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イランとロシアの合同海軍演習が今年中にカスピ海で行われる予定
◆7月1日
カスピ海でイラン海軍とロシア海軍が合同演習を行う計画があるという。イランへの攻撃がカスピ海周辺国、つまりグルジア経由などで行われる可能性を考えてみれば、このようなイラン北方に位置するカスピ海でロシアが一緒になって軍事演習をすることが、暗黙のイラン保護のロシアの姿勢を明らかにし、かつ、軍事的にも、北方を警戒していることを表していることで、牽制になるであろう。
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●イラン・ロシア:カスピ海で合同軍事演習を計画
http://english.farsnews.com/newstext.aspx?nn=13920408001094
【6月30日 Fars News Agency】
イランとロシアは2013年末までにカスピ海で海軍の合同演習を行うことを計画していると29日、ロシア海軍上級司令官が語った。
ロシアのカスピ海艦隊副司令官のニコライ・ヤクボフスキーは、イラン海軍艦隊司令官との会合後にこの声明を発表した。イラン艦隊は26日、ロシアの港湾都市であるアストラカーンに派遣されていた。
カスピ海での両国の合同海軍演習が行われたのは2009年が最初であった。合計30隻のイランとロシアの艦船がこの演習に参加した。
イランとロシアは最近、軍事協力および相互関係を深めてきている。イラン海軍は26日、小艦隊をアストラカーンに派遣した。
「イラン人専門家らによって建造され、2003年と2006年に海軍艦隊に編入された2隻のミサイル発射艦が、初めて小艦隊としてロシアのアストラカーン港に派遣された」と、イラン海軍提督のシヤバシュ・ジャレは26日発表した。
彼はさらに、「イランとロシアの友好的関係の強化」が、イランの小艦隊の使命であると語り、イラン海軍は若い隊員の力量と知識それに経験を披露することを狙っている、と語った。
ジャレ提督によれば、イラン海軍は、アストラカーンの軍事中枢部と港湾を訪問することになっている、ということ、またロシアの上級将校や司令官らとの会合に参加することになっている、という。
ロシア太平洋艦隊の艦船はイランの南方の港湾都市であるバンダール・アッバスに4月中旬に一部ドック入りした。4月21日に、ロシア海軍戦艦の一部が太平洋から長い旅の後にバンダール・アッバスに入ったのだ。
アドミラル・パンテレエブ対潜駆逐艦及びペレスベトとアドミラル・ノベルスコイの2隻の兵站船で構成される、合計712名の乗組員を抱えるこのロシア艦隊は4月21日にバンダール・アッバスに入港した。 ・・・以下略
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キリスト教司祭の首を切断するシリアの反政府ゲリラ戦士ら
◆6月29日
シリアには人口の10%ほどを占めるキリスト教徒がいる。今回3名のキリスト教の司祭と助手が首を切断される、という事件が起き、それが撮影されインターネット上に掲載された。やったのはチェチェンからやってきた反政府側の戦士たちである、という。
シリアにはその他にもドゥルーズ教徒も存在しモザイク国家的様相を呈している中、アサド政権は偏らない政治を行い、徐々に父親時代からの政治のあり方を改善し、より良い政治形態を目指して努力してきていたのである。そのためシリア国民はこのアサド政権を支持し、その民主的改革に参加してきたのである。
そこへもってきて、チュニジアから始まったいわゆる「アラブの春」のうねりを悪用して、欧米・湾岸アラブ諸国・トルコ・イスラエル等がイランを戦略的に弱体化させるため、同じシーア派の流れをくむアラウィ派のアサド政権の転覆を図り、陰謀を仕掛け、その結果、世界のテロリストがサウジアラビアやカタールから資金をもらって、悪逆非道のゲリラ活動を好き勝手に行うようになってしまったのが、今のシリアの現状である。
このようなことが許されてはならないことは言うまでもないことだ。従って必ずこのような悪逆非道を可能にした勢力側が、今度はその落とし前をつけさせられる時が巡ってくるのである。今後のサウジアラビアやカタール等の行く末を見ていれば分かることである。
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●シリア:キリスト教会司祭と助手二人が首を切断される
