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シリア監視団団長モハマド・アル・ダビ中将と監視団員

◆1月25日

 シリアのアラブ連盟監視団の団長が任務終了後の記者会見で、きちっとシリアでの現状を語ったようだ。内容はほぼこのブログで指摘してきた内容と一致するものだ。

 ようするに武装勢力がかなりハデにシリア内で、特に政府施設、公共施設への襲撃を行ってきて、それに対して保安部隊や警察が応戦してきている、ということだ。

 バスやパイプライン、発電所や橋への襲撃、ということは、これはゲリラ活動ということであり、これに対し政府が鎮圧部隊を送って掃討作戦を遂行することは当然の政府としての責任であり、任務であるが、欧米側の大手メディアはこれを平和的抗議デモに対する血の弾圧である、と喧伝してきたのだ。

 このモハマド・アル・ダビ中将なる人物は、なかなかの人物のようだ。欧米側の誘惑や脅しや根回しのようなことはそれなりにあったのであろうが、この記者会見での発言内容を見る限り、真っ当なことを言っている。

 もっともこのシリア監視団は派遣される前は世界中で騒がれたが、いざシリアが受け入れを認め実際に監視団が来てからは、欧米側の主張は手のひらを返すように変化し、監視団は失敗だ、という論調が体勢を占めた。これは監視団の陣容、恐らくはこのアル・ダビ中将なる人物が欧米側の意向に沿った動きをしない、ということが分かったからであろう。

 この件では既に1月3日号イギリスのシリアに対する陰謀」で以下のように書いたが、その通りになった。
 「アラブ連盟の監視団は、シリアに入国していろいろな実態を見聞きしている。それを通して、シリアで何が起きているのか、実際に自分達の目で見て体験している。反政府デモが無いわけではないが、また同時にアサド政権支持のデモが大掛かりに何回も行われていることを目の当たりにしている。また武装勢力がテロ活動をしていることも分かってきた。だから、彼らが出す結論は欧米側の意図したものとかけ離れる可能性が出てきている」。

 今、大手のメディアはこのアル・ダビ団長の記者会見の内容を無視して報じていない。だから、大手メディアは駄目だ、と言うのだ。監視団がシリアに入るまでは大騒ぎしたくせに、監視団の報告内容が、彼らの目論見、推測、期待と異なっていると、途端にこの「無視」という汚いやり方だ。NHK もその他の大手メディアも猛省せよ、と言いたい。

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●アラブ連盟監視団長:シリアでは武装テロリストが公共施設を襲撃
http://www.sana.sy/eng/337/2012/01/23/396023.htm
【1月25日 SANA】

 アラブ連盟監視団長のモハマド・アル・ダビ中将は、シリアでは武装テロリストらが政府の施設を襲撃しており、そのため政府の保安部隊が応戦を余儀なくされている、と主張した。

 23日カイロで行われた記者会見で、アル・ダビ中将は多くのテロリストの爆弾襲撃がイドレブ市の政府の施設に対して行われているが、これは全く受け入れることのできないことであり、軍・民間のバス、石油・ガスパイプライン、燃料タンク、橋、発電所、高圧線用鉄塔、などが襲撃の標的にされている、またダマスカス郊外でも爆弾事件が起きていると語った。

 シリア政府は協力的であり、道路で我々監視団を保護してくれていることを強調し、更に政府は我々監視団への干渉はせず、また同伴もしていない、と語った。

 アル・ダビ中将は、シリア政府は都市から軍を撤退させ、戦車や航空機その他は出動していないこと、メディアの信頼性に疑問が出てきていること、いくつかのメディアは監視団の扱いに厳しいこと、公表されたことが監視団の業務に影響を与えることは全く無いこと、監視団は見たことを叙述し、目撃した事実を描写する、監視団は推測、分析、個人的考え・意見に頼ることはしなかった、と語った。

 彼は、暴力沙汰は監視団が到着してから徐々に減少している、また監視団は抗議運動の間、緊張を和らげる面で支援した、抗議運動に対する攻撃は起きなかった、と指摘した。

 アル・ダビ中将は、反対派の中のある者たちは、拘留されている者たちの数に関して異なる数字を監視団に与えていたと語った。監視団はこういった数字は一般的推測で、正確ではないことを知った、と語った。そして、シリア政府は監視団に対して、特赦の判決前に4035名の逮捕者らが釈放され、釈放された者たちの数が合計7614名になった、と語った。更に監視団は、2316名ほどの者たちが軍事裁判で釈放され、2239名が報告書が書かれた後に釈放されることになっている、と語った。

