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イスラエルのイラン攻撃はハルマゲドンとなる

◆2月23日

 イランに対する原油輸入制裁を決めたヨーロッパ諸国に対して、反対にイランが先の英仏に続いて6カ国に対する原油輸出停止措置を取ったが、アメリカは中国やインド、日本などに圧力を掛けて、イランからの輸入原油量を削減させている。

 このような経済制裁が功を奏しなかった場合には、最終的にイスラエルやアメリカなどはイランを軍事攻撃するのだろうか?

 このブログではイランを攻撃すれば、それがイスラエルの終わりの始まりであり、また世界に大混乱が惹起される、と警告を発してきた。
 同様の見解を多くの人々が共有しているようだが、以下の論文では、ラシャ・ダークムーン博士が、ペルシャ湾の欧米の艦隊はひどい打撃を受けて敗退すると、またイスラエルの能力ではイランの核施設全てを破壊する事はできないとしている。そしてイスラエルよりイランの方がアメリカにとってずっと有益なものを提供できるし、もしもイスラエルがイランを攻撃すれば、イスラエルの最後がやってくる、と指摘している。

 前半の部分では、ダークムーン博士は、ロシア製対艦ミサイルのサンバーンについて詳述している。世界最強の対艦ミサイルと言われているミサイルだ。これを阻止する手立てはない。だからアメリカはイランに対して簡単に攻撃など出来ないし、すれば、アメリカは勝てない。負けないかもしれないが、勝てない。しかし一旦攻撃すれば、傷を負った獅子のようにイランは怒りに燃えてあからさまな原爆製造に向かいかねない。そしてその怒りを鎮めることはもはや出来なくなるだろう。

 できるのは、おそらくペルシャ湾外からの外洋からの攻撃、つまりインド洋、あるいはグルジアやトルコからなど、ペルシャ湾外からの攻撃だけだろう。しかしそれをやれば、それこそグルジアやトルコその他を含む地域、すなわち中東全域の戦争になりかねない。そうなれば、ロシアや中国も黙っていないだろう。だから、ハルマゲドンが近づいているのだ。

 本当にそうなったら、その時こそ、日本は出て行かねばならない。戦争を放棄している憲法を持つ国としての日本がこのイランとイスラエルに、あるいはアメリカとロシア・中国に物言えば、他の誰よりも、聞く耳をもつことだろう。まあ、そうならない事を願うばかりだが。

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●ハルマゲドン(最終戦争)が近づいている (その1)
http://www.theoccidentalobserver.net/2012/02/armageddon-approaches/#more-12803
【2月21日 Dr. Lasha Darkmoon】

 「イスラエルによるイラン攻撃は、大災害を引き起こす」  
  -ズビグニュー・ブレジンスキー -
 
 「ペルシャ湾全体はキリング・フィールドに変貌するだろう・・・
  ペルシャ湾はアメリカ人の血で赤く染まる」
 
  - 軍事専門家 マーク・ガフニー - 

 イランへの爆撃は、衰退し道徳的に破綻しているスーパーパワーであるアメリカの棺おけの蓋を閉じる最後の釘となるかもしれない。この超大国は拷問が日常化し、この国の大統領は、どこの誰であっても、テロリストと自分が決め付ければ自由に殺害できるのだ。

 現在、イランが世界中の嫌われ者となっている。少なくとも騙されやすい大衆にイランが文明に対する脅威である、と説得することに熱心な主流メディアを支配する者たちの間ではそうである。 

 イランは、望めばホルムズ海峡を完璧に封鎖できる能力を持っており、その過程でアメリカ海軍に手ひどい打撃を与えることができる。イランは「サンバーン」と呼ばれる対艦兵器のさまざまな種類のミサイルを保有している。これをイランはこの10年でロシアと中国から取得している。これらのミサイルはロシアによって開発された最新鋭兵器であり、低価格であり、アメリカ製の高価で技術満載兵器のライバルとなっているものだ。

