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暴動化するトルコの反政府デモ

◆9月16日

 シリアへの軍事攻撃が一旦回避される中、このシリアの紛争で反政府側を支援してきた中東の有力国家であるトルコでは、エルドアン政権に対する反政府デモがこの六日間継続して起きている。またこのトルコでのデモではデモ隊員らが既に6人死亡している。

 日本でデモ隊が6人も死んだとなれば、大騒ぎであろうが、トルコなど中東のデモでの死亡だと日本の新聞にも掲載されることはなく、掲載されるのは日本人が死亡した時だけだ。しかしトルコでの反政府デモは今後ますます拡大する傾向にある。

 シリアでの反政府デモは、当初より治安警察などが狙われ、当局側に死者が続出したのだ。トルコとは大違いである。2011年4月14日号「武装グループがシリアで騒乱惹起」で示したように、シリアのデモ隊というのは当初から武装した反乱勢力であった。

 しかしトルコでのデモ隊は素手で非武装の真なるデモ隊であり、死者もデモ隊の方からしか出ていない。シリアでの「デモ隊」は実は反乱武装勢力であり、アラブの春とはまるで関係ない政治的陰謀であるが、トルコでのデモは本当の民衆によるデモであり、アラブではないが、「トルコの春」的なデモなのだ。

 このトルコのデモはこれからは本当の反政府デモへと拡大していくことだろう。そしてシリアのアサド政権転覆を狙うエルドアン政権そのものが、足元から揺らぐ事態へと発展していくことだろう正当なる政府であるシリア政権転覆を狙ったトルコのエルドアン政府は、その「反射」を受け、自らの政権が転覆させられていくのだ。己の所業が自らに降りかかってくるのを目の当たりにするであろう。

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●トルコ:デモ隊と警察の衝突が継続
http://en.alalam.ir/news/1516912
【9月15日 ALALAM】

 若いデモ隊員が殺されたことからトルコ全土で新たな抗議のデモの波が生じており、通りでのデモ隊と治安警察との衝突が六日間連続して起きている。 

 トルコは9月9日、政府のデモ鎮圧姿勢に抗議するアンタキヤ市でのデモの最中、催涙弾が頭部に当たったアハメト・アタカン(22歳)の死後、新たな抗議運動が起きている。

 14日の最新のデモ運動で、警察はアンカラの近郊のツズルカイル市では催涙弾を発射し高圧放水砲を使用しデモ隊を散会させようとした。

 イスタンブールではデモ隊と警察が衝突したためデモ隊が暴徒と化した。 通りでの衝突は南部のハタイ市でもデモ隊と警察の間で起きた。現地では青年は衝突の最中、屋根から落ちて死んだのだ、と言ってアタカン市で死亡者が出たとの話を否定した。

 アタカンでの死亡は、6月から始まった政府に対する抗議デモでは、記録された死亡者で6人目となる。トルコ政府は多くの活動家を逮捕しており、その中には暴動を煽ったとして高校生も含まれる。

 6月、イスタンブールのゲジ広場が破壊されるのを保護しようとする平和的な座り込みデモが、警察の乱暴な取り締まりを招いた。エルドアン首相のやり方に抗議する全土的なデモが拡大した後、数千人の抗議デモ隊員が負傷している。

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地中海におけるミサイル発射問題を軸とする米ロ対決

◆9月15日

 今回のアメリカがシリア攻撃を断念するようになった経緯がいろいろと注目されている。このブログでも、9月4日の「ロシア国防省:「イスラエルのミサイル発射という『火遊び』に警告」号でも、イスラエルの発表のいかがわしさから真相がどこにあったかを推測している内容が示されたが、今回の以下のレバノン紙に掲載された内容では、それとは異なるが、やはり米・イスラエルの軍事演習の一環である、という公式発表とは違う内容が語られている。

 この二つを見比べてみて言えることは、米にしろイスラエルにしろミサイルはシリアを狙って発射されたということであり、またこのミサイルはロシア側にすぐに探知され、結果的には、ミサイルはシリアには到達しなかったということである。このミサイル発射でロシアのミサイル探知能力が試されたのではないか、という推測もあったことを紹介した。