 中将は、シリア政府は147名の大手のマス・メディアのジャーナリストの入国を認め、監視団はシリア政府とジャーナリストのビザ期限の延長を話し合い、シリア政府はこれに同意し延長措置を取り、シリア入国を希望するメディアのエージェンシーに入国許可を与える姿勢を示した、と指摘した。

 アル・ダビ中将は、監視団は政治的な意見を発表するという使命は与えられていないことを強調しながら、その任務内容はプロトコルの実施をモニターし、監督することであり、調査をすることにあるのではないという事実にも拘らず、いくつかのマスメディアは監視団の事を厳しく批判し、監視団は失敗だと非難していたと語った。

 彼は、マスメディアは現地にいるのであるから、事実に依拠するよう要請した
 報告書は彼が発行したものではなく、むしろそれは全ての監視団メンバーが提出した内容を基礎として作成されたものだ、と語った。

 「いくつかのアラブのテレビ局と機関は、彼らが望む内容を書かないと言って監視団に対する攻撃をしていた」と付け加えた。

 アル・ダビ中将は、監視団はシリアでの任務遂行期間中に、国民的対話を始めるよう督促する必要がある、と強調した。それは、監視団の存在が好ましい結果に導くだろうと考えられるからだ、と述べた。

 彼はまた監視団は多くの間違った報告を受け取ったが、監視団メンバーが安全であり彼らの任務遂行が妨害されていないことを確認しながら、立ち去る前に情報の出所を確認することを通してそれらを排除した、と語った。

 オブザーバーらの何人かの声明について、アル・ダビ中将はファヒム・アル・アトラシ・オブザーバーはまだ監視団と共にあり、彼は声明は発表しておらず、報道されたものは事実ではないこと、またアンワール・マレクにおいては、病気であったため、外出したのはたったの1回だけだったということで、彼はホテルに残留している。ただし残留は監視団の任務とは関係ない、個人的なものだと彼が言った、ということを指摘した。

 アル・ダビ中将に対する何人かの疑念については、彼は、「私は自分を守らねばならないお尋ね者ではないので、メディアで言われた事柄について語ろうとは思わない」と語った。

 反対派の非難について、アル・ダビ中将は、反対派の主張や彼らの幻滅に回答することは、彼の義務の範疇にはないことであり、自分には全く関係ないことだ、と語った。

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先週イスラエルを訪れたデンプシー米統合参謀本部議長

◆1月24日

 イスラエルのネタニヤフ首相はオバマ大統領のことを信用していないので、イラン攻撃の際は、その12時間前になってはじめてオバマ大統領に通知する、と言ったという。

 イスラエルとアメリカの関係が悪化してきていることは、オバマ大統領の姿勢が原因であるが、オバマ大統領の方が正しい。オバマ大統領は、イスラム世界との和解とか、西岸への入植反対とか、正論を語ってきたのだが、それがイスラエルは気に食わない。またこのイラン攻撃に関しても、オバマ大統領は常にイスラエルにイラン攻撃はするな、と釘を刺してきていた。

 アメリカはイスラエルを今迄強烈に支えてきたが、オバマ大統領はユダヤ勢力の支援で大統領になったのだが、少しずつその影響力から脱っし、自分が本来やりたかったことを進めようとしているようだ。従ってイスラエルとはこれからもぶつかる可能性の方が大きい

 このことのため、このブログでは、イスラエルの正念場が近い、と書いてきた。イスラエルが今までのネオコン的・武断的方針を改めていかねば、存続することが困難になっていく、というのはこういうことからも言えるのである。

 そしてオバマ大統領が再選されれば、その時にはオバマ大統領は一気にやりたい事を推し進めるのではないだろうか?そのために大統領になったはずなのだ。

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●オバマを信用していないネタニヤフ:イラン攻撃通知はたった12時間前に
http://mondoweiss.net/2012/01/report-israel-to-give-us-only-12-hour-warning-before-attacking-iran-because-netanyahu-doesnt-trust-obama.html
(イスラエル紙マアリブ紙からの翻訳)
 
