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作戦後押収された武装テロリストらの武器

◆7月14日

 シリアでまた大量の死者が出た、ということで、それをシリア政府のした虐殺行為だと欧米メディア(と勿論日本メディア)が発表したが、実際はシリア政府軍による武装テログループ拠点への攻撃で、大量のテロリストが殺害されたことと、その拠点には誘拐されていた市民が殺害されていたのが、発見された、というのが真相のようだ。

 以下のサイトでも、欧米主流メディアの情報筋が得たいのしれない存在からの情報を事実としてニュースに仕立てあげ、それがコピーにつぐコピーで拡大生産されて世界に拡散されている、と指摘している。
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=31893

 それによると、CNNで以下のように報じているという:「ハマ市の活動家はCNNに対して、トレイムセ市にいる住民の目撃者は彼らに対して電話で、シリア軍が全面的攻撃を戦車と大砲で囲まれた市内にいる自由シリア軍に対して行った」とし、それが200名以上の市民の殺害につながったというのだ。

 この記事の問題点は、CNNが得たこの情報は、電話でハマ市にいる「活動家」に伝えられ、その「活動家」がそれをCNNに伝えた、という曖昧な情報をさも事実のように発表していることであり、しかも死んだ人間を「市民」として「武装テロリスト」とは言っていないことであり、その武装テロリストがこのトレイムセ市の住民を多く誘拐し既に殺害している事実を伝えていないことである。

 産経の記事では、軍の攻撃後「アラウィ派の民兵「シャッビーハ」が村を襲撃し、多くの住民を処刑した」と報じている。そして「住民のほとんどは、反体制派の主体である多数派のスンニ派である」と言っている。

 この記事の問題は、「反体制派側によれば」と、さも反体制派側の情報が信頼できるかのような前提で記事を出している点であり、また反体制派とスンニー派がさも同じことを意味するかのような書き方をし、トレイセムでの殺害された者たちがスンニー派の者たちだから、犯人はアラウィ派のアサド政府軍であり、親政府系の民兵だ、としていることだ。

 これ、すべて間違いである。既にシリアの問題は、世界的ユダヤ系主流メディアが事実と反対のことを情報として世界に流し、それをそのまま受け取る日本などの二流メディアが更にその嘘を拡大再生産している、という点にあることをずっとこのROCKWAY EXPRESSでは指摘してきた。今回もそのシナリオ通りの展開となっている。

 武器を取って政府軍に反抗する者たちは、反乱者となるから、当然政府軍は鎮圧をする。トレイセムの町が武装テロリストによって乗っ取られ、その救出のための今回の作戦で、特にテロリストの拠点地域に対して攻撃をし、市の解放作戦を実行したのが真相である。その後、その拠点には武装テロリストに従順でなかった市民らが既に殺されているのを政府軍が発見したのである。その事実の詳細を一切無視して、政府軍が市民を200人以上虐殺した、と報じたのが欧米ユダヤ系主流メディアである。

 国連の潘基文事務総長は、安保理など国連加盟国に対し「集団的な断固とした措置を求める」との声明を出した、と相変わらず欧米側の情報のシナリオ通りの動きをして、お馬鹿ぶりを発揮している。このままではこの狂った世界はもうしばらく続きそうである。しかしそう長いことはない、と思いたいし、そう思われる。2012年も後半に入り、世界の天変地異と経済悪化がいよいよ顕著になりだしているからだ。


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●シリア軍:武装テログループに大打撃を与えた作戦実行
http://www.sana.sy/eng/21/2012/07/13/431278.htm
【7月13日 SANA】

 軍情報筋は13日、ハマ地区のアル・トレイムセ市に対し12日朝、軍部隊が「精密な作戦」を行った、と語った。その目的は、そこが武装テログループの集合場所であり、また彼らの指導者らの居場所であり市民を誘拐し拷問する際に後方基地となっている場所のため、そこを壊滅状態に追いやることであった。

 この作戦は、このアル・トレイムセ市の住民からの嘆願に対する対応としてなされたものだ、とこの軍情報筋は語った。アル・トレイムセ市は、武装テログループの様々な犯罪行為に晒されてきていた。その犯罪の中には殺害、住居の爆破なども含まれる。

