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対米地政学的チェスゲームの指し手、ロシアのプーチン大統領
◆7月24日
欧米・イスラエル・トルコ・アラブ君主国が執拗にシリア制裁を意図するが、これまた執拗にロシアと中国が拒否権を行使して阻止している。これは両者の世界覇権を掛けた天王山的なものだからだ。
ロシアはリビアで失敗をした。当時のロシア大統領はメドベージェフであったことが災いしたのだ。国連での決議で拒否権で葬らずに棄権をすることで、決議がなされ、リビアはNATOの攻撃にさらされるようになった。制空権を奪われたからだ。
この失敗を繰り返さないという固い決意をロシアのプーチンは持って今回のシリア危機に臨んでいる。したがって、シリアはリビアのようにはなっていない。もちろんシリアはリビアと違って人口や軍の規模が大きく、反政府武装勢力も単独ではなかなか政権を倒すことは困難であろう。
戦争屋の戦争はこのシリアで終わらせなければならない。シリアは多民族が調和の中に共生してきている、アラブ国家としては優れた側面を有している国である。ダマスカスの中心にはキリスト教の聖地もあり、クリスチャンが多く住んでおり、周囲のイスラム教徒とも問題を起こすことなく平和の内に暮らしてきているのである。ドゥルーズ教徒やクルド人も平和の中に生活してきている。その共生の平和が破られつつあるのが、現在の状況だ。
それはシリア攻略が欧米の仕掛ける覇権闘争の一環だからであり、シリアの次はレバノンのヒズボラが狙われ、あるいはそれを迂回してイランが直接狙われるであろう。最終的な標的はロシア・中国というユーラシア大陸のハートランドとそれを囲む国家の簒奪である。それができれば世界支配は完了するからだ。
その欧米の野望をプーチンは明確に認識し、絶対的な覚悟でそれに対処しようとしている。だから欧米側の意図は絶対成就しない。天と地もそれを許すことはないだろう。もしも欧米側がごり押ししようとすれば、欧米側が天と地に打たれることが起きるだろう。天変地異が襲うであろう。アメリカの旱魃・熱波はその序章である。
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●シリアとユーラシアでのプーチンの対米地政学的チェスゲーム(-その1-)
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=32019
【7月23日 by F. William Engdahl】
大統領に再選されてからプーチンは一時も無駄にすることなくロシアに対するもっとも緊急的な地政学的脅威に対処してきた。彼のアジェンダの中心にあるのは爆発の危機にある中東、なかんずくシリアである。プーチンは「見込み違いからの世界戦争」になりうるかもしれないさらなる状況の悪化を阻止するため、あらゆる方法を講じてきた。最近数週間の彼の活動はシリア政府との個人的な外交折衝であり、同時に反政府側の「シリア国民評議会」との折衝である。またトルコのエルドアン政権との外交折衝もある。さらにオバマとの秘密の外交折衝もある。またイスラエルのネタニヤフとの直接的外交折衝もある。
シリアは欧米メディアが描く内容とは異なり、長いこと多民族・多宗教共生型の国家でありアラウィ派のアサド大統領はスンニー派の妻を持っている。シーア派から派出したアラウィ派は女性に頭のスカーフ着用を強要せず、スンニー派とくらべ許容度が高い。特に女性が運転免許を取ることさえ禁止されているサウジアラビアなどの原理主義的土地と比べればずっと自由である。
シリア人口の大雑把な内訳は、アラウィ、ドゥルーズ、クルド、スンニー、アルメニア正教徒に分けられる。もしも少数派のアサド政権が倒れることがあれば、専門家はエジプトのようにスンニー派のムスリム同胞団が台頭し政治的支配勢力になるだろう、と見ている。これはイスラエルが歓迎できる状況ではなく、ロシアや中国も望んでいない。
中東で長いこと仕事をしてきてシリアの多民族に詳しい、インド人元外交官のガジェンドラ・シングによる評価によれば、少数派のアラウィ派のアサド政権が倒れることがあれば、シリアは急速に大虐殺の地となり1万7000人殺害といったことは単なる序章に過ぎなくなるかもしれない、と言う。シングは、「アサド政権の転覆はアラウィ派、シーア派、キリスト教徒、クルドとドゥルーズでさえも含んだ大殺戮につながる。これら少数派全体で2000万人のシリア人口の20%となる」と予想している。
