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【10月27日】
ニューヨーク株式市場(一時)閉鎖時期が迫る?

以下の記事に見られるように、いよいよニューヨーク株式市場そのものの一時閉鎖の可能性を語る学者が出てきた。ニューヨーク大学のルビニ教授の指摘がそれだ。

これが起こることで、間違いなく世界経済が「恐慌」に立ち入った、と判断せざるを得ないであろう。

◆要注意フェーズに入ってきていると認識すべき時のようだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

●ルビン教授は語る:市場は閉鎖に追い込まれかねない
 By Alexis Xydias and Camilla Hall
 10月23日 (Bloomberg)

金融危機のため投資家が資産を放出するので、何百ものヘッジファンドが破綻し、
一週間からもっと長く政策決定者は市場を閉鎖せざるを得なくなるかもしれない、
とニューヨーク大学のヌルエル・ルビニ教授は語った。

「我々は完全にパニック状態に陥った」と、2006年に金融危機を予測したルビニ教授
はロンドンでのヘッジファンド・マネージャー会議で語った。

「資産の大規模な投売りがあり何百ものヘッジファンドが破綻する」と言う。
 
・・・

システミック・リスクは更に増大する。大量のヘッジファンドの取り付け騒ぎが起き
る。政策決定者が近い将来1週間から2週間、市場を閉鎖することがあっても驚くにあ
たらない」と語った

・・・以下略

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


以下、原文のアドレス。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601103&sid=aTHELG0dV_e8&refer=news



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【10月25日】
昨日のドルの下落現象を見ると、いよいよ下図の中の4番目の「ドル暴落」局面に入りつつあるのか、と予兆のようなものを感じさせられる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アメリカ・サブプライム問題が悪化
■個人破産→ヘッジファンド破産→銀行破産→ドル暴落→大恐慌→???
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今年の末ごろからドルは要注意だと思っていたが、どうもそろそろ始まりつつあるのか、という感じである。

ただし下落しているのはドルだけではなく、世界のほとんどの通貨が下落してきている。ようするに<円の独歩高>。

これは、金利の安い円を借りて、投資をしてきたヘッジファンドなどが、今回の問題で大損を出し、資金を引き上げ、それで円を買って返済し始めているからだ。

従って、暫くはこの円高は続くものと見ていいだろう。とにかくゼロ金利と言われる異常時代がここずっと続いてきたので、この間相当の資金がドルやユーロに化けて投資にまわされてきたからだ。

それとやはり金融関連株がどんどん悪くなっている。

AIG              1.70   -19.05% 
シティ・グループ     12.14    -7.40%
ゴールドマン       100.40   -7.53%
UBS             13.02    -7.66% 
モルガン・スタンレー    16.52   -8.63%
JPモルガン         35.43      -6.39%


さて、昨夜、私は始めて、「朝までナマ・・・」とかいう番組を通して見た。金融問題を扱っていたからだ。そこではかなり納得できる議論があった。

◆共通の認識として挙げられるのは、
1.小泉・竹中両氏のいわゆる「構造改革」という流れがほぼ否定された
2.日本は内需を喚起する政策が必要だ
3.アメリカ従属から自立への方向を窺うべし

というような点であろうか。
これはその通りだと思う。ただしこれからの世界恐慌に対しては、何かまだ悠長なことを言っている、と言わざるを得ない。

前にも書いたのだが、ドルがこのように下落し始めれば、アメリカ政府の発行する国債を一体誰が買うのか、という問題がある。前に書いたように、毎年100兆円を国債でまかなってきているアメリカはなんとしてでもこの100兆円を準備しなければならないはずだが、今度ばかりはすんなりとは行かない情勢となってきているのだ。

買った次の日に、その5%も安くなるような国債を誰も買いたがらないであろう。また当然価格が下落するアメリカ国債の格下げ、と言う問題になり、ますます買われなくなり、そうなればアメリカは破綻することにならざるを得ない(既にかなりの国が破綻の危機にある)。

今でもアメリカではドル紙幣が猛烈な勢いで印刷され、これが各種銀行などに回っているのだが、これでも足りないというほどなのだ。しかしそれほど市中にばらまけば、当然ドルの価格は下がらざるを得ない。