 この作戦はモニター活動と正確な情報を市民の協力を受けながら検討した後に実行された。

 この武装テログループの拠点は破壊され、多くのテロリスト・メンバーがこの作戦で殺害されたと情報筋は語った。また大量の武器と書類も押収された。その中には一つのトルコ国籍も含む非シリア人のパスポートも含まれている。

 この軍情報筋は、押収した武器の中には、機関銃45丁、NATO狙撃銃13丁、RPGロケットランチャー9基、BKCマシンガン7丁、迫撃砲3基、手製ロケット3個、空気銃14丁、拳銃10丁、迫撃砲弾24発、RPG弾32発、機関銃弾倉53個、狙撃銃弾倉30個、爆弾8個、手りゅう弾10発、起爆装置150個、狙撃銃弾1500発、BKCマシンガン銃弾5000発、機関銃弾4200発、拳銃弾丸500発、ガスマスク7個、プリズム双眼鏡5個、無線衛星装置25機、シールド30個などで、その他にも爆発物を作る原料、爆発物、大量の火薬、TNTテンプレート、C4原料、軍装品、盗難車、登録免許などがある、と語った。


押収された武器


 この武装テログループへの作戦後、拠点を調べると誘拐されていた住民の多くの死体を発見したとこの情報筋は語った。

 情報筋は軍は市民の防衛のため、そして武装テロリストに対抗するため常に出動できる態勢にあり準備できていると強調した。

 またこの軍情報筋は武装テロリストの拠点のありかを特定してくれ軍に協力してくれた住民に対する感謝の念を表明した。

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4日目に入ったシリア軍演習

◆7月11日

 シリア政権を倒すため欧米、湾岸君主国、トルコ、イスラエルが懸命に工作してきているが、今なおアサド政権は持ちこたえているばかりか、反政府勢力の実態は、シリア内の勢力は別として外部からゲリラ・テロ攻撃を繰り返している者たちは、ごろつきと表現すべき者たちで、これは一貫して伝えてきたことである。しかもお互いを不信し合っており、まとまらないままである。
 
 少なくとも去年の三月にテロ攻撃が始まる前のシリアには、穏やかな日常の生活があり、衛星放送から携帯電話まで広く普及し、街には徐々に欧米風のカフェとかブティックなどが増えてきて、あるいは少量ながら石油生産も始まって、希望に満ちていたのだ。

 今、欧米、湾岸君主国などが目論んでいるのはイラン包囲作戦と言える。イランと組むシリアやレバノンのヒズボラを叩いてシーア派勢力を壊滅させることで、イランを孤立化させ、最終的にイランのイスラム政権を打倒し、かつてのシャー政権の時のような親欧米政権を樹立させ、化石燃料に関する利権を再び獲得しよう、ということだ。それにイランはこの化石燃料の取引通貨を米ドル以外で行うようになっているから、なおさらこのイラン政権の打倒が必要、と見ている。

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●NATOの聖戦の代価として地獄が待っている
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/NG10Ak02.html
【7月10日 by Pepe Escobar-Asia Times】

アメリカのクリントン国務長官はシリアに対するアメリカの聖戦の屁理屈の弾薬を切らしてきているようだ。恐らく、これはNATOの戦争を国連安保理を介して行うことの無理から来ているのだ。あるいはこれはロシアのラブロフ外相に毎日のように朝食として食われてしまう苦しさからだろう。

 クリントンは「欧米勢力」とアラブの手先たち-NATOGCC一体型勢力で「国際社会」と言っている-に対して、「ロシアと中国は進展を阻んでいるのだからその代価を支払うことになることをはっきりさせよう」と、シリアの武力による政権交代について呼びかけた。

 分かりやすくいえば、これは、「我々の新しい戦争を阻止するならば、その落とし前をつけてもらうぞ」ということだ。 

 クレムリンと中南海(北京の中国政府の要人が住んでいる特別区域)の廊下で笑い声が響いているが、これはシリアの政権交代を力で起こそうとNATOGCCがいかに焦っているかを示している。またNATOの東側の中心国家であるトルコのエルドアン首相がシリアを攻撃したくとも、トルコ国民の世論が受け入れないのでうずうずしている時でもある。


■車爆弾旅行、どなたかいかが?
 