 とりわけ、これらのミサイルは艦船を沈没させるようデザインされているもので、その中には、アメリカの巨大空母も入る

 差し迫っている紛争は、ロシアと中国をも巻き込むものとなる。両国の利権はイランと密接に結びついている。イランは彼らにとっては半独立・保護国であり同盟国なのだ。もしもイランが攻撃された際にロシアと中国がイラン側についても、何もしなければ、彼らは永遠に面目を失うことになる。彼らは世界に向かって、自分達が弱虫で、アメリカのいじめっ子の前で臆病となり何も出来なかったことを示すことになるだろう。その時には、彼らがアメリカの次の標的リストに組み込まれることになるだろう。

 ロシアは100トンの怪物的大陸間弾道弾をパイプライン内に持っている。これにはサタンと命名されている。このミサイルはもしもアメリカが傲慢になりすぎてその侵略性が限度を越えた際に、アメリカに対して壊滅的打撃を与えるために使用されることになるだろう。
 
 中国のツァン・ツァオゾン少将は最近、もしアメリカあるいはイスラエルがイランを攻撃すれば、「中国はイランを保護することに躊躇することはない。それが第三次世界大戦になろうとも」と語っている。


■いくつかの点を詳細に分析してみよう
 
 アメリカ海軍は、近代戦の最前線では効率的でプロフェッショナルな組織であるが、ホルムズ海峡は、アメリカ海軍が不死身であり続ける環境ではない。イラン側は狭いホルムズ海峡内で、アメリカ艦船を待ち伏せ攻撃の罠に引きずり込むことができる。

 さまざまな軍事サイトに掲載されている技術的な説明の例を挙げれば、アメリカ艦船の防衛システムに関する議論がライブで載っているのを見るだろう。誰もそこでは、そのような防衛システムが対艦ミサイルに対して充分な防御を提供できると言っていない。今のところは、殆どの艦船は、アメリカの巨大空母も含めて、対艦ミサイルからの攻撃には脆弱であることを示しているのだ。 



アメリカの大型空母

 目を見張るようなこういったニミッツ級空母は、7隻から8隻の護衛艦隊を伴っており、70機以上の艦載機を持ち、6000人以上の乗組員を抱えている。2004年に軍事専門家で「ディモナ:第三の神殿?」の著者である、マーク・ガフニーは、「アメリカ海軍最大の巨大空母は、浮いている死の罠、となった。ペルシャ湾の狭い閉じ込められた海域では、よくて、回避行動は困難であり、逃避することは不可能である・・・ペルシャ湾はアメリカ人の血で赤く染まるだろう」と述べている。

 石油タンカーについては、空母よりはるかに脆弱である。もしも攻撃されれば、簡単に沈没し、極めて重要な航路の障害となり、ペルシャ湾領域全体に対する大規模な環境破壊をもたらすだろう。 

 アメリカがイランが保有する最新鋭対艦ミサイルに対抗するために、新世代レーザー防衛システムの開発を急いでいることは興味深いことだ。しかしながら、これはまだ開発途中である。後ではなく今攻撃されるのならば、イランは相対的に有利である。

 皮肉な事に、イランに対する攻撃をアメリカとイスラエルが遅らせば、それだけ彼らがイランからの反撃を成功裏に迎撃するチャンスが増える。

 アメリカとイスラエル両国とも残念ながら、彼らが望む、樽の中の魚を撃つような戦争をする準備は整っていないのだ。戦争屋のネオコンが「おちゃのこさいさい」だと言っていた、つまり6週間で占領したイラクと違って、イランは、敵対するアメリカとイスラエルに、「樽の中の魚」的な幻想にふける安易な機会を提供するとは思えないのである。
 
 戦闘の騒音から遠いところでキーボードを打っている我々の勇気ある遠隔操作の戦士たちは、「テロリスト」と呼ぶ事で自分らの良心の呵責をなだめながらイラクや、アフガン、パキスタン、イエメン、それにソマリアの無辜の民衆に破壊と死を降らせる事はできるだろう。しかし彼らの無人機をもってしては、イランの死のミサイルがアメリカの空母を吹き飛ばしたり、石油タンカーを撃沈させることを阻止することはできない。

