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駐シリア・フランス大使から糾弾されたアラン・ジュペ前外相

◆7月18日

 サルコジ政権で外相だったアラン・ジュペがシリアの紛争を誇大に見せてフランス軍の介入の動きを扇動したという話が出てきている。いずこの国でも、戦争屋というものがいるものだ。もちろんその裏にはさまざまな利害が絡んでいるのだろう。

 駐シリア大使だったシュバリエの送った情報を捻じ曲げてシリア内の騒乱を誇大に表現し、アサド政権転覆のための動きをした、とシュバリエからジュペは糾弾されているそうな。

 以下の記事を見ても、シリアで起きていたことが、当初から外国の武装勢力によるゲリラ的テロ活動であった、ということが分かる。今となってはそれも公然としたものになっているが。その外国の武装勢力の中には当のフランスの特殊部隊員も含まれる。彼らはシリア軍につかまり拘留されていたが条件付きでシリアから解放された。

 武装テログループは7月17日、少数のグループ(10人前後)で10ケ所以上でゲリラ攻撃を仕掛けたようだが、政権をゆるがすようなものではない。いつまでこのようなゲリラ攻撃が続くのか分からないが、彼らに資金と武器を与える者たちこそ、平和の敵である。

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●シリアでの「戦争挑発」をしたとして仏外相を糾弾
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=31904
【7月14日 Global Research】

 2012年3月19日、フランスの高官がパリ在住のアラブ人ジャーナリストたちを招待し、フランス政府内の動きを説明、特に外務省のシリアに対する姿勢について語った。この高官によれば、シリアのフランス大使館閉鎖の直後、シリアのフランス大使であるエリック・シュバリエは、ジュペ外務大臣に向かって公然と非難した、という。彼はアラン・ジュペ外相が彼の大使館レポートを無視し、内容をごまかして、もってシリアに対する戦争を挑発したと糾弾したのだ。

 2011年3月、シリアで紛争が始まった時、外務省はすばやく何が起きているかを調べるため調査班をダラアに派遣した。外務省に提出された彼らのレポートでは、いくつかのデモの後に緊張状態はなくなったとあり、これはダラアの街は荒っぽく破壊されたとするアルジャジーラやフランス24のレポートと矛盾するものであった。シュバリエ大使は事態を詳細に把握できるよう調査班の拡大を要請した。外務大臣は最初のレポートに怒りまくって、大使を電話で呼び出し、血の弾圧が町中で起きているというように書き直すよう要求した。そこで大使はダラアの調査班の班長と外相との間の電話会議をアレンジし、そのような弾圧は起きていないことを外相に告げるようにさせた。すると外相は大使を脅して会話は冷えた感じで終わった。

 そのすぐ後、アラン・ジュペの内閣はAFP通信社に圧力を掛けて外相の見方に沿ったニュースを公表するようにさせた。その後の数ヶ月間、シュバリエ大使とジュペ外相との間で激論が交わされ、2012年1月のイラン人捕虜問題とジレ・ジャキエ記者の死亡事件の時まで続いた。この時、大使は記者として秘密裏に活動していたDGSE(対外治安総局)要員をシリアから撤退させる命令を受けた。その時が大使がジュペ外相によって進められていた秘密作戦の重要さを理解した時だった。

 前国防大臣のアラン・ジュペは軍との強いつながりを維持しているようで、彼に忠実な情報員を信頼できるようである。

 同じ情報筋は、大使のレポートは無視されるか改ざんされると明言している。レポートがそうされることで、シリアが抗議デモと弾圧の繰り返しの苦しいサイクルの中にあるわけではなく、外部からの武装グループによって混乱が生じていることを示しているヨーロッパの同じ内容の外交レポートを送ることで、大使自身は自分の位置を強化せざるを得なかった。彼がパリに来た時、シュバリエ大使は既に自分の大臣を狼狽させることになる行政内部調査を要請していた。