 実際、ミサイルが探知されれば、その迎撃は可能となろう。そしてロシアにはS-300(現在はS-400も) という世界最強の迎撃ミサイルがあり、そのミサイルは既にシリア側に引き渡されているし、射程が300㎞もあり音速の3倍近くで飛翔するヤホント対艦ミサイルもシリアに供給されている。このミサイルの攻撃から防衛することはアメリカの艦船といえども困難なはずだ。これに比べてアメリカの対艦ミサイルのハープーンなどは亜音速でしか飛翔しない。日本の自衛隊もこれを装備しているが、ロシア製のこのヤホントには勝てない。

 これに加えて、ロシアのプーチン大統領のシリアに対するコミットメントの不退転の姿勢が貫かれていることもある。「シリアに対する攻撃はロシアに対する攻撃である」、という考え方、あるいは「ロシアにはロシアの考えがある」という姿勢がアメリカ側に伝わっていることと、それが言葉だけの事ではない、ということ。また反体制側が化学兵器を使用したという証拠をロシア側が握っていてそれを国連に提出した、ということ。あらゆる要素を考慮しても、アメリカがシリア攻撃をするメリットはない、ということが理解できる。

 しかもロシアのプーチン大統領はニューヨーク・タイムズ紙にアメリカのシリア攻撃の愚かしさを語り、化学兵器使用に関しても、それが反政府側であることも明言している。イラク戦争の時の失敗をアメリカ国民も感ずいている最中に、ロシア大統領側からまさにそのことを自国の新聞に発表され、アメリカ国民の厭戦気運が高まったことは想像に難くない。シリア攻撃はただ、戦争屋、つまり軍産複合体+銀行が儲けるだけであり、イスラエルに敵対するシリアの没落を願うタカ派のユダヤ人たちを喜ばすだけであり、その利益はシリア国民の血とアメリカ国民の血税の賜物ということであるから、上記の関係者以外では、愚か過ぎなければ、だれでもシリア攻撃などに賛成するはずもないことなのだ。

 9月11日号「米露シリア:化学兵器問題で三者会談」では、「とにかくこれで、アメリカは面子を潰さずにシリア攻撃をしないで済ますことが出来るし、シリアはこれで大惨禍に見舞われる事は避けられそうだし、ロシアは今までのシリア支援が実を結ぶことになり、この三者にとってはめでたし、めでたしとなりそうだ。これは相当に画期的なことである。昨日のブログ記事に記したように、今までとは違う動きを世界はしだしているようだ」と指摘したように、以下の記事でもアメリカがロシアの提案でメンツをつぶさずに事態を世界の国民が願う方向でまとめる動きを進め出したことが示されている。それを素直に喜びたい。この背景にはロシアの、とりわけプーチン大統領の功績が大きいことを強調したいし、オバマ大統領がやはりと言うか、プーチンの提案を受け入れたという度量の大きさもあったことも指摘されるべきだろう。言うなれば、両人の丁々発止のやり取りの結果、世界平和が維持されたという結果であろう(オバマ大統領はこの結果を読んでいた???)。とにかく世界が新しい動きを始めた、という指摘を再度しておきたい。
 

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●アメリカ・ロシア対決の真相
http://www.almanar.com.lb/english/adetails.php?eid=110043&cid=31&fromval=1&frid=31&seccatid=71&s1=1
【9月12日 Daoud Rammal – As-Safir Al-Manar】

 アス・サフィール紙に情報に通じている外交筋は、「アメリカの対シリア戦は2発のミサイルが発射された時に始まり終わったのだ」と指摘した。この時、イスラエルは発射を否定し、ロシアは明言するという混乱があったが、イスラエルが後で発射を認め、イスラエルとアメリカの合同軍事演習中の発射であるとし、海中に落下したとした。またこれはシリア危機とは関係ないものだ、としたのである。 