* * *

世界最強の対艦ミサイル「サンバーン」

 サンバーンは恐らく、世界で最も破壊力のある対艦ミサイルである。高度9フィートで飛翔でき、時速1500マイルで飛ぶ事ができる。このミサイルはその最終段階でギクシャク行動をとる事ができる。これは、ファランクスその他のミサイル迎撃ミサイルを避けたりその弾道から外れたりすることができるのだ。つまり、このサンバーンは途中で迎撃されることなく、どんぴしゃりで標的を撃つことができるのである。

 コストが安いことを考えれば、これらの対艦ミサイルはペルシャ湾のような閉じられた池のような海域における戦闘に完璧に適合しているのだ。このサンバーンは汎用性が高く扱いやすい。トラックの荷台を含む殆どどんな発射台からも発射できる。射程は100マイルあり、40マイルの幅のホルムズ海峡のペルシャ湾では充分である。海岸から発射されたら、サンバーンはホルムズ海峡にあるどんな艦船にもたちまち部屋の大きさほどの穴を開けることができるだろう。従ってこれらのミサイルは、アメリカ海軍にとっては深刻な脅威なのだ。このミサイルの持つ、侵入してくる敵対者らに与える恐ろしいほどの打撃力は、どんなに大げさに言っても大げさにはならない。

 ロシア人が開発し、中国とイランで製造されているSS-N-22サンバーンは、超音速対艦ミサイルで、「現代世界で最強のミサイル」と言われている。フランスのエグゾセに比べて、このサンバーンははるかに大きく飛翔速度も速いミサイルである。射程もはるかに長い。その誘導システムは正確無比である。サンバーンは200キロトンの核弾頭を搭載でき(750ポンドの通常弾頭)、100マイルの射程内に運搬できる。これはエグゾセの2倍以上の射程である。

 このミサイルは、アメリカのイージス防衛システムを打破できるようデザインされているようだ。サンバーンの驚くべき正確さは、最近中国による海での実験によって示された。これをアメリカのスパイ機が監視した。サンバーンはダミーの標的とされた船を破壊しただけでなく、完璧に命中したのだ。その船の艦橋上に設置された大きなX文字のど真ん中をぶち抜いたのである。アメリカの無人機のようではなく、サンバーンは「コラテラル・ダメージ(付帯的損害)」を生み出すことはない。無辜の民衆を殺害することもない。敵のみを殺害するのだ。

 2004年の記事で、マーク・ガフニーは、「ペルシャ湾のアメリカの艦船はサンバーンミサイルの射程内に既に入り込んでいるだろうし、イランがペルシャ湾の北方海岸に展開している、更に進化した型のSS-NX-ヤホントミサイル(ロシア製:マッハ2.9・射程180マイル)の射程内にも入っている。全てのアメリカの艦船はさらけ出されており、脆弱な立場にある。イランが仕掛けを施せば、ペルシャ湾全体がキリング・フィールドになる」と書いている。 

 サンバーンの750ポンドの通常弾頭の爆発力では明らかに空母を撃沈させることはできないが、その他の殆どの艦船ならば可能である。そのように技術的な説明文には言われている。しかしながら、空母をミサイル群が同時的に襲った際の影響を見極めるような、結論が出るような研究はされていない。恐らくはそのような研究は必要とされないからだ。常識として、一匹の蜂より蜂の大群の方がずっと危険であることは分かるだろう。一匹の蜂ならばぴしゃりと叩けばよいが、蜂の大群ではそうはできない。
 
 一人の軍事専門家が以下のコメントを寄こしている:イージスとRAMシステムはサンバーンミサイルの攻撃を阻止することはできない。イラン・イラク戦争時にイラクの亜音速のエグゾセミサイルがアメリカのスターク艦を攻撃した際、たとえこれらのシステムがこのミサイル攻撃を阻止することに失敗したとしても、これらのシステムは亜音速の対艦巡航ミサイル用にデザインされており、超音速用ではない。超音速対艦巡航ミサイルはライフルの弾丸より早く飛翔し、一隻の空母を撃沈するのに3発以上は必要ない。実際のところ、いかなる海上艦船も浮かぶ棺おけなのだ。フルスピードで飛翔しているライフルの弾丸を止めることのできる技術を誰か知っていれば、それが何か教えてもらいたいものだ。
 
