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会談するロシアのラブロフ外相とアメリカのケリー国務長官
◆2月27日

 シリア問題でロシアのラブロフ外相とアメリカのケリー国務長官とが会談を持った。これは1月24日号「クリントン長官:アルジェリアのテロリストはリビヤから武器を手に入れた」や1月26日号の「プーチン大統領:アルジェリア事件、マリ戦争、リビヤ紛争の関連性指摘」で示唆したように、シリア問題に対してロシアとアメリカとが協調して政治的解決を目指す方向に向かっている、と言うことを示していると見ていいだろう。

 今後まだまだ紆余曲折があるだろうが、とにかく米ロが同じ方向を向いてシリア問題解決に乗り出せば、解決のめどは立つはずである。しかし反政府勢力側が支配している地域も存在し、それを軍事的にどう解決するか、という問題は簡単ではないだろう。

 いずれにしても、シリアがあのチュニジアやエジプトのように政権が倒されるという形を取る事はないであろう。このブログでプーチンが大統領に返り咲くこと、オバマが再選されることが重要だということを指摘してきたが、それはこのような対話を通して問題解決を図る、という両者の賢明な姿勢を見てのことであった。特にロシアが繰り返し、対話の必要性を訴えていることは重要である。欧米側は軍事力でリビヤの政権を転覆させたが、今のリビヤは無法地帯と化し、人々の安定した豊かな生活は失われた。

 反政府勢力側の指導層にはあくまで、武力で、という者たちもいるが、それはまず不可能であるし、とりわけアメリカがその気が無いとすれば、ますます不可能であろう。したがって彼らに今以上に軍事的な進展が無ければ、結局は対話のテーブルに着くことになるであろう。

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●ラブロフ外相とケリー国務長官:シリア問題解決で会談
http://www.sana-syria.com/eng/25/2013/02/26/469574.htm
【2月26日 SANA】

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は26日、アメリカのジョン・ケリー国務長官と会いシリア情勢、二国間関係その他の重要な国際問題について会談を持った。

 「ラブロフとケリーの間のはじめてのこの会談は、ロシアとアメリカの関係において新しい方向性を決めるものであった。ただしなんらかの新しい変化があったわけではない」とロシア・トゥデイのサイトでは報じている。

 ロシア・トゥデイは両者はシリア危機について議論を交わし、また両国関係についても話し合った、という。

 ロシア外相はシリアの反政府勢力に対し、政府との対話を始めるよう、また自分達の代表者らを指名するよう呼びかけた。

 「我々はシリアの反政府勢力が対話に対し支持を表明するよう期待している。我々は彼らが単に対話に対し支持するだけでなく、交渉チームを指名することを期待している」とロシア・トゥデイテレビのサイトは、会談後の記者会見でラブロフ外相が語ったと報じた。

 外相はシリアのワリド・アルモアレム外相がモスクワを訪問している期間中に、シリア政府は出来る限り早く対話を開始する用意があり、そのための交渉チームを持っていると発表した。

 ラブロフ外相は、ロシアとアメリカは反政府側とシリア政府との間の対話をはじめる事のできる道を整えるため、あらゆる可能な努力をする意思があることを明言した。

 「最も重要な事は、我々は暴力の継続は受け入れがたいという認識を強調したことだ。これを土台として我々はベストを尽くす決意を確認したのだ」とラブロフ外相は語った。

 彼はシリア問題はシリア人自身で解決すべきであるが、交渉のテーブルに着くことが重要なのだ、というということを明確にした。


■ラブロフ外相:過激派がシリアの反政府勢力を支配している
 
 ラブロフ外相は、過激派がシリア反政府勢力内で支配的になっていて、対話に向けた動きを阻止している、と語った。

 「数日前、両サイドにとって交渉のテーブルに付くための状況は更に明瞭になったと、我々は考えた。前提条件なしに対話を早急に始めるべきだという声が出てきている。しかしながら、そのような声は後ほど押さえ込まれてしまった」とラブロフ外相はモスクワで記者団に語った。

 「今の段階では国民同盟と言われるものの中も含めて、過激派が反政府勢力の指導層を支配している。彼らが対話をはじめようとする動きを一切阻止している」とラブロフ外相は語ったと、ロシア・トゥデイのサイトで報じている。