 この情報筋はこのレバノンの新聞紙に対し、「アメリカ軍がこれらの2発のロケットをスペインのNATO基地から発射したが、すぐさまロシアのレーダーによって探知され、ロシアの防空システムによって迎撃されたので、1発は空中で爆発し、2発目は海中に落下した」と語った。   

 この流れの中で、この情報筋は、「ロシア国防省が出した、中東方面に向けて発射された2発の弾道ミサイルの探知」、という声明は二つの点を無視している:先ず、この2発のミサイルが発射された場所で、次はそのミサイルの落下についてである。なぜか?それは、全面的な軍事行動が開始された瞬間、ロシア情報機関の長官はアメリカの情報機関と接触し、「シリアへの攻撃はロシアへの攻撃を意味する」ことを伝え、我々は「2発のミサイルを落下させた」という言葉は二国家の関係を考慮し、またその悪化を避けるために声明の中では使用しなかったこと、を伝えた。そして「従って、ロシアの地中海におけるプレゼンスを一掃することはできないことは、はっきり分かっているのだから、アメリカは即座にシリア危機に対する自国の政策、取組み、意図を再考慮すべきである」と伝えた、というのだ。

 「この語られなかったロシアとアメリカの間の直接対決の顛末はオバマ政権の混乱を深め、ロシア側はシリア問題では最後まで譲らないことは確かであり、またアメリカはこの袋小路から抜け出す方法は、ロシアが提案した内容以外にはないし、それはアメリカのメンツを保つものであった」と彼は付け加えた。

 この点では、この外交筋は、「アメリカのこれ以上の混乱を避けるため、またイスラエルがロケット発射を最初の声明では否定した後(それは本当だが)だったので、アメリカは国際社会の前で面目を保つためにイスラエルにロケット発射を認めてくれるよう頼み込みんだ。特にこの2発のロケット発射はアメリカのシリアに対する侵略の開始であり、軍事作戦の開始を意味するのだが、その後オバマ大統領はアサド大統領の運命についてロシアと交渉するためにG20会議出席のためにロシアに行くことになっていたので、この袋小路から抜け出す道を発見するために行ったのだ」

 この情報筋は更に、「米ロのロケット対決問題後、ロシアは国内の軍事専門家の増加をめざし、地中海では部隊、駆逐艦の増加を目指すことにした。ロシアはまたG20後にシリアへの侵略を止める提案について発表するための時間を設定した。会議の期間、別枠でイランのラヒャン外相とシリアのモアレム外相の訪問を受けた。この話し合いではロシア側と事態の解決面での合意があった。それにはシリアが化学兵器を国際的監視下に置くこと、シリアが化学兵器不拡散条約に加盟するというロシアの提案を受け入れることを発表することが含まれていた」と指摘した。

 最後に、この情報筋は、「米ロの軍事対決の一つの結果としては、英国議会がシリア戦争には参加しない決議をしたことだ。これは特にメルケル首相が発表したドイツの姿勢に見られるように、ヨーロッパの流れを作った」と指摘した。

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再び台頭するロシアの象徴の一つである聖ワシリー大聖堂

◆8月12日

 ロシアの経済的成長が着実に進んでいる。ロシアの地下資源の豊富さはかの国を支え発展させている。しかしそのロシアは二度にわたって、国家的に壊滅状態に陥った事があった。一度目はロシア革命であり、二度目は「民営化」革命の時である。

 ブログ子も二度目の革命である「民営化」後、数年たった時のロシアに行ったことがあるが、まさしくドルの天下であった。3年間で3度ほど通貨切り下げがあったと記憶している。年金生活者は生活できなくなり、70代のおばあちゃんが、寒空の下、香水一瓶を買ってもらおうと、店の外で立ちながら、お客に声をかけている光景をいたるところで見た。

 この時のロシアでは欧米のユダヤ勢力から資金援助を受けたユダヤ系ロシア人のオリガルヒ(新興財閥)が、ロシアの富の半分をかっさらった時期であった。このオリガルヒからその富を取り戻したのが、プーチンである。だから、欧米がなんと言おうと、プーチンはロシアの救国の英雄であり、欧米なかんずくユダヤ系金融資本勢力の天敵なのだ。