これは400万人のシリア人が殺戮されるということになる。これはムスリム同胞団によって支配されている怪しげな「シリア国民評議会」と武装反政府勢力の「自由シリア軍」を支援している欧米の者たちの考え方の中に加えられねばならないことだ。この紛争が、リビヤ型の大虐殺になった場合には国境を超えてトルコにまで拡大するかもしれない。シリアの海岸地帯は重要なアラウィ派の地域で、多くのアラウィ派の人々がトルコのハタイとアンタクヤ地区に住んでいる。
シリア内部のフィクションから事実を抜き出すことは、メディア活動が制限されていることと、反政府側のスポークスマンは事態について虚偽を繰り返しているため困難である。最近の例では、イギリス人ジャーナリストはアサド政権に対するプロパガンダを助長させるために反政府勢力によって死の罠に慎重にはめられそうになった。イギリスのチャンネル4ニュースのチーフ・コレスポンデントのアレックス・トムソンはAP通信に対して、シリアの反政府勢力はレバノン国境に近い無人地帯に彼を連れて行って死ぬようにさせたと語り、彼ら反政府勢力は彼の死をシリア政府によるものとすることでプロパガンダに利用しようとした、と語った。そして政治的操作のあつかましいほどの例として、BBCは最近、アルホウラの5月25日の虐殺の写真だというものを公表したことがあった。この写真は2003年4月にイタリアの写真ジャーナリストであるマルコ・ディ・ラウロがイラクで撮影したものであることが分かったのだ。
この地政学的チェスゲームの中心は欠陥や欠点がどうあれ主権国家としてのシリアの生き残りである。さらには最終的には主権国家として共にイラン、ロシア、中国、そしてBRIC国家のブラジル、インド、南アフリカの生き残りがかかってくる問題だ。長期的には、我々の知る文明の生き残りの問題であり、70年前であれば数千万人だったが現在では数十億人が死ぬことになる世界戦争を避けるということである。
■ロシアにおけるシリア問題
ロシアのプーチンは安定国家としてのアサド政権を取り巻く生き残りの為の深く硬いラインを引いた。もしもアメリカがヒラリー・クリントンのようにシリアの政権交代をすぐ起こすよう執拗に要求すれば、世界戦争の可能性があるとロシアはなぜ警告するのかと尋ねるものがいないわけではない。これはロシアが中東における自身の帝国主義的アジェンダを進めようと意図しているからではない。 ロシアがそれを望んだとしても軍事的・経済的に殆どないに等しいものだ。むしろ、シリアのタルトスのロシアの唯一の地中海海軍基地の権利を維持することが関係している。タルトスは旧ソ連領以外にあるロシアの軍事基地であり、地中海における唯一の燃料補給基地なのだ。NATOとの衝突が起きた際には、この基地はロシアにとって戦略的なものになる。
それでもそれ以上の問題がロシアにはある。プーチンとラブロフ外相は、NATOとアメリカがシリアのアサド政権に対する攻撃をした場合、その結果は驚くべきものになることをはっきりと示している。ダマスカスの信頼できる筋によれば、シリアにはロシア人の「技術アドバイザー」が少なくとも10万人はいる、と報告している。これは大人数だ。そしてロシアの改造されたMi-25攻撃ヘリを運んでいるロシアの貨物船はシリアに向かっていると報じられている。数日前にはアドミラル・チャバネンコ駆逐艦に率いられたロシアの海軍艦船がタルトスに向かって出港している。
以前、シリアが購入し改造されたヘリコプターを6月、シリアに送り返そうとした試みは、貨物船の掲げる旗がロシアのものでなかったことで阻止された。今はロシアはシリアとの交易に介入することは許さない、という姿勢を明らかにした。ロシアの国防省スポークスマンのヴァチスラーブ・ジルカルンは、「この艦隊は封鎖という介入などを阻止するため、わが国の艦船の安全航行を保障する任務で派遣されることになる。そこには制限がないことを思い起こしていただきたい」と静かに付け加えた。ロシアが言いたいことは、もしもNATOが愚かにもシリアの政権交代を推し進めるならば、ロシアは1962年のキューバ危機の21世紀版に直面するつもりでいる、ということだ。