 アメリカ自体が、昨日までは欧米文明を破壊し巨大なイスラム帝国に変えようとしていた同じテロリストの一団が戦った聖戦から分岐したこの聖戦のために、どんな代価を支払っているかを吟味してみることは意味があるだろう。

 アメリカ、イギリス、フランスは二度にわたって国連安保理をひねくり回して新しい戦争を始めようと画策した。彼らはロシアと中国に阻止された。それでプランBで、国連を迂回してNATO戦争を開始することになった。問題はNATOは自衛能力を持つ国家を相手に非常に危険度の高い戦争をする肝が無く、資金もないことだ。

 プランCは、自由(とは程遠い)シリア軍(FSA)、これは傭兵とジハード戦士の混在軍、とシリア国民評議会(SNC)として知られている日和見主義者の亡命シリア人一派を使用して内戦を継続させることである。 

 このSNCは現在リビヤ型の飛行禁止空域をシリアに設定することを要請している。NATO戦争への近道となることだ。トルコもNATOに対して正式に飛行禁止空域を要請している。NATO司令官らは能力不足かもしれないが、彼らは大きな問題を起こすことについては多くの経験を持っている。彼らはこの飛行禁止空域設定の要請はにべも無く拒絶した。

 このSNC、とFSAは、これ以上非代表的ではないほど、非代表的な存在である。「シリアの友人」-ヒラリーとアラブの手下たちの中で-は民主的交代のための全国調整機関(NCB)の存在を殆ど認めていない。これはシリア内の主要な反政府運動体であり、13の主に左派、アラブ国粋主義者、クルド人の政党から構成されている。このNCBはいかなる形態の軍国化をも否定しFSAを完全に拒絶している。

 クルド人でイラクの外相であるホシャール・ゼバリは、アルカイダ系ののサラフィ派ジハード戦士がシリア内にぞろぞろと移動していると警告した。明らかにこの一団はアルカイダのイデオローグであるアイマン・ザワヒリの言葉に耳を傾けている;五ヶ月前、彼はイラク、ヨルダン、レバノン、トルコにいるジハード戦士らにシリア内での戦いの命令を発した。多くの者たちは、サウジアラビアとカタールによって与えられた武器を携行している。

 何ヶ月も前から誰でもアルカイダと繋がるアブドゥル・ベルハジのリビヤ・イスラム戦闘グループ(LIFG)がシリアで活動していることを知っているし、イラクのアルカイダの残党がダマスカスの車爆弾の下手人であることも知っている。

 ワッハビ派とサラフィ派ジハード戦士に浸透されたスンニー派により支配されたアサド後のシリアが引き起こす反動は、反ソ連のジハードが生み出した1980年代のアフガニスタンを香港のディズニーランドのように思わせるだろう。 


■元とルーブルでの支払いOK
 
 中国は、ヒラリーの焦りを銀行に行き着くまで笑っているだろう。サウド家は、オバマ政権がアラブ世界での民主主義にちょっかいを出していると見て、ますますそれに妄想的になっているので、中国は新型ミサイルをサウジに売り込むことに精を出している。

 欧米が聖戦騒ぎをしている間、中国の国営企業は中東、北アフリカ、南米全体から商品を狂ったように買い集め、また戦略的備蓄用に希土(レア・アース)を積み上げている。中国は世界の希土の97%以上を生産している。この希土はiPadからミサイルまであらゆるものに使用されているものだ。

 国連を迂回しNATOを世界的ロボコップとする妄想のための、その他の「支払うべき代価」としての副作用は不可避である。シリアに対する聖戦はイラン攻略のための途中下車である、ということを忘れるべきではない。たとえば、海洋保険の新システムは、新しい国際交易メカニズムも同様に、欧米の支配を迂回するかたちで生まれ出ようとしているようなのだ。

 それでも、最も重要な要素はロシアと中国とが一致して進めている、ペトロダラーを使用しないで取引の決済をする世界的エネルギー市場を再編成する動きである。

 それでアメリカはイランをSWIFT(国際銀行間通信協会)から切り離したのだ。イランの中央銀行はカウンターパンチを繰り出した;我々と取引をしたいのならば、米ドル以外のいかなる通貨も使用できる、あるいは金でも支払いできる。

 これが聖戦における聖杯である、シリアではない;一つだけ、イランの石油とガスの支払いにユーロを受け取る;その他では金だ。この上にロシアと中国の支援がある。

 木の実の殻の中;全ての聖戦シンドロームは世界的準備通貨としての米ドルの終焉を加速させる。そしてそれが起きる時、「アメリカの春」が来るのだろうか? あるいはアメリカのエリートたちは、ロシアと中国に代価を支払わせるだけの肝と力があるのだろうか?