 「我々は諦める事はしない」と彼は続けていった。「我々は勿論、シリア人に代わって問題の解決をすることはできない、しかし我々は他のシリアに対する影響力のある国々との接触を通して、シリア情勢を懸念する思いが強まっていることを感じている」と語った。

 その他の国際社会の諸国は、「対話を開始するための前提条件として非現実的な要求はしないよう、シリア政府と反政府勢力の両者を説得する必要性を感じている」とラブロフ外相は語った。。

 彼は、この問題はベルリンで、アメリカのジョン・ケリー国務長官との会談の席上で話し合うことになる、と指摘した。

 
■ルカシェビッチは反政府勢力の姿勢を遺憾とする
 
 ロシアの外務省スポークスマンであるアレクサンダー・ルカシェビッチは、シリアの反政府勢力側の指導者何名かが、シリア危機を終わらせる可能性を拒絶したことを遺憾であると表明した。

 ルカシェビッチはツィッターで、シリアの流血沙汰を停止させることを拒否した反政府勢力側指導者達がいたことは遺憾である、と語った。

 彼は、ロシアのラブロフ外相とシリアのワリド・アルモアレム外相との会談は、対話を通してシリアの問題の政治的解決を目指すという点に焦点が当てられた、と語った。

 関係する件で、ルカシェビッチはロシア外務省のサイト上で繰り返し、前提条件なしにシリア政府と接触することを反政府勢力側が拒否したことについてロシアの遺憾の意を表明した。

 彼は、そのような接触を通して多くの問題が解決に導かれたであろうし、シリアに安定と平安をもたらしたであろうと語った。またロシアは継続してシリアを支援する努力をするであろうと強調した。

 ルカシェビッチは、反政府勢力側に対してモスクワで発表された内容にもっと注目するよう促した。アルモアレム・シリア外相はシリアは望む者たちには誰とでも対話する用意がある、と語ったのである。

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資源豊富なマリ共和国

◆1月18日

 11日からマリ北部に対する空爆などの軍事介入をしているフランスを牽制するため、マリ北部地域の独立を宣言しているイスラム武装勢力が隣国アルジェリアの天然ガスプラントを襲撃し人質を取った事件で相当数の犠牲者が出てしまったようだ。

 イスラム武装勢力が人質を取った主な理由は、フランスの空爆を停止させることだったマリという国家の内紛にフランスという外国が軍事介入をした結果が今回の日本人を含む人質事件であったことを指摘しておかねばならない。したがってもしも今回の事件で犠牲者が大量に出るとすれば、それはフランスにも大きな責任があることを指摘しておく。

 このイスラム武装勢力はアルカイダと関係する組織だということで、アメリカのパネッタ国防長官もアルカイダの危険性を改めて指摘していたが、その同じアルカイダ系イスラム武装勢力が襲撃を繰り返しているシリアでは、反対にアメリカはこのアルカイダ系イスラム武装勢力を支援しているのであるから、アメリカを始めとする欧米諸国、つまりNATO勢力がいかに二枚舌的存在であるかが分かろう、というものである。彼らには一切の大義もなければ、正当性もない

 では何故、フランスのマリに対する軍事介入なのか、という点を見れば、それが相も変わらず資源の争奪戦である、ということなのだ。マリが天然資源に恵まれている国であり、そのためフランスは旧宗主国としてその利権をがっちり掌握しておきたいのである。ところがイスラム武装勢力が資源の豊富な北部の独立を志向しているため、この動きを叩いておきたい、というところからの空爆を中心とする軍事介入になったのである。

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●マリでの戦争:ウラン、金、石油、戦略鉱物の宝庫
http://www.globalresearch.ca/the-war-on-mali-what-you-should-know/5319093
【1月15日 By R. Teichman】

 フランス政府は以下のように語った:「イスラム主義者の反乱勢力と戦うマリ政府を支援するためフランスは2500名からなる軍を派遣するだろう。フランスは既にマリに750名を展開させている。フランスの輸送機は15日朝にはバマコに到着した・・・我々のゴールは、我々の介入が終了しマリを去る時、マリが安全で正当な政権と選挙があり、領土を脅かすテロリストが存在していない、と言う状態を確立することだ」