既にアメリカを見限りだしている世界情勢というものも窺える昨今だから、今度ばかりはドル暴落、米国債暴落というシナリオも現実味が増してきているといえる。

後はそれが何時のことになるのか、ということと、それが引き起こす問題は何か、と言う問題だ。

戒厳令とか騒乱、内乱などの可能性は決して荒唐無稽な話ではない。今でもすでにアメリカ国民の不満が以下の記事に見られるように表出しだしている。

そして、どうもこのドルの暴落という問題が昨日の動きなどからして、そろそろ現実化しだしている、と見られるのだ。

このような事態を前にしてアメリカ内部でもいろいろな勢力がそれぞれの動きを、し出しているように思える。

それに絡んでかどうか、最近、有力国の軍首脳がひそかにニューヨーク郊外に集まり会合を持ったようなのだが、表立ったニュースにはなっていないので指摘しておく。


~~~~~~~~ 関連記事 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

●円急騰、欧州市場で一時90円台【日経】
 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081025AT1C2401624102008.html
 世界の金融・資本市場の動揺がおさまらない。24日の外国為替市場では円相場が急
騰し、東京市場に続いて開いた欧州市場では一時1ドル=90円台と約13年3カ月ぶりの
円高・ドル安水準となった。円高による企業業績の悪化懸念から日経平均株価は8000
円を割り込み、2003年4月につけたバブル崩壊後の安値に迫った。同日の米欧アジア
の株価も軒並み下落、世界同時株安が続いている。政府は株安に歯止めをかけるため
緊急の証券・金融市場安定化策の検討に入った。
 【ロンドン=御調昌邦】24日のロンドン外国為替市場では円相場が急騰、午前10時
(日本時間午後6時)過ぎに、一時1ドル=90円87銭をつけ、1995年8月以来約13年3カ
月ぶりの円高・ドル安水準となった。世界的な株価急落を受け、日本の投資家などが
外貨資産の換金売りを急いだ。対ユーロでも1ユーロ=113円台後半まで上昇し、約6
年ぶりの高値を付けるなど、円は全面高となった。(07:00)


●NY株、312ドル安=5年半ぶり安値
 10月25日7時2分配信 時事通信
 【ニューヨーク24日時事】週末24日の米株式市場は、国際金融市場の混乱を受け、
世界景気が予想以上に減速するのではないかとの懸念が強まって大幅反落し、ダウ工
業株30種平均は前日終値比312.30ドル安の8378.95ドルで取引を終えた。終値ベー
スでは2003年4月以来、約5年半ぶりの安値。ハイテク株中心のナスダック総合指数は
51.88ポイント安の1552.03で、約5年5カ月ぶりの安値となった。
 この日のダウは、アジアや欧州の株価急落の流れを引き継ぎ、朝方に一時500ドル
超下げた後、売られ過ぎ感から値を戻す局面もあった。ただ、世界的な景気悪化やア
イスランドの金融危機、新興各国の金融不安などに圧迫され、プラス圏には浮上しな
かった。 


●怒る米国人、75%が「国が悪くなっている」と
10月22日20時3分配信 CNN.co.jp
ワシントン(CNN) 米国人のうち75%が、現在の合衆国の現状を「悪くなってい
る」と回答したことが、CNNとオピニオン・リサーチ社が21日に発表した世論調査結
果で明らかになった。米国で起こっている状況に、同数の75%が「怒っている」とい
う。
調査は今月17日から19日かけ、全米の成人1058人を対象に、電話で実施した。
その結果、75%が米国の現状が悪く、怒っていると回答。3分の2が状況を怖く感じて
おり、4分の3が現状からストレスを受けていると答えている。
一方、国の状況が良くなっていると回答したのは、25%にとどまった。
CNNの世論調査担当キーティング・ホーランド氏によると、ここまで「不満度」が高
かったのは、過去40年間で3度、ウォーターゲート事件、テヘランの米国大使館占拠
事件、1992年の不況時だけだったという。
また、調査では現ブッシュ大統領についても質問。回答者の72%がブッシュ大統領と
しての職務内容を認めていない。さらに、イラク戦争も多くが不賛成で、継続に賛成
と答えたのは32%に過ぎなかった。



●有力国の軍首脳ら、アディロンダック(NY州)に集合
By PETER CROWLEY, Enterprise Managing Editor POSTED: October 18, 2008
http://adirondackdailyenterprise.com/page/content.detail/id/503035.html?nav=
5008&showlayout=0Article
【サラナック・レイク】 有力国の軍首脳らが今週末アディロンダック(NY州)地方
のどこかで会合を持つため集まってきている。.・・・以下略


●ブッシュ政権、イランに外交代表部設置を目指す