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イランの新式ミサイルであるデーラビー・ミサイル

◆7月10日

 第三世界の諸国が自国の軍備を整えようとすると、つい欧米・中ロなどの優秀な兵器を購入するという形になるが、イランはイスラム革命以来、欧米からの兵器購入が困難になったこともあり、独自の兵器を開発してきた。

 今回も新式兵器が披露されたが、欧米諸国の兵器と比べても遜色のない質の高いもののようだ。これもアメリカやイスラエルが常に、「軍事的オプションはテーブルにある」、とずっと言ってきたお陰であろうか。

 しかも今度の新式ミサイルは対戦車兵器としても使用可能というから、イランをイラクのように占領しようとする勢力に対して有効な兵器といえるし、イランはそのような事態をも想定している、ということであろう。イラクを欧米が占領する、と10年も前に見抜いた人物がいるというイランだから、自国の占領を目論む勢力の存在も見抜いているのであろう。

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●イランは敵と対戦する備えをしている
http://www.thetruthseeker.co.uk/?p=52095
【7月7日 The Truthseeker】

 この何年かイランはアメリカとイスラエルからの脅威に直面して、着実に防衛力を強化してきた。今までのところ両国ともイランを攻撃していないが、それをアナリストたちはイランの国内の防衛産業の発展が一つの抑止力になってきていたと考えている。

 シャー時代のイランは殆ど全面的にその軍備を欧米に依存していたが、イスラム革命はそれを全部変えてしまった。イスラム革命後の制裁措置でイランは独自の防衛産業を発展させ、今やその軍備の多くを自前で賄うようになった。

 様々な種類のミサイルの中には非常に質の高いものがあり、それに戦車、装甲車、ジェット戦闘機、攻撃ヘり、レーダーシステム、それに駆逐艦などは最近イランが実戦配備した。

 最新の兵器が7日、対機甲ミサイル生産ラインが公開され紹介された。アハマド・ヴァヒディ国防相がデーラビー・ミサイルの生産ラインの開所式を行った。このミサイルは、装甲車、低空飛行航空機、小型艦船に対して有効である。

 ヴァヒディはこのミサイルの「誘導システム」はいかなる種類の電子的妨害にも特別に耐性が強いと語った。またこのミサイルは「持ち運べて肩にかついで発射」できるので、「対戦車」戦闘にも有効だと語った。

 この生産ラインの稼動開始は、数日前に始まっていたミサイルテストの後に行われた。このミサイルテストでは複数のイラン独自に開発したミサイルがイラン中央部の標的に向けて発射された。この標的はアメリカのこの地域における基地を模したものだ。

 このデーラビー・ミサイルは大量破壊兵器ではないが、イランの兵器技術開発の新しい段階を示すものである。イランの最高指導者であるアヤトラ・ハメネイ師は核兵器を「罪」と表現したが、通常兵器技術として少なくとも、イランはいくつかの斬新なものを持っているかもしれない、と思わせるものがある。
 
 これは実際に起きる10年も前に欧米がイラクを侵略すると我々に警告を与えた同じ情報筋からのものだ。有名なサイキック能力を有する人物によれば、少なくとも戦場兵器技術の分野では、イランは多くの点で「欧米と比べて遜色ない」という。デーラビー・ミサイルの大量生産が始まったことで、イランの前線部隊には数ヶ月でこのミサイルが配備されることになるだろう。

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27日、爆弾攻撃にあったシリアのテレビ局内部

◆6月30日

 シリアに対する欧米NATO、トルコ、アラブ君主国家群の介入はいまやあからさまなものになってきている。それは衰退していく者たちが、なりふり構わず今持っている覇権を維持するために、あらゆる工作に狂奔している姿の一部である。

 27日号の「トルコはシリア国境に戦車を展開」で示したことを、4日遅れで時事通信が次のように記した。「トルコ国境近くにシリア軍集結=部隊2500人、戦車も」(時事通信 6月30日)。シリアとトルコが衝突するようなことがあれば、その戦いは中東全体に拡大する可能性がある。

 このような危機的状況を前に、ジュネーブで30日シリア問題関係国が会合を持つ。参加国は、 米、英、仏、ロ、中、トルコ、イラク、クウェート、カタールである。シリアを支援するロシアのイニシアチブで始まるこの会合で、ロシアが主張する「対話」の路線が出てくることを期待したい。