 これが公式のフランスとフランスを支援する者たち言い分である。そしてこれが主流メディアで流されている報道内容だ。

 フランスはNATOメンバー国によって支援されている。アメリカのレオン・パネッタ国防長官は、アメリカはマリにおけるフランス軍に情報提供をしていることを認めた。カナダ、ベルギー、デンマーク、ドイツはフランスの侵略を支援して、反乱勢力を粉砕するために物流面での支援を約束している。

 このような言い草を信じるとすれば、我々は本当の紛争の理由について勘違いをすることになるだろう。マリの天然資源を見れば、何が問題なのかはっきり分かるだろう。

■マリの天然資源

:マリはアフリカで三番目の金の産出国であり、大規模な採掘が進んでいる。・・・マリでは現在7ヵ所で金採掘を行っている。・・・

ウラン:いくつかの企業がウランの鉱床探査を進めている。ファレアでは5000トンの埋蔵量が予想されている。ガオ地区では200トンが見込まれている。・・・

ダイヤモンド:カイェスでは30のキンバリー岩の鉱脈が発見され、その内8つはダイヤモンドが少量含まれていた。シカッソ地区では8つの小粒のダイヤモンドが採掘された。

宝石類は以下で発見されそう:

ニオロとバフォラベ:ガーネットと珍しいmagnetic mineral
ブグニとファレメ盆地:ペグマタイト
ルグルマ:ガーネットと鋼玉
ラドラーデイルフォラ:ペグマタイトとメタモルフォージング・ミネラル
オンボリ・ドゥエンツァ地方:クウォーツと炭酸塩.

鉄、ボーキサイト、マンガン:マリには相当な量が存在しているが採掘されていない。ヂディアン・ケニーバ地区とディアムとバレに200万トンと予想される鉄鉱が埋蔵されている。

ボーキサイトはキタ、ケニーバ、バファンに120万トンが埋蔵されていると考えられている。バファン・マカナ、トンディビ、タシガでは少量のマンガンが発見されている。

炭酸カルシウム岩:ガンガテリに1000万トン(の予想埋蔵量)。アストロに3000万トン、バー・エル・エリに220万トン。
 
:可能性としてバファン・マカンとウアタグナ。
大理石:セランケグニーに1060万トン(の予想埋蔵量)が、マタマディバヤに痕跡が確認されている。
石膏:タウデニトに3500万トン(の予想埋蔵量)、ケレイトに370万トン。
カオリン:ガオ近郊に予想埋蔵量1000万トン。
リン酸塩:タマギレルト近郊に予想埋蔵量1200万トン。その他の4カ所に1000万トン埋蔵が予想されている。
鉛・ 亜鉛:テサリト近郊に予想埋蔵量1700万トン。
リチウム:ブグニ近郊に予想埋蔵量400万トン。
瀝青:アガモールとアルムストラト近郊に予想埋蔵量8億7000万トン。
褐炭:ブレム近郊に予想埋蔵量1300万トン。
岩塩:ダウデニ近郊に予想埋蔵量5300万トン。
珪藻岩:ドゥナ・ベリ近郊に予想埋蔵量6500万トン。

その他石油探索が継続されている。またヨーロッパ向けの石油パイプラインの戦略的ルートとしての可能性も浮上している。

このような状況にあるのがマリ共和国である。
どのようなニュースが主流メディアによって報道されようと、今度の新しい戦争のゴールは、国際的企業がマリの天然資源にアクセスすることを保証するためのものである。爆弾と銃弾でマリでなされていることは、アイルランド、ギリシャ、ポルトガル、スペインで負債による奴隷化を通してなされている。そして人々は苦しみ死んでいく。

ガーディアン紙は2日前に以下のように報じた。「人的被害はまだ分かっていないが、12日夜なされた国営テレビにおけるコミュニケでは、コナで少なくとも11人のマリ人が殺害されたという。コナのソリー・ディアキテ市長は、『死人の中には空爆を避けようとして川に飛び込んだために死んだ子供たちも含まれる。その他の者たちは、自分たちの畑あるいは屋外で殺害された者もいる。避難しようとしていた。川で溺れる者もいた。少なくとも3人の子供たちが川に飛び込んだ。彼らは向こう岸に渡ろうとしていた。またインフラに深刻な被害があった』と市長は語った。彼は家族と避難し現在はバマコにいる」