http://seattletimes.nwsource.com/html/nationworld/2008304841_iran24.html
By Warren P. Strobel
McClatchy Newspapers
【ワシントン】ブッシュ政権は11月半ば、大統領選後、1979-81年の大使館占拠事件
以後初めて、アメリカ外交代表部をイランに設置する意向である声明を発表するとい
う。政府高官が発表した。・・・以下略


●騒乱に備える警察
http://thehill.com/leading-the-news/police-prepare-for-unrest-2008-10-21.htm
l
By Alexander Bolton
Posted: 10/21/08 07:58 PM [ET]
全米の警察は大統領選挙の日の騒乱、暴動の可能性に備えて要員の訓練を進めてい
る。初の黒人大統領か、初の女性副大統領かが争われる今回の選挙のため警察力の増
強が必要とされているという。.・・・以下略


【10月22日】
現在アイスランドの国家的経済破綻が問題となっている。
身の丈を超えた金融取引を行い、その金融バブルがはじけたための反動で今一挙に追い詰められているのだが実は、アイスランドの例は近未来のイギリスとアメリカの姿をよくあらわしているという研究論文がある。

それによれば、<2009年の夏>までにアメリカはデフォルト(債務不履行)に陥り、返済を停止するだろう(国債、ファニーメイ・フレディマック債権、etc)という。
またそれを機会に<新しいドル>が導入されることになり、現在のドルとの交換レートは10:1 くらいになるだろうと予想している。つまり新ドル1ドルが旧ドル10ドルで交換されるため資産は10分の1に目減りすることになる。

その論文では、以下のように記されている。
「アイスランドの金融危機を研究することで、今後の危機の未来が見えてくる。
このアイスランドは、イギリスとアメリカの近未来を知る上でよい情報を与えてくれる。この国の金融システム崩壊は、自国の経済規模とは乖離した金融内容を抱えていたためにもたらされたのである。
金融面から見ると、アイスランドは自国をイギリスと同程度の規模の国として金融活動をしてきていたといえるが、、同様にイギリスは自国をアメリカほどの規模の国として扱っていて、アメリカは自国を世界と同規模の内容を持つ国として扱ってきたようなものなので、アイスランドを研究することで、イギリスとアメリカの今後の流れを予測できる。・・・以下略」
http://www.leap2020.eu/GEAB-N-28-is-available!-Global-systemic-crisis-Alert-Summer-2009-The-US-government-defaults-on-its-debt_a2250.html


これは何を意味するかといえば、アイスランドがデフォルトに陥るように、イギリス、特にアメリカがデフォルトに陥る可能性が高い、ということだ。

「新しいドル」の導入に関しては、すでに「アメロ」とか「フェニックス」、あるいはブルーノートという名称まで存在していることが世間では語られているようだが、この論文では名称はどうあれ、似たようなことを指摘しているわけだ。

しかもこの論文では、来年(2009年)夏までにそれが起こる可能性を書いている。私はニューヨーク株式市場が2010年までに一時的にせよ停止ないしは閉鎖になる可能性が高いとは思っているが、ソ連邦の崩壊をみれば、ある時点からは雪崩を打って、という現象になるかもしれないから、上記論文が指摘するように来年の夏に、ということも否定はできない。

そうすると、アメリカ人の多くが借金までして株式や債権投資にいそしんできているので、今それが10分の1にでもなろうものなら、生きるために暴動だって当然おきかねないのではないだろうか。それがやがてアメリカ国家全体を揺るがす内乱にまで発展しないとも限らない。これが国家の分裂をもたらすかもしれない、「新・南北戦争」の可能性としてある。

ロサンジェルスからのニュースだと、現在、全米で22州が大幅赤字で歴史的危機だといわれている。地方自治体の破産はすでに日本でも経験済みだが、アメリカで大挙してそれが起きる寸前に来ているのかもしれない。

アメリカの分裂を考えてみた時、どこでアメリカが分裂するのかというと、地図を見てもわかるようにすでに地理的に分離している地域がある。
「アラスカ」だ。(もうひとつはハワイ)。

今、アラスカ州知事のペイリン氏が共和党副大統領候補として選挙戦を戦っているが、オバマ氏の優勢が連日語られているところを見ると、このままではオバマ氏が新大統領になる可能性が高そうだ。

しかしこのペイリン氏の夫であるトッド氏は以前、「アラスカ独立党」に7年間属していた人物であり、そのような男性と結婚しているペイリン氏もまたそのような思想的傾向を持っている可能性がある。

