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サウジアラビアはイスラム過激派をウクライナに派遣

◆5月8日

 サウジアラビアがシリアにイスラム過激派を送ってきていたが、ここに来てそのイスラム過激派の敗退が続いていた。それでか、このイスラム過激派をサウジアラビアは今度はウクライナのロシア系住民の多い東部地域に振り向けた、という。

 これでウクライナ政権はネオナチという性格だけでなく、イスラム過激派という、もう一つの暴力主義で無法者の勢力を抱え、それを親ロシア派襲撃に向かわせるという、真に無法ごろつき政権になったようだ。これに対し、ロシア人はロシア正教徒であり、このキリスト教徒はキリストの心情に最も近い信仰姿勢を持つ、従ってキリストに最も近いキリスト信者と考えられている。このようにウクライナの戦いは、正に光と闇の戦い、という様相を呈している、と言えよう。

 このようなイスラム過激派を迎え撃つためにか、ロシア側は「アルファ・グループ」という対テロに特化した特殊部隊を投入するようだ。

イスラム過激派を迎え撃つ? ロシアのアルファ・グループ

 キエフに入ったイスラム過激派は現在のところは2000名ほどらしいが、このアルファ・グループはイスラム過激派との戦いには慣れている部隊である。ウクライナを舞台とする欧米とロシアとの戦争は既に始まっていると言えよう。

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●サウジアラビア:親ロシア派襲撃のためイスラム過激派をウクライナへ
http://english.farsnews.com/newstext.aspx?nn=13930214000824
【5月4日 FARS News Agency】

 「シリアで活動し、サウジアラビアの情報機関から資金面と軍事面の支援を受けていたサウジアラビアないしはチェチェン(ロシア)の国籍を持つ多数のイスラム過激派テロリストが、ウクライナ軍と共に、親ロシア派に対する戦闘をするため、ウクライナのキエフに航空機で移送された」と、あるアラブの治安担当官がFNAに4日、匿名を条件に語った。

 「この部隊は即刻東ウクライナのクラマトスク市へ派兵され、現在ウクライナ軍と共に民兵として、親ロシア派住民に対する戦いを行っている」と同高官は付け加えた。

 この情報筋は、ロシアがシリアのアサド大統領を支援しているため、サウジアラビアはロシアとウクライナ在のロシア系住民に対し報復を企てている、と説明した。

 昨年の夏、元サウジアラビアの情報機関長官のバンダル王子は、ロシアのプーチン大統領に対し、ロシアがシリアを見捨てれば、サウジアラビアはイスラム過激派のテロリストからソチの冬季オリンピックを保護する、と話を持ちかけた。しかしプーチンはその話を怒りを持って拒絶した。1月、冬季オリンピック会場のソチから400マイルしか離れていない場所で爆破テロが二件起きたことがあった。

 昨年の夏の上記会合で漏洩した情報によれば、バンダルはシリアを含む、中東でのいくつかの問題においてロシアとの協力を探り、プーチンに対し、「冬季オリンピックに対する保証を与える事ができる。治安を脅かすチェチェンのグループは我々が仕切っているから」と告げた、という。

 プーチンは、「我々はあなた方がチェチェンのテロリストを支援してきていることを10年ほど前から把握している。今あなたが話したこの支援とやらは、世界的テロとの戦いの共通の目的とは全く相容れないものだ。我々は明確で強固な原則による友好関係を発展させることに興味があるのだ」と回答したと言われている。

 ソチ・オリンピックの安全の他に、バンダルはロシアとサウジアラビアの石油とその他の投資問題での協力を持ちかけた。外交筋によれば彼は、「石油に関するロシア・サウジの統一戦略を持つことを考えて欲しい。この戦略の狙いは、世界的石油市場で価格の安定をもたらすための石油価格と生産量で合意することだ」と、述べたという。

 ロシア政府に近い筋は1月、このあからさまな勧誘と脅迫の入り混じったバンダルの言動はプーチンを激怒させたが、会合の終わりまで彼はその怒りを抑制した、という。プーチンはバンダルの持ちかけた話を、マフィアの親分が店の主に向かって、「いい商売やってるじゃねえか、ここで騒ぎは見たくないものだ」とみかじめ料を要求しているのに似ている、と見た。

 プーチンはそれでバンダルの賄賂と脅しの混合オファーへの回答として、シリア政府に対しロシアの支援を倍加して回答した。この情報筋はロシアは自身の微妙で脅迫めいたことをサウジアラビアに示したという。サウジアラビアは実質的な「ソフト・パワー」を石油と資金力として持っているが、ロシアは恐るべき大軍事力を含む「ハード・パワー」を持っている、ということを示した、と言うのだ。