 「『ホルムズ海峡が射撃練習場になる』ことを知れば、カンナエの戦いのために準備するハンニバルを必要とはしていない」と、軍事評論家のルス・ウィンターは書いている。

 ホルムズ海峡は実際のところ、盲目ならば狙いが外れることがあるかもしれないほど、大型で扱いにくい艦船を待ち伏せ攻撃する理想的な場所である。間違いなく、イラン人はペルシャ湾沿岸全てにわたって攻撃地点を調べ上げているだろう。隠されたそのような攻撃用の穴を低空飛行する攻撃ヘリで発見することは困難だ。ヘリコプターが撃墜されるだろう。

 同じく注意しなくてはならないものは、イランのミサイルの射程の長さである。1500マイルかそれ以上だ。敵対するバーレーンとカタールは簡単にサンバーンかオニックスの長距離用ミサイルで攻撃されてしまう。サウジアラビアの油田も同様である。

 イランから見てイスラエルは遠方に位置するが、突然ミサイルの雨が襲っていることに気が付くかもしれない。イランからばかりでなく、レバノン国境の向こう側のヒズボラからもだ。

 「これはでかい戦争になるだろう」と、ジャスティン・レイモンドは語る。「イラク侵略戦争はハルマゲドンのためのリハーサルのように感じられるだろう」と言うのだ。(その2に続く)

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ヨーロッパ企業に原油輸出停止を決めたイラン石油省

◆2月21日

 イランは19日にフランスとイギリスの企業に対する原油輸出禁止措置をとったが、同様の措置を他のヨーロッパ諸国で、イランに対する敵対的行動を取る諸国に拡大する可能性がある、と発表した。

 既に、1月28日号イラン原油禁輸措置のブローバック 」で予期されていた措置が実際に取られたということになる。ようするに、「お前のところから買ってやらない」、と意地悪されたイランが、「お前達にはこっちから願い下げだ、売ってやるものか」、ということなのだ。売り言葉に買い言葉とはこのことだ

 欧米側が7月1日から実施とした禁輸措置は、その半年間で、イランからの原油に代わる代替輸入原油のメドをつけねばならないからだが、イラン側はその足元を見て、反対にイラン側から輸出を停止し、嫌がらせに対する反撃をなしたことになった。

 イラン側から脅かされている欧米諸国の中には、今イランからの原油が入ってこないと困る国も存在するだろうから、彼らも窮地に陥ることになる。まして総体的には、今でも多くの製油所が閉鎖などに追い込まれているから、実際7月1日から輸入禁止となれば、更なる製油所が閉鎖されるかもしれず、ヨーロッパの景気はますます悪化することになろう。

 「欧米・イスラエルの言いなりにならないイラン」という存在に我慢ならない、という傲慢な姿勢を欧米・イスラエルが改めるだけで、このような馬鹿げたことは収束していくのであるが、それが出来ない愚かさを欧米・イスラエルは持っている。

 どこまで、その愚かな道を突き進む気であろうか。

 「おやめなさいよ 罪なこと・・・」(座頭市

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●原油輸出停止措置は敵対的EU国に更に拡大か
http://www.haaretz.com/news/middle-east/iran-official-oil-ban-could-expand-to-more-hostile-eu-countries-1.413791
【2月21日 HAARETZ.COM】

 イラン高官は20日、イギリスとフランスの企業に対する原油販売を禁止する声明の発表後に、イランに対する「敵対的行動」を取るヨーロッパ諸国に対して、更なる輸出停止措置が取られる、と警告を発した。

 21日の朝、中国はイランが19日にイギリスとフランスの企業に対する原油輸出停止をしたことを非難し、イランがその核計画問題での行き詰まり状態に対して対話を促進するよう促した。

 イランのやり方7月1日から実施されるはヨーロッパ連合のイラン産原油ボイコットに対する報復と見られている。イランは世界で5番目に数えられる原油輸出国であり、湾岸諸国の原油が輸出される航路であるホルムズ海峡の封鎖を実施すると言って脅してきていた。

