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世界経済の行方は?

◆10月23日

 経済が回復しつつある、というようなことを言うエコノミストとかアナリストとかが多い。しかしそれは甘い観測ではないか、という点をこのブログでは示し続けてきた。
 今この時点になって、ようやく「二番底」という言い方をする専門家も出てきた。問題が根本的にはなにも解決していないのだから、必ずゆり戻しがあることは当然理解しておくべきだった。あの1929年から始まった大恐慌も、翌年の1930年には株価は持ち直していたのだ。だから昨年9月のリーマンブラザース破綻からの株価下落が今持ち直している、としてもそれが経済の回復とは即ならないことを理解しなければならない。

 国際決済銀行(BIS)は世界の中央銀行の中央銀行としての働きをしている。だから世界中の経済情勢が手に取るように分かるところのようだ。そこでは現在の世界経済に対する楽観論は一切ない。我々はそのような情報こそ重視すべきだ。

 これから2番底がやって来る。いや、一体底がどこなのかまだ分からない、底なしかもしれないのだ。まあ、本当の意味での底なしということはありえないがそれほどまでに厳しい状況もありえないことではない、という覚悟で今後に臨むべきだろう。


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●経済回復は幻想
国際決済銀行(BIS):将来の危機を警告
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=15501
【10月3日 by Andrew Gavin Marshall】

◆戦争は平和、自由は奴隷、無知は強さ、負債は回復
 リセッションに対する「終了」、危機に対する「解決」、経済に対する「回復」について、繰り返される途絶えることのない叫びについて、これらのことを言っている人々は、「懸念すべきことはない」とか、「ファンダメンタルは問題ない」、そして「経済危機などの危険はない」、と言っていた人々と同じ人々だということを思い出すべきである。
 まったく間違った判断をした人々のことをなぜわれわれは信用し続けるのか?なぜより正確な情報や分析に注意を向けないのか?おそらく、有効な情報は危機の震源地にあり、中央銀行の闇の世界の心臓部であり、世界的な金融当局の、そして世界のもっとも高名な金融機関であるところにあるだろう。それは確かに正確に危機について予測していた。それは国際決済銀行だ。ここからスタートすべきだろう。

 経済危機は終わった、「解決」は切断された腕にバンドエイドを貼り付けるように簡単だ、と言われているが、世界の中央銀行の中央銀行であるBISはそのような間違った希望に対し警告してきたし警告し続けてきている。

◆国際決済銀行とは何か?
 1029年ヤング委員会から始まった。・・・略
連合国へのワイマール・ドイツの賠償金支払いを調整し促進するよう企図されたものだ。しかしより一層重要だが隠されている目的は、「世界の中央銀行間の操作の調整」である。BISは世界の中央銀行の中央銀行としてデザインされているが、株主がいる民間企業であり、かつ公的な機関として運用されている。その内容は厳しく秘密扱いされていて、一般には知られていない。・・・略

 BISは「主要な金融センターであるロンドン、ニューヨーク、パリが一体となって機能できるようなメカニズムを提供することで、世界の金融センターとしてのロンドンの衰退を阻止するために創設された」とキャロル・キグリー教授は語っている。・・・略
 BISは、間違いなく世界で最もパワフルで秘密主義な金融機関だ。そこが発する警告は軽く考えてはならない。どこよりも重要な情報に通じたところだからだ。

◆デリバティブ危機が迫っている
 2009年9月、BISレポートでは、「デリバティブの世界市場は第2四半期で426兆ドルに増えたが、システムは不安定のままであり、危機的になることもありうる」と報告している。BISの季刊レポートは、先物とオプション契約のためにデリバティブは16%上昇したと報告している。BISのチーフエコノミストはデリバティブ市場は国際金融セクターで「大規模なシステム・リスク」を引き起こしつつあり、「危険は、衝撃の状況の中で監督当局が大型の機関が処理しうるより以上の負債を抱えていることを理解していないことにある」と警告している。このエコノミストは、「ヘッジファンドを用いてデリバティブを運用することは、大きくて隠れた脅威を抱えることになる」と語っている。

