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ペトレイアス(左端)とジル・ケリー(左から3人目)

◆11月27日

 ブッシュの時にも不正選挙があったことはほぼ明らかにされているが、今回も共和党のロムニー陣営は何とかしてホワイトハウスを手にする為にその類のことをしたようだ。ただし、それは失敗に終わったらしい。

 清教徒たちが作ってきたアメリカ合衆国では、不倫問題は常に政治家の落とし穴であり、それがためハニーポットといわれる色仕掛けをする女スパイが要所要所で仕事をしている様子が分かる。勿論これはアメリカに限ったことではなく、以下の記事にあるように近代ではヨーロッパのマタ・ハリ事件やキーラー嬢事件が有名だ。

 タープレイが言っているごろつき集団の元締めまでこの問題が行くのか、イグナチウスが言っているように、ほどほどのところで打ち止めにすべきなのか、まだこの事件の行方は分からない。とことん行くとなると、タープレイが示唆しているように、9月11日同時多発テロの黒幕から、記事中にもある、核巡航ミサイル事件の黒幕などが、全世界に公式的に明らかにされるところまでいくかもしれない。タープレイはこのごろつき集団こそが、エスタブリッシュメントだといっているのだから、そうなれば、アメリカ中がひっくり返ってしまうであろう。

 このROCKWAY EXPRESSでは、オバマが再選されれば、彼はやりたいことを本格的にやろうとするだろう、と指摘してきた。ひょっとすると、今回のこの事件を端緒として、そのような方向に行くのかも知れない。ただし、やはり今までのところ、単なるセックス・スキャンダルという話で終わっているから、そのままその線で行く可能性の方が強いようだ。
 
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●ワシントンでのクーデタと反クーデタ (3)
http://www.presstv.ir/detail/2012/11/19/273240/coup-and-countercoup-in-washington/
【11月19日 Webster Tarpley-Press TV】

■マタ・ハリ
 
 マタ・ハリのやり方は、フランス人将校たちを誘惑し、彼らの持つ秘密情報をドイツに送る、というものだった。ペトレイアス辞任劇のカバーストーリーには、ポーラ・ブロードウェルとの情事が含まれている。彼女は「オール・イン:ペトレイアス将軍の教育」という将軍の伝記を書くことでアフガンにいるペトレイアスと親密になった。ブロードウェルは統合特殊作戦コマンドでの経験を持つ軍事情報部の中佐で、複数の証言によれば、アラビア語を解する、という。

 彼女は、トップシークレットにアクセスできる許可「と、それ以上も」持っている、と語っている。彼女はオバマのホワイトハウスとカール・ローブと共に親しく交流してきた。こういったあらゆる事を見れば、彼女が知っていたかどうかは別として、ペトレイアスを落し入れるために利用されていたのであり、彼女はその意味で成功したのだ。彼らの情事がFBIの知るところとなった時、そして共和党議員らにそれが漏洩された時、彼はオバマを引き立てた情報界のドンであるジェームズ・クラッパーに辞任するよう告げられたのだ。

 ジル・ケリーと彼女の双子の姉妹であるナタリー・カワムは情報界の花である。彼女らはペトレイアスとアレンをハエ捕り紙に引き寄せることに集中した。


■ごろつき集団は弱体化したが終わってはいない

 アメリカのごろつき集団は2001年9月11日以来、際立って活動的であった。この事件には彼らの関与が強く示唆されていた。2007年の春、チェイニー副大統領はごろつき集団のためにシリアへの攻撃を行うよう議論していた。2007年の8月と9月に、核巡航ミサイル6基を搭載したB-52爆撃機がごろつき集団によってハイジャックされ、北ダコタからたぶん中東での爆撃のミッションの途中と思われるルイジアナに飛ばされた。このB-52はルイジアナのバークスデール空軍基地に到着した。数ヵ月後、ロバート・ゲイツ国防長官はマイケル・W・ワイン空軍長官とマイケル・モスレイ空軍参謀長を核兵器のお粗末な管理のため解雇した。ジェームズ・R・シュレシンガーの特別委員会が核の安全性についてと、恐らくは誰を解雇すべきについて吟味した。情報通の専門家らにとっては、これでごろつき集団に対する突破口が開かれたのだ。