 今回の原油輸禁止措置について、イランのアハマド・カレバニ副石油相は、国営テレビに対し20日、「もしヨーロッパのある国が敵対的行動を続けるのならば、当然、その国に対する原油輸出は停止されるだろう」と語った。

 カレバニの発言は、別のイラン高官によるホルムズ海峡における緊張状態と原油輸出航路の封鎖に言及した際に出されてきたものである。                                             
 革命防衛隊の演習の傍らモハマド・アリ・ジャファリ司令官は20日、ホルムズ海峡の騒動について欧米側の好戦性を非難し、イランの治安を維持することを誓約した。

 「世界の傲慢な勢力とシオニズムによるイランに対する嫌がらせと脅しにも拘わらず、我々は空虚な脅しを無視し自らの力量を整備していく」とジャファリはプレスTVに語った。

 イランは自国の核計画について、それを擁護する論陣を強化しているが、同時に交渉する意欲も表明している。欧米側は軍事力を選択肢から除外することはしないままでいる。しかし、イスラエルがイランを攻撃するのではないかという推測は高くなっている。 

 20日、イランのIRNA通信は、イラン軍が核施設付近の防衛メカニズムの改良を目的とした4日間の演習を開始したと発表した。

 軍の発表によれば、この演習はイラン南部の広大な地域で行われる。ありうる攻撃に対する準備のためであると、IRNAが伝えた。

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スエズ運河を通過するイラン艦船

◆2月20日

 シリアの艦船がスエズ運河を通過してシリア沖に向かい、ロシア小艦隊と共にシリア沖に展開した。ロシアはもとより、イランもまた同盟関係にあるシリアに対し、実際的な支援行動に入ったことになる。

 このブログでは昨年3月以来、一貫してシリア内における騒乱の原因は、チュニジアやエジプトで起きた「アラブの春」的な民衆運動ではなく、その民衆運動のうねりを利用しようとして、外国勢力によって武器と資金その他の物資を与えられた反政府的不満分子が、シリア内でゲリラ的テロ行為を行い、その犠牲者をシリア当局の弾圧政策によるものだ、と欧米ユダヤ系メディアを利用して喧伝してきたことによるものである、と指摘してきた。
 
 従ってそのような動きに対して地中海に面したシリアのタルトゥースに海軍用施設を持つロシアは、断固としてシリア政府を擁護し支援することを明確にしてきたのだが、同じくシリアと同盟関係を有するイランがここに来て、軍艦をシリア沖に派遣して、イランのシリア支援を明確にしてきたのである。 

 日本のメディアでは、チュニジアやエジプトで起きたような「アラブの春」運動がシリアでも起きている、として報道をしてきているが、これは全くお門違いである。味噌も糞も一緒に、という言葉が日本語にあるが、これはその良い例である。味噌と糞は違うのである
 
 ようするに似て非なるもの、ということが世の中には存在するのだが、そういうことは、努力しなければ、見極めが付かないこともあるのだが、シリアの例はその一例であり、日本のメディアは努力をしていないから、見切れていないのである。

 あるいは見切るも見切れないもないほど、日本のメディアは欧米のメディアを追っていればよいのだ、という方針ならば、何をかいわんやである。言っておくが、欧米メディアはユダヤ系資本によるものであり、ユダヤというバイアスが掛かっている、ということである。また特にイランとシリアに関しては、シーア派嫌いのスンニー派の湾岸諸国のアラブ系メディアもバイアスが掛かっているのである。彼らはオイルマネーを独占するやくざ首長たちのやくざ国家である。
 
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●シリア沖のロシアとイランの艦船はアメリカ向け警告メッセージ
http://english.farsnews.com/newstext.php?nn=9010175382
【2月19日 FNA】

 ロシアとイランの小艦隊がシリア沖に展開したことは、アメリカのシリアに対する陰謀に対しての厳しい警告である、とイラン高官が19日語った。

 「イランとロシアの小艦隊がシリア沖に展開していることは、アメリカの冒険主義的動きに対する明白なメッセージである」と、イランの国家安全保障・外交委員会副議長のホセイン・エブラヒミがファーズ通信社に語った。