 このような暴露は他にもある。別の高官は、アラン・ジュペ外相は自身の外務省といざこざがあるだけでなく、仲間である国防省と内務省とも確執がある。両省の大臣、クロード・ゲアンとジェラール・ロンゲはババ・アムル首長国からフランス情報部員をアセフ・チャウクリ将軍と一緒に出国させることだけでなく、シリアに拘留されていた三人のフランス人特殊部隊員の解放についても交渉した。

 15日、レバノンの親シリア紙のアド・ディヤール紙は、レバノン国連暫定軍フランス分遣隊が再編成されていたのでエドアール・ギヨー参謀総長がレバノンを訪問した際に、3人のフランス人の囚人が引き渡されたと明言した。シリアの高官によれば、ギヨー参謀総長は代わりに、レバノンにあるフランス軍後方作戦基地の完全な解体を自ら監督し見届けた、という。

 シュバリア大使とジュペ外相との争いは長いことくすぶっていたものだ。2011年4月4日、オンラインジャーナルのRue89はシリア系フランス人の匿名の人物の記事を掲載した。そこには、ダラアとラタキエの反乱は、「外国勢力によってなされたとし、またメディアは事実を正しく伝えていないと確認することで、大使は政権の代弁者になった」としている。10日後、ジョージ・バルブルノがルフィガロ紙の自分のブログで、大使は「アサド化」されたと書いた。最後には、5月5日、フランス国営のフランス24でアラン・ジュペが監修している局で、大使のことを「反乱を矮小化している」と糾弾した。

 参謀総長のエドアール・ギヨー提督とアラン・ジュペの確執も長いこと公然としたものになっている。提督はジュペが国防大臣の時、カダフィを葬り去る計画を前もって持っていたことを評価していない。新しい国防大臣のゲラール・ロンゲの不明瞭な支援を受けながら、リビヤに対してフランス軍を動員する命令をした時、彼は公然と自分が不同意であることを表明した。

 付け加えると、ゲアンとジュペとの関係は悪いことで有名だ。傲慢性のいつもの表明の一つに、アラン・ジュペはクロード・ゲアンが大統領府事務局長職を去ることをフィヨン政府に入る条件として要求したのだ。理由はジュペはゲアンと話したくないからだった。アメリカ、イギリス、ロシアがシリア情勢を沈静化させることで合意した後、アラン・ジュペはそれでも主流メディアと共にトルコ、サウジ、カタールの支援を当てにした。ジュペはフランスで自分が孤立していることを知った。また自己の政策を実行する手段を失ったのだ。

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核兵器所有はアラーに対する道徳的罪とするハメネイ師

◆7月9日

 イラン攻撃については、アメリカ大統領選挙まではない(その後もない、と考えたい)、とするのがこのROCKWAY EXPRESSの見解であるが、それでも攻撃はもうすぐだ、とでも言わんばかりの情報も頻繁に出ている。そこで、なぜ、イランを攻撃しなければならないのか、という基本に帰ってイラン攻撃の欺瞞性を、アメリカの正統保守派の論客である、パトリック・ブキャナンが記している。

 イラン攻撃の圧力の総本家は元アメリカ大統領の、ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュであろう。彼は今88歳になっているはずだが、この彼が存命中はアメリカは戦争への機運が弱まる事はないであろう。従ってオバマ大統領とクリントン長官も、その圧力の中で流されながら、内心では平和への道を模索中、と考えるべきである。

 日本の首相も同じで、首相になるとこの「圧力」というものが懸かってくるようで、これは首相にならないと分からないもののようだ。アメリカ大統領も同じで、それで殺されないようにその圧力に迎合するような動きもしつつ、頃を見計らう必要が出てくる。しかし、時は流れるから、いつかは変化が必ずやってくる。それは恐らくはアメリカ大統領選挙後のことになるだろう。それまではなんとかイランやシリア攻撃をしないで戦争への圧力をかわしながら過ごすことがオバマ大統領の使命である。

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●イラン錯乱症候群
http://www.informationclearinghouse.info/article31777.htm
【7月6日 Patrick Buchanan – Information Clearing House】

 イランは原子爆弾製造を目指しているわけではない。原爆保有は意味の無い事であり危険であり、彼らの知性と宗教的観点からは大罪なのだ。

 最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師は2月、イランが原子兵器を持つ事はアラーに対する道徳的罪となる、と宣言した。

 2007年に宣言され2011年に確認されたアメリカのインテリ界の判断もやはり、イランは核兵器製造のいかなる計画も放棄した、というものだ。

 アヤトラは嘘をついているのだろうか? アメリカのインテリ界全体は間違っているというのだろうか?