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●熊の台頭:ロシアがアメリカに追いつきそうな18のサイン
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/the-rise-of-the-bear-18-signs-that-russia-is-rapidly-catching-up-to-the-united-states
【8月7日 Michael Synder — The Economic Collapse】

 ロシア熊はかつてないほど強くパワフルになっている。殆どのアメリカ人はそれを分かっていない。彼らはロシアは冷戦が終了した時、殆ど取るに足らない存在となり、「かつての超大国」だと考えている。確かに冷戦が終了した当時は、ロシアは無様な姿だった。私はそのロシアに行く機会があったが、当時のロシアは経済的な災害地域だった。ロシア通貨はあまりに価値が無くなって、冗談で20ドルを交換してクレムリンを買おうかなと言った事がある。しかしそれ以来、ロシアは命を吹き返したのだ。プーチンが大統領になった途端に、ロシア経済は非常に早く回復しだした。今日では、ロシアは豊富な天然資源によって祝福された経済的な一つの発電所である。彼らのGDPに対する負債は極端に小さく、毎年貿易黒字であり、地上で二番目に強力な軍隊を擁している。この時点でロシアを過少評価することは、とんでもない過ちを犯すことになる。ロシア熊は蘇った。そして今日、冷戦期間のどの時期より彼らは恐るべき存在になっている。

 以下の統計内容をチェックしてほしい。以下はロシアが急速にアメリカに追いつきつつあることを示す18のサインである。


1.ロシアは地球でどこよりも大量の石油を生産している。アメリカは第3位である。

2.ロシアは地球で第2位の石油輸出国である。アメリカは世界のどの国よりも多く石油を輸入せざるを得ない国である。

3.ロシアは地球でどこよりも多くの天然ガスを生産している。アメリカは第2位である。

4.今日ではヨーロッパの天然ガス需要の34%をロシアが供給している。

5.アメリカは対GDPで101%の負債を抱えている。ロシアは8%である。

6.アメリカは昨年、貿易赤字を5000億ドル以上出した。ロシアはずっと貿易黒字である。

7.アメリカは7.4%の失業率である。ロシアの失業率は5.4%である。

8.プーチンがロシアの大統領になって以来、ロシア経済は非常に急速に成長した。以下はウィキペディアの説明である。 

 「プーチンの最初の大統領施政下でロシア経済はGDPが2倍になった。これでロシアは世界で経済規模では22位から11位に上昇した。経済は毎年平均7%の成長を見ている。これによって、ロシアは世界で6番目の経済規模の国になった。2007年には、ロシアのGDPは1990年のそれを越えたが、それは1990年代のリセッションによって荒廃した惨状から立ち直ったことを意味する。

 プーチンの8年間の期間、産業は75%成長し、投資は125%増加、農業生産量と建設量も同様に増加した。実質所得は2倍になり、平均給与は80$から640$と8倍になった。2000年から2006年の間の消費者金融の取引額は45倍になり、同じ期間、中流クラスは800万人から5500万人に増加、7倍となった。貧困以下のレベルで生活している人々の数も、2000年の30%から2008年の14%まで低下した」

9.ブルームバーグによると、ロシアは過去十年間で、金準備高を570トン追加した。アメリカでは連邦準備銀行がいくら金を保有しているか、確かに知っている者は誰もいない。

10.モスクワは世界で2番目に高価な都市である。一方、アメリカは世界で最も非友好的な都市を抱えている(ニューワーク・ニュージャージー)

11.モスクワには世界のどこよりも多くの億万長者が住んでいる。

12.モスクワの地下鉄システムはワシントンやニューヨークの地下鉄システムを完全に上回っている。

13.アメリカは世界最強の軍を持っているが、ロシアは二番目である。 

14.ロシアは新型の「無音に近い」核搭載潜水艦を建造したが、それはアメリカの持っているどれよりも静かである。

 「ヴラジミール・モノマフ」と命名されたボレイ級潜水艦は次世代原子炉を搭載し、1200フィート以上潜水でき、20基以上の大陸間弾道核ミサイルを搭載できる。

 これらの「ブラヴァ」ICBMは10個の着脱可能の多弾頭独立目標再突入ミサイル(MIRV)弾頭を搭載できる。「再突入ヴィークル」と言われるこの弾頭は、各自150キロトン相当を運ぶことができる。