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ウクライナでの弾圧の犠牲者に対しウクライナ大使館前で花を捧げるモスクワ市民

◆5月7日

 昨日の「ロシア・レポート:ウクライナの人権侵害状況の詳細」で「ウクライナでは極右ネオナチ勢力が政権の、特に軍事・治安関係部門に入っているため、人権問題が起きている」と指摘したが、今日の記事では、42人の犠牲者を出したオデッサでは、治安部隊が「民間人活動家」たちで組織されることになる、という。つまり本物の警察部隊に代わって、キエフからのネオナチの活動家達が治安部隊の制服を着て鎮圧活動、すなわち弾圧をすることになる、、ということなのだ。

 5月9日は、ソ連がナチス・ドイツを敗退させ戦争に勝利した、その記念日ということで、ウクライナ中で戦勝記念日の祝賀が行われるが、その際、親ロシア派が現在のキエフのネオ・ナチ政府に対する抗議のデモをする可能性がある。それが全国的な盛り上がりを見せ、それに脅威を感じたキエフ当局が弾圧を強めれば、またそれが契機となって、ウクライナは更に内戦に一歩近づくことになろう。
 
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●オデッサ:ファシストが治安部隊の制服を着用
http://www.globalresearch.ca/odessa-this-time-the-fascists-will-be-wearing-uniforms/5380685
【5月6日 By Lionel Reynolds-Global Research】

 今日ロイターは、世界のメディアでは過小にしか報道されていない重要な内容を取り上げた。ウクライナのキエフの政権と組織だったファシストの暴力との間の反駁できないはっきりとした関係を示している。

 火炎瓶を投げて放火したファシストの一団の行動の直接的結果として起きた火災で、オデッサの労働組合会館内で親ロシア派活動家ら42人が焼け死んだその日、ロイターは以下のように報じた:

 「・・・キエフ当局は反乱が西方面に拡大するのを阻止するため、南西部にあるオデッサに向けて、警察の特殊部隊を召集した

 ウクライナ政府はこのオデッサの特殊部隊は、「民間人活動家」を軸として、週末に反乱鎮圧に失敗したオデッサの警察と交替させることになるだろう、と語った。この部隊を派遣するということは、ウクライナの東部で反乱に対処する一方、より拡大された内戦に移行する動きには強烈に抵抗するというキエフ当局のはっきりとしたシグナルであった。

 この「民間人活動家」とは誰のことか?彼等は国家治安局長官で、元ネオナチ準軍事組織である「ウクライナの愛国者」の頭目であったアンドリエ・パルビィイによって動員されるのであろうか?

 彼等の中にはウクライナのファシスト的暴力の急先鋒を担ってきた第三勢力のライト・セクターのメンバーが含まれるのだろうか?動員された「民間人活動家」は、このオデッサの虐殺の犯人であるファシストの何人かが含まれるのだろうか?

 それは、ソ連がドイツに勝利したことを祝う5月9日の勝利の日が近づいてきている時であり、非常に慎重さが要求される状況で、そのような愚かで極端なやり方でやったとは、ウクライナ政権にとっては大いなる失敗となることだ。

 このような状況で、この「民間人活動家」は政権の強烈な支援者で、分離主義者の強烈な敵であり、体を張った闘争も平気な、自薦の者たちであることに誰か疑問を呈する者はいるか?ウクライナの現在の状況で、この特別な段階で名乗りを上げる者は明らかである。

 ユリア・ティモシェンコも負けてはいない。彼女もファシストに武装させよという声に乗った口だ。キエフ・ポスト紙によれば、「戦闘能力のある」義勇軍を作ろうと呼びかけているという。

 これはファシスト自警主義によって権力を握った政権であり、その権力を維持するために同じファシスト自警主義を動員し展開しようとしている。元ナチのパルビイを国家治安局の責任者に据えることで、彼等の意図は明白である。

 この災厄的な政権は、誰も投票してできたわけではないのだが、自国民に対する全面的な軍事攻撃を指揮している。内務省によれば、スラビャンスクでは昨日、30人が殺害されたという。これには武装していない民間人も含まれていると言われている。

 ヤツェニュークの臨時政府は週末にはオデッサで42人、スラビャンスクでは昨夜30人という相当な犠牲者を出している。犠牲者の身元が正しく分かれば、じきにいわゆる挑発者と言われているものの正体を知ることになるだろう。

 その間、大きな課題がドネツクに残っている。現在まではキエフ政権はドンバスの小さい町をいじめているだけだ。ドネツクは100万人に近い人口を有する都市だ。

 キエフ当局はウクライナ第二の都市に対し軍事攻撃を仕掛けるほど、必死になっているのか?