 ウランを5%に濃縮しているイランのナタンツの計画、そして兵器級以下である20%にまで濃縮しているフォルドウの計画は、国連の恒常的な監視下にある。イランは欧米側が核医薬品のためのアイソトープの供給といくつかの制裁の解除があればウランの20%濃縮を停止する、と言っているのだ。

 アメリカの回答は「不同意」。イランは濃縮を完全にそして無期限的に放棄すべきだ、というのだ。

 これが交渉の壁となっている問題だ。イランは核不拡散条約の署名国として、平和目的でのウラン濃縮の権利を保有している。これがあるから、イラン国民は政府を支持している。

 この手詰まり状態が戦争の原因になるべきであろうか?

 イランが低濃度の核燃料を秘密の計画で濃縮し兵器級のものにしようとしたとしたらどうであろう。このプロセスに数ヶ月を要するだろう。そしてイランは起爆装置を製造しテストする必要があるが、その際には世界はそれを数時間で知ることになろう。イランはそれからこの装置を兵器にしなければならないだろう。

 この全体のプロセスは1年以上の期間を要し、恐らくは数年になるだろう。我々はその問題を知るようになるので、彼らが核兵器を作り出すずっと前に、軍事オプションを実行する時間があることになる。

 数百発の核兵器を所有しているイスラエルは恐らくは我々より前にこのイランの計画を知るだろう。そしてイランのことを我々より恐れているので、イランが核兵器を所有することを妨げるために必要なことを躊躇することなく実行することだろう。

 こう言われている:アハマディネジャド大統領は精神異常的狂信者でイスラエルを地図から抹消すると脅した人物だ。したがって彼が核兵器製造に接近することを許してはならない、と。

 しかし、アハマディネジャドが何年か前に何を言おうと、またそれが議論されているとしても、彼は軍を支配しているわけではなく、戦争を決断する立場になく、しかも彼は来年の7月には大統領職を辞し学界に戻ることとになっているのだ。

 アメリカはアハマディネジャドを恐れているというのか?

 では、今週の新聞などに描かれていたような、アメリカがイランと戦争することを正当化するような決定的な脅威というものがどこにあるというのだろうか?

 フィナンシャル・タイムズ紙のギデオン・ラチマンはイランに対する強迫観念は可能性としての脅威に比べてはるかに巨大である、と言っている。

 パキスタンは恐らくは100発ほどの核爆弾を所有しているし、今も製造している。そしてこの国の反アメリカ主義はイランに比べればもっと激しいものだ。彼は以下のように書いている:

 「パキスタンは核技術を北朝鮮、リビア、イランに供給した。パキスタンは1999年にはインドとの間に、核戦争を始めそうになったことがあった。ビン・ラディンは何年にも渡ってパキスタン内に住んでいた。そしてパキスタンの部族が支配する地域はアルカイダの最も重要な基地となっている」

 「パキスタンは2008年164人が殺されたムンバイのテロ攻撃の時の基地であった。パキスタン政府はこの攻撃を非難はしたが、テロリストらがパキスタン情報部とつながりがあったという強力な証拠が存在している。もしも、ムンバイ攻撃がイランからなされたとしたら、欧米は「国家が支援したテロ」だと叫んだであろう。

 パキスタン人の10人の内7人はアメリカを敵と見ている。そしてオバマによって進められている無人機による攻撃は多くの無辜のパキスタン人の命を奪っており、彼らの敵対意識を増大させている。、

 しかしながらアメリカの航空機と軍艦はパキスタンではなくペルシャ湾に向かっており、44名の上院議員が大統領に対してイランとの対話を止め、制裁を更に強め、戦争準備をするよう要求している。

 その間、イランはイスラエルとアメリカの基地を叩く事のできるミサイルのテストをして、ミサイル艇艦隊はペルシャ湾で演習をやっている。

 オットー・フォン・ビスマルクは、予防戦争とは死の恐怖から自殺をするようなものだ、と言っている。我々アメリカ人はそれでも不必要な戦争をやるのであろうか?

