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戦火の被害がでているダマスカス

◆12月10日

 シリアが化学兵器を使用するかもしれない、と盛んに欧米が囃(はや)し立てている。かつてイラクが「大量破壊兵器」を所有していて、それを使用する可能性がある、という口実の下、米英軍がイラクに侵入した。そして、その「大量破壊兵器」を血なまこになって探したが発見できず、結局公式的に、大量破壊兵器はなかった、と発表した。しかし、他国を侵略した謝罪もなければ、即時撤退もなく、今に至るも居残り続け、イラク支配を固めた。

 シリアに対して、性懲りもなく同じレトリックを使用しだしている。一般庶民はこれで自分たちが欧米のレトリックに騙されている、ということを理解できなければ、インターネットの時代に生きる資格はないだろう。

 イラクの時には、日本でも欧米の論調に合わせてサダム・フセインの残虐性とか危険性とか、いろいろ騒ぎ立て、大量破壊兵器に関しても、政治家の中には、イラクは国家的なオーム真理教と同じだ、と断定するお馬鹿さんもいた。恐らく今回も似たような反応を示す政治家、ジャーナリスト、コメンテーターとかいう連中がいることだろう。こういった人々は欧米から流される情報は信じるが、自分の頭で考える、ということのできない連中である。

 ロバート・フィスクの下の論文は、長年中東を取材してきたベテラン記者としての経験に裏付けられた考察である。まともな思考ができている。ジャーナリストとしての矜持を保ちつつ、仕事をしている人間の指摘である。これが正論というべきものであろう。

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●シリア:化学兵器の真実
http://www.independent.co.uk/voices/comment/bashar-alassad-syria-and-the-truth-about-chemical-weapons-8393539.html
【12月8日 Robert Fisk The Independent】

 嘘が大きければそれだけ人々は信じやすいものだ。誰がこれを言ったのかは皆が知っている-しかし、確かにその通りである。バシャール・アル・アサドは化学兵器を持っている。それを彼はシリア人自身に対して使用するかもしれない。もしもそうしたら、欧米はそれに対応するだろう。我々は昨年こういったことを聞かされた、そしてアサド政権は繰り返し、もしも、もしもそれを持っていたとしても、シリア人に対しては使用しないと語っていたのだ。

 しかし、今やアメリカはこの同じ「ガス音頭」で囃し立てて、バシャールは化学兵器を持っているぞ。彼はそれを自国民に使用するぞ。もしも彼がそれを実行したら・・・と。

 彼が実行したら、オバマ、クリントン女史、それにNATOは非常に怒るだろう。しかし、先週、地図上にシリアを特定できないような偽専門家らが、マスタード・ガス、化学剤、生物剤をシリアが持っているかもしれないし、それを使用するかもしれないと再び警告している。その情報源は? 9月11日同時多発テロについて警告しなかったのに、同じファンタジー専門家らは、2003年にサダムが大量破壊兵器を保持していると主張していた。これから、匿名軍事情報源(UMIS)と呼ぶことにする。


■クー・ド・テアートル(劇中の異変事)
 
 そして今度はクー・ド・テアートルだ。カナダ放送会社の方から今週私に対して、1982年にシリアのハマで起きた反乱に対してハフェズ・アル・アサドが化学兵器を使用したことについての話をするよう要請があった。彼らの情報源は同じ上記のUMISだ。私は1982年にたまたまハマにいたことがあったのだ。カナダの会社が私に来るよう要請する理由もそこにある。ハフェズのシリア軍は、政権の官僚たちとその家族に対して残虐な殺戮を行った反政府シリア人に対して断固粉砕方針を貫いたのだが、化学兵器は誰も使用しなかった。ハマでみた兵士の誰一人としてガスマスクを持っていたものは見なかった。一般市民も持っていなかった。我々欧米陣営の当時の同盟国だったイラクのサダム・フセインが、1980年代にイラン人に対して使用した際に私と同僚が嗅いだ危険なガスの臭いは、なかった。そして、1982年以来30年間、私がインタビューした数十名の生き残りの住民の誰一人として、ガスの使用を語ったものはいない。

 しかし今や我々は、それが使用されたことを信じるようにされている。そして幼稚な新しい御伽噺(おとぎばなし)が語られ始めた:ハフェズ・アル・アサドがハマで30年前に自国民であるシリア人に対してガスを使用したというものだ。だから彼の息子であるバシャール・アル・アサドも同じことをするかもしれないぞ、というものだ。我々が2003年にイラクに侵入した一つの理由が、サダム・フセインは自国民に対してガスを使用したのだから、再び使用するかもしれない、ということだったのではなかったか?