 イスラエル:イラン攻撃の連絡は与えない
 サンデー・タイムズ紙はイスラエルは、米統合参謀本部議長に、オバマ大統領が攻撃を阻止するかもしれないことを恐れて、たった12時間前にしか知らせない、と告げたと報じた。

 イスラエルは、マーチン・デンプシー統合参謀本部議長に先週末の訪問時に、イスラエルはイラン攻撃の許可をアメリカに求めてはいないこと、またイスラエルはアメリカにたった12時間前に攻撃の通知をする、と伝えたという。

 この記事によると、ネタニヤフ首相はオバマ大統領のことを信用してはおらず、攻撃によって石油の価格が上昇することは大統領選に不利なので、オバマ大統領は攻撃を阻止するために何かしようとするだろうと考えている、という。

 最近、オバマ大統領はネタニヤフ首相にイラン攻撃の詳細に関してあきらかにするよう要請した。サンデー・タイムズ紙によれば、この会談は緊張した雰囲気でなされたようで、ネタニヤフ首相は自分の立場を説明し、そのような攻撃が必要になっても詳細を語ることをかたくなに拒否したという。この記事では、両国間の関係は、デンプシー議長がバラク国防相とあって以来悪化しているという

 タイムズ紙のウジ・マフナイミ記者は、イスラエルとアメリカはこの危機を鎮めようとしているが、両国は衝突する方向に動いている、と語った。

 例えば、デンプシー議長はイスラエルとアメリカは合同軍事演習の延期に合意し、かつこの延期は両者に都合がよい、と主張した。しかしある情報筋がサンデー・タイムズ紙に告げた内容では、事実はそうではない。「我々はショックを受けた」とその情報筋は語った。「この軍事演習は2年間も準備してきたものなのだ」というわけだ。

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ペルシャ湾に展開していたアメリカの空母ステニス

◆1月19日

 ロシアのラブロフ外相が、イランに対する軍事的攻撃は容認できない、と語ったことで、アメリカとイスラエルにある程度の抑止にはなったかもしれない。イランの原子力発電所はロシアが支援してきたものだから、それに対する攻撃はロシアに対する攻撃と見なされる、とも以前ロシア側は語っていた。

 しかしこのノーボスチの記事では、アナリストの言葉として、ロシアはイラン問題に対する影響力はない、としている。これもいささか言いすぎであろう。核兵器の数ではアメリカを上回るロシアが、イランの核「兵器」に関する件で、影響力がない、ということはない。

 ロシアが断固反対である、という姿勢を打ち出すことで、実はアメリカ内でイラン攻撃に反対する勢力が、イラン攻撃を是とする勢力に対して、攻撃を渋らせる材料にすることもできる。すでにイスラエルはアメリカのイラン攻撃に対する意欲に疑惑を感じている、と言われている。それが、今回行われる予定だったアメリカ・イスラエルの合同軍事演習の延期の決定に繋がった、と言われている。

 それにイスラエルの情報機関では、イランはまだ核兵器を製造することまで決定していない、という情報を今週イスラエルを来訪するマーチン・デンプシー統合参謀本部議長に渡す、と言われている。

 アメリカのオバマ大統領は最近もイスラエルに対してイラン攻撃をしないように、と釘を刺したばかりであったから、情況としてはイラン攻撃をするベクトルは弱まっているところにこのロシアの声明発表である。イラン攻撃などするな、というのは、実は天の声、となっていると見られるのだ。

 はっきり言えば、イラン攻撃をすれば、イスラエルの命運が着きかねず、攻撃しなければ、イスラエルは生き延びる事ができる道が残されるのである。イランのことではない。今年2012年はそのような意味からいっても、イランではなくイスラエルにとっての決定的な年なのだ。

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●ロシア:いかなるイラン攻撃も容認できない
http://en.rian.ru/russia/20120118/170829813.html
【1月18日 RIA Novosti】

 ロシアは18日、イランに対する攻撃はこの地域においては「大災厄」となるので、世界の強国は中東・北アフリカにおいては非介入の政策を採用すべきである、と警告した。

 「攻撃の全ての影響をリストアップすることは不可能だ」と、セルゲイ・ラブロフ外相は年頭演説で語った。「しかし、スンニー派とシーア派の間の軋轢に油を注ぐことになることは疑いを入れない。それは連鎖反応を引き起こすことだろう」と続けた。