 1959年、アイゼンハウァーはブダペストの屠殺屋と言われたフルシチョフをアメリカに10日間招待した。1972年、ニクソンは北京を訪れて1000万人の中国人と韓国内で数万人のアメリカ人の死者の責任者である毛沢東と乾杯し話し合った。レーガンは「悪の帝国」の支配者らとの対話を常に模索していた。

 イランはこのグループとは全く違うし、このグループによるといわれている犯罪も犯しておらず、アメリカに対しても実際的あるいは潜在的脅威ではないのだ。

 レーガンがレイキャヴィークでやったように、普通の関係に戻る代わりに核兵器には手を出さないと言う検証できる保証をするようイランの指導者らと話し合える政治家はいないのか?

 我々がスターリンや毛沢東とゆっくり対話をすることができたならば、アヤトラやアハマディネジャドとはできないのか? この問題は我々にはまとめられないとでもいうのだろうか?

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ジュネーブ会議の様子

◆7月3日

 ジュネーブで開催されたシリア関係国会議で、アナン和平計画に対してロシアが提出した4つの改正案の3つが承認された、ということでロシア側は概ねこの会議を成功だったと見ているようだ。

 要するに、シリアの問題はシリア人が解決すべきであり、外国の干渉は不要ということになったようだが、それでも武器の供給は相変わらず、不法な方法を禁止するまでに至らなかったようだ。アメリカは軍事介入の準備を進めているようであるが、実際の介入は今回の合意で棚上げになったと言えるだろう。

 また紛争終結のため、先ずシリア政府軍が町から撤退すべし、という点も抹消されたという。ロシア側が、政府軍が撤退したら、反政府側が奪取するだけではないか、と反論したからのようだ。当然である。この点が今までは訂正がなかったためにシリア政府側のみが悪者にされてきたのである。停戦というものは、紛争当事者が同時に武器使用をやめねば、なんらの意味もない。

 「シリアをリビヤのようにはさせない」、というのがロシアの意図であるから、今度の会議で欧米側とこのような決議を出せたことだけでもロシア側の勝利といえそうだ。後は、武装勢力が政府軍とどこまで張り合えるのか、という点と、工作部隊の浸透を政府がどう防ぐか、というような課題が残っている。また「移行統治機関」のようなものが実際できるかどうかは、わからない。

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●シリア問題でロシアと欧米が妥協
http://www.itar-tass.com/en/c142/462081.html
【7月2日 Itar-Tass】

 ロシアのラブロフ外相はシリアについての国際会議の結果に満足している、と語った。諸外国の指導者はシリア問題の収束についての原則で合意した。この会議は、特にロシアの出した4点の改正案の内の3点が承認された新しい行動計画を承認して閉幕した。 

 シリアのための行動グループの参加者らは完璧な意思を表現した、とコムソモルスカヤ紙が報じた。彼らは暴力を非難し、コフィ・アナン特使の地位を確認し、和平協議と改革を主張し、資金協力の準備があると発言した。しかし最も重要なことは、シリアの主権と独立が確認されたことだ、とコムソモルスカヤ・プラウダ紙は報じた。
 「従って、シリアに対する軍事介入は今のところ議題になっていない。これはロシアにとって大きな得点に思える」と報じた。

 ロシア代表団のコメルサント紙筋は、この結果のことを「ロシアが提唱した4点の改正案の内3点が会議で承認されたので、そこそこ良いものだった」と述べた。とりわけ、この文書にはシリアの将来はシリア人が決めるべきである、という文言が認(したた)められている。とはいえ、欧米側のスタンスは実際は変わったわけではない。アメリカはまだアサド大統領を権力から追い出すことを狙っている。ロシアはまだそれは考えていない、とこの新聞は考えている。