いわゆるシリアの民主的反政府勢力というものがムスリム同胞団に支配されていることが公に明るみになってきているので、多民族的で民主的な傾向で有名とはとても言えない一つの組織が、旧ソ連の中央アジア諸国に不安定化の波を引き起こすかもしれないのだ。
中国もまたその危険性に非常に神経質になっている。つい最近も新彊ウイグル地区でムスリム組織の流血の暴動が起きたばかりだ。
ロシアと中国が国連安保理で拒否権行使を控えるよう罠に嵌って以来、ロシアは中国と固く団結している。アメリカの決議案がNATOにカダフィを倒すためのドアを開かせただけでなく、機能する国家としてのリビヤそのものをもだめにしたのだ。リビアの瓦解以来この著者は、事情通の人々にリビアについてどうしてそんなに近視眼的だったのかと尋ねながら、個人的にモスクワと北京で語ってきた。彼らは両者とも、ジョージ・W・ブッシュが大中東プロジェクトと呼んだもののためのアメリカのアジェンダの更なる進展は、ロシアと中国両国の国益に真っ向から反するとはっきりと結論付けている。それでシリアの政権交代というNATOのアジェンダに絶対反対しているのだ。国連安保理常任理事国のロシアと中国は3回、シリア制裁決議に拒否権を行使している。最近のものは7月19日だ。
プーチンとラブロフ外相は元国連事務総長のコフィ・アナンの和平計画に固執している。アナン計画の6項目は政権交代は目指しておらず、交渉による妥結と敵対する両者の戦闘終了、休戦を呼びかけるものである。
-その2に続く-
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先週ブルガリアの空港で起きたイスラエル人を狙った爆弾テロ
◆7月23日
18日にブルガリアの空港でおきたイスラエル人観光客を狙った爆弾テロ事件で、イランの高位聖職者が、この事件を口実にイスラエルがイランの核施設などを攻撃すれば、イランはイスラエルのテルアビブを攻撃すると反論したと言う。
これは一つの序章である可能性が高い。本当の狙いはやはりロンドン・オリンピックということではないだろうか? 7月16日号「ロンドン・オリンピックで自作自演テロは起きるか?」で示されているように(自作自演だっとしても)立て続けに爆弾テロが起きれば、国際世論も大いに盛り上がり、「平和の祭典」なのに、イランは何たる国か! ということになろう。
イランがオリンピックでイスラエルの選手に対するテロ攻撃を行う確率は0(ゼロ)だ。自国を攻撃すると言っていきまいている国の選手を攻撃するメリットはゼロだ。自分で自国が攻撃されることになる事件を起こすわけがない。したがって、イランにやられるから警備を強化している、といってさも攻撃がありそうな装いをイスラエルがしているのは、イラン攻撃のための準備工作の演技であり、自分たちがその「攻撃」をやることになるだろう。そして「イランがやった」と大騒ぎをして、イラン攻撃の口実とするだろう。ブルガリアに続いて、ロンドンでもやられたとなり、もう我慢できないとなるわけだ。
これが起きれば、アメリカの世論もイラン攻撃に引っ張っていかれてしまうかもしれないし、オバマ大統領もその世論(=主流メディアの論調)をまったく無視することもできなくなり、イラン攻撃のゴーサインを出さざるを得なくなるかもしれない。
しかし人類がお互いに世界の覇権を競って争うような時代ではなくなっているのが現代である。人類の足元に「想定外」の天変地異が迫ってきている。今すぐにも、人類全体が、この地球に感謝するような意識を高めていかなければならない時なのだ。それが遅れれば、遅れるほど、天変地異は激しさを増していくことだろう。まして、オリンピックでの自作自演のテロでイスラエル・アメリカがイランを下手人に仕立て上げて攻撃するようなことでも起きれば、人類は早晩、超巨大天変地異に見舞われると覚悟するべきである。
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●イスラエルが攻撃すればイランはテルアビブを撃つ
http://www.jpost.com/IranianThreat/News/Article.aspx?id=278365