15.オバマがアメリカの戦略核兵器を無力化しつつあるが、プーチンはロシアの核兵器を近代化するのに一生懸命である。

16.ロシアミサイル軍は2013年後期に200回以上の演習を行う事になっている。

17.首相時代のプーチンはロシアの新しい第五世代戦闘機のコックピットに入って、これはアメリカのF-22ラプターよりずっと優秀であると宣言した時、世界中のニュース報道のトップの見出しを飾ったものだ。

18.ロシアは冷戦時代のどの時よりも多くのスパイをアメリカ国内に持っていると考えられている。 


 残念ながら、私がロシアに関する記事を書くと、殆どの人々はそれを受け付けない。彼らは、「冷戦は終わった」とか、「ロシアは我々の友達だ」というようなことを語る。こういうことは現在の地政学的状況の理解が全くなされていないということを示している。

 ロシアは中国との関係の強化にずっと励んできたし、一緒になればアメリカに対する第1番目の戦略的脅威となるのだ。

 いつかこういったことが完全にハッキリするときが来るだろう。彼らが気づくのが遅すぎないことを願うばかりである。

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サウジアラビアでの5月の反政府デモ

◆8月5日

 石油王国と言われるサウジアラビアでは、人々は裕福な生活をエンジョイしている、と思われてきたが、いまや人口2800万のサウジの3分の1以上になる1000万人が貧困レベル以下の生活をしている、とサウジの知識人であるタウフィク・エル・セイフが指摘している。

 7月29日号「サウジの王子、王家の腐敗を批判し絶縁を宣言」でも、指摘したように、シリアに対する陰謀を働くサウジアラビアの足元で、政権に対する反乱が起き始め、それが強化されていく趨勢にあることが分かる。「これは時代のなせる業であり、誰にも止められない。人間の良心が強まることで、沈黙を破って大胆な行為に出る人間は、これからもどんどん出てくるはずだ」と指摘したように、サウジでも間違いなく「アラブの春」現象は強大化していくことになろう。


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●サウジアラビア:1000万人以上が貧困以下の生活
http://en.alalam.ir/news/1501873

 サウジアラビアの知識人であるタウフィク・エル・セイフは、サウジアラビア国民の内、1000万人以上が基礎的必需品と毎日の必要経費以下の収入しか得ていない、と指摘した。

 労働社会省によって発表された統計によれば、300万人以上が貧困の故に政府の援助を緊急に必要としているとエル・セイフは語った。

 彼は政府に対して貧しい人々のための支援を要請し、サウジの社会はこの貧困に対処するに十分な富を持っていることを指摘した。

 サウジの活動家らはアブドラ国王に対し、公務員の給料、年金、学生奨学金、の値上げをするよう要請し、また基本的商品の価格安定化を要請した。
 
 社会騒乱を惹起する活動だとこの要請を指弾する政府に対し、エル・セイフは民衆の問題をよく分かった上でそれに抵抗しているのであり、政府が問題を無視している点で謝罪すべきと語った。

 サウジアラビアの改革を求める人々は社会騒乱を煽っているのではなく、民衆の権利を尊重するよう政府に要請している一般市民である、と彼は語った。 

 一方、、「百万人行進運動」はサウジアラビア全土で10月に人々に大会を行うよう語りかけている。

 2011年2月以来、抗議する者たちはサウジアラビアで恒例のようにデモ行進を行ってきた。これは主に、カチフやアワミヤで、政治犯の解放、言論・出版の自由、それに広範な差別を撤廃することを呼びかけるものであった。

 サウジの活動家によれば、勾留されている政治犯の殆どは、裁判や司法手続きなしに勾留され、ただ疑わしいという理由だけで逮捕された、という。

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サウド家と絶縁したアル・サウド王子(左)