 「そのような大災厄については、この攻撃を一つの選択肢だとずっと言ってきている人々に尋ねることだ」と外相は付け加えた。彼はまた、ロシアはイランに対する攻撃を阻止するために可能な限り「あらゆることをするとも語った。

 イスラエルのエフード・バラく国防相は18日、イスラエルは「イラン攻撃決定には程遠い」と語ったが、アメリカとイスラエルはイランに対する軍事的オプションを捨ててはいない。

 イランは最近、地下の施設でウラン濃縮を開始したが、核兵器の開発を否定し、彼らの計画は平和的な一般人使用のエネルギー供給のためである、と述べている。

 ラブロフ外相は、ヨーロッパ連合によって議論されているイランの石油輸出に対する制裁措置は、一般人を「傷つける」ことになり、また核兵器拡散を阻止するよりも、混乱を巻き起こす方が大きいと語った。

 「これは核非拡散を強化する願いとはなんの関係もない」と外相は語った。「これは不満を醸成せんとする意図からイランの経済と人々を窒息させることを狙ったものだ」と述べた。

 制裁措置はイランと六カ国との間の協議の復活に対する「障害」となるだろう、と外相は語った。

 石油輸出はイランの外貨獲得の80%を占めているが、イランは石油の海運による貿易量の3分の1が輸出されるルートとなっているホルムズ海峡封鎖を語って脅すことで、この制裁措置に対する回答にするとしている。

 アメリカのレオン・パネッタ国防長官は、そのようなことをすれば、それなりの結果を引き出すだろう、と語った。

 しかしアナリストはロシアがイラン問題で決定的な役割を果たす軍事的・経済的影響力があるとは考えていない。

 「ロシアは中東に対しては実際的な影響力は持っていない」と戦略分析研究所アナリストのセルゲイ・デミデンコは語った。

 「ロシアは決定的な役割を果たすことはないし、ソ連時代の影響力に戻る事もありえない」

 「イランは防衛面でロシアに依存することはできない。アメリカとイスラエルは確かにロシアを恐れてはいない。ロシアはイランのために戦争をすることは決してない」と彼は語った 

 その他のアナリストは、ロシアがイランと対立したがらないのは、ある程度はイランが北コーカサス地域でイスラム主義者に対する金銭的な面を含む支援をすることを恐れていることと関係している、と示唆した。

 「誰もイランの核爆弾を必要としていない・・・また我々はイランにロシアの北コーカサスでの利権を攻撃させる事も必要ない、と中東研究所のイェブゲニー・サタノフスキーはノーボスチ通信に語った。

 「イランにとっては南レバノンのヒズボラのような組織をロシア内に作ることは、非常に簡単なことだ」とサタノフスキーは語った。

 ラブロフ外相はまた、昨年中東と北アフリカを席巻した画期的な出来事はまだまだ継続中だが、世界の強国は介入は避けるべきである-その運動の展開の仕方が彼らの願うようではないとしても、と語った。

 「この地域の変化は収まるどころではない。我々はこの変化が始まったばかりであると言う事を目撃しているところなのだ」とラブロフ外相は語った。

 「もしも我々が、この地域の人々が自分達の将来を自分達で決定するということに好意的であるのならば、我々は彼らの選択を受け入れ国民の対話や選挙キャンペーンなどに介入すべきではない」と外相は語った。

 ムバラク大統領の政府を昨年2月に転覆させてから、イスラム主義政党がほぼ3分の2の議席を得てエジプトの最初の国会議員選挙で過半数を獲得した。

 しかしラブロフ外相は、国際社会はそのような「急進的」運動と共にやっていくようにすべきであり、影響力を行使するために軍事力を使用することは容認できない、と語った。

 「傷つけるな、という医師を支配する原則によって支配される事が重要だ」とラブロフ外相は語った。

 シリアについては、ロシアはシリアに対する最近の武器輸出に関しては、アメリカに対してなんらの説明も正当化もしないだろう、と外相は語った。

 「我々は国際的合意あるいはいかなる国際連合決議に何ら違反していないのだから、説明したり正当化する必要性を見ない」と外相は語った。

 「我々はシリアとは国際法に違反しないアイテムをただ扱っているだけだ」と外相は語った。

 ラブロフ外相のコメントは、ロシア船がシリアの到着した後になされた。このロシア船が一時寄港したキプロスの高官は、この船舶は弾薬を運んでいた、と語った。

 アメリカは後ほど、この船の積荷について問題を提起したと語った。アメリカのスーザン・ライス国連大使は17日、アメリカはシリアに武器が入ることに大いなる懸念を抱く、と述べた。