【7月21日 JPost.com】
イランは、もしもイスラエルがイランの核施設を攻撃すれば、「テルアビブの心臓部を攻撃する」だろう、とイランの高位聖職者が21日ファース通信社に語った。
「彼らは我々の核センターを攻撃はしまい。それに彼らはイランに対するそうしたいかなる行為も後悔することになることを知っている」と、ホジャトレスマム・セイド・レザ・タカビは語った。
このコメントは、5人のイスラエルが殺害されたブルガリアにおける18日におきたテロ事件のことで、イスラエルがイランとヒズボラによる犯行だと非難した際になされたものだ。
イランもヒズボラもこの事件に対する一切のかかわりを否定している。
「ブルガリアで起きたイスラエル人の観光バス爆破テロ事件に、イランがかかわっていたかもしれないというシオニスト政権の根拠のないいくつかの声明は、シオニスト政権のいつものやり方である。政治的動機でなされ彼らの弱さの現われである・・・」と、イランのソフィアにおける代表部は19日に声明で語った。
いくつかのアナリストらは、イランが自国の核関連科学者を殺害されたことに対する報復をなそうとしたのでは、と考えている。イランは核科学者らがイスラエルとアメリカによって殺害されたと考えている。いくつかの国のイスラエルの外交官たちがここ数ヶ月イランに代わってテロリストによって暗殺の標的にされていると、イスラエルは考えている。
ブルガリアの事件は85人の死者と300人以上の負傷者をだしたアルジェンチンのユダヤセンターにおける爆弾事件の18周年の日に起きた。アルジェンチンはイランを非難した。
●イスラエル:オリンピックでのイランの攻撃を恐れる
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5ggbzA3yJbgPXbfhbYaM6qI3Fimfg?docId=CNG.1b936883d75e5a15bf5290c00c2f540b.351
【7月22日 AFP】
イスラエルはロンドンオリンピックに対して治安関係の強化をしている。イランがイスラエルの選手を狙ったテロ攻撃を仕掛けてくるかもしれない、という恐れからの措置だ、と22日報じられた。
先週ブルガリアでイスラエル人観光バスが自爆攻撃に遭ったことを受けて、スコットランドヤードとイギリスのMI5情報機関はイスラエル選手団に対する脅威の査定を高めたと言われている、とサンデータイムズ紙が報じた。
イスラエル政府は選手団員の保護のためシンベト情報機関要員を派遣したと報じられた。
またイスラエルの外国向け治安機関のモサドは、イランのクォズとレバノンのヒズボラと一緒に行動していると思われるテログループの捜査のためチームを派遣したと言う。・・・以下略
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武装テロリストらと戦うシリア軍兵士
◆7月19日
シリアのダマスカスでアサド政権の閣僚数名が自爆テロの犠牲者となった。欧米社会が国連と一緒になって、シリアの紛争解決のためアサド政権側にのみ暴力行為を停止せよ、と迫っていたが、今回のこの事態を見れば、政府側が暴力、つまり鎮圧行動を停止させれば、武装勢力側が閣僚を皆殺しにすることになることは火を見るより明らかなことだ。
国連事務総長の潘基文は、一国の政府の閣僚殺害を狙って爆弾攻撃をした今回の事件について今に至るも何も語っていない。語るとしてどう語るのか?「遺憾なことである」とでも言うのか、「ざまを見ろ」とでも言うのか? シリア政府の「暴力」だけを非難して、今回の反政府武装勢力側の「暴力」に対しては、何も言えないのか? あきれた御仁だ。
今までのシリアではテロ活動をしてきたテロリストらの大量の逮捕者が出ている。降参すればシリア軍は逮捕し拘留してきたのだが、これからは武装テロリストたちを逮捕せず、殲滅作戦に入るかもしれない。
シリアは今に至るも、大統領、軍、閣僚、民衆が、欧米・トルコ・湾岸君主国家群・イスラエルに大して一丸となって更なる敵意を燃やしているからだ。
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●シリア爆弾テロ:クリントンの言う「報い」とはこれのことか?