http://www.intifada-palestine.com/2013/06/bishops-2/
【6月28日 Intifada Palestine】
シリア正教大主教に近い筋によれば、この事件はシリア・カトリック司祭であるフランソワ・ムラドと彼の二人の助手が犠牲となったということが確認された、という。
ファーザー・フランソワと二人の助手は残忍なやり方で殺害された-戦闘用ナイフにより首を切断されたのである。シリアの反乱者たちによってなされた以前の首切断と同様、この首は周囲の者たちの叫び声に合わせて高く掲げられ、ついて遺体の上に置かれた。
この司祭がいた修道院は焼かれ略奪されたが、これは先月ホムスで起きた殺戮事件と同様の結果であった。ホムスでの事件ではキリスト教徒の村の全員が殺害され、彼らの住居その他の持ち物は焼かれたのだ。今年初めにアレッポでチェチェンの武装勢力に誘拐され行方の知れない二人の司教は今回首を切断された人々とは同一人物ではない
キリスト教徒と同様に、シリアの村落は大胆な反乱者らの自信に満ちた攻撃を受けている。この彼らの新たな自信は最近アメリカが明らかにした、彼らに対する武器供与の意図があることが確認されたところからきている。先週、反乱側民兵らはハトラの数十の村落の虐殺を行った。それ以来、即決の処刑と各戸に対する宗派的な襲撃が起きている。
今月はこの反乱者側(外国人傭兵ら)によりなされる宗派的な非道がエスカレートしている。アメリカ、サウジアラビア、カタール、土耳古その他の関係国によって彼らの武装がなされ支援されている。実際、この非道は更なる武器の供給に合わせてなされてきている。
最新のビデオに記録されインターネットにアップされた首切断事件は、イドリブの郊外で起きたと言われている。
アメリカが反乱者側に武器供与を開始した時と合わせて、この三人のキリスト者の首切断事件は起きている。ウォール・ストリート紙は今週号でそれを暴露した。同紙は、CIAがヨルダン経由でシリアの反乱者戦士に向けて武器供給を開始したところだと報じた。
この武器供給は自由シリア軍がアサド政権を転覆させることを狙ってなされている。ヨーロッパとアラブの同盟国からの武器移送に合わせて、8月には攻撃が予定されている、と同紙は報じた。
※以下のアドレスでビデオが見られる。
http://youtu.be/UCuKI9rIDOg
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イスラエルの諜報機関モサドのロゴマーク
◆6月20日
アラブとイスラエルとが闘っている、というのは、事シリア問題に関しては嘘である。既に昨日の記事で「イスラエルはこのイスラム教内部の対立を利用して、アラブ・イスラム勢力の潰し合いを側面から煽っている」と指摘したが、以下の記事にあるように、イスラエルの諜報機関であるモサドがアルジェリアの青年をシリアで戦わせるためにリクルートしているという。
イスラエルのモサドという名前を用いているわけではなく、恐らくはアラブ系の、例えばカタールやサウジアラビアの関係機関のようなふりをしてリクルートしているのであろうが、実に卑劣で狡猾なやり方である。アラブ人同士で戦わせて、アラブ・イスラム教徒の勢力を弱体化させることで、中東の覇権を維持しようとする戦略である。
そうと知って、それでもそのイスラエルと共同でシリアのアサド政権を転覆させようと図るカタールやサウジアラビアも、裏切り者の烙印を押されても仕方ない存在である。この所業の故、彼らの将来も運勢をなくし哀れな末路を辿る事になるであろう。
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●モサド:シリアで戦わせるためアルジェリア人をリクルート
http://english.farsnews.com/newstext.php?nn=9203184394
【6月19日 Fars News Agency】
イスラエルのスパイ機関である「モサド」はシリア人とシリア政府と戦っている外国勢力が支援しているテロリストらを支援するため、アルジェリア人の青年らをリクルートしシリアに派遣しようとしている、とアルジェリアの新聞が19日報じた。、
匿名を希望する情報筋はアルジェリアのアル・ファジル紙に対して、アルジェリア内の活動家らのサラフィ・グループはモサドの監督の下にあり、これらのグループはアルジェリア人の青年らを「シリアの聖戦」と彼らが呼ぶ戦いに向かわせようと、そして一般市民の殺害、騒擾活動を行わせる為、勧誘活動をしていると語った。
