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キルギスの基地

◆7月30日

 5月29日号「中央アジア版NATOの創設」で示したように、旧ソ連7カ国で構成するCSTO(集団安全保障条約機構)の合同緊急展開部隊の基地がキルギスに設置されることに決まったようだ。
 これは欧米のNATO(北大西洋条約機構)に対抗する軍事組織であるCSTOの部隊となり、NATO軍に対抗する組織となる。
 このCSTOの中核国であるロシアは、中国と組んでもうひとつの国際協力組織である上海協力機構(SCO)の主要国でもあり、このSCOにはオブザーバーとしてイラン、パキスタン、モンゴル、インドなども名を連ねている。
 しかもこのイランとはつい昨日まで2日間にわたってカスピ海での合同軍事演習を行っており、中央アジア諸国を実質的にその勢力範囲に取り込みつつあると言える。
 ロシアが強いのはなんと言ってもその豊富な資源によるところが大きい。そしてカスピ海には石油・天然ガスの資源が集中して存在しているので、このカスピ海の安全保障が重要な課題となり、反欧米のスタンスからイランとの連携が強まった。
 従って今のところこの地域、ブレジンスキー氏が「ユーラシア・バルカン」と呼んだ不安定地域は大勢としてはロシアの勢力範囲にある、と言っていい。

 実はこれは世界情勢から見て好ましい点もあるのだ。ロシアはエリツィン時代は一時的に欧米勢力に取り込まれそうな勢いだったのだが、プーチンが出てきたことで立ち直った経緯がある。ロシアが取り込まれそうになったのは、金融資本家らの浸透が激しくロシアの財産が欧米側に取り込まれたからだが、それをプーチンが取り戻した格好になったのだ。

 もしロシアがこの金融資本家の勢力に取り込まれてしまえば、世界全体がこの金融勢力の支配下に陥ることになり、彼らを中心とする世界通貨と世界金融支配が完成しかねなかったのだが、首の皮一枚でロシアが立ち直り、かえって今回の金融危機で彼ら金融資本家らの基盤そのものが亀裂を惹き起こしつつある状態になってきている。ポンドやドル、ユーロの価値の下落がそれを象徴的に示している。

 従ってロシアはプーチンが存在する限り、同じ過ちは2度と繰り返すことはないだろうから、当分は、欧米の金融資本家らは別の手段、すなわちグルジアなど周辺国を通じて徐々にロシア内部の不安定化を図る、ということになるであろう。これがチェチェンなどカフカス地域などでのテロ事件などに現れている。

 このように今回のこの合同緊急展開部隊の基地設置はそのような情勢を背景に持つ、重要な出来事になる。おそらくはこれで一つの基盤ができることとなり、この金融資本家たちの世界支配の企図は不成功に終わり、彼らの思惑とは違う形での世界が形成されていくことになるだろう。


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●キルギスに合同部隊基地設置へ
軍事ブロック化に一歩―旧ソ連7カ国
【7月29日 時事通信】
 ロシアのプリホチコ大統領補佐官は29日、同国など旧ソ連7カ国で構成する集団安全保障条約機構(CSTO)の合同緊急展開部隊の基地をキルギスに設置することで、加盟国が事実上合意したことを明らかにした。
 キルギスで31日から2日間開かれるCSTOの非公式首脳会議で基地設置問題が討議される見通しで、この場で合意文書が調印されるとみられる。
 加盟国への侵略撃退や国際テロ組織に対する特殊作戦を主要任務とする合同緊急展開部隊の創設は、昨年8月のグルジア紛争後にロシアが提案。
 今年2月のCSTO首脳会議で加盟国の合意を取り付けていた。
 同部隊創設に伴い、CSTOは北大西洋条約機構(NATO)への対抗軸として、軍事ブロックの性格を強めるものとみられる。

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