 ロシアはジュネーブで宣言書の本文に4点の改正を申し入れた、とコメルサント紙は報じた。最初に、ロシアは、シリアに対する更なる制裁措置を国連安保理が採択するよう要求する条文の抹消を要請した。二番目に、ロシアはシリアの紛争に対して、不法な武器供給を厳しく禁止することを要請した。三番目に、紛争の只中にあるシリアにジャーナリストがこの国で起きている事柄に関する情報に自由にアクセスする権利を与えること。最後に、ロシアは停戦するためのプロセスを詳細に説明している文言のいくつかの変更を主張した。「この文書は、町から政府が軍を撤退させた後に、停戦が同時的になされるべきである、とある。しかし、その場合には反政府側が政府軍が去ったところをすぐさま全て奪取することになるだろう」、とラブロフ外相は記者団に語り、結局、この政府軍が先ず撤退するという条項は結果的に文書からはずされた、と指摘した。ロシアが要求した改正案の内、武器の不法な供給の禁止に関する部分だけは承認されなかったのだ。

 反面、欧米側のシリアに対するスタンスの重要な変更については言う事はできない。ヒラリー・クリントンは相変わらず、アサドは辞任すべきだと発言した。コメルサント紙筋は、アメリカの国務長官に、そのような文言は含まれていないこと、行動計画文書を読むよう推めた。彼は、「欧米諸国はジュネーブ文書には含まれていない文言を直接国連安保理を通して導入しようとするかもしれない」と語った。

 専門家によれば、シリア紛争の収束のため、ジュネーブでは何も特別なものが提供されたわけではなかった、という。「新しい権力構造に誰が含まれるのか、定かではない。アサドは既に国民融和省を作っているし、それで十分と考えている」と、カーネギーセンターのアレクセイ・マラシェンコはコメルサント紙に語った。

 行動グループの会合は、ロシアと欧米側がシリア問題で折りあうことができることを示した、とロシスカヤ・ガゼータ紙は報じた。その反面、ジュネーブ会議はシリアの流血をすぐ止めさせる方式を交渉する点などでは不十分であった。記者たちは米国務長官に記者会見で、会議参加者らが承認された和平ロードマップを実行に移すのかどうか尋ねた。しかし、アサド政権側と反政府側との対話の開始がなされることになる具体的なデッドラインや実際の行動の代わりに、シリアになんらかの「移行統治機関」を作るというあいまいな誓約の回答を受けた。しかし、欧米側がその機関に名称を早く付けたがっていてもそれは暫定政府ではなく、政治的な折衝のために作られるものだ。

 コフィ・アナンの和平計画に対してジュネーブで承認された改正案は、ロシアと欧米側が「穏当な表現」を見つけようとした試みであり、紛争当事者らに対し国際社会が一致した見解を持っていることを示すものになるだろう。ただしこういった表現で、公式のシリア当局と分裂状態の反政府勢力の背後の勢力を拘束させるものではない。ジュネーブで承認された決議内容の数多くの参照と詳細を語らずとも、総じてこの決議はシリア問題に対する国際社会のスタンスを穏やかな形で示したものと言える。

 ロシスカヤ・ガゼータ紙は、シリアに対する決議に対する主な脅威は、武力紛争が政治的なものからスンニー派とシーア派系アラウィ派との間の宗教的なものへと悪化するかもしれない、という点にあると考えている。シリアからの情報は、宗教的不和からの殺人事件があること、スンニー派の者たちが夜にシーア派の住宅の柵の上につける印について語っている。アナンの和平計画は市民社会の融和を意図している。この和平計画は宗教間紛争には不十分である。しかしながら、シリア会議の参加者らは、最終決議案を作る時、シリアにおける最も危険なこのシナリオを警告しようとはしなかった。 

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ネタニヤでイスラエルのリーバーマン外相と談笑するロシアのプーチン大統領

◆6月26日

 ロシアのプーチン大統領が手勢300人を引き連れてイスラエルに乗り込んだ。この男のやる事は時々我々の度肝を抜く。ロシアはイスラエルが明日にも攻撃するかも知れないイランの原発の建設に全面的に協力した国であり、そのイランの原発を攻撃することは間接的にロシアを攻撃することになる、といって、イスラエル、アメリカのイラン攻撃を牽制してきた国である。