■ホラ話
 
 嘘が大きければそれだけベターなのだ。確かに、我々ジャーナリストはこのホラ話を拡散するという我々の義務を果たしてきた。そしてバシャール・アル・アサドは、彼の軍は大いに不正を働いたが、犯してはいない、また彼の父親も犯したことのない罪のため糾弾されようとしているのだ。

 化学兵器がヤバイことは確かだ。アメリカがサダムにその成分を供給したのもそのためである。

 それで、サダムが最初にハラビヤでガスを使用した際、UMISはCIA将校にイランを非難するよう語ったのだ。そして、バシャールは恐らくはシリア領内のどこかにさびた容器の中に、なんぼかの化学兵器を持っているだろう。クリントン女史はそれが、「まずい連中の手中に入る」かもしれないと心配している-あたかも現在は「真っ当な者たちの手中」にあるかのように。しかし、ロシアはバシャールにそれを使用しないよう告げた。バシャールはかれの唯一の同盟国の大国を困らせるようなことをするだろうか?

 ところで、中東で何処の国が最初にガスを使用したのであろうか? サダム・フセインか?違う。アレンビー将軍の下、イギリスが1917年シナイ半島でトルコに対して使用したのが、最初だ。そしてこれが真実というものだ。

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シリア政権を糾弾するトルコ市民

◆12月6日

 ロシアがシリアのタルトス港に軍艦2隻を派遣したようだ。上陸用艦船ということで、ロシアに残っているロシア国籍を持つ者たちの引き上げなども考慮しての行動だろうと言われている。

 ロシアのシリアに対するスタンスは、「シリアの運命はシリア人が決めればよい」というものだ。ロシアが直接シリアに兵士を送って戦闘をさせているわけではないが、欧米諸国の傭兵戦術に対して、ロシアも軍事顧問団を派遣している可能性はあるだろう。

 シリアの反政府勢力はまとまりに欠け、しかもシリア人ではない、所謂アルカイダ系といわれる、スンニー派の自爆テロも辞さない戦士がシリア領内に数多く流入し、彼らが反政府勢力の一部分を形成している。大部分かもしれない。

 彼らはゲリラ的テロ活動をするから政府軍も対応が困難な事情がある。それでも2012年の12月まで持ち応えているところを見ても、まだまだ政府軍の士気は衰えておらず、また統一も保たれていると見ていいだろう。

 しかし、NATOがトルコにパトリオット・ミサイルを供給し、ロシアが軍艦を送り、シリア沖にはアメリカの空母も接近してきている現状を考えれば、徐々にシリア紛争が国際的広がりを見せていることが分かる。要注意である。

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●シリアの軍港にロシア軍艦が入港
http://www.usnews.com/news/articles/2012/12/05/russia-docks-warships-in-syria-as-nato-arms-turkey
【12月5日 By Paul D. Shinkman】

 欧米の行動と異なるロシアのシリアに対する姿勢が明瞭に示される格好で5日、ロシアの軍艦がシリアの軍港に入港した、と報じられた。

 AFPとインターファックスによれば、二隻の軍艦は珍しく、ソ連崩壊後ロシアで唯一残っている国際軍事基地であるシリアのタルトス港に寄港した。ロシア当局はこの停泊は、燃料と水の補給、および「簡単な修理」のためと説明している。ロシア海軍がこの数週間で驚かすような行動を執った2度目のことになる。ロシアはガザでイスラエルとの戦闘があった11月下旬、ガザ沖合いに軍艦を停泊させたことがあった。

 今回の動きはNATOがトルコに対してパトリオット・ミサイルを供給するという決定を行った中でなされた。これでロシアのシリア政権を支援する姿勢と、反政府勢力を支援する欧米に圧力を掛ける姿勢が明瞭になった。