 大きな事態の発展の中で、ロシアのイタール・タス通信によれば、ドネツクの二つの炭鉱、ウグレダルにある南ドンバスNo.1とNo.3炭鉱は、キエフ当局の弾圧に抗議してストライキに入ったという。このとんでもない政権の樹立に組織的労働者階級の者たちは参加していないが、恐らく、その転覆には参加しそうだ。

 5月9日、ウクライナの共産主義労働者運動は、国粋主義臨時政府に反対する反ファシスト・分離主義者と共に、軍服をゴロツキに与え自国民に対し戦車とヘリコプターを投入した、選出されていない政府に対する大規模で自制的な怒りを表現するに違いない。

 5月9日、ウクライナの労働運動は一旦は粉砕したファシズムに対する新たな戦いの決意を行動で示すに違いない。

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プーチン大統領のスポークスマンのドゥミトリー・ペスコフ

◆5月6日

 ウクライナでは極右ネオナチ勢力が政権の、特に軍事・治安関係部門に入っているため、人権問題が起きているが、今回のオデッサにおける火炎瓶による建物放火事件とそれに伴う大量の死者の問題も、そのようなところに問題の原因がある。この件に関しては、既にこのブログのウクライナ問題の初期で、指摘してきたことだ。

 彼等は公然と「ロシア嫌い」を表明し、かつてのナチスを称賛し、その政治活動手法を取り入れて活動している。ヒットラーの突撃隊という組織がついには議会に放火しクーデターを実行しようとして失敗した歴史的経緯もあるように、彼等は暴力行為をよしとし、人種差別をよしとし、無法者であることをなんとも感じない者たちである。だからこのブログでも、彼等をゴロツキと称し、ヤクザと指摘している。この暫定政権で力を持ち出している、かつての首相のティモシェンコはマフィアとの強いつながりもある。

 このようなゴロツキやヤクザ、マフィアがウクライナの暫定政権の中枢部で仕切っているのだから、人権などが尊重されるはずも無いのである。しかし欧米メディアは積極的にそれらの侵害状況を報道しないことで、隠蔽をしている。それで、ロシアがこのようなレポートを作成し、世界に訴えているのである。ウクライナは、既に悲惨な状況に陥っている。力と暴力と無法が支配する、かつてのナチス・ドイツのような国になりつつある

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●ロシア・レポート:ウクライナの人権侵害状況の詳細
http://en.ria.ru/russia/20140505/189591325/Russian-Report-Highlights-Rights-Violations-in-Ukraine--Kremlin.html

 ロシア政府は、ウクライナの人権に対し最も非道な侵害のいくつかを列挙し、この国の状況について注意を喚起してもらおうと「白書」をまとめた、と5日語った。

 「このレポートは国際社会と世界の政治家にウクライナでの人権侵害に注意を喚起することを狙ったものである」と、プーチン大統領のスポークスマンであるドゥミトリー・ペスコフがロシア・ニュース・サービスとのインタビューで5日語った。この白書はロシア政府の公式ホームページで見ることが出来る。

 「これはロシアとウクライナ、その他欧米メディアからの情報資料、またウクライナの”新しい当局”の声明、彼等の支持者、証人、観察、それに事件のあった場所でのインタビューでロシアのNGOが集めた内容などに基づくものである」とロシアの外務省は語った。

 外務省は、「このレポートの事実に基づく情報は、ユーロ・マイダン・デモ抗議者と過激派ら、また時には欧米の直接的な後押しによる、基本的国際原理と人権に関する規範の著しい侵犯を示しており、これらの事件の発生は大規模である」と指摘した。

 5日、ロシア大統領人権評議会は国連と欧州安全保障協力機構(OSCE)に、人権侵害の犠牲者らを支援するための医療・心理的支援を供給するため、暴力の被害を受けた地域に外国の人道問題使節にアクセスできるようウクライナ政府が取り計らうよう圧力を掛けるよう訴えた。

 このOSCEはウクライナの人権に関するロシアの懸念に呼応し、ジャーナリストが入国することを禁止したり、その他の報道の自由に関して広範囲にそれを侵害していることを非難した。

