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最後の貸し手のすべきこと?

◆12月20日

 11月29日号にも「銀行がつぶれても、国民を救済すればよいのだ。銀行に資金を流すのではなく、国民に資金が行き渡る工夫をすべきなのだ。これがこれからの世界的大破綻を前にして政府が取り組むべき課題となるべきである」と書いたように、今や中央銀行は民衆にマネーを供給すべき時に来ている。

 大銀行の救済ばかりやって民衆そのものの救済をしなければ、結局は国家が衰弱していく。国の土台は民衆なのだから、民衆が活性化することが必要なはずだ。本当の意味において国家を活性化したいのであれば、マネーを民衆に回すことを考えるべきなのだ。

 アメリカの連邦準備銀行が「最後の貸し手」という立場を持ってこれからなすべきことがある、とエレン・ブラウン女史も指摘している。
 これは日本でも全く同じことだ。政府発行通貨を日銀が買い取り、それを資金源として大規模なプロジェクトなどで雇用を創出することなどが考えられるだろう。


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●最後の貸し手としての連邦準備銀行は何が出来るか?
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=22445
【12月17日 by Ellen Brown】

 我々は連邦準備銀行(FED)がウォール街に対して流動性の魔法の杖を振るってきたことを見た。今度はその杖を一般民衆に対して振るう時が来ている。

 FEDの見えない手が見え始めたのは、AIGの救済の時だった。ナンシー・ペロシ下院議長は2009年6月に以下のように語った。
 「多くの者が、FEDがAIGに対して800億ドルを融資すると聞いて、驚愕したとは言わないまでも呆気にとられたとは言えるでしょう。 突然ある朝、目が覚めると、AIGがFEDから800億ドルを受け取ったのです。そこで我々は勿論、一体その金はどこから来たのかとたずねたものでした。『ええ、持っていたのです。それに、まだ持っているのです』」

 一体いくら? 8000億ドル? 8兆ドル?

 マジシャンはにっこり笑うだけで、袖をまくっても何もない。「12兆3000億ドル出しましょう」と彼は言う。これが最近銀行救済のためのFEDの緊急貸出プログラムに示された数字だ。

 「12兆3000億ドルの納税者の金だ!」と驚いた見物客が叫んだ。「その金で道路や橋を建設し、州の負債を支払い、住宅所有者が家に留まれるようにしてやることができたはずだ!」

 「税金ということではありません」と、マジシャンはモナリザの微笑をたたえながら言った。「いつ、何もしないで税金の12兆3000億ドルを手にしたのか?」

 マジシャンが「税金」を使わなかっただけでなく、「金」そのものさえも全く触れていないようだった。彼はコンピューター画面上の数字を打っただけである。
 CNNマネーによれば:「FEDは大銀行とウォール街の会社に向けてウォール街の」危機の時に9兆ドルの貸付けを行った・・・全てのこれらのローンは担保され、非常に低い金利と共に返済された。そのレートは年利0.5%から3.5%だ・・・」

 「債券ディーラー向けのローン・プログラムに加えて、このデータは1兆ドル以上のFEDの住宅ローン、中小企業向け融資と消費者ローン買い付けをカバーし、また大企業が倒産しないための短期為替手形をカバーした・・・」

 「2008年の危機に対する対応としてFEDにより組み立てられた特別プログラムは、この期間に購入した2兆ドルのアセットの殆どを保有しているままだが、期限は切れた。FEDはこれらの処理で金は失っておらず、アセットを保有することで失うこともない、と述べた」

 と、まあそのようにメディアは伝えている・・・

 ハトは出てきた袖の中に入り込んでしまった。その袖には初めから何もなかったのだ。


◆最後の貸し手としての中央銀行

  一体どこからFEDはこのような注目すべき能力を得ているのか? 中央銀行は「最後の貸し手」であり、それはシステムが必要とする限りの資金を貸し出す権限を持っている、ということを意味する。それはコンピューター上のキーを打つだけである。そしてこのクレジットの供給量は無限である。
 ウィキペディアによれば;「最後の貸し手とは、誰もしようとしない時にクレジットを出す機関である。もともとこの言葉は殆どの場合中央銀行である準備金融機関を示す言葉で、破綻するには大きすぎる銀行その他の機関を保証するものである」