実際の被害がどれほどか、誰も分かっていない。

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11日にシリア情勢についてアメリカと話し合いを行うロシアのボグダノフ外務次官

◆1月10日

 1月8日号「ロシア艦隊が欧米牽制のためシリア沖に集結」で示したように、アメリカはシリア問題の解決に向けてロシアと話し合いを行うようだ。明日11日次ジュネーブでブラヒミ国連特別代表を加えて三者が会談をするという。

 今までの暴力による政権転覆のやり方からの明らかな転換であり、それはまたシリアのアサド大統領が常々言ってきた対話による解決を、米ロが一緒になって進めるということになったことを意味する。

 この中で、ロシアのボグダノフ外務次官はシリアのアサド大統領の6日に発表された考え方をたたき台とする、と語っている。それをアメリカ側が呑むかどうかは分からぬが、ほぼ二年間にわたるシリアでのアサド政権転覆のための謀略は、シリア政府軍の確固とした団結力と強固な反撃精神で、破綻しつつあることを認めたからに他ならない。

 恐らくは欧米は数千人のゲリラがテロ攻撃をし、それを契機にシリア内で内戦が起きれば、すぐにもアサド退陣の声がシリア全土に満ちて、アサド政権は簡単に崩壊すると読んでいたのであろうが、実際は彼らの「読み」は間違っていたため、そのようにはならず、これからも傭兵だけではシリア政府軍に勝利できる展望は開かれず、また外国がリビヤのように軍事介入することはロシアが許さないであろうから、まして反政府勢力内の混乱状態もあって、シリアに対する考え方を変更したのであろう。

 結局、反政府勢力に武器と資金を流してきたのが湾岸アラブ諸国であり、その作戦を側面から支援してきたのが、欧米、トルコ、イスラエルであったが、これからはその反政府勢力に向けた武器と支援の流れは途絶え、シリアで「選挙」などの方法を通して、新しい指導者が決められていくことになる可能性が高い。その際、アサド現大統領が再選される可能性もある、ということになるだろう。

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●11日に米ロの代表がシリア問題で会談
http://www.sana-syria.com/eng/22/2013/01/09/461031.htm
【1月10日 SANA】

 ロシアの中東特使で外務次官のミハイル・ボグダノフは9日、ブラヒミ国連特別代表と米ロの代表がジュネーブで11日に会談を持つ、と発表した。ボグダノフはロシアを代表してシリア情勢についてのブラヒミ報告を議論すると語り、ウィリアム・バーンズ国務副長官がアメリカから出席すると語った。

■ロシアの外務次官:アサド大統領の提案したポイントは議論されるべき
 
 ロシアはアサド大統領が提案したポイントはシリア危機の解決のためには考慮されるだろうと期待を表明した
 9日に発表されたロシアの外務次官の声明は、ロシアはシリア危機の解決に向けて、ジュネーブ声明と1月6日に発表されたアサド大統領のアイデアをたたき台として、積極的な模索がなされることを期待すると語った。
 ロシア外務省は、シリアの主権、独立、領土保全、外国勢力の干渉の排除を基礎として国家の改革のためにシリアの指導部は、シリア人同士の対話を始める用意があると指摘した。
 「我々は国際法の原理を基礎としたシリア内での対話を通して、シリアにおける政治的決着に至れるよう、決定的ですばやい進展をなすことが必要だ」とロシア外務省は語った。

■ボグダノフはシリア大使とシリア情勢について会談
 
 ロシア大統領の中東特使で外務次官のミハイル・ボグダノフはモスクワのリアド・ハダド・シリア大使とシリア情勢について議論した。
 ロシア外務省の声明は、即時停戦を基礎とした国民対話を通してシリア内の危機の解決方法がこの会談で話し合われた、と述べている。
 この文脈では、シリア大使は、アサド大統領の1月6日における演説に示されている内容を含む危機を終息させる政治的な計画について語った。


●11日に米ロと会談=シリア問題代表―アサド提案も「考慮」
【1月9日 時事通信

 【モスクワ時事】ロシア外務省は9日、声明を発表し、シリア内戦の調停に当たる国連・アラブ連盟共同のブラヒミ特別代表と米ロ代表との3者会談が、11日にジュネーブで行われると明らかにした。ロシアからボグダノフ外務次官、米国からバーンズ国務副長官が出席する。
 声明は、シリアのアサド大統領が6日の演説で提案した危機打開案も会談で考慮されると指摘した。大統領はブラヒミ氏の和平案を拒否し、欧米などが批判しているが、ロシアにはアサド政権の孤立化を避ける狙いがあるとみられる。 