 またロシアは以下にあるように、イスラエルと軍事的に対峙しているシリアに対し、欧米勢力がこぞって制裁を加えようとするのを、断固シリア支援の姿勢を崩さずに同国を守ってきており、新たな武器支援もしているといわれてきている国である。

 今回はナチスを撃退したソ連軍をたたえる記念碑の建立を祝う式典に招待されたということのようだが、そこでプーチンがホロコーストについて触れ、「人類史上、最も暗く恥ずべき出来事」である、と語ったようだが、そのホロコーストをヒトラーにやらせたのが実は同じユダヤ勢力であり、また実行したナチスの多くを引き抜き、自分たちの諜報機関や軍の中枢に置いたのが、イスラエルの同盟国の立つ場にあるアメリカであり欧米諸国なのだから、プーチンのスピーチにも皮肉が込められていたことだろう

 さて、プーチンは、ネタニヤフにイラン問題で何をどう語るのであろうか? イランに核兵器の開発はさせない、とロシアが保証でもするのならば、イスラエルも考えを変えるかもしれないが、プーチンがそこまで語るかどうか。いずれにせよ、敵地のようなイスラエルに手勢300人を引き連れて乗り込んできた大親分だ。さすがのネタニヤフも緊張して彼の話に耳を傾ける事だろう。

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●プーチン、イスラエルに到着、イラン問題で話し合い
http://www.haaretz.com/print-edition/news/putin-arrives-in-israel-to-discuss-west-s-standoff-with-iran-1.443637
【6月25日 HAARETZ】

 ロシアのプーチン大統領は25日朝、イスラエルのネタニヤに到着した。ソ連赤軍の記念碑でなされたスピーチでプーチンはホロコーストを、「人類史上、最も暗く恥ずべき出来事」と呼び、ソ連軍を「ナチを撃退し、あらゆる諸国が生き残れるようにさせた軍隊である」と賞賛した。

 プーチンはまた「大変興奮している」と語り、ネタニヤフ首相、ペレス大統領、そして「全てのイスラエルの友」に記念碑建立について感謝を表明した。・・・

 プーチンは政府閣僚、アドバイザー、ジャーナリストなど300人と共に4機の航空機で到着した。・・・

 プーチンは後にネタニヤからエルサレムに向かい、ネタニヤフと彼の公邸で面会する事になっている。・・・



●イランとシリア問題がプーチンのイスラエル訪問のハイライト
http://www.chinadaily.com.cn/world/2012-06/24/content_15520049.htm
【6月24日 CHINA DAILY.com.cn】

 イランの核計画問題とシリア危機が、25日からのロシアのプーチン大統領のイスラエル訪問の主要議題である、とエルサレムの高官は語った。・・・


 

●船積みされたロシア製ヘリコプターは再度シリアに向かっている
http://www.chicagotribune.com/news/sns-rt-us-syria-crisis-russia-helicoptersbre85n0ad-20120624,0,772532.story
【6月26日 Reuters】

 ロシアのヘリコプターを運搬している船はその保険が切られた後、引返したが、少なくとも別の一隻の船と共にシリアへの航海を再開した、と軍事筋の話としてインタファクスが24日、報じた。

 この報告は、 米高官が不埒千万と言い、アラブ連盟は停止すべきと述べた、ロシアのシリアに向けた武器供給に対する国際的批判を蒸し返す事になりそうだ。 

 「モスクワの軍事・外交筋はインタファクスに対してて、この船はムルマンスクからシリアに向かうだろう、と語った。この人物の情報によれば、この船には護衛が付くだろうというと、いう」とインタファクスは報じた。