 2009年のクリスマスの日、ナイジェリア人のムタラブがデトロイト上空で民間機を爆破しようとした。1月の最初の週に、MSNBCのリチャード・ウォルフェは、連邦の高官らがムタラブの工作が封じられることを阻止しようとしたとオバマのホワイトハウスが結論付けた、と報じた。彼らはオバマ政権にダメージを与えたかったからだ。更にその後、パトリック・ケネディ国務次官は下院委員会に国務省はムタラブのビザを取り消すことを望んでいたが、ナイジェリア人の自爆犯は尾行されているからという口実の下、別の連邦の機関によって阻止された、と告げた。オバマ政権は臆病にもこの件についての公開捜査から手を引いたので、このごろつき集団は今度、ベンガジで再びやらかしたのだ。(この件についてはTarpley.netに書かれている)


■ORCA:親ロムニー派の不正投票が表面化しない理由
 
 情報界と軍関係者のこんなに多くのロムニー支援者のパージは、コンピューター操作による共和党の不正選挙が多くの州で表面化しないことの理由を説明していることになるだろう。タッグ・ロムニーと彼の取り巻き、その多くはベイン・キャピタルの投資家たちが20州ほどの投票マシーンの管理権を悪名高く手に入れていた。オハイオ州もそれに入る。選挙を強奪する計画を台無しにしたものは何か?おそらく、この作戦は都合よく時宜にかなった、そしてごろつき集団内の情報・軍関係者で親ロムニー派の者たちを標的にした捜査によって台無しにされ、失敗したのだ。

 この回答は、明らかにORCAの失敗と関係しているだろう。これはロムニーのデータマイニングとデータマネージメント操作のことで、共和党ボランティアが票をかっさらうのを助けるようになっていたものだ。しかし、11月13日にZDNetのデイビッド・ゲウィルツが書いているように、ORCA(シャチ)は「モリを打ち込まれた。岸に乗り上げてしまった。ばたついた。日なたの中で死んだ。失敗だ」。それでロムニーの支援者らがホワイトハウスを手にする希望は打ち砕かれたのだ。

 現在のスキャンダルは尋常ならざることで、それはこのごろつき集団ないしはアメリカの影の政府に光を当てることになったからだ。このトピックはマスメディアには厳重にタブーとされていたことだ。それ故、情報界に精通していると言われるワシントン・ポストのデイビッド・イグナチウスは、打ち止めにする時期だと既に警告を発している。イグナチウスは警告して、日光は「間違った環境下では毒」になる、と言っている。

 「何故、それが危険かということを理解するために、『クルーシブル』と『歴史の教訓』を取り上げよう」とイグナチウスは締めくくっている。別の言い方をすれば、ごろつき集団の一切、つまりエスタブリッシュメントの一切を巻き込む恐れが出る前に、パージを打ち切る次期だ、というのだ。愛国的市民と平和を望む人々は反対に、この暴露が継続して成されることを期待している。

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ペトレイアスと不倫相手とされるポーラ・ブロードウェル

◆11月27日

 タカ派の将軍たちの多くがパージの対象になったようだ。そのため、イスラエルのネタニヤフ首相は計画通りのイラン攻撃はしにくくなったようだ、とタープレイは指摘している。

 オバマ大統領が再選されることをこのROCKWAY EXPRESSでは望んでいたことを示してきたが、その理由はロムニーが大統領になれば、イラン攻撃が実施される可能性が高まるからであった。その読みは、今回のこのタープレイの指摘を見れば、正鵠を得たものであったことがわかる。