 このBISレポートが公開された翌日、BISの前チーフエコノミストである、ウィリアム・ホワイト氏は、「経済の下降の核心部分の問題に対して世界は取り組んできていないので、リセッションにまた陥るだろう」と警告した。更に、「短期で経済を立て直そうとする政府の動きは、おそらく将来の危機の種を蒔くことになる」と警告している。彼は二番底不況を警告している。「我々はW字型のリセッションに向かっているのだろうか?おそらくそうである。L字型か?そうだとしても少しも驚くべきこととは思わない」。彼は更に、「私が驚くとしたら、すばやい持続可能な回復である」と付け加えた。
 フィナンシャル・タイムズ紙は、ホワイト氏のコメントは軽く扱われるべきではない、と説明している。ホワイト氏は「繰り返し、世界金融システムの危険な不均衡について2003年ころから当時の中央銀行の重要なタブーを破ってずっと警告を発してきている。彼はFedのアラン・グリーンスパン議長の低金利政策にあえて挑戦してきた人物だ」と書いている。

フィナンシャル・タイムズ紙は更に書いている
世界中で、中央銀行は恐慌を避けようとして数千億ドルもの資金をこの2年間で金融システムに注ぎこんだ。その間、政府は似たような極端な政策、大規模な借り入れた資金を銀行制度から自動車製造業にまで注入した。
 ホワイト氏は、「こういった政策は既にアセットプライスのバブル化を進めている」と語り、「このインフレ傾向が中期的には手におえなくなる可能性がある」と警告している。香港でのスピーチでホワイト氏は「世界経済の内在する問題、アメリカ、ヨーロッパ、アジア間の貿易不均衡といった持続不可能な問題は、解決されていない」と言っている。・・・略

 今年6月末、BISは「財政的景気刺激策は臨時的な成長を刺激はするかもしれぬが、長引く経済的な停滞を招く」と警告した。・・・略

 フィナンシャル・タイムズ紙は、ホワイト氏は、「政府の2年間の金融システム支援の後、今や我々は更に巨大化し更に危険になった銀行を抱えることになった」と指摘しているとし、その銀行は、IMFのチーフエコノミストであったシモン・ジョンソン氏によれば、「金融業界が事実上アメリカ政府を虜にした」のであり、「景気回復は、根本的な改革を阻害している金融寡頭制を打破しない限り失敗に終わる」と述べた、と報告している。・・・略

◆迫りくる危機
 デリバティブ市場は、世界経済の安定化に対し巨大な脅威となっている。しかしながら、それは多くの脅威の一つに過ぎない。部屋の中にいるでかい象は、救済措置で生じた金融バブルであり、世界的な“刺激策”である。この資金は経済の強化のために主要銀行によって使用された。小さな銀行の買取、実体経済、製造業界の吸収などだ。資金はまた投機に注がれた。これがデリバティブ・バブルを煽り、株式市場の上昇を引っ張った。完全に実体のない、操作された上昇である。救済措置は実際は、デリバティブ・バブルを煽ったのであり、それが危険水域に達していて、また株式市場を持続不能の状況にまで膨張させた。救済措置の、そしていわゆる刺激策によって、巨大な脅威が生起することになった。経済危機は低金利と金融緩和によって生み出された。ハイリスクローンが作られ、資金がなんにでも注がれていき、住宅市場は膨張し、商業不動産市場も膨張し、デリバティブ取引は1年で数百兆ドルずつ膨張した。投機が世界の金融市場を席巻し支配した。ヘッジファンドはデリバティブ取引を促進し、大銀行は主要な参加者であり所有者であった。

 同時に政府は、特にアメリカ政府は資金を制限なしに使い、無からドルを印刷して戦争と国防のためとして数兆ドルも使った。これら一切の生み出された資金は今度は負債を生み出した。2007年負債総額は51兆ドルに達していた。
 返済は不可能であると見られるこの負債額では足りないのか、と思わせるように、過去2年間は、景気刺激策と救済策の形での負債が最も大きく拡大した。2009年7月、「アメリカの納税者は、23兆7000億ドルもの巨額の負債を、経済を支えるためとし、あるいは金融会社の救済資金として背負わされている」、と財務省の不良資産買取プログラムの特別査察官であるネイル・バロフスキー氏は語った。


◆ビルダーバーグ計画が発動?
 2009年5月、ヨーロッパや北米のエリートたちの集まる高度に秘密主義的なビルダーバーグ会議に関する記事を書いた。ビルダーバーグ会議は、私的な国際的シンクタンクとしての働きをしている。彼らは一切情報を発表しない。従って会議の報告というのは、漏れてきた情報であり、その情報源は確認できない。しかしダニエル・エスチューリン氏によってもたらされたものは驚くほどに正確だったことが明らかになっている。
 今年5月、この会議からの情報では、この会議での主要な議題は驚くべきことだが「経済危機」であった。・・・略