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放火され燃えるオデッサの労働組合会館

◆5月5日

 先週金曜日にウクライナのオデッサで、キエフ政権側の人間の投げた火炎瓶で火事となった労働組合会館建物で、親ロシア派住民に数十人の死者が出たが、欧米のメディアも日本のメディアも報道管制が敷かれているかのようで、報道されていない。都合の悪いことは隠蔽すべし、ということらしい。

 本日は本日(5月5日)の分と昨日(5月4日)の分の「伊勢白山道」のブログ記事を見ていただければ、と願う。この世界で今起きていることについて、特に欧米とロシアのこういった紛争について、古事記と絡めた見解というか、啓示というか、真理というか、いずれにしても、意味深長なことが書かれている。このままロシアを追い詰めれば、ロシアは大きな動きをする可能性がある、という。またその時の、日本の役割も示唆されている

 ★伊勢白山道ブログ

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●オデッサの虐殺でウクライナは追い詰められた
http://journal-neo.org/2014/05/03/odessa-massacre-pushes-ukraine-to-the-edge/
【5月3日 Tony Cartalucci ? New Eastern Outlook】

 欧米メディアの見出しはウクライナ南部にある港町のオデッサで、労働組合会館建物に追い詰められ焼かれた30人を越える反ネオナチ政府の抗議者らの死を曖昧にしようとしていることが窺える。この放火は今キエフを占領している選出されたわけではない政権に忠誠を誓っているネオナチのやくざたちによってなされたものだ。

 ロンドンのガーディアン紙もBBCも報道内容では、建物に火をつけたのは確かにキエフ当局を支持するやくざたちであるという段落を示す前に、犯人と状況をできるだけ不明としようとしていた。そしてそれでも、欧米メディアはキエフ当局に反対する者たちに対し、脅しや暴力を実行することを担当する軍事的部門であるライト・セクター要員の存在を省略しようとした。

 クリミアの北にあるオデッサと衝突の起きている東ウクライナの西のはずれでは、選出されていない政権当局を承認することを拒否しているウクライナ人とキエフ当局との間の争いの焦点の一つである。

 ネオナチの軍事的グループで、いわゆる「ユーロ・マイダン」運動の急先鋒を担ったライト・セクターは、ここ数週間、オデッサで明らかに作戦を行っていたのが目撃されている。このグループの主要な役割は、近づく選挙を実施しようと計画している、キエフ当局に反対する者たちを攻撃し脅すことにある。それで彼等は労働組合会館を襲撃する前にオデッサに来ていたのだ。そのオデッサで一日だけで何十人が殺された。そしてそれは、国中に起きている紛争が増大するのを止めようとする広範な作戦の一環である。

 ライト・セクターはナチスの標章を身につけていることで特定できるし、彼等は深紅色と黒の横断幕を使用するので分かる。スバボーダ党を支持するやくざたちもまた最近の衝突に加わっていた。彼等は黄色のアームバンドを身につけ、ナチスのヴォルフザンゲルの標章を使用している。


■NATOは?戦争それとも?

 紛争が拡大していると考えられる南のオデッサや東のスラビャンスクでの衝突は、隣国ロシアをNATOが支援するキエフ当局との直接的対決に誘う形になっている。しかしそれは、2008年にグルジアの南オセチア戦争のような戦争として繰り返される可能性が高い。優勢なロシア軍がすばやくウクライナ軍を圧倒することで、キエフ当局の政権交代がなされる可能性を増大させるようになるかもしれない。

 あまりに不人気で完全に不正なキエフの政権は、次の選挙で生き残るチャンスは限りなく小さい。この政権はまた自分達で決めたウクライナを破滅させる経済に直面している。彼等は緊縮財政を押し付けるIMFの条件を飲んだからだ。これで政権の支持と安定性は更に減少した。

 クリミアの損失で社会経済的によろめいているウクライナは、アメリカとEUが「ユーロマイダン」反乱を通して投資した「ウクライナ」なるものとしては、もはや存在しない。反ファシスト、親ロシアの感情はウクライナの全土に蔓延し、暫定政権に人気はない。それで欧米は、ロシアのために利益をもたらす安定した国家として残すよりかは、ウクライナを動乱の国にしようとしている。