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=31972
【7月18日 by Finian Cunningham】
シリアのアサド政権の指導者らが集まる会議でおきた爆弾テロに欧米の情報機関が絡んでいることは間違いない。
犠牲者の中には、ダウド・ラジハ国防相、アサド大統領の義兄のシャウカト副国防相らがいる。18日午後、ダマスカスの閣僚会議の最中に自爆攻撃者が強力爆弾を爆発させたものだ。この他にハッサン・トゥルコマン副大統領も死亡した。
負傷者の中には、ヒシャム・イクチアール国家治安局局長、モハマド・イブラヒム・シャール内務大臣がいる。
これはアサド大統領の側近グループに対する最悪の攻撃であった。大統領がこの会議に出席することになっていたかどうかは定かでない。
二つのグループが犯行声明を出した-自由シリア軍と殆ど知られていない聖戦組織で自らを殉教主旅団と呼ぶグループだ。この攻撃の実行に欧米の軍事的支援が決定的に存在していることが証拠から示唆される。
過去16ヶ月に渡って、武装反政府勢力は無秩序なゲリラ的ヒット・エンド・ラン攻撃を行う存在から、いまや爆弾と迫撃砲攻撃を首都ダマスカスで行えるような強力な反乱勢力となった。
3月と4月初旬、コフィ・アナンの和平計画が4月中旬に発表されるまで、シリア政府軍はホムスの基地その他の北方の町から武装勢力を敗走させるなどかなりの優勢を維持していた。アナンのイニシアティブが試みられてから、反政府武装勢力の軍事能力に急激な変貌が見られた。
これらのグループはアナンの6項目計画を実行しようという振りさえしなかった。そして和平を達成せんとするいかなる政治的プロセスも拒絶する中、米英仏の指導者たちによる際立った支援を受けてきた。欧米政府はいかなる政治的移行をするとしても必要条件としてアサド大統領の辞任を断固要請してきたが、そうすることで更なる暴力が吹き荒れることをよしとしてきたのだ。
反政府勢力の暴力の増大はシリア人の間ではいかなる支持もないのだが、これは4月1日トルコのイスタンブールで行われた欧米が背後にいるいわゆる、「シリアの友人会議」に遡れる。この会議で武装反乱グループに対して1億ドルの支援が約束されたのだ。
今回のシリア政府要人に対する最悪の攻撃は高度な情報と緻密な計画が存在していたことを示している。この武装勢力の軍事能力における劇的な向上は、2011年3月15日以来の欧米およびトルコの特殊部隊の確固とした増大する介入、および欧米の同盟国である湾岸君主国家群によって資金提供されトルコからシリアに密輸された武器の流れの結果である。
今年はじめから、ダマスカスとアレッポで無警告の精密な車爆弾攻撃が続いた。5月10日、シリア軍情報本部の外で2発の爆弾が爆発し、55人が死亡した。自爆攻撃もサウジとカタールが背後で支援するスンニー派の急進勢力の存在を示唆している。これらの急進派勢力はリビヤ、イラク、レバノンなどで活動しているアルカイダ系の者たちだ。これらのグループは欧米情報機関員との長い暗い関係を持っている。これはソ連時代のアフガンにまで遡るし、最近ではNATOがリビヤのカダフィを倒した時もそうである。
閣僚会議での爆弾テロの余波の中、ダマスカスでシリアの治安部隊と反政府勢力との間の激しい撃ち合いがあったことが報告されている。手榴弾、迫撃砲、その他の爆発物の音がダマスカスの異なる場所から聞こえた。確認されない情報として国会の建物近くでの爆弾攻撃があったいう。また大統領官邸の警護を担当するエリート兵士の兵舎に対する攻撃もあったという。
昨夜、シリア当局は武装勢力の多くのメンバーが逮捕され、秩序は回復したことを主張していた。情報省はアルジャジーラとアルアラビヤのことを暴力沙汰を誇大に捻じ曲げて報じているとして非難した。
それにもかかわらず、武装勢力はこの3日間のシリア政府の中心に対する攻撃を行うほどに増大した軍事力と兵站能力を獲得していることは明らかだ。「ダマスカスの火山作戦」と呼ぶ今度の作戦に見られた武装勢力側のスポークスマンの明らかな自信は、これらのグループはアサド政府転覆に関する外的なある種の保証を受け取っていることを示唆している。
今回のダマスカスでの襲撃は、アメリカとイギリスが今週ロシアと中国に対して、リビヤ型のNATOの軍事介入のための道を直くする国連安保理決議を支援するよう圧力を強めた頃起きている。
たった二日前イスラエルを訪問した際、クリントン米国務長官は、アサド政府は「生き残れない」と宣言した。彼女は、「我々は安保理で圧力を掛け続ける。我々はロシアに圧力を掛け続ける。いつかは分からないが、シリア政権は生き残れなくなる、と考えている」と語ったのだ。
以前、クリントンはロシアと中国に対して、中ロの同盟国であるシリアに対する制裁を強める欧米の意向を支持しないと、「報いを受ける」ことになると言って脅し、世界をうろたえさせたことがあった。
ロシアのラブロフ外相はそのような脅し文句を使うことを非難し、欧米勢力はシリアに対する敵対的位置を取らせようとして、ロシアを脅そうとしていると述べた。
シリアの閣僚の殺害に続いて、イギリスのウィリアム・ヘイグ外相は直ちに欧米が支持する決議を受け入れるよう、ロシアと中国に対する圧力を新たに掛け直すという反応を示した。彼は、「このようなあらゆる出来事は国連の決定的な強い決議に対する議論を増やす。事態はどんどん悪化していることは明らかだと思う」と語った。何かしら知っているかのように彼は、シリアは「混乱と崩壊」の瀬戸際にある、と語った。
5月24日以来、シリア中の村々で欧米が支援する傭兵たちによる殺戮行為は今のところロシアと中国のシリア政府支援をやめさせるまでには至っていない。今回のアサド政府閣僚とアサドの親族に対する蛮行は、クリントンが警告した「報い」なのだろうか?