 今後、このオバマ政権は中東をどのようにしていくのかが注目される。現在シリア問題があるが、この問題の拡大を目指すのか、逆に今回のパージを節目として、方向転換し、アルカイダ系テロリストの攻撃にさらされているシリアのアサド政権を維持する方向になるのか、注目したい。 

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●ワシントンでのクーデタと反クーデタ (2)
http://www.presstv.ir/detail/2012/11/19/273240/coup-and-countercoup-in-washington/
【11月19日 Webster Tarpley-Press TV】

■長いナイフの夜 
 
 オバマ陣営に対する米軍将校のキーとなるメンバーの嫌悪はペトレイアスの友人のコメントを通して示されている。それは戦争屋のスタンレイ・マクリストール将軍で、彼は2010年6月に解雇されている。ペトレイアスに加えて、以下の将校らが、辞任あるいはスキャンダルに巻き込まれたり捜査対象になっている。

 ジョン・R・アレン海兵隊大将は今、トラブルの渦中にある。アフガンのアメリカ軍司令官のアレンはスタボリディス提督に代わってNATO軍総司令官になるはずだった。しかし、オバマはこの指名を保留にしている。アレンは不適切な関係をフロリダのタンパのホステスで社交界に出入りしていたジル・ケリーと持っていたことで非難されている。彼女はレバノンのカワム家の出である。ケリー夫人は中央軍のマクディル空軍基地の将校たちの社交サークルにたくみに取り入っていたのだ。

 アレンとペトレイアスは両者ともども、ケリーの双子の姉妹の件で、判事に手紙を書いていた。何人かの証言によれば、アレンは3万ページないしは3万通の電子メールをここ数年間でケリーに送ったという。アレンはそれを否定しているが、手書き文書は残っている。

 アメリカ・アフリカ軍司令官のカーター・ハム将軍は、ベンガジ領事館での襲撃時にそれを阻止するため軍を派遣することを怠った。パネッタ国防長官は10月18日、ハム将軍は解雇されるだろうと発表した。ハムは自発的に退役する決意をした、と公的に言われている。

 ジェームズ・G・スタボリディス提督は、個人的生活における贅沢な支出のため海軍長官レイ・マバスに公的に叱責されている。その中には、フランスでの宴会も含まれる。

 (その他の将校等:ウィリアム・E・キップ・ワードっ将軍、パトリック・J・オレイリー中将、チャック・ガオエッテ海軍少将、ジェフリー・シンクレアー准将、ジョセフ・E・ダーラク司令官、クリストファー・E・クバシク元ロッキード・マーチン社会長)

 もとより、現在の時点でこういったケースのどれほどが真実であるのか、何人がホワイト・ハウスを標的とした工作に関与していたのか、知ることはできない。 

 大統領選後の木曜日、パネッタ国防長官は統合参謀本部議長のマーチン・デンムシー将軍に上級将校たちの不適切な行動の広範囲な再調査を命じた。一般大衆は、この再調査は主に、姦通、セクハラ、横領、その他の類のことと考えるだろう。しかし、実際は、2012年9月・10月の親ロムニー派のクーデタ工作に関わった将校たちのパージであるらしい。

 これらの人々が取り除かれることで、イスラエルのネタニヤフが計画したようなイラン攻撃を行うことは困難になったと考えられる。それで彼はガザでの小規模戦争を始めることを、米・英・イスラエルの戦争グループを安定化させる方法として仕方なく選択したのである。このごろつき集団は、今や傷ついた獣となり、より一層危険な存在になったと考えるべきである。   (3)に続く

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スキャンダルで辞任したデイビッド・ペトレイアス将軍

◆11月26日

 アメリカ権力構造の内部では、外部のものには知られない方法で権力闘争が行われていて、その一旦が今回のペトレイアス将軍のスキャンダルとして表面化したという。

 対イランに関して、あるいはそれは一つの切り口であって、要はアメリカを再度ブッシュ時代のような戦争屋国家へと戻すことを願うネオコンを中心とするタカ派連中が、オバマ追い落としのために仕掛けたのが、リビヤのベンガジでの米大使殺害事件だったという。