 「シリアに対してアメリカが戦略的なミスを冒せば、イランとロシアその他の諸国がアメリカに対して壊滅的反撃を与えるであろう」と彼は語った。

 アメリカと西欧諸国はシリアに対して干渉的政策を強化してきているが、シリア政府は2月26日を憲法改正案に対する国民投票日と発表した。この憲法で複数政党制の基礎を敷く事になる。

 シリアのバシャール・アサド大統領は、委員会から草案を受けた後に、10月に新憲法を作成すると決定した。

 1月にアサド大統領は、新憲法は現行のバース党が支配的役割をなすとある憲法に代わるものとなると語った。

 シリアは昨年の3月以来、武装された勢力によるシリア警察や国境警備隊に対する組織だった攻撃による騒乱に見舞われてきている

 抗議運動が武装した攻撃に切り替わった際、治安部隊員を含む数百人の人々が殺害されてきた。

 シリア政府はならず者達、破壊行為者、武装テロリスト・グループをこれら死者に責任を負うべき者たちであると非難し、これら騒乱は外部からの工作による、と強調している。

 昨年10月には、アサド大統領が改革政策を開始したため沈静化したが、アメリカとイスラエルの工作でシリア国内のいくつかの地点で新しく紛争が始まった。

 イランのラミン・パラスト外務省スポークスマンは、シリア内の外国勢力による工作に嫌悪感を示し、アサド大統領の「問題解決」をやり遂げるという誓約であるこの改革案を称賛した。

 「我々は基本的に外国の干渉というものに反対するものである。それは問題の解決にはならず、事態を一層混迷化させるものだからである」と1月にパラスト・スポークスマンは語った。

 「シリア高官らによって発表されたこの改革は、環境を対話の方向に向け、問題の解決を促すものであるが、ある国々はそれを望まない」と彼は語った。

 アサドは国家非常事態の終了を発表し、シリアのクルド人に市民権を授与し、今年の後半に国会議員の選挙を約束した。今年の1月、大統領は騒乱が始まってから拘留されていた者たち数千人に恩赦を施した。

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アメリカのオバマ大統領

◆2月7日

 イスラエルの副首相が、イランはアメリカ本土を攻撃できる大陸間弾道弾を開発している、とアメリカを脅してイラン攻撃を正当化し、アメリカ世論をイラン攻撃に向かわせようとしたが、オバマ大統領がそれを真っ向から否定し、イランの核問題の解決には、外交的手段が望ましいと断言した

 イスラエルはイランを叩きたいが、イスラエルだけでは不足だからどうしてもアメリカを巻き込みたい。しかしオバマ大統領はそのことを知っているから、ずっとイスラエルに対してはイラン攻撃はするな、と釘を刺してきた。

 イスラエルのイラン攻撃派とアメリカのイラン攻撃派とが、なんとかイラン攻撃を実行したいため、さまざまなレトリックを使って戦争へのベクトルを煽っているし、一部の両国の国民は、その勇ましいレトリックに熱狂している。

 このアメリカ国内で戦争を煽っている勢力の背後にはキリスト教原理主義がある。中東でハルマゲドンが起きる事を願っている者たちである。同時にアメリカの戦争屋は、戦争で儲けることを考えている。イスラエルは中東でお山の大将でいられるためには、中東での唯一の核保有国であることが重要であるため、イランが核兵器を保有する可能性を潰したいので、アメリカの軍事力を利用してそれをやってしまいたい

 しかし、アメリカのオバマ大統領は、断固としてイラン攻撃をしようとする動きを封じ、話し合いによる解決を目指して地道に努力を続けている、と言えよう。これが、ブッシュ前大統領とオバマ大統領との違いである。ブッシュは戦争屋のための大統領であった。また自分がその戦争屋と繋がっているのである。

 このオバマ大統領の言葉を見ても分かるように、そしてこのブログでも指摘してきたように、オバマ大統領の率いるアメリカとイスラエルとの間の矛盾が徐々に顕(あらわ)になりつつある事が窺われる。