すると、アメリカの「新・南北戦争」は、実際的には上記「アラスカ」と「アメリカ本土」との間でまず起きるかも知れず、さらに他の、たとえばテキサスなども分離する可能性がありそうだ。彼らも独立心旺盛の人々であり、ある時期までテキサス共和国を作っていた人々で、今でもテキサスひとつで堂々たる一国家になれる要素がある。

アメリカが経済的混乱から内乱状況に陥れば、「本土」と遠く離れているアラスカで、彼ら独自の行き方を探ろう、という動きが再び活発になっておかしくない。
かつてアラスカはロシア領だったのを財政難のため1867年わずか720万ドルでアメリカに売却したのだが、今度はアメリカがその財政的窮乏から、ロシアに再び売却するかもしれない、ということは考えられないことではない。

もし、マケイン氏が当選しペイリン氏がアメリカの金権政治を建て直し、もう一度アメリカの建国精神に戻って、アメリカの「再・建国」を果たせば、アメリカは復活するかもしれないが、オバマ氏が当選する場合には、ずるずると今までのアメリカ、すなわち金権政治が継続し、結局アメリカは崩壊し、分裂していくのではないか。

今回の大統領選挙は、金融崩壊からその分裂まで視野に入ってきたアメリカの、運命の懸けられた「統一アメリカ」の最後の大統領選挙となるかもしれない。


【10月13日】
今回のG7で決まった内容では、市場がなんらかの肯定的は反応を示すことを期待することは、下記のようにおそらく困難と思われる。従って、今週からの世界金融・経済の動きも期待すべきものとはならないだろう。

破綻したリーマン・ブラザースの所持しているCDSというデリバティブの総計40兆円の元本の90%以上(36兆円)が損失となった。リーマン1社でこれだけの損失だが、CDS全体は6月末で5460兆円ほどとなる。このうちどれだけが損失となるだろう。

住宅ローンだけでも、サブプライム総額150兆円はほぼ全額不良債権になるだろうし、それ以外のまともなローンも不良債権化するものが当然出てくるから、それらを加えれば300兆円ほどになると言われている。

結局、いま金融会社の抱えている負債総額がどれほどになるのか、少なくとも、今回アメリカで決定した支援額である75兆円ほどで間に合うほど少額ではないはずだ。

今の金融危機を乗り越えるためには、おそらくその10倍が必要なのではないか。そんな額を調達することはアメリカといえどもできない相談となる。アメリカの国債を買う勢いなども減っているのが現状だ。

アメリカは何もなくても、毎年100兆円の国債を世界から買ってもらわねば破綻する。まして、今戦争のための軍事費が増大しているし、この金融危機のための特別なお金が必要なのだから、一体どうするつもりなのか?

<<借金のチャラ>>、しか手はないのではないか?
→ これが新通貨「アメロ」の導入につながるかも。つまりドルのレートは極端に下がることになる。

損失は日々拡大しているから、やがて再び大金融会社・大銀行の破綻という問題が生じかねない。この中には、ファニーメイとフレディマックの支援をする米政府と連動するアメリカの中央銀行、連邦準備制度(FRB)も入るだろう。

例えば、シティ・グループでは、100兆円とか200兆円とかの負債を抱えている、と言われている。このシティ・グループがアメリカの石油王デイビッド・ロックフェラーの旗艦なのだが、今や沈没寸前の危険状態で航行していると見ていいようだ。

また、AIGにしろ、ファニーメイ・フレディマックにせよ、米政府の支援が決まった機関の株価は、また下がり始めているので、これがとうとう破綻、という事態にもなりかねない。

従ってもし今度、例えば上記のようなアメリカの大銀行なり、大保険会社、あるいは大住宅ローン会社などが破綻すれば、ニューヨークの株式市場の大暴落は避けえず、それは(たとえ一時的であっても)、ニューヨーク株式市場を閉鎖に追い込む事態となるだろう。

◆それが津波の第2波を形成し、世界を包むことになるはずだ。

つまり、時間の問題と捉えるべきだということと思われる。

そして、この津波の第2波の後に、第3波がくるわけだが、これは、全デリバティブ商品の合計5京とか6京(=6万兆円)の破裂が引き起こすことになるだろう。

これは、単なる世界的大恐慌、というだけでなく、世界の金融体制なり通貨体制を変革させていくことになると思われる。これは世界中を大混乱に陥れることになり、そこから新しいものが生み出されていくことになるのではないだろうか。

それが吉となるのか、凶となるのか、それが問題だ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

●<リーマン>破綻で派生商品9割消滅
10月11日22時3分配信 毎日新聞

 国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)は10日、破綻(はたん)した米証
券大手リーマン・ブラザーズを対象にした「クレジット・デフォルト・スワップ(C
DS)」の清算価格が元本の8.625%に決まったと発表した。総額約4000億