 長編なので、3回に分けて掲載することにする。

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●ワシントンでのクーデタと反クーデタ (1)
http://www.presstv.ir/detail/2012/11/19/273240/coup-and-countercoup-in-washington/
【11月19日 Webster Tarpley – Press TV】

 今年、ある将軍たちのグループは、リビアのベンガジでの事件を起こすことで、そしてそれを大統領選の騒ぎの中で進めることで冷たいクーデタのサインとして、恐らくはコンピュータ関連の不正選挙を利用して、オバマを引き摺り下ろし、ミット・ロムニーを大統領にさせることが出来ると考えていた。しかし、彼らの計画は予定通りには行かなかった。

 政治家らは時には将軍たちのパージをする。フランスの秘密部隊(OAS)が1961年4月、アルジェリアでその独立を阻止しようとして反乱を起こした時、ドゴール大統領は何人かの将軍たちとその他の将校らを牢獄に送らざるを得なかった。オバマ政権とその取り巻きは、オバマの位置をロムニーに与える為に不正な工作をした何人かの情報・軍事関係高官を解雇したようだ。
 この解雇劇は、大衆の前にはソープオペラ風セックス・スキャンダルの装いで示された。これは実際の権力のメカニズムを大衆の目から隠すことを狙ったものだ。アメリカ軍のこの解雇されたグループはイラクやアフガンでの植民地戦争の拡大を望んでいた者たちであり、またイラン攻撃にも賛成していた者たちであった。


■ペトレイアス将軍:イランとの戦争を望んでいたネオコン
 
 最も劇的な没落劇はデイビッド・ペトレイアス将軍の例だ。CIA長官でもあった彼はイランとの早期の戦争を推奨していた人物の一人だ。その他のごろつきたちが続いている。その結果は、ごろつきネットワークあるいは見えない政府の一部が、何を目撃しているかということを理解できる十分な知識を持つ者たちによって見られるようになった、という珍しい機会になったということだ。しかし今回はほんの表面を削った程度である。

 ロムニー支援者らはネオコンであり、ブッシュ時代の生き残りであり、情報関連者の中のモルモン・マフィアのメンバーたちだ。オバマ支援者らは、ブレジンスキー・ナイ系のソフトパワーグループであり、イラン戦争に反対する軍関係者たちだ。ネオコンと反動的モルモン教徒らは侵略的戦争と在庫一掃爆撃をアメリカの外交政策として再開したがっている。彼らは無人機や暗殺を好むが、中東にアメリカの十分な通常戦力を維持しておきたいと望んでいる。

 親オバマグループは大掛かりな介入は避けたいと思っている。彼らはサイバー戦争、無人機、暗殺、爆撃、特殊部隊による襲撃、経済制裁の形での経済戦争、技術面での禁輸などを望んでいる。彼らがシリアのような国家を破壊したい場合は、アメリカの直接的介入とか爆撃を好まず、トルコとかアルカイダネットワークのような代理者を利用し両者ともども弱体化させることを狙っている。それ以上に、彼らはカラー革命を好み、ソフトパワーによる政権転覆を望んでいる。

 ベンガジの領事館は通常では相当な軍事力が備えられてあるCIAの持ち場であった。スティーブンス大使はCIAとの間に強いコネクションがあり、ベンガジ・デルナ・トブルク回廊の、アルカイダと繋がるテロリストとの関係を持っていた。彼らをアメリカはシリア攻撃に使用している。彼のトルコの外交官との最後の会話は明らかにこの件での会話だった。 