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ロシアの人権問題指摘にいらだつサウジアラビアの国旗
◆7月17日
ロシアの人権委員がサウジアラビアの油田地帯に住んでいる少数派のシーア派住民が弾圧されていることの是正をサウジ政府に指摘したことで、サウジ政府がロシアを非難している。
これはサウジ外務省が示唆しているように、シーア派のシリアがスンニー派のサウジアラビアから資金援助を受けているスンニー派武装テロリストによって内戦状態に引きずり込まれていることに対する、カウンターパンチであろう。
ブログ子は実はなぜこのことをロシアやイランがもっと早くやらなかったのだろう、といぶかっているほどである。攻撃は最大の防御。シリアは理不尽な紛争を起こされている。起こしているほう、つまりサウジやカタールなどの湾岸君主国家の方が、シリアなどとは比べ物にならないほど非人道的・非人権的国家なのだ。だからそこを突っつけば、彼らもすねに傷持つ存在だから、影響は大きいはずである。
このロシアの本気度を知ってか、オバマ政権はシリアの反政府武装勢力に対する支援を11月の大統領選挙が終わるまでは、一切しない、と決めたようだ。以下のテレグラフ紙が報じている。
サウジにもカタールにも反政府勢力は存在している。この勢力に対して、対岸のイランとロシアが本格的に「支援」でも始めたら、ペルシャ湾は本当に戦場になってしまう。オバマ政権にとってはペルシャ湾で何かが起きて、ホルムズ海峡の封鎖というような事態でも生じたら、後に引けなくなり本当に戦争になってしまう。
しかし、常にこのROCKWAY EXPRESSで指摘してきたように、オバマの本音は、戦争勢力の圧力をかわしながら、戦争勢力の「勢力」を削ぎたいのである。しかもロシアの本気度を考えれば、ここでシリア反政府勢力への際限なき支援は危険と判断したものと思われる。エジプトのようにムスリム同胞団系の政府がシリアに出来ることも願ってはいないこともある。
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●サウジ国内のシーア派弾圧を指摘したロシアにサウジ政府が反発
http://en.ria.ru/world/20120715/174617165.html
【7月15日 RIA Novosti】
サウジアラビアはロシア外務省人権委員のコンスタンチン・ドルゴフのサウジアラビア東部の紛争に関する指摘を、「敵意のあるもの」と見ていると、SPA国営通信が15日、報じた。
ドルゴフは今週外務省のウェブサイトに掲載した声明の中で、大多数がスンニー派の国内で、サウジアラビア政府はシーア派の人々の平和的集会、表現の自由などの権利を保証すべきである、と語った。彼はまた、集会に対する弾圧は、「サウジアラビアの市民社会の調和と安定にネガティブな影響を及ぼすであろう」、と考えている。
「サウジアラビア王国はこの声明を敵意あるものとして非難する。王国はロシアの人権委員に、王国が国家の法、主権、独立を遵守すべく努力し、ロシア自体の紛争の解決を図るロシアの内政も含む、他の国家の内政に干渉することなきよう努めていることを思い起こしてもらいたいと考えている」と、SPA通信はサウジ外務省の声明を引用して報じた。
サウジアラビアの石油埋蔵地帯に住んでいるシーア派の大きな抗議デモが今週再び生じた。このデモはシーア派の指導者であるシェイフ・ニムル・アル・ニムルが逮捕され、負傷し彼の二人の助手が殺された後に起きた。
サウジ外務省は、ロシアの人権委員の指摘はシリアの紛争から注意を逸らすことを狙ったものでないことを希望する、と語った。
アムネスティー・インターナショナルの情報によれば、サウジアラビアの東部地方で2011年2月に500人ほどが集会参加の嫌疑で逮捕されている、という。この集会に対する弾圧で6人が殺害されている。
デモ隊は民主的改革を要求し、シーア派に対する差別を終わらせ、拘留されているデモ参加者らを解放することを要求している。一方サウジ政府はデモ参加者らを、紛争を起こそうとし、警察に手向かい、外部勢力のために活動しているとして非難した。
●アメリカ政府:シリア反政府勢力への支援は大統領選が終わるまでやらない
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/northamerica/usa/9404452/US-refuses-to-help-Syrian-rebels-until-after-election.html
【7月16日 Peter Foster-London Telegraph】
アメリカ政府はシリア反政府勢力への武器支援を停止
オバマ政権は欧米同盟国とシリアの反政府勢力に対して、シリア問題に対して介入することは11月の大統領選が終了するまでは何もできない、と警告したという。