 議題の重要な点としては、「経済が上向くであろうというまやかしを信じている数百万の貯蓄家、投資家らを騙し続けること。彼らはまもなく巨額の損失と厳しい金融的な打撃にさらされることになっている」という点があったことを明記しておきたい。・・・略
 エスチューリン氏は、「ヨーロッパの指導的銀行家らは自身の金融的死の亡霊に怯えている。この状況を持続不可能と見ているし、アメリカの予算と貿易の赤字がドル下落を引き起こすと見ている」と報告している。
 一人のビルダーバーガーは、「銀行家らもいつ底を打つのか分からない」と言っている。皆の意見が一致したのは、「アメリカの銀行が必要としている資金は政府が最近のストレス・テストで示唆したものより相当に多いだろう」という点だ。更に、「IMFの関係者は、歴史的リセッションの研究でアメリカはまだ3分の1の行程にある、と指摘した。従って期待されている経済の回復にはまだ時間がかかる」という。一人の参加者は、「2008年のエクィティの損失は1929年のそれより悪い」と語り、「経済下降の次の局面は1930年代より悪いだろう。それは主にアメリカ経済が約20兆ドルもの負債を抱えているからだ。その負債が清算されるまでは、健全な成長という考えは幻想だ」と語った。

 経済が回復基調にあるという考え方はビルダーバーグ会議の計画の表明であろうか? この問題に対する回答をしようと思えば、この会議の重要な参加者らがどういった者たちかをしらねばならない。

◆中央銀行
 多くの中央銀行が参加している。ギリシャ国民銀行の頭取、イタリア銀行の頭取、ヨーロッパ投資銀行会長、ジェームズ・ウォルフェンソン前世界銀行会長、オランダ中央銀行会長で、BIS理事のジョン・ウロウド・トリシェット氏、ヨーロッパ中央銀行会長、ベルギー国民銀行副頭取、オーストラリア中央銀行の常務理事の一人などがその主な人々だ。

◆金融大臣とメディア
 金融大臣と関係高官らが多くの国から参加した。フィンランド、フランス、イギリス、イタリア、ギリシャ、ポルトガル、スペインなどだ。またメディア業界からの代表者らが参加している。・・・略


◆銀行家
 私有銀行の参加もあることを指摘しておきたい。それは国際的な主要な銀行こそこれらの中央銀行の株主だからだ。そしてその中央銀行がBISの株式の所有者である。ドイツ銀行、ラザーフレール、モルガン・スタンレー、ゴールドマンサックス、王立スコットランド銀行、などだ。またデイビッド・ロックフェラー前チェースマンハッタン銀行CEOが資本主義の王として言及されていたことを指摘しておきたい。


◆オバマ政権
 経済危機の解決を託されているオバマ政権からの参加者があった。ティモシー・ガイトナー財務長官、ローレンス・サマーズホワイトハウス経済審議会理事、ポール・ボルカー前連邦準備制度理事、ロバート・ぜーリック前ゴールドマンサックス会長などだ。ベン・バーナンキ連邦準備制度議長が参加したかどうかははっきりしない。
 これらの主要なプレイヤーは大きな影響力を駆使して経済危機についての考え方を捻じ曲げている。そしてそこから利益も得ている者たちだ。しかしながら、たとえどんなイメージを作ろうと、それはイメージに過ぎない。幻想はまもなく打ち破られる。そして今までの危機といわれたものは、経済危機の序章であったことが分かるだろう。

◆結論
 BISとそのチーフエコノミストであったウィリアム・ホワイト氏の警告は、軽々しく扱われるべきではない。BISとホワイト氏の警告は過去、省みられることがなかった。しかし正確であったことが時間の経過と共にはっきりしている。メディアが主張する「経済の回復」なるものが、「経済の実情」を覆い隠すようなことにならないようにしなければならない。たしかに希望を失うようなことだが、我々が立っているところのものを理解しておくことは、たとえそれが、危険をふりまくことになろうとも無知のまま地雷原を向こう見ずに進むよりかは、より重要なことだ。

 医者は最初にどこに問題があり、その診断をし、その後始めて解決の処方箋を提供できる。もし診断が誤れば、処方箋はうまく効かないだろう、というより事態を悪化せしめかねない。
 世界経済は大きなガンを抱えている。それは正しく診断する者もいたのだが、出された処方箋は咳を鎮めるものだった。世界経済の腫瘍の存在は明らかだ。問題はその事実を受け止めることができるのか、それを主張できるのか、である。あるいは我々は咳の処方箋が腫瘍を取り除くなどとうそぶくのか。生き残りのチャンスを与えることをどう考えるか?「無知は幸福」という考え方を受け入れるのか。
 ガンジーが言ったように、「真実より大いなる神はいない」であろう。

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