 ワールド・アフェアー・ジャーナル誌は、「クリミアを越えて:プーチンの望むこと」というタイトルで、ある記事を掲載し事態を嘆いて見せた。

 ウクライナは失われた。少なくとも多くの者たちが想像した国としては-ヨーロッパ連合の潜在的メンバー国として、恐らくはいつかNATOの一員として。

 この感情は、ヨーロッパ連合とNATOの拡大を焦点とした「ヨーロッパ全体と自由」フォーラムを最近主催した大西洋協議会というNATOのシンクタンクで繰り返し見られた。このEUとNATOの拡大の混乱、それに恐らくはその反転の脅威は欧米の政治家らの心情に重くのしかかっている。

 ロシアと国境を接するウクライナにおける混乱を作り出し、一方ではいたるところで発展させようと試みながら、キエフ政権を作った際の約束としての、ウクライナの問題の多い経済の再建ということが現在の課題となっている。


■保護する責任

 アメリカは「保護する責任」理論を、リビヤでの政権転覆を正当化するために使用し、シリアでもそれを試みている。世論を支配するため暴虐を作り出している間中、それはシリアやリビヤがやっていると非難している人道に反する犯罪を実際に行っていた過激派を事実上強化していたのだ。このやり方がウクライナで行われている。

 今や欧米は彼等に対して「保護する責任」が言われないよう、暴虐を隠蔽することに必死だ。もしも実行者が自分達自身の代理人でなかったならば、オデッサの虐殺は軍事介入のための転換点として、欧米によって指摘されたかもしれなかった。ところが、アメリカは、BBCによれば、キエフ当局によって進められている現在の暴力沙汰は、「適切でかつ合理的」であると主張した、という。

 欧米はキエフ当局によって進められているこういった暴力沙汰を隠蔽するだけでなく、実際はそれを援助し教唆しているので、暴力沙汰は増大するばかりであろう。オデッサを越えて、ヘリコプター・ガンシップ、装甲車列、特殊部隊などがキエフ当局によって東ウクライナに送られたし、それらは選出されていない政権を認めることを拒否している市町村を荒廃させ占領しようとしている。この中にはスラビャンスク市も含まれる。ここでは両方の側に死者が出ているし、軍用機が撃墜されている。

 ウクライナはもし始まれば止めることは困難な、更に大きく破壊的な戦いの淵へと追いやられている。もしも欧米が代理戦争を始めるとすれば、またそれを実行するに十分な民兵を動員できるので、ウクライナを不安定で失敗した国家にすることができ、ロシアはそれに対処するに何年も掛かるであろう。紛争を沈静化させようとするロシアの試みは、欧米からの敵意という反応しか返ってこない。彼等の忍耐、それに親ロシア派の忍耐だけが、ウクライナをこの破滅の淵から後戻りさせる要素であろう。

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東ウクライナのスラビャンスク市近郊の検問所でタイヤが燃え盛っている

◆5月2日

 ウクライナ暫定政府は東ウクライナ各都市への弾圧を軍隊の投入をしてまで開始したようだが、東ウクライナ各都市でのデモ隊のやっていることは、2月にEUが支援する反ヤヌコビッチ政府デモ隊がマイダン広場でやっていたことと同じである。しかしEUは今度は弾圧する暫定政府側を支援している。これが欧米のダブルスタンダードなのだ。

 こういうことの行きつく先は、結局欧米側とロシア側の全面的な衝突ということにならないか?もっともそれこそが欧米側の意図するところだ、というのが、今回の記事の内容である。とすれば、欧米側の意図するような形でロシアがウクライナ情勢に軍事的に介入するとして、その結果が欧米側が意図するような結果になるかどうか?それこそが一番の問題なのかもしれない。

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●プーチンは何故アメリカの標的なのか? (その2)
http://www.globalresearch.ca/ukraine-russia-and-china-why-is-putin-in-washingtons-crosshairs/5379657
【4月29日 By Mike Whitney-Global Research】

 これは全てアジアに軸足を置くということと帝国の将来のためである。それで、CIAと国務省がヤヌコビッチ大統領を追放するクーデターを起こし、オバマの願いを実践するアメリカの太鼓持ちと置き換えたのだ。更には、ペテン師首相のアルセニイ・ヤツェニュークが東ウクライナでキエフ当局に反対する非武装の活動家達に対する二つの反テロ弾圧を命令した理由である。またオバマ政権が現在の危機的状況に対し平和的解決を見つけようという建設的な対話をプーチンと持たなかった理由である。それが、アメリカが長引く内戦にロシアを巻き込もうとする理由である。その内戦でロシアは弱体化し、プーチンの評判は落ち、世論はアメリカとNATO側に付くようになるであろう。アメリカは達成されることになっていた目標を確実に達成する政策から舵を切るようなことをするであろうか?そのようなことをするわけはないのだ。
 以下はantiwar.comからの抜粋である。