 スティーブンスとその他の者たちは、イスラム戦士との関係は友好的だったため恐れることは何もないと考えていた。スティーブンスを殺害した時の襲撃はスフィヤン・クムという、何年かガンタナモに収容されていたが、後にカダフィを倒す為のCIAの工作員となった人物の配下の勢力によって成された。近くにいたCIAの軍事グループはCIAの司令組織によって動かないよう命じられていた。

 反乱軍の指揮をとるためCIAの工作員であったヒフター将軍を助ける為、2011年の夏ヨウネス将軍を暗殺した別のCIAの工作部隊である2月17日マルチール旅団は、追加の警備のための契約をしていたが、これもまた介入しなかった。
 ペトレイアス将軍はその夜は映画鑑賞に出ていた。9月14日、ペトレイアスは情報委員会に対して、ベンガジ事件は突発的なものであり、示威行為が暴動に発展したものだ、とした。

 これがスーザン・ライスがテレビで9月中旬に語った流れである。オバマ政権はどんな場合であってもリビヤをアルカイダに引き渡したという事実を隠蔽することに熱心であった。ベンガジ事件のゴールはオバマに疵をつけることで、CIAはペトレイアスによって指揮されていた。

 ペトレイアスは2011年9月6日にCIAにやって来た。一月以内にイランのクァッズがワシントンのサウジ大使の暗殺を計画しているという馬鹿げた非難という形でイランに対する挑発行為が成された。情報世界の専門家であるデイビッド・イグナチウスは当時、この信じがたい工作物語が信用された理由は、「CIA(ペトレイアスのこと)と他の情報機関は、情報提供者からの、クァッズとイラン革命防衛隊を示唆する「おいしい情報」を立証する情報を集めていたという事実のためである。

 実際は、この情報提供者は、麻薬取締局かムジャヒディン・エハルク(MEK)という、アメリカによってイラクに維持されている反イランのテロリストたちである。このMEKは国務省のテロ組織から除外される恩恵をうけている。この工作のゴールは、NATOとイランとの間の緊張を解く外交的解決への道を頓挫させることにあった。

 ワシントンでは、ネオコンのペトレイアスは常にベトレイ・アス(我々を裏切る)将軍と考えられていた。ブッシュの軍閥将軍であり、イラク戦争の指揮官であった。彼は民間のタカ派ネオコンのお気に入りで、アフガンとイラクでの失敗の後、ネオコンは彼を権力に返り咲く乗り物と見ていたのだ。
 ペトレイアスのネオコンの案内人はフレデリック・カガンとマックス・ブーツであった。オバマは常にペトレイアスが大統領選に出ることを恐れていた。そしてロムニーが指名を獲得した時は、ペトレイアスが副大統領候補になることを恐れた。

 1941年12月6日の夜、ルーズベルト大統領にダメージが与えられるとして、真珠湾攻撃が起きることを願っていたので、いくつかの口実の下、都合よくグループの外部に留まっていたジョージ・マーシャル将軍のように、ペトレイアスはベンガジ攻撃の時はカナダ大使館のアレゴ映画館にベン・アフレックと一緒に映画鑑賞のために出かけていた。この映画はイランでの1979年のCIAの工作を扱ったものだった。  (2)に続く

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NATOのアフガンでの麻薬生産を非難するイランのアリ・モアイェディ将軍

◆11月14日

 イランの将軍がNATOがアフガンで麻薬生産を増大させている、と非難した。このアフガンでの麻薬生産問題は、このROCKWAY EXPRESSでも早くから指摘してきたが、これも金の為であると同時に、密輸相手国の、特に青少年たちを破壊することも目的にある。

 ロシアでもこのアフガンからの麻薬流入で2011年で10万人以上の青少年が死亡している、という。人的被害がこれほど酷くなるのだから、当局が苛立つ理由もわかる。これは武器を使用しない、もう一つの戦争でもある。