●シリア内戦に米露調停必要 ブラヒミ代表がロシア訪問へ
【2012年12月27日 共同】

 国連とアラブ連盟合同のシリア特別代表、ブラヒミ氏は27日、シリアの首都ダマスカスで記者会見し、内戦を終わらせるための米国とロシア主導による調停案が「現段階ではない」と述べ、危機打開には両国の協力が必要だとの認識を示した。

 一方、ロシア外務省のルカシェビッチ情報局長は27日のモスクワでの記者会見で、ブラヒミ氏が29日にモスクワを訪問し、ロシアのラブロフ外相と会談すると発表した。ブラヒミ氏とラブロフ氏が「シリア政権側と反体制派の暴力停止と対話の開始に向けたブラヒミ氏の最近の努力」などをめぐって話し合うという。

 ブラヒミ氏は最近、シリアのアサド大統領に、反体制派も参加した移行政府の樹立を提案したとの報道もあり、こうした案でも意見交換する可能性がある。

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クリントン女史はイランとの秘密交渉に臨む途中で飛行機事故に遭った?

◆1月3日

 アメリカのクリントン国務長官が年末から姿を見せなくなり、やがてインフルエンザだとか腹痛、果ては脱水症状で失神し、脳震盪を起こし、そこで血栓が見つかり云々という経過らしきものが発表され、今年に入ってから病院から退院した、というニュースが流れた。

 この件について中東地域を中心に「噂」が沸きあがったようだ。時期を同じくして米海軍シールズ要員のジョブ・プライスが突然死んだ事実があり、インターネットのあるサイトではクリントンの怪我とこのプライスの死とは同じ事件の犠牲者たちだ、と指摘しているものがあるのだ。

 イランとの秘密交渉のためイラン南部のアバズを目指したが、航空機に何らかのトラブルが生じて緊急着陸した際の事故で、プライスは死亡、クリントンは怪我をした、というのである。その他の随行員も負傷したようだ。

 もしもこの話が本当だとすれば、オバマ政権がイラン問題をなんとか収拾しようとする努力を嫌う勢力が航空機に細工をしたとも考えられる。オバマ大統領はクリントン長官の復帰を断念したのか、ジョン・ケリーを次期国務長官に指名したのもこの時期である。

 我々一般人には知られないところで、さまざまな勢力が駆け引きを行っていることは想像に難くない。今回のこの件もその一つである可能性は否定できないだろう。デブカファイルはイスラエルの軍事情報関連サイトであり、彼らのもたらす情報はそれなりの信憑性があるものだからだ。

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●ヒラリー・クリントンはイランで飛行機事故に遭遇し負傷したのか?
http://debka.com/article/22645/Hillary-Clinton-in-hospital-amid-speculation-of-plane-accident-in-Iran
【12月31日 DEBKAfile Special Report】

 ヒラリー・クリントン米国務長官が脳震盪による血栓のためニューヨーク長老教会病院に12月31日に入院したというニュースは、彼女の現在の病状に関して陰謀論と噂を惹き起こしている。この病院は長官は抗血液凝固剤の投入を受けており彼女の病状は48時間後に判断するだろうと語った。

 しかしながら、NBCテレビの医療特派員であるロバート・バゼルは脳震盪で血栓ができたということに疑問を持っている。彼は、もしそうならば抗血液凝固剤で処置されることはないはずだ、という。「従ってこれは脳震盪に実際は関係ないことで、彼女は血栓を脚とかに持っているか、ないしは我々が知らされていないことがあるのかもしれない」と彼は語った。

 彼女の状況に関する憶測は去年の12月初旬から出始めていた。彼女が12月6日モロッコのマラケシュで行われることになっていたシリアの友フォーラムへ無断欠席した時からだ。彼女はこのフォーラムの創立者の一人であり、NATOとアメリカがシリア軍の化学兵器の取り扱い方に不審感を強めている時であったからなおさらであった。