 少々チキンレース化しつつあるイランの核問題であるが、焦っているのはイスラエルである。しかしアメリカが動かねば、イスラエル一国ではさすがにイラン攻撃には二の足を踏むであろう。

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●オバマ大統領:イラン攻撃はリスクが高く外交的解決が必要
http://www.presstv.com/detail/225191.html
【2月6日 Press TV】

 アメリカのオバマ大統領はイランに対する軍事作戦に対して、非常にリスクが高いと警告し、イランの核問題の解決には外交的アプローチが好ましいと強調した。

 NBCテレビとのインタビューで5日、大統領は、イランがアメリカ合衆国本土を攻撃する意図を有しているとは思わないと述べた。これは、イスラエルのモシェ・ヤアロン副首相が先に、イランは1万キロの射程を持つ大陸間弾道弾を開発しており、これはアメリカ本土の東海岸にまで到達するものだ、と主張したことを否定する内容となっている。

 「ペルシャ湾内における更なる軍事的活動は、混乱を助長させるものであり、我々に大きな影響を与える。原油価格に大きな影響を与える。我々はイランと国境を接するアフガンに軍を抱えている。従って、我々が望む解決法は外交的なものである」とオバマは語った。

 この主張は、トルコのアハメト・ダブトグル外相が欧米側に、イランの核問題に対し更なる努力をするよう促しているので出てきていることだ。トルコ外相はイランに対する軍事的攻撃は「大災厄」をもたらす、と警告している。

 「軍事的作戦の選択をすれば、我々のこの地域にとって大災厄となる。であるから、そのような大災厄が起きる前に、全ての関係者は交渉に真剣であるべきだ。我々は両者がまもなく会合を持ち、完璧な結果を引き出すよう願っている」と5日、ドイツで行われた第48回安全保障会議の席上でトルコ外相は語った。

 「もしも強い意欲と相互的な信頼が醸成されれば、この問題は数日で解決されるであろう」と外相は語った。更に、「技術的な議論はそんなに大きな問題ではない。問題は、相互信頼であり政治的な強い意志である」と語った。

 カタールのハリド・モハメド・アルアティヤ外相は、欧米はイランに対する攻撃は控えるべきだと述べ、イランの核問題は対話と交渉で解決されるべきだ、と主張した。

 「攻撃は解決ではない;そしてイランに対する禁輸は情勢を更に悪化させるだろう。私は、対話が重要だと考える」とアルアティヤ外相は語った。

 「私は、我々の欧米の同盟国と友人と共に、この問題の解決を目指してイランと対話を開始するべきと考える。我々のこの地域の問題について我々はそのように感じている」と外相は述べた。
  
 アメリカ、イスラエル、それにヨーロッパのいくつかの国で言われている、イランの核計画には軍事的側面が含まれている、という広く喧伝されてきた主張があるが、イランはその核計画が、民生用であり、核拡散防止条約(NPT)の署名国として、また国際原子力機関(IAEA)メンバー国として、イランは平和目的の核の開発および核技術を開発し取得する権利がある、と主張している。
 
 この国際原子力機関はイランの核施設にたいする数多くの視察を行ってきたが、イランの民生用核計画が核兵器製造に変更された、という兆候をつかんだためしがないのである。

 イスラエルが200発から400発の核弾頭を所有していることは広く知られている。更には、イスラエル政府は核施設を国際的核査察官による査察にゆだねることや国際的な核の規制に合意することを拒絶している。
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60ミニッツに出たパネッタ米国防長官

◆1月31日

 アメリカの国防長官が、テレビ番組で、イランが決意すれば、彼らは1年間で核爆弾を製造できるだろう、と語った、と言う。また、もしもアメリカがイランが核開発をしているという情報に触れたならば、なんとしてでもそれを阻止するだろう、と語ったという。

 これは何を言っているか、と言えば、イランは核爆弾は開発していないし、所持もしていない、またアメリカはイランが核兵器を開発しようとしているという情報も持っていない、ということだ。

 彼はイランは核爆弾製造を『決意すれば』、1年で製造できるだろう、と言っているが、それは他の国でも同様であろう。日本も1年もあればできるのではないか?

