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【8月5日】
ソルジェニーツィン氏死去の報に接して、ノーベル賞受賞にまつわる以下のような話がある。
ノーベル賞受賞に関し、ボリス・パステルナークはソ連当局の圧力で、ノーベル賞を辞退させられたが、アレクサンドル・ソルジェニーツィン氏は当初、ソ連市民権剥奪となりそうなのを知っていながら自らスウェーデンへ赴き、そこで大演説をするつもりでいた。ところがノーベル賞授賞式の式次第などを知るにおよび、とてもそのような状況は許されないことを知り、スウェーデンに行く【価値】を見出すことができず、結局行かないことにした。それで、彼は授賞式で彼の手紙(挨拶文)を読み上げてもらうことにし、それを送った。授賞式当日、彼は仲間と一緒に、居酒屋でラジオ放送を聴いていた。しかし、彼の挨拶文の最後の部分は読まれなかった。
彼の書いた挨拶文の内容はこうだ。
「ノーベル賞授賞式典での挨拶に代えて
国王陛下! 紳士淑女のみなさん!
私の不本意な欠席が本日の式典の完璧さに影を落とさぬことを期待します。簡単な挨拶の順番中には、私の言葉も予定されております。私の言葉が式典に影を落とすことは、私のいっそう望まぬところです。しかし、私はノーベル賞受賞の日が国際人権デーと一致するという意義深い偶然を避けて通ることはできません。ノーベル賞受賞者たちは、この符号に対して責任を感じずにはいられないのです。ストックホルム市庁舎に集まったすべての人が、ここに一つの象徴を見出さずにはいられません。
【ですから、、この宴の席でも、政治犯たちが今日、剥奪されたり、まるきり蹂躙されたりした権利を守るためにハンガー・ストライキを行っていることを、忘れぬようにしようではありませんか】」
ようするに、【・・・】の部分は削除させられたのだ。
しかし、彼が本当に書きたかったのは、以下のような内容だった。
「国王陛下!淑女ならびに紳士の皆さん!
・・・ノーベル賞授与の日と人権の日が同日であるという、この意味深い偶然に私は注目せざるを得ません。
皆さん、これは皆さんに対する私のスキタイ人的遺憾の念ですが、なんのために見なさんはフラッドライトの下で、そんなに羊みたいに髪の毛をちぢらせているのですか?なぜ白い蝶ネクタイが絶対に必要なのですか、なぜラーゲリの労働ジャンパーではいけないのですか?それに、ノーベル賞受賞者の締めくくりの、全人生の締めくくりの演説を物を食いながら聴くとは、これまた、なんという習慣でしょう?豪華な食卓、贅沢な食物、それらの珍味佳肴を珍しげもなく、まるで目もくれずに他人の皿に乗せたりして食ったり飲んだりしておられる・・・壁の上に燃える文字―『メネ・テケル・ファレス』がお見えにならないのか?・・・だからこの席にあっても、今日只今、政治犯囚人たちがその略奪された、あるいはまったく蹂躙された権利を守るためにハンストを行っていることを忘れないようにしようではありませんか」(「仔牛が樫の木に角突いた」1976年発行)
ちなみに、この彼の書いた『メネ・テケル・ファレス』の聖書の言葉の解き明かしはこうだ。
バビロニア王国のネブカデネザル王が贅沢三昧をほしいままにする悪政を敷いていた時、ダニエルが幻の解き明かしをし、そのままでは王が国を追われると言って王に悔い改めを説いたが聞き入れられず、そこで幻の示したごとく王は国を追われてしまったため、その息子が王国を継いだのだが、同じく前王と同じ道を辿ったため、再び幻が現れ、神の手がこの『メネ・テケル・ファレス』の言葉を壁に書き記したのだ。
ダニエルがネブカデネザル王の息子のベルシャザル王に解き明かした内容はこうだ。
「メネは神があなたの治世を数えて、これをその終わりに至らせたことをいう。テケルはあなたがはかりで量られて、その量の足りないことが現れたことを言う。ペレス(ファレス)は、あなたの国が分かたれて、メデアとペルシャの人々に与えられることをいう」<ダニエル書5章24節~28節>
ソルジェニーツィン氏は真正のロシア正教徒であり、精神の闘士だった。
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