アサド政権転覆を狙って支援を求めているシリアの反政府勢力からの押し寄せる怒りにもかかわらず、ホワイトハウスは一切の彼らの要求する重火器と情報支援の要望を拒絶した。
ワシントンのシリアの(反政府)ロビー・グループは数週間前までは、オバマ政権が対戦車・対空ミサイル供給を了承するのでは、という期待を表明していたが、いまや彼らはアメリカ政府によって「現実的な状況」を受け入れさせられた。
自由シリア軍の政治組織であるシリア支援グループ(SSG)が最近、1000基のRPG-29対戦車ミサイル、500基のSAM-7ロケット、750丁の23mm機関銃、そのほかにもボディーアーマーと衛星電話機などを米高官に提出し要請していた。彼らはシリア政府と戦うということで、武装戦士用に600万ドルの資金を要請していた。これら一切の要求が拒絶された。・・・以下略
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ロンドンオリンピック・メインスタジアム
◆7月16日
今回のロンドン・オリンピックにイギリス軍がミサイルまで持ち出して警戒に当たるようだ。それに特殊部隊では生物化学兵器使用を前提とした訓練までやっている様子である。
オリンピックのロゴマークが2012という数字をデフォルメしてZiONにしている、あるいはZiONをデフォルメして2012に見せかけてるといわれてきており、シオニストとその背後で操る勢力が今回のオリンピックをすでに手中にしてこのゲームを彼らのアジェンダ推進のために利用するだろう、と言われてきた。
ZiONがデフォルメされ2012のように見せかけている
もしも彼らのシナリオ通りにことが進められれば、大きなテロ事件がおき、シリアないしはイランがそのテロの下手人とされ、欧米・イスラエル側が戦争を仕掛ける正当性を得ることになるだろう。
そのような愚行が再演されるようでは、人類はこの地球上に住まわせてもらえる資格を失いかねない。経済問題、洪水、旱魃、地震、津波、原発事故、超強風、その他がこれから地球を襲う際、あまりに人類が愚かであれば、そのまま滅亡への道を進むことになろう。したがって、なんとしてでも、このような愚行は再演してはならないのだ。
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●ロンドン・オリンピックで自作自演テロは起きるか?
http://eyreinternational.wordpress.com/2012/07/14/could-we-witness-a-major-false-flag-at-the-london-olympics/
【7月13日 Peter Eyre】
オリンピックゲームが間近に迫っているが、イギリス軍は会場周辺に飛行禁止空域を設定する措置を取ろうとしている。
この飛行禁止空域を設定することは必須の条件と考えられているため、地区の住民は戦略的な位置にある自分たちのアパートの屋上にミサイルが設置されるのを阻止することが出来なかった。
誰かが「オリンピックに動員されるイギリス兵はアフガンよりも多い・・・」、と言ったように、続けてこう言う、「もしも中国がこのような大量の軍の動員無しにオリンピックゲームを開催できたのならば、イギリスはなぜ、屋根の上にミサイルを設置したり、化学戦に対する訓練などを行って、オリンピック・ゲームを全面的な戦場のようにするのだろうか?」
ブライアン・フェイ中佐は、「無人機はバックパックの中に入れることができる。あらゆるサイズがある。それが有毒なものを積んでリモコンで操作されることだって考えられる」と語った。
SAS(英陸軍特殊部隊)は最近、対炭疽菌緊急訓練を行った。軍がロンドンのあちこちに見られる。予防措置としていくつかのアパートの屋上にミサイルが設置されている。リーパー無人機がミサイルの照準を合わせることを支援するため展開されている。
わがシオニストに支配されたメディアの典型的な思考態度を示すレポートを先月発見した。AP通信6月28日付け記事である。このユニークな共同作業は、アメリカの9月11日同時多発テロとイギリスの2005年の自爆テロ以来、両者が直面してきた共通の脅威に根ざしている。
イスラム教徒のテログループの主要な標的になることで、イギリスはアフガンとイラクにおいてはアメリカのもっとも近い同盟国である。そして2006年の大西洋航路の航空機爆破計画を含む最近の何十ものテロ計画は、イギリス国内にいる、その内100万人ほどはパキスタンとつながりのある相当数のイスラム教徒によって企てられたものである。
付け加えることは、上記の出来事はすべて、「自作自演」であり、いかなるイスラム教徒のグループによっても遂行されてはいない。これは欧米側の計画であり、「テロとの戦争」を維持するためで、実際はイスラム・グループからのいかなく脅威もないし、アルカイダは彼らの作った虚構である。
われわれの政府と軍によって提示されたこのような巨大ヒステリ-のことを聞いたことがあるだろうか? そして一体全体これはなんなんだ、と尋ねるべきではないだろうか?