 彼女は最初はインフルエンザに罹ったと言われ、三日後の12月9日には腹痛を起こしたと言われた。また上院の情報委員会でベンガジでの米領事テロ攻撃について証言をすることになっていた12月11日の前日の10日に、脱水症状で失神した後、脳震盪を起こしたと国務省が発表した。

 このようなケースでは通常は発表される詳細については何も発表されなかった。国務省筋はただ、「深刻ではない」とだけ言うだけだった。

 別の非公式の情報によれば、彼女は明らかに自宅で仕事をしていた、という。オフィスの誰も彼女の仕事を代行しているようには見えなかった。そして12月21日、次の国務長官としてマサチューセッツ州上院議員のジョン・ケリーが指名された。クリントンは少し前にオバマ大統領の次の任期が始まる際に辞任することを語っていた。彼女は大統領とケリーと話し合いをしたと言われ、ケリーについて彼女は長期の軍事的、政治的、外交的キャリアにおいて能力を証明している、と語ったと言う。この時には彼女の健康状態に関することは何も語られなかった。

 しかしイランとアラブ首長国連邦では、デブカファイルは既に、クリントンは12月の最初の週でこの中東での秘密のミッションを遂行する最中に深刻な怪我をしたという噂を聞いていた。その中の一つは、同じ事故で彼女の一行の中のアドバイザーとか護衛要員などが負傷したり死亡したりした、と言っているのだ。これらの噂では何が彼女の秘密のミッションなのか、という点については語られていない。しかしながら、この事故は12月1日の直ぐ後に起きたと言われ、デブカファイルが報じたように、それはオバマ政権高官とアリ・ハメネイ師の代理とがイランの核問題で秘密会談を行ったという時期である。

 我々の情報筋はこの両者の交渉人が誰だったかは特定していないが、流れている噂の一つは、クリントンは3週間前、この問題についてアハマディネジャド大統領との秘密会談に臨むところだった、というものだ。バハレーンからバクダッド行きの予定にあった、彼女を乗せた航空機は、空中で方向を変えイラン南部のフゼスタンの首府であるアバズに向かった、という。そこでアハマディネジャド大統領がクリントン長官の到着を待っているというのである。しかし航空機がトラブルを起こし緊急着陸をして、その時クリントン長官が怪我をした、というのである。

 アフガンでシールズのコマンダーであったジョブ・プライス司令官(42歳)の不審な死がこの事故と結び付けられて語られている。この時、国防総省は、彼の12月22日の突然の死については調査中だと発表した。今は、コマンダー・プライスはクリントン付きの警護チームの責任者でこの事故の犠牲者であることが示唆されている。

 このような噂の影響は公式に否定されるとますます広まるものだ。とりわけクリントン長官が異常とも言える長期に渡って公衆の前に姿を現わしていないのだから。26日病院で約束した48時間後に成されると言われた彼女の「脳震盪と関連するその他の問題も含む」状況についての判断が待たれたが、この病院はその後、「担当医がその他の必要な措置があるかどうかを決めるだろう」と語った。


●クリントン長官が退院=療養中も国務省と連絡―米
【時事通信 1月3日】
 【ワシントン時事】米ニューヨーク市内の病院で頭部の血栓治療を受けていたクリントン国務長官(65)が2日、退院した。CNNテレビは、夫のクリントン元大統領や娘のチェルシーさんに付き添われて病院を後にするクリントン長官の姿を放映した。国務省は声明で、同長官の病状について「あらゆる面で回復しつつあり、医師団は全快すると確信している」と述べた。
 同長官は昨年12月半ばからウイルス性の腹痛を訴え、自宅で静養していたが、脱水症状で倒れ脳振とうを起こした。この際に血栓ができていたことがその後の診察で判明し、同30日に入院して抗血液凝固剤の投与を受けた。
 国務省によると、同長官は入院前日の同29日、国連・アラブ連盟共同のブラヒミ特別代表やカタールのハマド首相とシリア情勢などをめぐり電話で意見交換。入院後も職員らと電話で連絡を取り、書類に目を通していた。 
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次期国防長官の呼び声高いチャック・ヘーゲル前上院議員


◆12月26日

 オバマ大統領は二期目の大統領職を開始する際の国防長官に前共和党議員だったチャック・ヘーゲルを起用する可能性がでてきている、という。この人物はベトナム戦争を経験した人物で勲章も授与されている、という。