 あの清のアヘン戦争・・・あの構図が100年経っても生きているわけだ。その国の人々をアヘン漬けにし、抵抗力も失わせ金を搾り取る・・・まさにアヘン・麻薬は悪魔の所業なのだ。これは根絶しなければならない。またアメリカとNATOも、アフガンから撤退し、アフガンのことはアフガン人自身に任せるべきである。

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●イラン司令官:NATOはアフガンで麻薬生産を増大させている
http://english.farsnews.com/newstext.php?nn=9107118784
【11月12日 Fars News Agency】

 「アフガンに国際的な軍が存在することで麻薬生産と密輸の脅威は継続することになろう」と12日、アリ・モアイェディ将軍は語り、「この国際的ジレンマを終息させる最重要な方法は、アフガンからこの軍を撤退させることだ」と付け加えた。

 「NATOと、その他の外国勢力がアフガンに駐留していることで、麻薬生産が減少したわけではなく、むしろ増大している」と彼は語った。

 イランの東側国境にあるアフガンは、世界一のアヘン生産と麻薬生産の地である。イランの地理的位置は、アフガンからヨーロッパへ密輸しようとする業者たちにとって麻薬の密輸回廊として適している。

 イランは何十億ドルと数千人の警備隊を密輸業者らとの戦争で失っている。厳しい取締りのお陰で、イランは世界のアヘン押収の89%を占めている。また麻薬対策における指導的位置を占めるにいたった。

 イラン警察は、アフガンの麻薬生産はアメリカが2001年にアフガンに侵攻して以来、40倍に増大していると主張している。

 タリバン政権下ではアフガンでは年間185トンのアヘンを生産していただけだったが、国連の統計によれば、アメリカが侵攻して以来、麻薬生産は年間3400トンになった。2007年にはアヘン貿易はかつてない推定8200トンにまでになった。

 アフガンと欧米高官らは、NATO同盟国は10年前に侵攻して以来、麻薬問題を「黙認」してきた、と言ってアメリカとNATOをこの点で非難している。

 先週、ロシア連邦麻薬取締り局長官のヴィクトール・イバノフは、ロシア向けの麻薬の積荷はアメリカ軍が撤退してから減少したと言って、アメリカをアフガンからロシアへ麻薬を密輸している主要な存在として非難した。

 「ロシアへのアフガンからの麻薬の流れは、アメリカがアフガンから撤退するやいなや減少するだろうと確信している」とイバノフはエコー・モスクヴィー・ラジオに語った。

 イバノフは以前、アメリカ軍とNATOによる麻薬対策を批判し、2014年に予定されているアメリカ軍の撤退を強く推進した。

 彼はまた、ロシアでは2011年に15歳から34歳までの青少年らが10万人以上、麻薬のために死亡していると語った。

 イバノフは以前、ヘロインの形で30トンの麻薬が殆どがアフガンから毎年ロシアに流入していた、と語った。

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警備隊と衝突するシーア派のデモ隊

◆11月8日

 一方ではシーア派に属するシリアのアラウィ派のアサド政権に対する反乱騒動があれば、他方このバーレーンでは少数派のスンニー派で支配者の君主と彼の政府に対する反乱がある。要するに、これはイスラム教内部の宗派抗争でもあるのだ。

 一方ではシーア派の本山の立場にあるイランと、そのイランと同盟関係にあるシリア、シリアが支援するレバノンのヒズボラ組織がシーア派陣営にあるとすれば、他方、イランとはペルシャ湾を隔てて敵対する格好となるサウジアラビアとその他の湾岸アラブ君主国がスンニー派陣営としてある。

 何処でもある組織の分派同士というものは相容れない不倶戴天の敵となることが多い。このスンニー派とシーア派の宗教戦争的様相も例外ではない。ただし、面白いことは、シリアのアサド大統領はスンニー派の女性であるアスマさんと結婚しているのだ。二人にとってはシーア派とスンニー派の宗派抗争で血を流す戦いなどあって欲しくないはずであり、アサド大統領も妻の宗派であるスンニー派を敵視してきたのではなく、権力構造にたくみに取り入れ、いわばバランスのとれた政治をしてきたのだ。