 なぜそのような支援が必要なのか? それは、ウィキペディアは事実として以下のように言っている;「部分準備金銀行制度ため、全体として全ての貸し手と借り手は支払不能になる」冒頭のこの部分準備銀行制度についての説明:「銀行は預託された資金の一部ないしは殆どを貸し出すが、要求により預金された資金を引き出させている。部分準備金銀行制度は、預金された資金を貸し出す時、必然的に生じることで、全ての近代銀行で行われている」

 全ての商業銀行は支払不能状態にある。彼らは必要な時、彼らの負債を支払うことは出来ない。それは預金を二重に勘定しているからだ。厳しい言い方をすれば、法律で有効とされていなかったならば、『使い込み』ということになるかもしれない。あなたに要求され次第お返ししますという約束で銀行があなたのお金を保管するために受け取り、それから彼らの借り手の小切手を清算するために引出しを開けて借りるのだ。近代銀行制度は巨大なシェル(貝殻)ゲーム(巧妙なごまかしのゲーム)であり、銀行は豆粒を貝殻の下に持っているようにする為に必死になっている。豆を持っていなければ、どこかから長期で借りられるようになるまで他の銀行からそれを借りるか、短期の資金市場で借りる。

 アン・ペティフォーは以下のように書いている;「銀行システムは逆に借りる機関になった」。我々に彼らの資金を貸すよりも、我々から借りて貸し出すのだ。銀行は0.2%のFFレートでお互い貸し借りを行っている。彼らは非常に安いクレジットを手にして、それよりずっと高いクレジットを我々に貸し出している」

  彼らは、リーマン・ブラザース破綻で資金市場から資金が逃避するまで、このシェル・ゲームを2008年9月まで続けていた。パニックに陥った投資家は短期資金を引きあげた。そして信用取引市場は突然凍りついた。ビジネスが動いていたクレジット・ラインもまた凍り付いた。そのため破綻、レイオフ、全般的な経済崩壊が起きた。

 このシェル・ゲームは、もしもFEDが「最後の貸し手」カードを切って乗り出さねば、我々の面前に晒されることになっただろう。
 ウィキペディアの説明を引用;「最後の貸し手は、預金者を保護するため穴埋め役となり、パニックによる引出しの拡大現象を回避し、また一つないしはいくつかの機関の崩壊によって生じる全体的経済の建設的なクレジットにおける混乱を回避する・・・」

 「アメリカではどこからも借りることができなくて、しかもその崩壊が経済に深刻な打撃を与えるような機関にとっては連邦準備銀行が最後の貸し手となっている。自由銀行時代に行われていた手形交換所の役割を引き継いだものだ;公的私的を問わず、流動性資金が自由に手に入ることで銀行の取り付け騒ぎを避けることができる」

 「この役割はイングランド銀行(イギリスの中央銀行)が受け継ぎ、ユーロ圏ではヨーロッパ中央銀行が受け継いだ。またスイスではスイス・ナショナル銀行、日本では日本銀行、ロシアではロシア中央銀行が受け継いだ」

 全ての中央銀行がこれを行えば全てがうまくいくに違いない、そうなのか? あるいは全ての国際的銀行スキームは巧妙はトリックなのか? 全ての貸し手は支払い不能であり、中央政府による中央銀行に与えられている、つまり我々民衆によって与えられている、最後の貸し手の能力によってのみゲームに留まれている。それなのに、我々、民衆はこのコルヌコピア(花と果物でいっぱいのヤギの角)にはアクセスできないし、また銀行のために支出しなければならない。殆どの州は赤字で苦しんでいるし、支払い不能になりつつある。FEDの魔術はなぜ彼らには使用されないのか?

◆QE3 いくつかの建設的提案

 金融ブロガーのエドワード・ハリソンによれば、まもなく起きるだろうという。彼はデイビッド・ブランチフラワーのブルームバーグの記事を引用している。ブランチフラワーのことをハリソンは、「イングランド銀行の通貨政策委員会の元委員でFEDと非常に関係が深い米英二重国籍者である」という。
 ブランチフラワーは10月18日以下のように書いている:「自分は通例のある会議のため先週ワシントンの連邦準備銀行にいた・・・FEDはとりわけ失業問題と脆弱な住宅市場に懸念を持っている・・・議会とオバマ大統領は恐れて動けないので、量的緩和は町のエコノミック・ショーとしてのみある・・・」

 「量的緩和(QE) 」は中央銀行がコンピュータ画面上に生み出す資金による購入ということを行う。ブランチフラワーは尋ねる:彼らは何を購入するのか?彼らは連邦の債券を買うことしかできない。これには国債、ファニー・メイとフレディ・マックが出した債券が含まれる。しかし、短期の地方債を購入することも許されている。州政府や地方政府が直面する困難さに鑑みて、量的緩和資金のいくらかはこっちに流れていくものがあるだろう。FEDが望んだとしても、社債など他の債券を購入することは暫くは難しいと思われる議会の承認ということが必要とされるので出来なかった」