 ロシアと中国は昨年10月、シリアに対する武器輸出禁止を決める国連安保決議に拒否権を行使した。国連は、昨年3月以来シリアのアサド大統領に反対する騒乱がおきてから約5000人が死亡したと言っている。

 ロシアは、シリア内での暴力沙汰は政府と反乱者の両方によって引き起こされていると主張してきた。また18日ラブロフ外相は両者に対して武器使用を停止することを再度要請した。

 「抵抗運動を利用しようとしているシリア内の戦士や急進派に権力奪取のために武器類が供給されてきた。これは容認しかねることであり、また非生産的である」と外相は語った。「シリアでは、いかなる形態によるものであっても、またどこから始まったかに係わらず、暴力行為を停止する必要があると考えている。そして全ての勢力による国民対話を開始することが必要である」

 ラブロフ外相はシリアに対するアメリカ・ヨーロッパによる一方的制裁を酷評した。

 「一方的制裁は常に共同的努力を台無しにする」と彼は語った。「イラン、シリアあるいはその他の国に対するものであろうとも」と述べた。

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11日に殺害されたロシャン氏の車

◆1月18日

 イラン人科学者のモスタファ・アハマディ・ロシャン氏が11日に車に取り付けられた磁石爆弾で殺害されたことで、イランはアメリカやイスラエルを非難してきた。また最近ではタイムズ誌がイスラエルのモサドが犯人だ、とする記事を掲載したが、イギリスのサンデー・タイムズ紙もイスラエルのモサドの犯行だ、とする記事を掲載したという。

 この元は、イスラエルの情報筋、としているが、どうもイスラエル人の情報分野で仕事をしている人々の中にも、さまざまな考え方をする者たちが出てきていることを窺わせるものである。

 過去2年間の似たような暗殺事件の犯人はどうやらイスラエルのモサドである、というのが常識になりつつある。アメリカもこの種の暗殺事件の疑いを掛けられることを相当嫌っている風がある。こうして各種のテロ事件の背後には実はイスラエルがいた、ということが常識になる日も近いのかもしれない。勿論、2001年の9月11日同時多発テロ事件もだこのことが国際社会で明らかになれば、イスラエルの生きる道は本当に閉ざされることになろう。そしてその日はそう遠くはないのだ。このままでは・・・

 こうして、国際社会でイスラエルの傍若無人ぶりが徐々に明らかにされ、その狂気じみたやり方に嫌気と危険を感じて、アメリカもイギリスもじりじりとイスラエルから距離を置き始めている様子が伺える。

 このことは既に1月16日号の「モサドがCIAを騙(かた)って工作員をリクルート」でも指摘したことで、イスラエルの守護神であったアメリカが、オバマ大統領の下で徐々にイスラエルと距離を置き始めていることを示した通りである。

 従って今年はこのイスラエルにとっても一つのターニングポイントになる年となりそうだ。アメリカ内でもイスラエルに近い勢力(軍産複合体・キリスト教原理主義者etc)とイスラエルと距離を置くべきだ、とする勢力(アメリカの愛国者らetc)とがしのぎを削り、特にイラン攻撃を軸として、熾烈な内部闘争が進められそうである

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●サンデー・タイムズ:モサドがイラン科学者の暗殺を実行した
http://www.presstv.ir/detail/221376.html
【1月16日 Press TV】

 ロンドンに本社のある新聞が、イスラエルの情報機関のモサドの工作員が先週起きたイラン人科学者殺害事件の首謀者だと報じた。

 サンデー・タイムズ紙は16日、モスタファ・アハマディ・ロシャン氏の暗殺は、数ヶ月に及ぶ監視と情報収集を行って実行するという「スパイ映画」に見られる作戦に似ていたと報じた。