この情報筋は、サラフィ・グループはチュニジアの彼らの宗教的信徒と直接的接触を維持していること、またカタールから金融的・軍事的援助を受けていると語った。
今週始めには似たような指摘がオーストリア高官によって暴露された。彼は兵站的、軍事的、および医療的支援がイスラエルによってシリア内のテロリスト・グループに対してなされている、と指摘した。
「イスラエルはシリアとの国境を非常に頻繁に越えて、シリア側の国境の村落に介入し反乱勢力とテロリスト・グループに対する、さまざまな兵站的、軍事的、医療的支援活動を行っている」とオーストリアの高官が匿名で17日、パレスチナの週刊誌アル・マナールでのインタビューで語った。
彼は更に、イスラエルとテログループは、シリアと占領されたパレスチナ領土の間の国境地帯に、彼らの間の活動を調整し反乱グループに対する援助を容易にするための合同作戦室を持っている、と語った。
この高官は最近多国籍軍としてゴラン高原に派遣された者であるが、彼はイスラエルは野戦病院と臨床センターで負傷した反乱軍兵士の治療にあたっていると指摘した。
関連する情報として、カタールの治安筋が16日、イスラエルがシリア問題調整担当官のアフィフ・シャビトを、反乱勢力側に更なる武器の支援をする件で話し合うためのロンドンでのカタール政府高官との会合のため、5月下旬に派遣したと明らかにした。
「5月20日、4時間に及ぶ話し合いが、イギリス在住のカタール市民であるハリド・アアベドのロンドンのブラウム・ハウスにある館で持たれた」と、FNAに匿名である情報筋が語った。
「この話し合いの間に、シリアのテロリストが必要とする武器をイスラエルが準備をし供給する事が決定された。この件で、イスラエルはヨーロッパの兵器製造企業と交渉に入ること、またカタールは資金と武器購買に必要な予算の責任を持つことが決定された」と情報筋は語った。・・・以下略
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シリア軍が化学兵器を使用したという証拠はない、とG8で語ったロシアのプーチン大統領
◆6月19日
G8会議ではロシアのプーチン大統領が、シリア問題で孤立を深めた、と欧米メディアでいわれたようだ。孤立を恐れることのないプーチン大統領が偉いのだ。孤立を恐れていれば、長いものに巻かれるばかりの者たちにより、どうしようもない世界ができてしまうが、「嘘とお世辞のご時勢にゃ、いてもいいだろこんな奴・・・♪」と「東京流れ者」にあるように、筋の一本通った奴がいなくてはならない。そして実際は、プーチンが言うように、G8の中にはプーチンと同じ見解、すなわちシリア政府軍が化学兵器を使用したという証拠はない、という考え方をする国家は存在するのだ。
シリア紛争はイスラム教内部のスンニー派対シーア派の対立、という形になってきているが、シーア派の総本山がイランであるから、シリア内でゲリラ的騒乱を起こしているスンニー派急進的聖戦主義者らは、スンニー派総本山のサウジアラビアと湾岸アラブ諸国のパトロンから資金を得て、シリアのシーア派の流れを組むアラウィ派政権に対する攻撃を行っている。
イスラエルはこのイスラム教内部の対立を利用して、アラブ・イスラム勢力の潰し合いを側面から煽っている。スンニー派勢力を利用してイランを潰す事ができれば、イスラエルに敵する存在は中東ではいなくなるからだ。シリアのアサド政権はそのイランの支援を受けてイスラエルと対峙している。しかしイスラエルと対峙してきたのは、「アラブの大義」のためだ。そのパレスチナのハマスが今回のシリア紛争でアサド政権を非難しているというのは、あまりに恩知らずなことであろう。従って今後、シリアのアサド政権がアラブの大義をかざしてハマスを支援することは無いであろう。ハマスの、そしてパレスチナの将来は今回のことで運勢をなくしていくと思える。
G8会議でも見えたロシアのプーチン大統領のシリア問題に対する姿勢から、プーチンのロシアがシリアを見捨てないことがはっきりした。ロシアが見捨てなければ、欧米と言えどもうかつにシリアに軍事介入することはできない。しかも現場では反政府勢力はどんどん追い込まれてきているから、早急に武器援助が欧米勢力によって成されることが必要だ。しかしそのシリアにイランから4000名の革命防衛隊がやってくれば、反体制派の勝利はおぼつかないであろう。
