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イスラエル国防軍のアシュケナジ参謀総長

◆10月17日

 イスラエルがイラン攻撃のベクトルを強めていることを指摘してきたが、フランスの週刊誌がイスラエルはイラン攻撃を今年12月以降としている、と報じたようだ。イラン制裁に関する状況を見極めてから、ということのようだ。
 しかしこの週刊誌によると、イスラエルは空爆よりかは地上部隊での作戦を考えているというのだが、これは理解しがたいことだ。そんなことすればイスラエルはその地上戦で敗れるだけでなく、手薄になったイスラエル本土がどうなるかも分からなくなる。
 アメリカのイラク侵攻、NATOのアフガン戦線の状態をみれば、地上軍を派遣することの意味がわかるはずであり、とてもイスラエルがそのような作戦を本気で考えているとは思えない。近いところでは、イスラエルのレバノン南部侵攻作戦の失敗が上げられるだろう。自分で失敗しておきながら、陸続きでもないイランに地上部隊を派遣するなど殆ど自滅行為だ。

 それに昨日、国連人権理事会が今年初めのイスラエルのガザ攻撃を「戦争犯罪」と報告した国連報告書を支持する決議をした。つまりイスラエルが戦争犯罪国家であることが明確にされたこととなる。
 また最近のイスラエルに対するトルコの動きなどからも風向きが厳しいものになってきているため、イスラエルがまた新たな戦争を始めれば、周囲のアラブ・イスラム国の反応はますますイスラエルに対する敵意を募らせることになるだろう。
 そのトルコはアメリカが関係を修復しつつあるシリアとの間で戦略的パートナーシップを築き、トルコはより一層アラブ・イスラム圏へ近づきつつある。かつてはトルコはその世俗性、またアラブ民族とはことなる民族性の故、中東地域ではイスラエルと国交を持つ数少ない国の一つであったが、エルドアン首相が出てきてからはイスラム教的姿勢を強め、特にパレスチナに対するイスラエルの今年初めのガザ侵攻作戦を厳しく非難して以来、その傾向を一層強めた。
 
 こうして中東ではイスラエル以外の国が、イスラム教圏としてまとまる傾向を強めていて、イスラエルのイラン攻撃の環境はイスラエルに不利に傾きつつあるから、イスラエルのイラン攻撃という選択がいよいよ困難になりつつあると思われる。


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●イスラエルは12月後にイラン攻撃?
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1255547721120&pagename=JPost%2FJPArticle%2FShowFull
【10月15日 By JPOST.COM STAFF】
 イスラエルが12月後にイラン攻撃を実施すると14日、フランス誌が報じた。
 ル・カナール・アンシェネ(Le Canard Enchaine)誌によれば、イスラエル・ラジオが伝えるところとして、イスラエルは既にフランスの食糧生産業者に上質の戦闘用備蓄食糧を注文していること、また外国に駐留している予備兵グループに帰国するよう要請している、という。
 この週刊誌は、イスラエル国防軍のガビ・アシュケナジ参謀総長はフランスのジャン・ルイ・ゲオルゲラン参謀総長に、イスラエルはイランを爆撃しようとは考えてはいないが、精鋭部隊をイランに送って地上戦を行うかもしれない、と考えている、と報じている。
 この週刊誌によれば、この作戦では核施設の破壊工作とイラン人の核科学者らの暗殺も含まれる、という。
 イスラエルは最近は、イランに対する論戦をトーンダウンし、アメリカの外交努力を邪魔しないようにしている。しかしイスラエルもアメリカも、軍事的な選択肢がもはや考慮されることはなくなったという明確な声明は発表していない。
 イスラエルはもしイランに対する制裁が不十分である場合、自国でイランに立ち向かう軍事的能力を保持していることを主張し続けている。
 イスラエルはイランが核兵器を獲得しようとしていると非難している。イランは核計画は平和的計画だと主張している。


●<ガザ攻撃>「戦争犯罪」報告を支持 国連人権理事会
【10月16日 毎日新聞】
 国連人権理事会(本部・ジュネーブ)は16日、昨年末から今年初めのイスラエル軍のパレスチナ自治区ガザ地区攻撃を「戦争犯罪」と糾弾した国連報告書について、支持する決議案を賛成多数で採択した。イスラエルや米国は報告書を「不均衡」と反発し、採択阻止に動いたが、切り崩せなかった。
 AP通信によると、決議案は47理事国による投票の結果、アラブ・アフリカ諸国などの賛成25、米国などの反対6で採択された。日本を含む11カ国は棄権、英仏など5カ国は投票しなかった。・・・以下略


●トルコとイスラエルはもはや友人同士でない?
トルコはイスラエルが参加するため空軍演習をキャンセル
【10月14日 Global Research】
 トルコは今週予定されていた例年の共同空軍演習をキャンセルした。イスラエルが参加するということがその理由だと、イスラエル軍が10日発表した。両国の関係悪化を示す最近の兆候の一つだ。
 トルコはイスラム世界ではイスラエルの親友だったが、エルドアン首相がイスラエルのガザ侵攻を厳しく非難して以来、両国の関係は急速に冷え込んでいた。イスラエルのメディアは、トルコの今回の決断は今年初めのガザ侵攻が原因だろうと判断し、トルコ政府は圧力を受けていたのだろうと示唆している。
 