ドル(約40兆円)と見られる同社関連のCDSの価値が9割以上吹き飛んだ形で、
保有する金融機関などにとっては打撃となりそうだ。
 CDSは企業向け融資や証券化商品が焦げ付いた際に損失を肩代わりする金融派生
商品(デリバティブ)で、世界の大手金融機関や投資家の間で取引が急増。ISDA
によると、今年6月末時点の取引残高は54兆6000億ドル(5460兆円)に達
する。
 統計が未整備のため、リーマン関連のCDSをどの金融機関が、いくら保有するか
は明らかになっていない。このため、金融機関同士が疑心暗鬼となり、短期金融市場
でお金を借りられなくなる一因になった。また、金融機関が手元資金の確保に動き、
保有株式を相次いで売却、株式相場下落を招いていた。
 市場関係者は「清算価格決定で損失額が確定するため、新たに破綻する金融機関が
出る可能性がある。その一方、健全な金融機関も明確となり、不安が沈静化する効果
もある」と指摘している。【後藤逸郎】



●米2地銀が破綻、今年15件に
 【ニューヨーク=米州総局】米連邦預金保険公社(FDIC)は10日、メリディア
ン・バンク(イリノイ州)とメーン・ストリート・バンク(ミシガン州)の地方銀行
2行の業務停止を発表した。両行の預金は、それぞれの州内の別の地銀が承継する。
米銀の破綻は今年に入って15件となった。


●金融システムは崩壊寸前=IMF専務理事
10月12日11時25分配信 時事通信
 【ワシントン11日時事】国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事は11日の
国際通貨金融委員会(IMFC)で、「9月半ば以降、世界の金融システムは組織的崩壊
の寸前に陥っている」との認識を表明した。その上で、金融市場の安定化のために
は、米国や欧州の銀行に対し、公的資金による資本注入が必要になるとの見通しを示
した。 


●〔焦点〕公的資金注入のG7協調、具体策乏しく週明けも株安・円高継続か
 2008年 10月 11日 18:36 JST 

 [ワシントン 11日 ロイター] 欧米を中心に金融危機が緊迫する中で迎えた
7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は、クローズアップされていた金融機関に
対する公的資金注入の必要性で協調的な姿勢をアピールしたが、具体性に乏しいとし
て市場は警戒を緩めていない。金融問題に焦点をあてた「行動計画」という5項目の
指針を取りまとめ、金融危機克服に向けて従来にない強いトーンで決意を示したもの
の、実現性と実効性は依然として不透明。週明けの市場は、米国を中心とした金融機
関への公的資金注入の具体策の行方をにらみながらも、株安・円高に歯止めがかかる
かは微妙だ。
 
 中川昭一財務相兼金融担当相は10日夜(日本時間11日午前)、G7後の記者会
見で、会議では全体に経済・金融が悪化しているという認識を各国が共有したと語っ
た。公的資金注入に関しては他国からも発言があったとしたうえで、この問題に関し
ては「前進した」との認識だ。同相はG7に先立ちポールソン米財務長官と会談した
際、公的資金注入の日本での事例を説明した。財務省幹部は「日本の経験は、米国側
に受け入れられたと思う」と話している。
 
 バンク・オブ・アメリカ日本チーフエコノミスト兼ストラテジストの藤井知子氏
は、従来の声明とは異なる形で発表された行動計画について「具体論がないというの
が最初の印象だが、G7が示した行動計画は市場の安定を意識したもので、大きく期
待が外れたというほどでもないだろう」とし、「市場は失望一色ではない。反転には
至らないものの、波乱の緩和効果はあるだろう」と一定の評価を示している。
 
 しかし、バークレイズ銀行トレーディング部ディレクターの小川統也氏は「具体策
がなく、市場で進んでいる株安や円高を止められる内容ではない」と指摘。「公的資
金がいつ、どのように注入されるか具体策が出れば好感して反発する可能性が高いだ
けに、G7で売りに安心感が出たとは言いがたいが、今までの流れは変わらない」と
いう。小川氏は「当局は自然発生的な反発を望んでいるだろうが、為替市場ではパ
ニックセリング的な動きがまだ終わりきってない」との認識だ。
 10日の海外市場はドル/円が100円半ばへ上昇しているが、小川氏は週明けの
アジア市場は出足から円高に振れ、99円前半から半ば付近で取引が始まるとの見方
を示す。
 
 草野グローバルフロンティア代表取締役の草野豊己氏は「問題はむしろ、その後に
続く景気悪化だ。早期に金融危機を封じ込めないと景気への下振れ圧力が強まり、こ
れによって新たな不良資産が発生する。その分、財政負担は大きくなり、場合によっ
ては来年、ドルが暴落する可能性もある」とみている。草野氏によると、日本株専門
のヘッジファンドは「ほぼ壊滅状態で、年内は海外勢の日本株買いは期待できない」
という。
 
 市場関係者は、焦点となっていた米国の金融機関への公的資金注入について、踏み