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●イラン:シリアに4000名の兵士派遣か -その3・最終章-
http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/iran-to-send-4000-troops-to-aid-president-assad-forces-in-syria-8660358.html
【6月16日 Robert Fisk The Independent】
イランの情報筋は、彼らは常時ロシアと連絡を取っていると言っているのと、ヒズボラがシリア内部の情報チームの調整のためシリアからまもなく撤退が完了する間、イランのシリアに対する支援は弱くなるよりむしろ強化されるだろう、と語った。彼らは、タリバンが話し合いのため公的な代表団をイランに送ることになっていること、アメリカはアフガンから撤退するのにイランの援助が必要になる、ということを指摘している。彼らはアメリカは、タリバンと戦争を続けている間は、イランの積極的な支援無しでは、武器をアフガンから持ち出すことはできないだろうと言っている。一つの情報筋は、ちょっと浮かれた感じで、フランスが撤退する際、イランからの支援が無かったので、50台の戦車を残していったと語った。
中東情勢の歴史的な変化のサインと思われることは、米ソ冷戦時代の古い対立構造の中で、イスラエルの安全保障問題がシリアでの紛争の後になっていることだ。イスラエルのこの地域での政策はアラブ革命によって吹っ飛んでしまい、歴史的変化の中でネタニヤフ首相は成す術を知らない有様となっている。
過去二年間で一度だけ、イスラエルはアサド政権の犯した非道を非難したことがあり、イスラエル・シリア国境で負傷した反乱勢力側の者たちに対し医療支援を行ったが、イスラエルはアサド政権が継続するよりも、シリアのイスラム主義者であるハリファの方を恐れている。イスラエルの元情報将校はアサドのことを「ダマスカスのイスラエルの男」と描写した。エジプトのムバラクが倒される数日前、ネタニヤフとサウジアラビアのアブドラ国王はアメリカに電話をしオバマにエジプトの独裁者を救うよう要請したが、無駄たった。
もしもアラブ世界が二年間の革命で圧倒されるのならば、シリア戦争でパレスチナ人より長期に渡って苦しむ人はいないだろう。彼らの将来の国家と呼んでいる土地は、ユダヤ系イスラエル人によって占拠されていて、もはや確保されてもおらず、実現可能ともいえないのだ。「平和特使」のトニー・ブレアーのそのような国家創設の試みは笑うべきものだ。将来の「パレスチナ」はスンニー派国家であろう。しかし今は、アメリカはパレスチナ人については殆ど語ることは無い。
別のこの地域のとびっきりの皮肉な現象は、ガザの「超テロリスト」とされているハマスである。彼らはシリアを捨てて、アサドを葬ろうと願っている湾岸アラブ諸国を支援している。シリア政府軍はハマスがシリアの反乱勢力に対し、自家製ロケットの製造と使用に関して訓練を行っている、と主張している。
アラブの目から見ると、2006年のレバノンのシーア派のヒズボラに対する戦争はイランの心臓部を狙った攻撃であった。欧米側のシリア反体制側に対する支援はイランを崩壊させるための戦略的試みである。しかし、イランは攻勢に出ようとしている。中東にとっても、これらは大博打なのだ。これらの恐るべき状況の中、パレスチナの悲劇は続いている。
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アメリカがシリアの反政府勢力側に供給すると見られているパトリオット対空ミサイル
◆6月18日
アメリカがシリアの反政府勢力側に武器支援をするという決定の根拠は、シリアのアサド政権側がサリンガスを反政府側に対して使用したからだ、と言うものだが、それはイラクのサダム・フセイン政権が「大量破壊兵器」を所有している、と主張し、それを口実にイラクへの侵略を行ったのと同じ、レトリックである。結局イラクにはアメリカのいう大量破壊兵器は存在しなかったことが正式にアメリカ政府自身の調査で明らかになったことがあった。
アサド政権が既にこの内戦で勝利を収めつつある段階に入っているこの時期に、わざわざアメリカが軍事介入すると明言していたガスの使用をするはずはないのだから、アサド政権がガスを使用した、というアメリカの主張は単なる、ヤクザの難癖、言いがかり、いちゃもん、っていうものだ。
