラエルのイラン攻撃を擁護し、一緒になってイランを叩くといっているロムニーがアメリカの大統領になるべきではないのである。

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●イラン:射程2000km無人ステルス攻撃機開発
http://www.debka.com/article/22483/Iran-develops-Ababil-T-–-a-2-000-km-range-stealth-attack-drone
【10月29日 DEBKAfile】

 イランのアハマド・ヴァヒディ国防大臣はテヘランで28日、「この無人機はイランの最新の技術というわけではない」と警告した。彼はイランとヒズボラがイスラエルの空域に10月6日に飛ばした無人機について語っているのだ。そして、それが無人機の在庫の最後のものではなく、更にはイスラエルの空域に対する侵入の最後でもないことを強調しているのだ。

 我々の軍事情報筋によれば、9月半ば、イランは秘密裏にレバノンに向けて解体したアバビル無人機を発送した。もっともイランはイスラエルがそれを発見しないだろうという、あるいはイスラエル空軍がこの無人機の発射前に空爆しないという確信があったわけではない。シリア戦争はイランの発射チームがレバノンい常駐することを困難にしていた。

 しかしながら、イランは無人機の製造において格段の進歩を遂げ、それは能力と射程に現れている。2006年のレバノン戦争の時、ヒズボラはアバビルの初期のモデルをテルアビブ空爆のために発射していた。それはイスラエル空軍によって撃墜された。以来、イラン人は改良型のアバビル-Tを開発、これは短・中距離の射程の攻撃用であり、アバビル-Bとアバビル-Sも製造した。

 我々の軍事情報筋は、このアバビル-Tを、イランで最も進んだ無人機と定義している。それは電子戦、軍事情報収集とオンラインで伝送する能力を持つもので、前線での戦闘に適合したものだ。それは敵の電子システムを無能化するようデザインされており、とりわけ、アメリカとイスラエル向けに出来ている。

 アバビルとはコーランに出てくるツバメで、アラーによって解放され敵を打ち負かした鳥だ。

 このプロトタイプは最長航続距離150km、高度4.2kmを持ち、10時間浮かんでいることができる。イラン人技術者はその速度と航続距離を急速に改良した。しかし、最近までは、レバノンを経由しないでイスラエルまでカバーできる無人機をどう製造できるか、まだわかっていなかった。彼らはこのアバビル-Tがトルコあるいはイラクを通過することは避けた。それはこれらの国の駐留しているアメリカないしはNATO軍によって迎撃される危険性があるからだ。

 この障害は最新の改良されたアバビルで乗り越えられたとヴァヒディ将軍は語る。

 彼が語った一週間前の10月17日、イラン航空産業の会長であるマヌシェフル・マンテキは、イランはイスラエルをカバーできる航続距離2000kmの無人機を所有していると発表した。

 イランはこの進化したモデルをレバノンのヒズボラが使用できるよう在庫を増やす計画をしている。

 イランの情報筋は、最新式の無人機は2011年11月に戦闘状況の中でテストされたと主張している。一機の無人機がペルシャ湾のアメリカ第五艦隊の上に秘密裏に飛ばされ、更なる改良のための情報を収集し、価値ある経験をした。

 彼らは今後、2011年12月4日に撃墜したアメリカのRQ-170センチネル無人機から盗んだ技術や、ロシアと中国から買ったもの、欧米から盗んだものを利用してステルス性能を持つスパイ無人機と大型爆撃用無人機の段階に進もうとしている。

 彼らの無人機開発計画予算の殆どは無人機の航行、送信、その他のサイバー戦争システムの改良に費やされている。

 過去5年間で成し遂げられたイランの大いなる進歩は、MITその他アメリカ、イギリス、ドイツの大学で勉強した学生らが帰国して成されたものだ。

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イランの新型防空ミサイル「シャヒーン」


◆10月23日

 アメリカとイランとが直接、二国間協議をする可能性がある、という記事である。理由は、アメリカは日ごとに弱体化しつつあるが、イランは日ごとに強くなってきていて、アメリカはイランとの戦争を避けたい、という思いをもっているからだ、という。

 それが良識ある人間の思考のたどり着くところである。又実際、イランを叩いて何の利益があるのか、と問わば、何もありはしない。ただ、それがイスラエルの意向だから、という理由だけなのだ。そしてイスラエルがイランを叩けば、それがイスラエルの終わりの始まりになると、このブログでは以前から指摘してきているように、イスラエルとてイランを叩くことは馬鹿らしいことと気づかねばならないのだ。