 ロシアのムルマンスク港に24日に入り旗をロシア旗に換えたこのアラエド号は、軍艦の護衛が付くことはない、と匿名を条件にこの情報筋は語った。

 この報告では、どう保険問題を解決したしたか分からないし、旗をロシア旗に換えたことでどういう違いが出てくるか分からない。

 ロシアは21日、新しいヘリコプターではなく、修理した攻撃ヘリコプターをシリアに運搬しようとしていると認めた。

 ロシアはシリアの兵器の主要な供給国であり、16ヶ月になる紛争鎮圧に対する国連の厳しい制裁から長期の同盟国であるシリアのアサド大統領を守ってきた国だ。

 このヘリコプター再送のニュースは、トルコがシリアに対して24日、警告無しに同国の軍用機を領空外で撃ち落したと非難している時に起きた。ロシアはシリアに防空システムを売却しているが、シリアは、ミサイルではなく対空砲火でジェット戦闘機は打ち落とされたと主張している。・・・略

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黒海艦隊に属するロシアの大型上陸用艦艇

◆6月20日

 6月18日号で「ここで断固プーチンが譲らねば、オハマの方が譲歩するだろう。そしてプーチンが譲る事は考えられないので、結局シリア問題は、オバマの譲歩を契機として、収束に向かうものと期待したい」と記したが、以下の記事に見られるように、シリア問題は両当事者間での「対話」を促進し、軍事的にではなく政治的に、特にアナン特使の進める方式を支持していく、という合意がなされたようだ

 要するにリビヤ式の国連その他、NATOなど多国籍軍隊による軍事的な介入は避けるという方向性が示されたと言える。そのためロシアは以下の記事にあるように、シリア向けに兵器を運搬していると見られていた貨物船を、元の港に引き返させ、シリアへの新たな兵器の供給を控えるようにしたようだ。

 これはやはりプーチンの外交的勝利と言えそうだし、実際はオバマの願う方向でもあるはずだ。しかしこうなると、欧米の全面的軍事介入が当分無い中、シリアの紛争は武装勢力と政府軍との戦いのレベルのままで継続するようになりそうであり、武装勢力を支援したい欧米NATO、湾岸君主国家群、それにトルコらは隠密的に支援する今までのやり方を継続する事になりそうだ。

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●プーチン大統領:シリア問題は唯一対話によってのみ解決すべき
http://en.rian.ru/world/20120620/174135278.html
【6月20日 RIA Novosti】

 プーチン大統領は19日、メキシコのロスカボスでのG20サミット会議の後、シリア問題はシリア当局と反政府勢力とが対話する事でのみ解決すべきだ、と語った。

 この問題ではロシアと欧米の立場は異なるが、紛争の当事者らが平和的に共生するために最終的な合意に至るよう、ロシアと欧米は共同して働きかける用意がある、とプーチンは記者団に語った。・・・(以下略)



●シリアの暴力終結を要求=具体策では平行線か―米ロ首脳
【6月19日 時事通信】

 オバマ米大統領とプーチン・ロシア大統領は18日、20カ国・地域(G20)首脳会議開催地のメキシコ・ロスカボスで会談し、シリアにおける暴力の即時終結を要求するとともに、危機打開に向けた政治プロセスの必要性で一致した。また、イランの核問題について、国際社会の信頼回復に真剣に取り組むよう同国に警告した。
 米ロ両国が激しく対立してきたシリア情勢で、一定の協調姿勢を示した形だが、米国が求める国連安全保障理事会決議を通じた制裁強化など具体策の議論は平行線をたどったもようだ。
 両首脳は共同声明で、シリアの政治的移行の促進を含めたアナン国連・アラブ連盟特使の活動を全面的に支持する方針を表明。「シリア国民が独立的かつ民主的に自国の将来を決する機会を持つべきだとの立場で結束している」と強調した。


●ロシアは軍艦をシリアに送っていることを否定
http://en.rian.ru/world/20120619/174127662.html
【6月19日 RIA Novosti】

 ロシア国防省は19日、黒海艦隊から軍艦をシリアに送っていると言う報道を否定した。また中東の国での軍事演習に関する報道をも否定した。・・・(以下略)


●ヘイグ英外相:「兵器運搬」中のシリア行きのロシア船は引き返した
http://en.rian.ru/russia/20120619/174130183.html
【6月19日 RIA Novosti】

 シリアへ兵器を運搬していると見られていたロシアの貨物船は、そのコースを変更し元の港に向かっていると、ウィリアム・ヘイグ英外相が語ったとCNNが報じた。・・・(以下略)

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