 更には、1月19日の「ロシア:いかなるイラン攻撃も容認できない」で示したように、イスラエルの情報機関も「イランはまだ核兵器を製造することまで決定していない」という情報を持っているのである

 これからいえることは、イスラエルもアメリカもイランの核計画に関しては、自分達の情報機関が集めた情報を見ても、イランは核兵器の開発はしていないし、開発する決意もしていないということを知っている、ということであり、それでなおかつ、イランの「核計画」を阻止するために、脅したり制裁を加えたりしている、と言う事実である。こういうのを、いじめとか、パワーハラスメントとか言わないか? 「いやな渡世だなー」(座頭市)

 これこそが、自分の影に怯える「病理」体質の者たちのなせる精神疾患的行動なのだ。我々の日常生活でもときどきそのような人間が周囲にもいることがあるものだ。庭でバーベキューでも作っていると、三軒となりの家の精神疾患患者が「火事を起こそうしている!」とかいってわめき出す、などがそれだ。

 反対にアメリカの国防長官が、イスラエルと自分達は共通のゴールを持っている、と語っているのは、イランはまだ核兵器開発を決意していないのだからイランの核施設への攻撃はアメリカは考えていないし、イスラエルもしないはずだ、とイスラエルに釘を刺していることにもなるわけだ。

 これでオバマ政権の意向はかなりはっきりしてきたと言えるだろう。 

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●米国防長官:イランは一年で核爆弾を所有できる
http://www.theaustralian.com.au/news/world/iran-a-year-away-from-nuke-says-us-defence-secretary-leon-panetta/story-e6frg6so-1226257154858
【1月30日 The Australian】

 イランは一年で核爆弾を、更に2年から3年で運搬手段を製造できる、とアメリカの国防長官は語った。

 「アメリカと米大統領は、イランが核兵器を開発することは望んでいない、ということを明確にしておく」と、レオン・パネッタ長官はCBSの60ミニッツで語った。「これは我々にとってのレッド・ラインだ。これはイスラエルにとっても明らかに同様である。我々は従って共通のゴールを持っている」

 パネッタはもしもアメリカ政府がイランが核兵器開発を進めているという情報に触れたならばアメリカは、「それを停止させるために必要なあらゆるステップを踏むつもりだ」と語った。
 
 それは軍事的行動のことか、と尋ねられて長官は、「テーブルからはずされたオプションはない」と応えた。

 「このコンセンサスは、もしもイランがそう決意したならば、彼らは核爆弾製造までほぼ一年を要するし、運搬手段を製造するのに更に1年から2年を要するだろう、ということだ」と語った。

 昨年11月に出されたレポートでは、国際原子力機関(IAEA)は、10カ国以上から寄せられる情報と機関自身の情報筋からの情報は、「イランが核爆弾開発に関連する動きをしていることを示唆している」と語った。

 軍事基地での鋼鉄製コンテナ内での爆発実験とか、シャハブ3弾道ミサイル弾頭研究など、IAEAが言う「高度に核兵器計画に関連する」疑わしい12の分野についての詳細をこのレポートは示している。

 イランはこのレポートをでっち上げとして否認した。

 イランは、このレポートが出されて以来、アメリカとヨーロッパ連合による原油と中央銀行に対する措置を伴う、かつてない国際的圧力下にある。

 先週の一般教書演説の中でオバマ大統領は、核に関する問題でイランと平和的な妥結はまだ可能である、と語ったが軍事的選択肢の可能性は否定しなかった。

 「イラン政権は、以前よりずっと孤立している;イランの指導層はダメージの大きい制裁措置に直面しており、彼らが責任を回避する限りこの圧力が和らぐことはない」と大統領は語った。

 「アメリカはイランが核兵器を保有することを阻止する決意でいることは疑いないことであり、その目的を達成するためにはいかなる選択肢もはずされることはないだろう」と大統領は宣言し、スタンディング・オベーションを受けた。

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