これに対してイランは4000名の兵士を派遣すると発表し、明確にシリアを軍事的に支援する決意を明確に世界に示したし、ロシアもアサド政権支持の姿勢を崩していない。もしも欧米側が無理やりにシリアのアサド政権を転覆させようと軍事介入を深めれば、シリアの荒廃が更に進み、より多くの犠牲者が出て、悲劇の拡大は避けがたいものとなろう。
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●イラン:シリアに4000名の兵士派遣か -その2-
http://www.independent.co.uk/news/world/middle-east/iran-to-send-4000-troops-to-aid-president-assad-forces-in-syria-8660358.html
【6月16日 Robert Fisk The Independent】
アメリカの敵はレバノンのヒズボラ、シリア、イランだ。イラクは、シーア派が支配的であることからイランとの均衡をとろうとしてサダム・フセインからアメリカが「解放」したが、アメリカの予想に反して、大きくイランの影響下に落ちた。イラクのシーア派はヒズボラと同様、アサド軍と共に闘った。
アサド政権が敵に対してサリンガスを使用したため、そのアサド政権の敵に武器を支援するというアメリカの新しい中東での冒険に対する言い訳は、中東では誰も納得していない。サリンガスを使用したという最終的証拠は、イラクが大量破壊兵器を所有しているとしてブッシュ政権が主張していたのと同じくらい曖昧なものである。
アメリカがシリアのスンニー派の反乱勢力に軍事力を投入する本当の理由は、アサドに対する戦争でこの反乱側が敗北しつつあるからだ。シリア中部のクサイル市でのアサド政権の今月の勝利はシリアの革命を混乱に落し入れ、アサド政権に権力を投げ出せと要求した欧米側の面目を失わせるものとなってきたからだ。
アラブの独裁者らは、彼らが湾岸の友好的な王や首長でなければ、権力に留まれないとされているのだ。しかし、ロシアはアサドに対する全面的支援を与えてきた。国連安保理ではシリア内戦に欧米が直接介入できるかもしれない決議に対し三度拒否権を行使した。
中東では、アメリカが所謂自由シリア軍と言われるグループに代表されるスンニー派反乱勢力にのみ対空ミサイルを含む武器を供給するというアメリカの主張に対して皮肉っぽい不信感がある。アルカイダ系のより強力なアル・ヌスラ戦線は反乱勢力側で戦場を支配しているが、彼らはシリア軍捕虜に対する虐殺や、14歳の少年を神への不敬があったとして殺害したことで非難されている者たちだ。その彼らはアメリカの新兵器を自由シリア軍から簡単に手に入れることができるだろう。
従って今からは、ダマスカスでのあらゆる自爆攻撃、反乱勢力によるあらゆる戦争犯罪は、アメリカの責任でもあると言えるのだ。2001年9月11日に数千人を殺し、だからロシアと同様アメリカの最大の敵である、まさにそのスンニー派のワハビ派のイスラム主義者らが、オバマ政権の代理同盟者になるだろう。このとんでもない皮肉な現象は、ロシアのプーチン大統領がスンニー派急進主義者のいかなるグループに対しても容赦しない姿勢によって更に際立ったものになる。
プーチンのチェチェンでの経験、彼の反イスラムのレトリック-彼はロシアでの記者会見の中でムスリム急進主義者について露骨な非難を行った-そしてロシアの古くからの同盟国であるシリアがロシアがチェチェンで闘ったような同じ脅威に晒されているという彼の信念は、アサドのシリアに対する彼の政策において、シリアの地中海に面したタルトスにあるロシアの海軍港の維持というものよりずっと大きな部分を占めているのだ。
ロシアにとっては、中東とは勿論、東ではなく南であり、統計は更に重要である。チェチェンの首府のグローズニはシリア国境からわずか500マイル(≒800km)にある。ロシアの人口の15%はイスラム教徒だ。ソ連時代の六共和国ではイスラム教徒が過半数を占めていた。その内90%がスンニー派だ。またスンニー派は恐らく世界のイスラム教徒の85%を占めている。ロシアがかつてのソ連の大部分を含む陸塊で自国の位置づけをするためには、アサド政権と闘っているようなスンニー派イスラム主義者らは主要な敵なのだ。 -その3に続く-
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