込んだ内容を期待していた。ただ、金融筋は不良資産の買い取りは市場の機能を壊す
おそれもあるので、副作用を天秤にかけながら各国は判断しなければならないと指摘
する。また、資本注入にあたっては国際的な整合性が不可欠との認識を示している。
 
 中川財務・金融相は、G7の結果が市場にどのように受けとめられるかと聞かれ、
「われわれが発信したことをマーケットがどう受け止めるかだ。反応を狙ったという
よりも厳しい状況を打開するため最善を尽くしたということが伝わればいい」と語っ
た。
 
 G7は為替について「過度な変動や無秩序な動きは悪影響との見方で一致した」
(中川財務・金融担当相)が、このところ大きな変動がみられるドル/円に関し、G
7や日米財務相会談で議論されることはなかったもようだ。G7開催のたびに為替の
議論は一つの注目材料となっていたが、今回は通常の共同声明に代わって金融問題に
焦点を絞った5項目の「行動計画」が提示されたこともあり、為替問題が表面化する
ことはなかった。これについてある証券関係者は「今回は為替が焦点となっているわ
けではないし、特に違和感はない」と述べている。
 
 (ロイター日本語ニュース 吉池 威記者;編集 石田仁志)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【10月3日】
アメリカ・キリスト教倫理革命の前兆になるか

下記にあるようなフィナンシャル・タイムズ紙の記事や産経新聞の記事に見られるように、今回ばかりは、アメリカ国民の怒りは相当なもののようだ。

実直に仕事するものが報われず、キーボードを打ち他人様のお金を右から左に移すだけで、、また怪しげな債権を口八丁で売りさばくことで、膨大な利益を独り占めにしてきた者たちに対し、根雪のように積もってきた反感が爆発している、といった感じだろうか。

資本主義の発達が、プロテスタンティズムの勤勉の倫理によって促されてきたのならば(ウェーバーが言っているが)、このようにはならなかったであろう。

資本主義は、実は別の道で発達したのでは、ということを言っている専門家もいる。ようするに、保険の論理、だというのだ。

これが、今で言う金融資本主義であり、ジャングル資本主義や、カジノ資本主義に堕落して、今の断末魔状態に陥ったと言えるかもしれない。

従って、本物の、勤勉の倫理での利益の増大と資本の蓄積を図ることが必要で、それはすなわち、アメリカにおいては、キリスト教倫理革命ともいうべきものが必要になるということになる。。

共和党の大統領候補の1人だったロン・ポール議員はそれを指摘している。

これを断行しないと、2番目の記事にあるように、アメリカは未曾有の困難な時期に入ろうとしていて、アメリカ国家のデフォルト(債務不履行)さえ、実は視野に入って来ているのだ。

これは内乱を勃発させかねない重大な事態となる。

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●どうなる“ウォール街救済” 庶民の怒り噴出
 10月2日18時37分配信 産経新聞

 【ロサンゼルス=松尾理也】採択をめぐり攻防が続く金融安定化法案に対し、低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題などで痛めつけられて久しい庶民からの「ノー」の声が収まらない。「われわれは家を失い、職を失ったのに、ウォール街を助ける必要はない」。噴出する怒りや反感をどう、なだめるか。米当局に残された時間は少ない。

 「20年にわたって納税者の声を代弁してきたが、人々の怒りがこんなに短期間に、しかも大規模に示されたのは初めてだ」。受話器の向こうから、市民団体「全米納税者連合」のピート・セップ副代表の興奮が伝わってきた。

 36万人の会員を抱える同連合は、過去2週間にわたって各連邦議員事務所に対し、法案反対の電話やファクス、電子メールを寄せる抗議活動を指揮するとともに、実際に議員に面会を求め、反対投票や法案修正を促してきた。セップ氏は、1日上院で修正案が可決されたことについても「失望した」と言い切り、戦闘態勢を解いてい
ない。

 団体主導だけでなく、個人による抗議の意思表明も目立つ。公的資金投入への反対は、広範な草の根運動というべき様相を呈してきた。「(否決に終わった下院での採決を前に)反対票を投じよ、とするメールや電話で、事務所はパンク状態だった」。ロサンゼルスのある議員事務所関係者は匿名を条件に打ち明ける。

 感情的な反対にうつつを抜かしている場合ではない、との意見も、経済人を中心に珍しくない。ロサンゼルス経済開発協会でエコノミストを務めるエデュアルド・マルチネス氏は「信用が収縮している現状は、誰にとってもマイナス。公的資金投入がなければ、結局は庶民も困ることになる」と話す。

 半面、「われわれは公平であるべき非営利機関。一方に肩入れする姿勢は取れない」とも。燃えさかる反感にはとても手を出せない、というわけだ。