 右翼新聞のエルサレム・ポスト紙は、イスラエルの国防関係者の話として、トルコが演習をキャンセルしたのは、「イスラエルが参加させようとした軍用機は、ガザでの“鉛をぶち込め”作戦で使用された軍用機となりそうだったことが理由だ」と報じた。
 「両国間の関係はいまだ緊張状態にある」とイスラエル国防関係者は語った。「キャンセルするという発表は突然で予想外だった」
 左翼的なハアレツ紙は、トルコ政府の発表の動機を、ガザ侵攻作戦にあった」と言っている。「エルドアン・トルコ首相は、ガザを爆撃した軍用機が演習に参加することをゆるすべきではないと、イスラエルを演習から除外するよう圧力を受けていた。」
 その間、トルコの軍関係インターネットサイトには、短い声明が掲載されていた。恒例の演習は10月10日から23日の間に実施されることになっていたが、「トルコ外務省を中心に関係国間の交渉がなされた後、関係国が参加をキャンセルした」とある。声明内容は詳しく掲載されていない。

 トルコ軍関係者はコメントできない。政府スポークスマンは発表された声明以上言うことはない、と言う。

◆第6回演習
 イスラエル軍は、声明で「トルコはイスラエルを含む参加国リストの変更が理由で」演習は無期限に延期されたと、AP通信が伝えた。
 この演習は第6回目となるもの。イスラエル軍は、この演習にはアメリカ、イタリア、NATO軍も参加するはずだったという。イスラエル国防高官はトルコがイスラエルに対して参加拒否を伝えたためアメリカが不参加を決めたことでトルコは演習を延期したと説明した。
 この件でメディアと会見することは許可されていないため、彼らは匿名を条件にこれらのことを語った。イスラエル外務省はなんらのコメントも発していない。
 トルコの今回の動きは、戦争以来イスラエルに対して持っていた「非対称的」位置からは異なるものだ。それはこの動きはトルコの軍事的利益を害するものだからだ、とイスラエルの政治学者のアミカム・ナチマニ氏は語る。過去はトルコはイスラエルに対し批判めいたことを言っていたが、軍事的関係を害することは避けるようにしていた。「これは警告の鐘だ」とナチマニ氏は語る。

 イスラエルとトルコは広い軍事的、経済的、戦略的なつながりがある。昨年トルコは8年間断絶していたイスラエルとシリア間の間接的会談を主催した。しかし緊張は、エルドアン首相が、ガザの一般パレスチナ人の犠牲者の件でイスラエル首相と激しい衝突を起こし、重要な会議会場を退場した時、ピークに達した。
 パレスチナ高官と人権グループは、ガザからのロケット弾発射を阻止することを狙ったガザ侵攻で900人以上の市民が殺害されたと言っている。イスラエルはその数について反論したが、それを示す証拠は示していない。
 イスラエル空軍は、昨年12月に戦争が始まる数ヶ月前、トルコとの共同軍事演習を行っている。トルコ・イスラエルの関係はパレスチナに対する過去の攻撃で試練に遭っているが、強い安全保障上の利益が関係の修復を促した。
 トルコとイスラエルは1990年代に関係を深めた。イスラエルは数億ドルの軍用品を数年間にわたってトルコに供給した。両国は共同海軍演習を行い、イスラエル空軍はトルコ上空で訓練を行った。

 しかし、エルドアン政府が2003年に発足して以来、トルコとイスラエルの関係は冷え始めた。トルコは、ガザを支配しているイスラム教軍事組織のハマスは、パレスチナ領土で重要な役割を担うべきである、と言っている。


●トルコの兵器プロジェクトのキャンセルに身構えるイスラエル
【10月13日 Middle East Newsline 】
 イスラエルはトルコがイスラエルの軍事プロジェクトをキャンセルすることを憂慮している。情報と国防産業の関係者らは、イスラエルの国防省と国営主要企業はトルコがイスラエルの軍事プロジェクトをキャンセルすることを決断することに対する準備をしている、と語った。
 彼らはトルコがイスラエルの重要な空軍演習参加を拒否したことは、トルコとイスラエルの間の軍事的協力関係の終焉を告げる兆候かもしれない、と語った。・・・以下略


●シリアとトルコの閣僚級戦略協調協議会が持たれる
http://www.sana.sy/eng/22/2009/10/14/249621.htm
【10月14日 SENA】
 第1回閣僚級シリア・トルコ戦略協調協議会が13日行われた。閉会式はトルコのガジエンテプ市で行われた。閉会式では、2国家間の閣僚級会合の結果は、さまざまな分野における戦略的パートナーシップを導くプロジェクト、合意、協力システムのための基盤を作るために総括された。・・・以下略


●シリアとトルコが2010年に大規模な軍事演習で合意
【10月14日 Middle East Newsline 】
 シリアとトルコは実弾演習を2010年に行うことで合意した。この合意は共同戦略協議会での最初の会合で合意された。・・・以下略

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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