 唯一問題は、アメリカの次の大統領がロムにーになった時だ。彼がアメリカ大統領になったら、イラン攻撃を実施するかもしれない。それが最悪のシナリオである。だからここはなんとしても、オバマに再選を果たしてもらわねば困る。

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●イラン核問題に関する新しい対話の可能性
http://www.thetruthseeker.co.uk/?p=58771
【10月22日 Truth Seeker】

 ウォール・ストリート紙(WSJ)の記事が信頼できるものならば、イランとの核問題に関する対話の可能性が出てきたようだ。もっとも確実な日程が組まれたわけではないが、WSJによれば、11月の大統領選挙と2013年の初めまでの間に外交的窓の機会がある、という。

 これは小さな窓で、しかも詳細はまだはっきり分からない状況だ。というのも、新たな交渉の可能性が持ち上がったという報道があった直後にイランはそれを否定したからだ。ホワイトハウスのスポークスマンであるトミー・ヴィーターは、「アメリカの選挙後にアメリカとイランとが一対一の会談をすることに合意したという事実は無い」と強調した。それでも彼は、オバマ政権が、「我々は二国間で会う準備はするだろうと語った」ことは認めた。

イラン側では、イラン外務大臣のアリ・アクバール・サレヒは記者団に向かって、「我々は今はその件には関わっていない」と語った。更なる交渉が合意されたとしても、ロムにーがオバマ政権はイランに甘く、中東の伝統的な同盟国を捨て去る準備をしていると言う非難だけとっても、このような否定の発言は出てくるかもしれない。

 外交政策についての議論がなされる最後の大統領選における論戦の前夜、オバマはイランに対しては厳しい態度で臨んでいることをアッピールしたいだろう:それで新しい対話に関しては否定することになろう。

 それにもかかわらず、そのことが無ければ戦争の可能性が強まり、アメリカとしてはそれは避けたいところだ。  

 アメリカはダントツの軍事力を持つ国だ。しかし実際のところは、軍事的記録でみるとさほど際立ったものはないのだ。最近のアメリカの軍事面での達成事項には誇るべきものは何も無いのが実情だ。

 アメリカは世界最大の核戦力、ハイパフォーマンスの軍用機、目を見張るような空母を保持する国だ。しかし、現代アメリカ人は戦士的な人々ではない。彼らは、兵器は持っているが、ベトナムからカンボジア、アフガンからイラクで、アメリカはずっと弱そうに見える敵を相手にしていたが、はっきりとした勝利はほんのわずかに過ぎない。

 戦闘疲れと予算縮小のため、アメリカはイランのように台頭する国家との紛争は極力避けたいところだ。それは、イランは最近アメリカが対決したいかなる相手より技術的にはずっと進んだものを持っているし、軍事的にもずっと強力であるからだ。我々はアメリカの司令部はこのことを理解していると思う。彼らはまた、イランが急速にアメリカの空軍力に対応する能力を身に着けつつあることを知っている。

 新しい長射程レーダーシステムと中距離対空システムが実戦配備され、新しい長距離対空システムも配備間近であるので、イランはアメリカ軍と張り合えるようになるだろう。これは、イランの同盟国のシリアにおける紛争を惹き起こしたり、イランに対する制裁、科学者の暗殺といったイランに対する間接的な攻撃を進める説明となる。アメリカはイランが中東で有力国家として台頭することを出来る限り阻止せんとしているのだ。

 暗殺、制裁、貿易・金融の制限、内乱惹起;同盟国と共にアメリカはできる限りのことをしている:直接的軍事介入以外のあらゆることを。

 アメリカの力は急速に弱まっている反面、イランは日ごとにどんどん強くなっていて、アメリカの軍事司令官らはこのことを知っている。そこから、我々は新たなる交渉という記事に何らかの具体性があると考えている。
 
 それで、もしもイランとの軍事的衝突が年末までに起きなければ、それはもはや起きないものと考えられる。イランの力は強まり、アメリカのそれは弱まっている。

 我々は歴史的な転換点に遭遇している。ある時代からある時代への移行期である。それはアメリカの力とそれが表していた事柄が弱まる時代だ。その移行が混乱と軍事的紛争を伴うものかどうかは、これからの数週間に何が起きるかによるだろう。

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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