 この新聞は、殺害はイランの核施設への攻撃の前哨戦として行われたもので、施設への攻撃の代替攻撃ではないとする匿名のイスラエルの情報筋の言葉を引用した。このイランの核施設への攻撃を一度行えば、再びイランがその施設を再建することは困難になるようイスラエルは企図している。

 この報告を元に、モサド工作員らはロシャンの暗殺に適当であると考えるテヘランのキーとなる地点を注意深く観察してきた。

 「失敗は許されない。当然、あらゆる失敗は工作員らの命を危険にさらすだけでなく、国際的スキャンダルになってしまう」とこのイスラエルの情報筋は語った。

 サンデー・タイムズ紙の記事は、ロシャン氏が仕事に出かける準備をする際、近くの安全な家屋内の急ごしらえのコントロール・ルームからモニターされていた、と報じた。

 この記事で、ロシャン氏のボディー・ガードはナタンツのウラン濃縮施設まで車の運転をしていたという。そこでロシャン氏は副マーケッティング・マネージャーとして仕事をしていた。覆面をしたオートバイに乗った人物が彼の車に接近し、爆弾を車に設置した、と報じた。

 この作戦の後、アメリカはすばやく動きこの暗殺事件に一切係わっていないことを主張した。

 レオン・パネッタ国防長官は、「我々は今回の暗殺事件に関してはいかなる意味においても係わっていない」と語った。

 イギリスの外務省もまたイギリスは、「いかなる意味における係わりも持っていない」と述べた。

 アハマディ・ロシャンはシャリフ技術大学化学工学部の卒業生でイランのナタンツ核施設のマーケッティング副部長として働いていた。

 アメリカ、イスラエル、それに彼らの同盟国はイランが軍事的核計画を進めているとして非難し、繰り返しイラン政府に対して軍事的攻撃の「オプション」があると言って脅かしてきた。

 2011年11月、アメリカの大統領選挙候補者の何人かは、イランの核科学者の暗殺からイランに対する軍事的攻撃、テヘランの核施設への破壊活動を含む秘密作戦を進めることを叫んでいた。

 このように、暗殺を叫ぶということは、過去数年間で何人ものイラン人科学者が暗殺されてきたのを見ても、いい加減な脅しではない。

 この記事によれば、ロシャン氏は最近、国際原子力機関 (IAEA) のインスペクターと会っていたという。この事実はIAEAがイランの核施設と科学者に関する情報を漏洩していたことを示唆している。

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シリアを取材したイギリス人ジャーナリスト

◆1月17日

 去年の3月頃から始まったシリア内での武装勢力によるテロ活動で犠牲者が出ると、それを欧米やアル・ジャジーラなど欧米に近いメディアはシリアのアサド政権が政治改革を訴える平和的デモを急襲したためだ、とシリア政府があたかも血の弾圧を強行しているかのような報道をし続けてきた。

 しかし、このブログでは、どのブログより先にそれは事実と反するということを指摘してきた。その間、エジプトのムバラク政権が倒れ、リビアのカダフィ政権が倒れ、カダフィは無残にも虐殺されてしまった。

 下記は、あるイギリス人ジャーナリストのシリアでの感想が語られている記事であるが、これはダマスカスだけの話ではない。わずかにいくつかの町でテロリストの活動が活発な地域の町を除けば、シリア全土で似たような情況である。

 今、シリアにはトルコとの国境線から、あるいはヨルダンとの国境線から武装勢力が浸透し武器も搬入されてきているので、シリアにおける武装テロ活動は収まるどころかますます活発化する可能性が高い。

 それでもシリアの情況があのリビアのように、いやそれ以前にチュニジアやエジプトのように全面的な、一般国民が総出で政権を批判するようなデモの動きにならないのは、単に秘密警察が強いとかいうレベルの問題ではない。

 本当に政権に対する強固な嫌悪感・拒否感が国民に充満していれば、あのチュニジアの一人の青年の死をきっかけに全土的な反政府デモに膨らんだようになったり、あるいはエジプトの例のようなことになるはずである。

 それが去年の3月から既に一年近くになろうとしても、このイギリス人女性ジャーナリストが体験しているような実態がシリアのダマスカスにある、ということは、シリアの情況はチュニジアとかエジプトの情況とは相当違う、ということを示していることになるのである。