 この人物はアメリカの保守の典型的な人物らしく、無茶な戦争とか外国への介入に批判的だという。今までのアメリカ外交に多大な影響を与えてきたネオコンの考え方と真逆な思考の持ち主のようだ。したがって、彼が国防長官になったとしたら、オバマ大統領と一緒になって、今までの親イスラエルの傾斜度が是正され、逆にイスラム教世界との融和が進む、と考えられる。

 以前このブログ上で、オバマ大統領が二期目をやれるようになったら、彼はやりたいことをやるようになるだろう、と指摘したが、このヘーゲルを国防長官に、ということがその一つかもしれない。それを突破口として、今までのアメリカの戦争屋的姿勢が是正され、特に中東では介入の度合いが減ることになるだろう。

 これは同時にイスラエルにとっては危機的状況が迫ってくることになるだろう。いよいよオバマのアメリカがイスラエルと距離を置き始める嚆矢となるからだ。そしてアメリカがシリア、イランとの関係を改善するようになれば、イスラエルも今のタカ派一辺倒の姿勢を改めざるを得なくなるだろう。

 このブログでは、これからの世界を考えた時、ロシアではプーチンが再選されること、アメリカではオバマが再選されること、日本では石原新党がキャスティングボードを握れる政党になること、が大事であると書いたことがあった。今、それがほぼ達成された状況になったことで、世界はなんとか持ち応えて進むことになったと判断することができそうだ。ただし2013年、2014年の世界的経済混乱と天変地異の増大はあるし、日本では中国との尖閣諸島問題が増大するだろう。

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●アメリカの新国防長官に最適なチャック・ヘーゲル
http://www.cato.org/blog/chuck-hagel-would-be-excellent-secretary-defense
【12月13日 By Christopher A. Preble】

 オバマ大統領が次の国防長官にチャック・ヘーゲルを指名するという噂があるが、これは何年も続く戦争と外交的な混乱、そして国防総省のメチャクチャな支出に嫌気がさしている人ならば誰でも歓迎すべきことだ。

 イラク戦争、アフガン戦争、リビヤ戦争、そして可能性のあるシリア戦争とイラン戦争の最大の推進者たちは脳卒中を起こしている。彼らはそうあるべきだ。
ヘーゲルはベトナム戦争で勲章を授けられたベテランであり、戦争というものを理解し、それに慎重に対する人物だ。

 大統領が明確な決定を示すだろうが、非現実的な国家形成の任務のために米軍を派遣することに反対であるというアドバイスをヘーゲルが行うことを期待したい。

 我々は共和党の別の国防長官の外国への介入を控えめにする基準が復活するのを目にするかもしれない。最低でもヘーゲルは、コリン・パウェルの、「アメリカ兵はなにかの世界ゲーム盤上で動かされるおもちゃの兵隊ではない」という見解を反映してくれるだろう。

 今週初めのアトランティック評議会に対するスピーチは、彼が生涯を通して語っていた見解の多くを包括的に示したものだった:彼は外国との積極的なかかわりに好意的で、アメリカの同盟国がアメリカと協調して共通の課題に対処するため、世界の安全保障に対してより貢献することを願い、また自由貿易に対するゆるぎない擁護者である。

 ヘーゲルは受け入れられるには困難な状況に直面するだろう、というネオコンの主張には賛成できない。デイビッド・ボアズが2010年に指摘したように、ヘーゲルの他の見解で共和党の保守的陣営内で確固とした立場を確立したに違いないのだ。上院の介入主義者の小さな幹部会は別として、その他の共和党員は何が理由で彼の指名に反対するのか? イラク戦争を初期では支持していたという過ちを学んだけれど、他の者たちは学んでいないからか? もしももっと多くの共和党員がずっと前からまともな考え方をするようになっていたら、彼らは上院で多数派となり、ヘーゲルは共和党の大統領によって容易に指名されていたかもしれない。

 私は当時上院議員だったヘーゲルを2007年にキャピタルヒルでのケイトー研究所で紹介したことをうれしく思っていた。我々は2008年に彼の著書について語ってもらう為にケイトーに来てもらった。彼は真摯で思慮深い人物で、国家に尽くしこれからもそうするだろう。私はオバマ大統領が次の国防長官に彼を指名することを心から希望している。

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