 軍艦を停泊させる目的は三つある、とロンドンにある外交政策シンクタンクであるヘンリー・ジャクソン協会のロシア研究センター共同議長のマイケル・ウェイスは語った。ロシアは兵器と資材をシリアに供給したいし、ロシア人を引き揚げさせたい、そしてアメリカに対してロシアはアサド大統領をいまだに支援していることを示したい、ということだ。

 「彼らは政権を支援する軍事顧問を抱えている、という主張を確証はないが、信じている」とウェイスは語った。「しかし、重要でない外交官と恐らく多くの
ロシア国籍を持つ者たちもシリアを離れるだろう」

 これらの軍艦は上陸用艦艇のノボシェルカスクとサラトフでロシア黒海艦隊に所属する艦船だとインターファックスは報じた。AFPによれば、ロシアはタルトス港を主要な戦略的資産と見ている、また基地というよりかは「物資・技術供給拠点」としている、という。この港は大型艦船が停泊するには浅すぎるのだ。

 この最新のロシアの動きはガザに対する意図と符号するものだ、とウェイスは語る。ただし、元超大国の崩壊するインフラが意味するものよりかは脅威ではない、という。

 「実際は、これらの艦船がガザに到達できるということは驚くべきことだ」と彼は語った。アメリカの第六艦隊は、ロシアの空母アドミラル・クズネツォフがタルトスに向かった時は沈没を考慮して並走せざるを得なかった。

 2011年初期から始まったシリアの紛争で4万人以上が殺害されている。

 トルコはNATOに対して、シリア政府が空爆とロケット砲撃を継続できなくなるよう国境沿いにパトリオット・ミサイルを供給するよう要請してきた。アメリカのニュースは4日、アサド大統領がダマスカスを包囲した反政府勢力を駆逐するため地対地ミサイルを使用するだろう、と報じた。


●アメリカ空母アイゼンハワーがシリア沖合いに到着
http://www.debka.com/article/22586/USS-Eisenhower-aircraft-carrier-arrives-off-Syrian-shore
【12月5日 DEBKAfile Special Report】

空母アイゼンハワーの傍に落雷

 アメリカのアイゼンハワー攻撃部隊はスエズ運河を12月1日に通過し強烈な嵐のあった4日にシリア沖に向かっている。エアーウィング・セブンの8個爆撃機戦隊を含む、8000人の水兵、航空兵、海兵隊が乗船している。アイゼンハワー部隊は2500名の海兵隊を乗船させているイオー・ジマ強襲揚陸部隊に合流する。

 シリアに対しているのは、1万名の戦闘員、70機の戦闘爆撃機と少なくとも17隻の軍艦で、その中には3隻のイオー・ジマ強襲揚陸艦、10隻の誘導巡航ミサイル駆逐艦とフリゲート艦である。これらの艦船の内、4隻はイージス迎撃ミサイルを装備している。・・・以下略

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シリアの反政府勢力である自由シリア軍

◆12月4日

 シリアの紛争が継続し、しかも反政府勢力側に大量の武器が供給されているため、本格的な軍事衝突の様相が強まっているようだ。反政府勢力側に渡った武器の中には、高性能の対空ミサイルであるスティンガー・ミサイルも含まれる、とロシアの外務副大臣が指摘している。

 シリアの反政府勢力側は、欧米諸国・湾岸アラブ諸国・トルコ・イスラエルの支援を受け、同じアラブ民族の国家であるシリアを攻撃している。それで勝利し、シリアを乗っ取ったとして、そのような政府にどれほどの正当性がある、というのだろうか? 

 また、そうして乗っ取ったとしても、所詮彼らは支援した欧米諸国の傀儡政権になるしか道はなく、それではアラブ人としての誇りを失わせることになり、欧米NATOの犬と呼ばれても仕方ない存在になるのである。

 したがってロシアが主張するように、シリアのことはシリア人に任せるべきであり、今現在、シリアに流入している、アルカイダ系の「非シリア人」らは、この紛争から手を引くべきであり、またシリア国民は自国の防衛のために最後までこれら外国人傭兵らと戦うであろうし、戦うべきなのだ。

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●シリア紛争の全面的軍事化
http://rt.com/politics/militarization-syria-weapons-conflict-146/
【12月3日 Russia Today】