 こうした状況を、ニューヨーク・タイムズのコラムニストで経済学者のポール・クルーグマン氏は「米国は核を持ったバナナ共和国(政治、経済的に不安定な小国)になってしまった」と嘆いてみせた。

 だが、ノーベル賞受賞者を含むシカゴ大などの経済学の教授約200人が「あいまいで公平さを欠き、しかも解決までに長い時間がかかる」と法案に反対するホワイトハウスあて書簡を公表するなど、専門家の間でも議論は真っ二つに分かれている。

 公的資金投入を含む金融安定化の試みは、一般に「ベイルアウト(救済)」と呼ばれる。「政治における修辞学」に詳しいワシントン大のウェイン・フィールズ教授は「救済という言葉が定着してしまったのは、いかにもまずい」と指摘する。

 とはいえ、もはや国民を説得する時間は限られている。「実際に金融が崩壊すればどんな悲惨なことになるか。人々の“恐怖”に訴えかけるほかはない」。フィールズ教授は、皮肉交じりに語った。



●米景気、急激に悪化の公算=金融危機、最も深刻-IMF分析
10月2日23時32分配信 時事通信

 【ワシントン2日時事】国際通貨基金(IMF)は2日、世界経済見通し(WEO)の分析部分を公表した。過去の金融混乱と経済の関係について考察し、米国経済が急激に悪化する可能性が極めて強いと結論付けた。
 IMFは過去30年間、先進17カ国で発生した銀行、証券、為替市場での113の金融混乱の事例を調査。その結果、米国が現在直面する金融危機は「最も深刻な事例の一つ」で、対象国のほぼすべてに波及していることが分かった。 


以下は、フィナンシャル・タイムズ紙の記事からの抜粋を記し最後に記事全文を掲げる。


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●7000億ドルの公的資金でウォール街のひどい借金を洗い流そうという
米財務省の提案について、共和党のニュート・ギングリッチ元下院議長は、
「ひどい、ひどいアイディアだ」と批判。ゴールドマン・サックス出身の経済顧
問を抱えたホワイトハウスは、ゴールドマン出身者にだまされているのだと
攻撃した。

●共和党のジョン・マケイン大統領候補は、CEOたちの「強欲」を激しく罵り、
政府に救済される企業のトップが、「最高給の政府職員よりも高い報酬をもらう
なんてことがあってはならない」と批判した。ルパート・マードック氏が所有す
るニューヨーク・ポスト紙は一面トップに高さ5センチ大の活字でデカデカと
「フロード(詐欺)・ストリート」という見出しを掲げた。右側からも、これだ
けの声が上がっているのだ。


●左側の論調としては、たとえば23日のニューヨーク・タイムズ紙面に進歩派
シンクタンク「米国の未来のための研究所」が掲載した意見広告が一例だ。
このシンクタンクは、ウォール街がアメリカの納税者を「強要している」と非難し、
「銀行関係者だけを救済するよりも、銀行の被害者になった人たちを助けるべき
ではないのか?」と指摘している。


●民主党のナンシー・ペロシ下院議長もこれによく似た言い分で、
「自分の会社をつぶしておきながら、高額の退職金という金色のパラシュートで
脱出しようとするCEOたちに言いたい。もうパーティーは終わりだ」と厳しく批
判した。


●ウォール街そのものでも、経営幹部ではない金融関係者はこぞって、一番上に
いる上司たちをさかんに非難している。


●ここ2週間ほどの混乱に巻き込まれた会社のベテラン社員によると、彼の会社の
CEOに金色のパラシュートを諦めるよう、最大の圧力をかけているのは、メイン・
ストリート(各地の中央通り、金融業界ではない一般市民の意)でもなければワ
シントンでもなく、社内の怒れる社員たちなのだという。


●アメリカでこれ以前に所得格差がピークに達したのは、19世紀末から20世紀
初めにかけて。この時は高まる国民の不満に勢いを得て、国民党が台頭した。そ
れは米国史上、最も成功した「第三の党」運動だった。

当時に比べると、今のところアメリカの政治地図はそれほど極端には変化して
いない。しかし階級闘争は強力な魔神だ。そして実に久しぶりにアメリカは、魔
神をランプから出してしまったのだ。



以下、本文 ↓


強欲な銀行幹部たちのせいで階級闘争が
――フィナンシャル・タイムズ
2008年9月27日(土)00:06

(フィナンシャル・タイムズ 2008年9月24日初出 翻訳gooニュース) 
FT米編集局長クリスティア・フリーランド

アメリカは今週、階級闘争を発見した。7000億ドルの公的資金でウォール街のひどい借金を洗い流そうという米財務省の提案について、共和党のニュート・ギングリッチ元下院議長は、「ひどい、ひどいアイディアだ」と批判。ゴールドマン・サックス出身の経済顧問を抱えたホワイトハウスは、ゴールドマン出身者にだまされているのだと攻撃した。