 「ロシアからの情報によれば、プーチン大統領はオバマ大統領との対談をすべて停止し、現在の脅迫的、敵対的環境の中ではアメリカと対話はしないと語った、という。
 プーチンとオバマはウクライナの件で3月と4月初めまでは日常的に電話での対談を行っていた。しかしプーチンは4月14日以降は直接話すことをしておらず、ロシアはこれ以上話す必要性はない、と言っている」(“Putin Halts Talks With White House Amid Sanctions Threats”, antiwar.com)

 オバマと話しても何も得ることは無いのだ。プーチンは既にオバマが願っていることを知っている。オバマは戦争を欲している。だから、国務省とCIAはウクライナ政府を倒した。だから、CIA長官のジョン・ブレナンがキエフにクーデターの前日に現れたのであり、東ウクライナの親ロシア派に対する弾圧を命令したのだ。だから、バイデン副大統領が東ウクライナの親ロシア派に対する2回目の弾圧が始まる数時間前に現れたのだ。だから、ヤツェニュークが親ロシア派に対する攻撃を準備していたスラビャンスク市を包囲したのだ。それはアメリカが暴力的な混乱が自分の大いなる利益に資すると信じているからだ。そのような人間に話しても意味はないから、プーチンは対談をやめたのだ。

 
 現在、オバマ政権はロシアに対する新しい制裁を課そうとしているが、EUのメンバー国は乗り気ではない。RTの報道によると以下のようだ。

 「現在、EU諸国の間にはロシアに対する経済制裁についての合意が、それが必要かどうかも含めてなされていない」と、ヨーロッパの外交筋がイタール・タス通信に語った。

 この外交官は匿名を条件に、ウクライナへの軍事介入ないしはウクライナにおけるロシア軍が秘密裡に侵入しているという反駁できない確かな証拠があれば、EUの経済制裁が決まるであろう、という。今のところ、キエフ当局もアメリカもロシアの工作員がウクライナに介入したという言いがかりについては、決定的なものはなく、ないしは単なる誤った情報である。

 4月27日、RIAノーボスチ通信は、東ウクライナのスラビャンスク市郊外でで大規模な軍備増強がなされていることを示す衛星写真を発表した。

 ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は、ウクライナ軍の大規模な軍備増強と軍事演習、それにNATO諸国への追加の軍の展開は、ロシアをしてやはり軍事演習という形で応酬することを余儀なくさせた。もしもキエフ当局が抗議する者たちに対する弾圧を重火器を使用してエスカレートさせれば、ロシアは流血を停止させるためにロシアも軍事力を行使する権利を有する、と言っている。プーチンは繰り返し、もしもウクライナのロシア系住民が殺害されれば、それに応酬すると述べてきた。それが最後の一線だ。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は同じメッセージを、先週のロシア・トゥデイのソフィア・シュバルツナゼとのインタビューで繰り返し語っていた。いつもは柔らかい語り口のラブロフは、ウクライナにおけるヤツェニュークの弾圧を非難し「犯罪的」だと語り、ロシア系住民に対する襲撃はロシアに対する攻撃である、と警告している。

 この声明は一般市民に対する暴力的弾圧があればロシアは介入する準備をしていることを示唆する、ロシア軍のウクライナ国境付近での動きによって確認できる。ロシアのイタール・タス通信によれば、「セルゲイ・ショイグ国防大臣は、今現在、戦術大隊グループがウクライナとの国境沿いで演習を始めた、と語った」という。更に航空機は国境付近で行動シミュレーションを行うことになろう、という。 

 これでお分かりになるであろう:これはオバマの挑発がプーチンを争いに巻き込もうとしていることになるだろう。しかし、事態はオバマがそうなると考えているようになるだろうか?プーチンはアメリカの脚本通りに動くであろうか、そしてアメリカが資金援助している準軍事的ゲリラとネオナチによって東ウクライナで狙い撃ちされるままにするであろうか?あるいは、彼は例えば、キエフの暫定政府を電撃作戦で一掃し、紛争を鎮めるために国際平和維持軍を招請し、自分らも国境の内側の安全地帯に撤退するというような、別の手段を隠し持っているであろうか?

 戦略がどのようなものであれ、事態が動くまではそう長いことはないであろう。もしもヤツェニュークの軍がスラビャンスクを攻撃すれば、プーチンは戦車を送って、そうなれば、もう事態は新たな段階に入ることになるであろう。

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