これは、9月11日同時多発テロのような規模の事件が起きることを想定すべきなのだろうか、そしてそうならば、そのような攻撃を仕掛ける者は誰なのだろうか?
われわれはヨーロッパでは生物兵器の研究は長い間停止したままであると、また他の国々ではそのようが研究は続けられてきたと信じ込まされてきている。ポートンダウンの施設では生物化学戦争の研究が続けられていて、この施設がイラクが生物化学計画を進める支援をし、それをイラクがクルド人やイラン・イラク戦争時にイランに対して使用したと私は考えている。
もしも「自作自演テロ」がロンドンで起きたとしてどのような攻撃かを言うことは困難であるが、ブライアン・フェイ少佐の言うのを聞けば、生物化学兵器が問題となることは明らかだという。しかし他方、核が絡むことも言われている。
今のようなサイズの軍や警備会社の動員は、彼らが相当大きなテロを考えていることを窺わせるが、オリンピック・スタジアム周辺にミサイル防衛システムを設置するのは筋の通らないことのように見える。
たとえばボーイング747型機のような大型航空機が「飛行禁止空域」に侵入し、それでミサイル攻撃を受け、ロンドンの上空でばらばらに飛散する、といったことを想像できるか、ということだ。そんなことになれば残骸が落下するロンドンの街の破壊による死者の数はとてつもない数になることは誰でもわかることだろう。
オリンピックの警備を請け負うG4Sにアクセスしたベン・フェロウという内部告発者の、以下にあるような暴露情報はかなり衝撃的だと思う。
彼は、このG4S社に関する恐ろしい話を聞いたので、そこで働けるよう申請書を提出したという。ベンはなんとか会社に入ることが出来たが、そこで災害のカタログを発見したのだ。
彼は、ありうるロンドン退避のための糧食が社内に作られていて、また約20万個のプラスチックの棺が、テロ攻撃が起きた場合に予想される最初の死者のために準備されていると語っているのだ。
フェロウは、オリンピック・ゲームに関してネガティブなものは一切報道管制が敷かれていることと明言し、「自作自演テロ」の見出しなどはイギリスのメディアには出ない、と語った。
ベンは実際、「ロンドンの歴史上、決定的瞬間」と彼が描写するあるイベントにオリンピック後に巻き込まれると忠告された。それで彼は、当然のごとくパラ・オリンピック期間中のことかと考えた。すると彼は、オリンピックとは関係ない、他のことだと忠告された、という。
彼の懸念することは、ほぼ10万人になる軍がオリンピック施設周辺に張り付くことで、これほどの軍がなぜ展開するのか理解できない、ということである。
何がおきても、イスラエルの秘密機関(モサド)とCIAは再度介入するだろうことは間違いないことで、その際、テロの下手人と非難されるのは、存在しなイスラム教のテロリスト・グループであろう。そのグループがシリアやイランと関係するものだとなれば、欧米側はこのシリアないしはイランを指弾して、この「自作自演テロ」を戦争の正当化に使うであろう。
われわれはそのようなイベントが起きないことを願うのみである・・・しかしながら、欧米側の過去のやり口を見ると、このようなイベントが起きる可能性はかなり高く、とりわけシリアとイランに対し彼らが懸命に活動している事情を見ればそう言える。
われわれに出来ることと言えば、イベントが起きるのを待ち、起きれば観察し、高度に報道管制が敷かれているメディアが最初に何を言うか注意し、真実には程遠い、標的とされたグループがどんなに早く非難されるのかを注意深く観察することだ。
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