 シリアに対する武器禁輸措置にも関わらず、大量の武器がシリアの反政府勢力側に供給されている、とロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣が語った。

 これらの武器の中には、「かなり危険な」武器、スティンガーミサイルなど、が含まれているとイタル・タスでのインタビューで副大臣は語った。

 この紛争の軍事化にロシアは非常に懸念を持っている。これは、調停を目指す努力と、「紛争する側が即刻全面的停戦をするため、全ての反政府勢力と折衝する作業」の妨げになる。

 シリアの反政府勢力のいくつかの代表団が年末にロシアに来ることになっている。

 「我々は彼らと接触し、ジュネーブ・コミュニケに則った公平さを基礎として統一するよう説得を試みるつもりだ」とロシアの中東特使であるボグダノフは語った。

 ロシアは、「常に、反政府勢力の統一を、建設的意図の下、またシリア・アクション・グループの外相たちの6月の会合で承認されたコミュニケに沿って、呼びかけてきている」と彼は指摘した。

 「武装反政府勢力のグループの中には政治的決着を望む者たちもいる」と、ボグダノフは見ている。同時に、多くの人々は、話し合いは必要なく、「武器で決着をつけることが大事だ」と主張する者たちもいる、と語った。

 ロシアはそのようなやり方には反対である。それでは流血が止まらないからだ。「そしてそれは非常に危険なことになる」と、ボグダノフは強調した。

 ロシアはシリア危機が1年半以上前に勃発して以来、ずっと政治的解決を推進してきた。中国と一緒に、アサド政権に対する制裁を課する国連安保理での決議に拒否権を三回行使してきた。

 ロシアは、アラブ国家の政治的勢力を支援してはおらず、シリアの将来を決定するのはシリア国民であることを繰り返し主張してきた。

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シリアの紛争はクルド人の参加で複雑な様相を呈し始めた・・・

◆11月21日

 トルコ国境付近で、シリアの反政府勢力側の自由シリア軍とクルド人勢力との間で武力衝突が起きたという。シリアのクルド人らはシリア政府からも武器の供給を受けており、ある面シリアのクルド人はシリア政府と共同でシリアの反政府勢力と、それを支援するトルコと戦っていることになる。

 このクルド人はトルコには1140~1500万人ほどいるといわれている。クルド人全体の半分くらいの勢力だ。この勢力が「独立」を視野に入れて、トルコと本格的な戦闘でも始めようものなら、トルコ政府もゆっくりとシリアの反政府勢力の支援などしておれなくなり、自国の治安と安全保障が最大の懸念材料になるであろう。

 しかし既にサイは投げられた格好だ。つまりシリア政府と共闘しているクルド人組織の民主統一党はトルコのクルド労働者党(PKK)と連携を強めている。恐らく彼らも今度が彼らの独立の最後のチャンスと見て、このシリア問題を最大限に利用し、トルコ、シリア、イラク、イランにまたがるクルド人の大同団結をはかり、最大の勢力が存在するトルコ内にクルド人国家の樹立を目指す動きを強めるはずである。

 シリア政府は既にこのクルド人に治安権限を一部委譲しているのを見ても分かるように、クルド人に対する譲歩をしてでも徹底して反政府勢力と、そしてそれを支援するトルコと戦う決意でいることが分かる。これからこのクルド人問題がシリア問題以上に大きな問題としてこの中東に浮上してくる可能性が高まりだしている。その一番の影響を受けるのが、シリアの反政府勢力を支援したトルコである。

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●シリアの反政府勢力がクルド人勢力と衝突
http://www.aljazeera.com/news/middleeast/2012/11/2012111917551517843.html
【11月20日 ALJAZEERA】

 シリアの反政府勢力は武装クルド人勢力とトルコ国境付近で衝突した。シリアの北東部における民族的多様性がもたらす権力闘争の新たな火種が持ち上がったという一つの兆候である。

 19日にアラブ人とクルド人の人口を抱える国境の町であるラス・アルアイン町で衝突は起きた。この町は11月8日にスンニー派の反乱勢力によって、その後は政府軍の爆撃によって荒廃させられたところである。