 FEDの会議に参加している中央銀行のインサイダーが、FEDの次のトリックについて、地方政府の債券に投資することができるし、するだろう、と言うのを理解するのに、こういうあらゆる金融的専門用語などを理解する必要はない。ハリソンは以下のようにコメントしている:「FEDは議会の承認無しに望む限りの地方債を合法的に購入できる・・・これはでかい話だ。ブランチフラワーは特に、アメリカ政府は住宅市場をファニーメイとフレディ・マック債券購入を通して、また州政府は地方債購入を通して救済することができるということを言っているのだ。そして勿論、銀行はこれらのアセットをFEDに投げ、FEDはそれを引き受けるだろう。州が失業者を一番抱えているのだからとてもいい話になることはまちがいない」

 全くでかい話で、非常に興味深い可能性を示唆している。FEDはその量的緩和というツールを存在しているアセットの購入にだけ使用するだけでなく、将来の生産性と雇用に融資することができる。フランクリン・ルーズベルトが行ったようなやり方で、しかも民間銀行カルテルに対する高い利子の負債を国家に背負わせないで、落ち込んでいる経済に刺激を与えることが出来るはずだ。、

 FEDはたとえば、大規模なインフラ・プロジェクトの融資のために州政府が出す特別歳入担保債を購入することができるはずだ。彼らはアジアやヨーロッパに見られるような高速列車システムを建設することもできるだろう。州政府は特別担保債を0%ないしは0.5%の利子で発行すればよい。投資された資金は完成した鉄道からの収入で返済すればよい。同じことが近代的病院建設、水関連プロジェクト、代替エネルギー資源などへの投資にも言える。これら全ては現在銀行に対して行われてている極端に低い金利で行うことができる。

 そのようなプログラムはインフレを招くだろうか? 今の状態ではならないとビル・ベーカーは言う。95%以上のマネーサプライは銀行貸出しで生み出されていると指摘し、クレジットが破綻すれば、マネーサプライは収縮すると言う。最初のQEは実際にはマネーサプライを増やさなかったが、それはFEDが印刷したマネーは負債デフォルトと返済によって破綻した金額と同じだからだ。収縮する経済の中に失われた負債マネーを差し替えるために、FEDは既に量的緩和プログラムを開始していた。問題はどこにその資金を流すのか、ということだ。

◆社会保障ギャップを閉じる

 QE3の他の興味深いアイデアはバッファロー州立大学経済学教授のテッド・シュミッツによって提案された。11月初旬に、シュミッツは現在議会で議論されている社会保障税の削減を予想していた。不安げな関係者らはこれらの削減を社会保障政策を台無しにする最初のステップだと見ていた。将来それは資金が不足し、納税者が支持するにはあまりに高額だといわれるだろう。シュミッツは、しかしながら、社会保障部門は国債の重要な保有者であると指摘している。FEDは社会保障の4000億ドルの税削減額を社会保障信用ファンドから直接に債券を購入することで賄うことができる。これをすることで、ファンドは現行の利益レベルを維持することができる。これらの購入のその他のアドバンテージは以下のようだ:これは国債総額を増やすことにはならない。それは一つの政府組織(社会保障信用ファンド)から債券を準政府組織(FED)に移すだけだからだ
;そして・・・それはFEDにインフレ圧力を抑える時期がくれば必要になるであろう特別の弾薬(財務省長期証券)を与えることになり、銀行から引当金を引き出すことになる(債券を銀行に売ることで行う)。

 シュミッツの結論:「もう充分である。バーナンキ博士!今は病人に注射を打って労働者や小企業にマネーを流す時である」

 FEDの最後の貸し手の能力は金持ちの銀行家らを金持ちのままにさせるために使用された。そして残りの民衆は負債を抱えた日雇い労働者の身分、寄生的で持続不可能な中で努力さぜるを得ない状態にに落とされたままにされている。もしもこの権力が生産性を高めたプロジェクトや雇用に向けられれば、持続可能なものになるだろうし、大変有効なツールになるはずだ。我々民衆は表向きには我々の委任によって権限が与えられている準民間の中央銀行に対して従僕である必要はない。我々はマネーパワーを取り戻すことができるはずなのだ。

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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