 問題は、欧米メディアのもたらす嘘の報道であり、それを鵜呑みにする人々であり、欧米メディアの論調を真理として受け継ぐ日本のメディアの姿勢であるバイアスの掛かった見方しか出来ない情けない日本のメディアの上層部の者たちが問題である。以前も指摘したが、NHKもシリアの「政府支持デモ」を「反政府デモ」と偽って報道したことがあった。反省せよ。

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●イギリス人ジャーナリスト:シリアの情況はメディア報道と真逆
http://www.sana.sy/eng/21/2012/01/15/394292.htm
【1月15日 SANA】

 イギリス人ジャーナリストのリジー・フェラン女史は、シリアで起きている出来事の情況はいくつかのメディアが報じようとしてきた内容と完璧に異なるものだ、と語った。

 シリア訪問中のフェラン女史は、現地の情況を見るためシリアのダマスカスに6日前ジャーナリストとして到着してみて驚いたと語った。シリアは安全な場所ではなく混乱が支配している、また軍が道路上に配置され、反政府デモが毎日のようにあらゆる場所で行われている、というメディアによって知らされていたイメージを持っていたのだ。

 彼女はシリアのテレビ番組で、この訪問で見聞したことを語り、生活が普段どおりに行われ、人々は多少の問題はあれども、いつもどおり仕事や学校に出かけている、ことを強調した。

 ダマスカス市は自分が一人で夜遅く移動する際も非常に安全で、何らの問題にも遭うことはないし、大きな反政府デモも見ることは無かったと語った。 

 フェラン女史は、ウマヤド広場で大規模な政府支持デモを見てシリアの情況の現実に触れて驚いた、と指摘した。これは彼女にとっては、欧米その他の国々で知らされている情況と完全に異なるものだったと語った。

 イギリス人ジャーナリストは、バシャール・アル・アサド大統領がウマヤド広場に来て人々に直接語るということは、「非常に興味深いこと」だという。それはBBCやアル・ジャジーラなどのテレビ局は、シリア人はアサド大統領を支持していない、としていたから、何万もの人々が広場に来て大統領を見て喜び彼に対する親愛の情と支持を表明しているのを目撃したからだ。


●シリア国民:外国の干渉を拒否しアサド政権を支持
http://www.sana.sy/eng/337/2012/01/16/394678.htm
【1月16日 SWEIDA/DEIR EZZOR, (SANA)】


政府の改革政策を支持するシャフバ市の人々の集会

 スウェダ地区で南部のシャフバ市で武装勢力によりなされたテロ活動を非難し、シリアは人々が覚醒し指導部と一体となることでより強い国として興隆するだろうと叫ぶ政府支持デモが行われた。

 デモの参加者はシリア国旗と横断幕を掲げ、軍を称える歌を歌い、シリアの安全保障を脅かし、シリア人の血を流した者たちを打倒するよう要請する歌を歌った。

 参加者らは、誠実なシリア人は皆、一つになってシリアに対する陰謀と対決しており、彼らが集まったのはあらゆる陰謀に反対するためであり、シリアの強固な一体性を揺るがそうとする勢力に対する明確なメッセージを送るためだとしている。

 彼らはまた、政府の改革プログラムを支持しており、国家の統一に対するコミットメントを表明し、シリア軍と犠牲となった一般市民に対する表敬、そしてシリアはいかなる犠牲もいとわない価値ある国家であることを表明した。

 参加者らはアラブ連盟監視団が、事実を客観的に専門的に把握し、シリアの表通りの本当の雰囲気を伝えるよう要請した。

 デイール・エゾールでは、シリアのブレードというグループが女性労働組合支部と共同で地区内の女性と母親たちの署名を集めるキャンペーンを実施している。


女性たちも積極的に署名活動

 このキャンペーンは「シリアの母の願い」と名づけられ、独立した国家の決定を支持し、アサド大統領が指導する改革プログラムを支持し、外国の干渉を拒否するための署名を集めることを目的としている。

 このキャンペーンのオーガナイザーは、この「意思」がシリア人に友好、保障、安全を維持しようとさせると語った。またこの活動は母親たちの間に、子供達が祖国を愛し対話の文化を彼らの中に植えつける必要性があるという覚醒を広めるためだ、としている。

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