 避難民によれば、衝突は自由シリア軍(FSA)とクルド人との間で起きたという。これはシリアのクルド人の政党である民主統一党(PYD)と繋がるクルド人勢力である。この民主統一党はトルコのクルド人分離主義者と連携している組織である。

 イギリスに基盤を置くシリア人権監視団体は、少なくとも4人のクルド人リーダーが負傷し、反政府勢力側の狙撃手によってラス・アルアインのクルド人評議会委員長のアベド・カリルが撃たれて死んだと言う。

 「負傷者がでたのは、クルド人保護部隊に属する検問所に対する攻撃を行った際の結果である」と、語った。

 住民の中には、クルド人戦士は自由シリア軍兵士がいる住居に対する攻撃をした、と語る者がいる。またラス・アルアインの親PYD地区にはこの自由シリア軍戦士らに対し抵抗する者たちがいるという。

 ・・・以下略

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デイリースターのページを飾ったシリアのアサド大統領

◆11月13日

 昨日の記事と関連する内容で、イギリス空軍がシリア上空に飛行禁止空域設定を行う動きが出ている、という。その他にも、暗殺チームの訓練とか、新兵器の操作訓練とか、イギリスは積極的にシリアの反政府勢力側に肩入れしている様子が窺える。

 しかし、もしもイギリスやアメリカ、フランスなどがシリア領空内に入り、飛行禁止空域設定に向かえば、それをロシアが黙って見ていることはないだろう。従ってこの情報はイギリスの希望的観測ではあっても現実的にそうなる可能性は低いと言わざるを得ない。

 かつてリビアでNATO介入を黙認するようなメドベージェフ政権時代の姿勢に激怒したプーチンがロシアの大統領になっているから、しかもシリアにはロシアの軍が使用している港があり、リビア以上にシリアはロシアにとっては重要な戦略的拠点であるから、黙認するようなことは考えられないことなのだ。

 むしろアメリカのオバマ大統領は来年からはイランとの関係改善などに進む可能性もあり、その場合には当然シリアとの関係改善も考慮されるはずである。キャメロン首相の姿勢とオバマ大統領の姿勢がぶつかる可能性も出てくる、ということである。

 更には、イランの核計画についての認識が欧米諸国はさておき、アジア、アフリカ、南米、中東などでは欧米の流した偽情報によるものであるという認識が拡大しているし、シリアについても同様、欧米側の偽情報によるものだ、という認識が拡大している。従って以下の記事は、イギリスの動きを示していても、記述内容のように事態が進むかどうかは、はなはだ疑問となる。
 
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●イギリス軍がシリアに飛行禁止空域設定か
http://www.dailystar.co.uk/news/view/281809/RAF-set-for-Syria-no-fly-op/
【11月11日 Daily Star】

イギリス空軍のトップガンが新しいキャメロン・オバマ計画の下、まもなくシリア上空をパトロールすることになるかもしれない。

 英首相はアサド大統領の問題噴出国家に大量殺戮をやめさせることを狙い、飛行禁止空域を設定するためイギリス空軍を使用する準備をしている。

 今週の国家安全保障評議会でシリア問題は最初の議題となることだろう。

 ホワイトホール(英国政府)筋によれば、イギリス特殊部隊はアサド大統領と彼の将軍たちを標的とする反政府暗殺チームの訓練を支援している、という。

 SAS、SBS、それに特殊偵察連隊からのパラスらが、シリアにあって新兵器や爆発物の操作方法などについて教えている。

 キャメロンとオバマは軍事介入することと、公式に反政府勢力に武器を供給することを検討している。

 この計画の最初の段階は、飛行禁止空域設定が含まれる。これはイギリス、アメリカ、フランス軍がパトロールするようになるだろう。また、安全地帯がシリア、トルコ、ヨルダン内に設置されることになるだろう。

 ホワイトホールの内部の者の一人は、「キャメロンとオバマはアサドが一般市民を爆撃することを許すことができないのだ」と語った。

 「我々が中に入ってやってしまうことはできないが、誰かにさせることはできる」

 「多くの自由シリア軍の者たちは元兵士だ。彼らな銃の撃ち方を知っている。しかし彼らは我々の特殊部隊による訓練がもっと必要だ。とりわけ信号・交信装置の扱い方は重要だ」

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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