◆7月29日

 シリアに対する陰謀を働く諸国には、必ずその反動がやってくると指摘し、トルコにまずエルドアン政権打倒のデモが起きていることを指摘したが、今回は資金面でシリアに対する陰謀を働いているサウジアラビアで、王子の一人が国家を牛耳るサウド王家に対する反旗を翻した、というニュースである。

 サウド家が世界大戦のドサクサ中でサウジアラビアを取ってから、その莫大な埋蔵量を誇る石油で石油王国を築き、有り余る富を手にしたが、やはりサウジアラビアにも表面化されない問題があり、今回アル・サウド王子が王家と絶縁してまでも改革を呼びかける行為に出たのだ。

 これは時代のなせる業であり、誰にも止められない。人間の良心が強まることで、沈黙を破って大胆な行為に出る人間は、これからもどんどん出てくるはずだ。悪を憎む心は誰でも持っているが、それがこの世の栄耀栄華のために、埋もれてしまう事がしばしばある。しかし、今の時代はその偽りの栄耀栄華よりも、良心を解放するほうを選択する魂(人間)もまた出てくる時代なのだ。

 これからサウジアラビアでも「アラブの春」が吹き始めるかもしれないし、それはサウジアラビアに留まらず、他の湾岸アラブ諸国にも飛び火する可能性があるだろう。歴史の流れはそのように、人間の良心が強まり、今までの枠組みを打ち破る人間が出てくる時代に入っているのだ。

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●サウジの王子、王家の腐敗を批判し絶縁を宣言
http://en.alalam.ir/news/1499049#
【7月27日 ALALAM】

 サウジアラビアのハリド・ファルハン・アル・サウド王子はサウド王家から離脱する声明を発表した。彼は他の王子たちにも神のために沈黙を破り真実を明らかにするよう、呼びかけた。

 27日のこの声明で、王子はサウド政権の支配下での自身の苦悩について、苦い経験だったと語った。この内容はサウジアラビアのツィッター作家のムジタヒドとサウジの活動家のサアド・アル・ファキーによって明らかにされる事になっている。

 王子は神のお陰でサウジ政権の真実を「直接、恐ろしい個人的な経験」を通して理解することができ、それで国全体で人々が経験している苦悩の味を知ることができた、と語った。
 
 「誇りを持って、私はサウジアラビアのサウド家からの離脱を宣言する」と声明の中で書いた。

 「このサウジアラビアの政権は神の掟に従っておらず、さらに国家の定められた規則にも、その政策にも、決定にも従っておらず、行動は全くその指導者達の個人的な考えに基づいている」と書いている。

 「サウジアラビアで、法と宗教的戒律を尊重する件について言われてきた事は人為的なものであり、彼らは嘘をつき政権はイスラムの掟にしたがっているように装うことができる」と彼は書いている。

 彼はサウジ王家が国を自分達の所有物としてみている点や、同時に変化と改革を要請する内外の声を無視してきていることを批判した

 王子は現在の王家は民衆の声が圧殺されるような現在の状況に慎重に国を導いてきたと語った。「彼らは自分達の個人的な利益以外のことを考えることをせず国家や民衆の利益、国家の安全保障でさえ考えようとはしない」と語った。

 彼はサウジアラビアの現在の問題は、「一時的であったり表面的」なことではないと警告し、それは失業、低賃金、富や 「施設、サービスの不正な分配に終わらない問題だ、と語った。

 「問題は深く実際的だ」と語り、政治的、金融的腐敗と関係し、政権による権力の乱用、国会と司法の欺瞞性にあると語った。

 このサウジの王子は改革を要請する反対勢力の語る国の政治的、経済的、司法的、社会的、治安的状況、また彼らの宗教的価値の乱用は本当であり、「批判書の中で語られていることよりもっと悪い状況にある」と語った。

 彼は国家の将来のことを思う者たちが彼と一緒になって改革の流れを強め、サウド家の腐敗に対して沈黙を破るよう呼びかけている。

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