 反対にバーレーンでは人口の70%を占めるのがシーア派であり、君主政体の核となるスンニー派の王家の者たちは数百人に過ぎないにもかかわらず、イギリスの支援を受けてこの200年間バーレーンを支配してきたのだが、ここにきてとうとうシーア派住民が立ち上がりつつある、というのが現状だ。これから間違いなくバーレーンの君主政体は崩壊の道を辿ることになるだろう。

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●バーレーン:反対派メンバーの市民権剥奪
http://rt.com/news/bahrain-revokes-citizenship-opposition-114/
【11月7日 Russia Today】

 バーレーン政府は31人の反対派メンバーの市民権を安全保障上の脅威のため剥奪した、と内務大臣が語った。この声明発表は、5日に起きた2人の死亡者をだした爆弾事件の4人の容疑者の逮捕と同時的に行われた。

 この4人とは反対派の有名な指導者たちを含む:ロンドンに本拠を置くバー連人の政治活動家でバーレーン自由運動メンバーのサアエド・シェハビ博士、元国会議員のジャラル・ファイルーズ、バーレーンの反対派グループの中でも有名なハク運動の指導者のハサン・ムシャイマである。

 彼らの市民権は、市民権法第十条に違反したとして剥奪された。この条項は国家の安全保障に対して脅威や損害をもたらす個人の市民権は剥奪させられるとしてある。

 バーレーンはまた6日、五つの爆弾事件に絡んで4人の容疑者を勾留していると発表した。首都マナマで起きたこの事件で二人が死亡した。 

 バーレーン公共治安部長はレバノンのシーア派ヒズボラ民兵がこの事件を起こしたとして非難した。
 
「彼らのテロ行為は、彼らがバーレーンの国外で訓練されていたことを証明している」と、バーレーン通信はサミラ・イブラヒム情報大臣の言葉として報じた。「ヒズボラがやったという証拠は明らかだ」と大臣は語った。

 大臣は、反対派グループはイランの最高指導者であるアヤトラ・アリ・ハメネイ師の方針に従った戦術を適用している、と語り、親イラン系テレビ局をバーレーン内での紛争を支援しているとして非難した。

 バーレーンはシーア派のイランのことを、いくつかの騒動を教唆しているとして非難したが、イランはそれを否定している。ヒズボラも同様、バーレーン内の事柄に介入していることを否定した。ただしヒズボラはバーレーンを支配しているスンニー派の君主政体をこの危機を操っているとして批判してきている。

 バーレーンはアメリカの第五艦隊の本拠地である。アメリカの同盟者でスンニー派支配の政府は、親民主主義的で大部分がシーア派の反政府運動を弾圧することに躍起となっている。

 湾岸強力評議会(GCC)の中で最強国でイランの主なる敵であるサウジ・アラビアはバーレーン王を民衆の反乱から強烈に支援し、サウジ軍をバーレーンに派遣したことがあった。

 2011年2月から始まった反乱以来、バーレーン警察は残虐な方法で対応してきており、深夜にシーア派の家屋に押し入る、囚人の医療を拒否する、検問所で勾留者を叩くなどの行為で非難されてきている。

 3000人ほどが逮捕され、少なくとも5人が拷問で拘留中に死亡している。2012年4月までに80人以上が反乱で死亡している。

 先月、バーレーンのブローガーの1人は、支配しているこの君主政体を侮辱したかどで6ヶ月の懲役を言い渡された。別の4人はツィッターで王を侮辱したかどで逮捕された。

 10月には、バーレーン法廷は「不法なデモに参加」したために3年間の懲役を言い渡された人権運動家のナビール・ラジャブの判決停止の訴えを却下した。

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