共和党のジョン・マケイン大統領候補は、CEOたちの「強欲」を激しく罵り、政府に救済される企業のトップが、「最高給の政府職員よりも高い報酬をもらうなんてことがあってはならない」と批判した。ルパート・マードック氏が所有するニューヨーク・ポスト紙は一面トップに高さ5センチ大の活字でデカデカと「フロード(詐欺)・ストリート」という見出しを掲げた。右側からも、これだけの声が上がっているのだ。

左側の論調としては、たとえば23日のニューヨーク・タイムズ紙面に進歩派シンクタンク「米国の未来のための研究所」が掲載した意見広告が一例だ。このシンクタンクは、ウォール街がアメリカの納税者を「強要している」と非難し、「銀行関係者だけを救済するよりも、銀行の被害者になった人たちを助けるべきではないのか?」と指摘している。

民主党のナンシー・ペロシ下院議長もこれによく似た言い分で、「自分の会社をつぶしておきながら、高額の退職金という金色のパラシュートで脱出しようとするCEOたちに言いたい。もうパーティーは終わりだ」と厳しく批
判した。

アメリカにも階級格差はあるのだと、アメリカが気づいた。気づくのがあまりに遅いのではないかと、あなたは主張するかもしれない(するかしないかは、あなたの政治姿勢によるかもしれない)。なんといっても過去30年にわたって続いた米国経済の大きな特徴は、所得格差のすさまじい拡大なのだから。過去100年に遡って眺めれば確かに、経済全体が成長すると共に所得格差は縮小した。
ゆえに1916年には全米人口のわずか0.01%にあたるごく一部の高額所得者たちが、国民の総給与所得の約4.5%を得ていたのに対して、金持ちへの財の集中は1971年には0.5%にまで減っていたのだ。
しかし1970年代になってこの流れは、逆戻りしはじめ、1998年には再び、人口の0.01%が総給与所得の3%を得るようになっていたし、ほんの一握りの高額所得者たちはその後もさらに給与所得のシェアを増やしていった。

金持ちと貧乏人の格差が、グランド・キャニオン並みに広がっていたというのに、米国に根強くある社会や文化の伝統が、この問題の直視を妨げ、政治テーマとなるのを妨げてきた。

所得格差が広がっても、米国民は資本主義を支持し、資本主義の勝者となった人たちを英雄扱いしてもてはやした。ひらめきを働かせ、額に汗し、努力に努力を重ねれば、誰だって百万長者になれる??こういう国民的な信念が、その一端にはある。ニューヨークを拠点にしている欧州出身のヘッジファンド・マネージャーいわく、「ヨーロッパでは金持ちは妬まれるが、アメリカでは自分もああなりたいと思われるものだ」そうだ。

その結果、経済ポピュリズム(大衆主義)は投票箱で効果を発揮しなかった。2000年の大統領選で経済ポピュリズムを掲げたアル・ゴア副大統領は当選できなかったし、今回の選挙でも、この国には「2つのアメリカ」があると訴え続けた民主党のジョン・エドワーズ元上院議員は、予備選で3位より上になれなかった(ましてエドワーズ氏は民主党支持者に訴えかけていたのに)。

アメリカは、階級闘争を前提とした政治観を、ともかくも拒絶してきた。これは左翼にとって実に歯がゆいことで、例えば2004年の「What's the Matterwith Kansas?」という画期的な著書でトマス・フランクスが論じたように、左翼は共和党の手口に危機感を抱いていた。共和党は、アメリカ中産階級の社会的価値観や文化的価値観に訴えかけることで、有権者が経済格差の拡大に気づかないよう仕向けてしまったのだと、左翼はこう懸念していた。

サラ・ペイリン知事はジョン・マケインの選挙戦をまるでバイアグラのように元気づけた。9月前半のマケイン支持率を見るに、今回の選挙戦でもまた「アメリカの伝統的価値観」が「階級」に勝つのかと思えた。しかし10日ほど前のウォール街暴落は(おまけに、納税者が費用負担する処理案は1兆ドルにもなるという提案は)、政治状況を大きく塗り替えた。そして、この経済危機は欲の皮がつっぱったCEOたちの責任だと怒っているのは何も、今回の大統領選で大注目されている有権者層「ウォルマートで買い物するお母さんたち」ばかりではな
い。ウォール街そのものでも、経営幹部ではない金融関係者はこぞって、一番上にいる上司たちをさかんに非難している。

ここ2週間ほどの混乱に巻き込まれた会社のベテラン社員によると、彼の会社のCEOに金色のパラシュートを諦めるよう、最大の圧力をかけているのは、メイン・ストリート(各地の中央通り、金融業界ではない一般市民の意)でもなければワシントンでもなく、社内の怒れる社員たちなのだという。

アメリカでこれ以前に所得格差がピークに達したのは、19世紀末から20世紀初めにかけて。この時は高まる国民の不満に勢いを得て、国民党が台頭した。それは米国史上、最も成功した「第三の党」運動だった。

当時に比べると、今のところアメリカの政治地図はそれほど極端には変化していない。しかし階級闘争は強力な魔神だ。そして実に久しぶりにアメリカは、魔神をランプから出してしまったのだ。

以上
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