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●シリアは戦争状態 -2-
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=31649
【6月28日 by Stephen Lendman】

ラスムッセンによれば、「同盟国の安全保障は不可分一体のものだ。我々は連帯の精神でトルコと共にある」という。ブリュッセルでの議論は第5節を持ち出すまでにはいかなかった。それは戦争を意味するものである。 

 現在の流れが続けば、一つあるいは二つの偽旗(自作自演)作戦があれば戦争を始めることができてしまうだろう。それはいつ起こってもおかしくないのだ。ならず者メディアの意図的誤報で可能性が高まっている。

 プロパガンダ報道が大きな嘘を体現している。嘘を繰り返せば民衆は信じてしまう。いつでもそうなのだ。どれほど馬鹿にされても、いつでもいい「かも」なのだ。 

 シリア問題専門家のパトリック・シールは不吉な「大中東を覆う戦争の機運」を感じている。
 「六つの紛争地域が、新たな暴力の先鋭化の危機にある」と言っている。アメリカとその同盟国は平和をぶち壊した。それどころか彼らは、「火に油を注いでいる」のだ。

 圧力は耐え難いところにまで来ている。紛争のただ中にあるこの地域全体が沸騰している。アメリカはいくつかの戦争で負けている。まだ足りないのか?負けがこめば勝つことは更に困難になるのだ。  

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はアメリカのアサドに対する戦争を、「大中東の地政学的ゲームの一要素」と呼んでいる。

 オバマの政策は大統領選挙への思惑に影響されている。選挙に勝利するかどうかは、イスラエル・ロビーに気に入られるかどうかに大きくかかわっているからだ。AIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)はシリアとイランとの戦争を望んでいる。この団体は両国のことをテロの支援国家だと呼んでいる。そのような主張にはなんの証拠もありはしない。もう何年も、「シリアは中東の不安定の源だ」と言っている。

 「イランはテロ支援する世界を代表する国家であり、核兵器を製造できる能力獲得に向けて突っ走っている。南レバノンのイランの代理勢力であるヒズボラ、ガザのハマス、それにイラクとアフガンにいる反乱勢力を通して、イラン政権は毎日のことくにアメリカ軍やイスラエルの市民の対する攻撃を行っているテロリストを支援している」と言っている。またも事実の代わりにうまく言いくるめている。

 シールはオバマが、「イスラエルに対するコントロールを失った。大イスラエル構想に直面して度胆を抜かれた」と言っている。

 彼はアフガン、パキスタン、イラク、リビヤ、シリア、パレスチナ、イェメン、ソマリア、そして「サヘル地方を通して大西洋から紅海までどんどん拡大する紛争」に巻き込まれている。そこにはモーリタニア、マリ、南アルジェリア、ニジェール、チャド、南スーダン、エリトリアが含まれる。

 彼は勝利できない戦いをやっている。彼はグロッキーになったボクサーが懸命に倒れるのを堪えているようなものだ。それどころか、殺害し、破壊し、政権を転覆させる新しい方法を使用している。それで平和と安定というものはかつてなく遠ざかっている。

 イマヌエル・ウォーラーステインは、「衰退する大国の超えられない矛盾」を議論していた。数年前、彼はアメリカの衰退を予測した。それは彼が予想したよりも早く起きている。アメリカの政策は自滅的である。あわてる乞食はもらいが少ないのだ。

 「はっきりしていることは、この道をもう行ってはいけない、ということだ」。アメリカの計画はうまく行ってない。イスラエルも同様だ。「(オバマやネタニヤフは)そのことを分かってないのか?」

 そうであるならば、なぜ失敗することを続けているのか? 戦略を変えねばならないのにその失敗戦略を誇示さえしている始末だ。政治的なプライオリティーが一番重要なのだ。アメリカとイスラエルの反政府強硬派は、政府は弱腰だと考えている。変化への声がない。タカ派が支配的である。世論は何が一番重要かという点について関心がない。

 ウォーラーステインは両国リーダーに対して「でかい幻想」を抱いているのだ、と示唆しているのだ。オバマはゆるぎない世界覇権を目指している。ネタニヤフは大イスラエルだ。これは彼が掌握できるアラブの土地すべてを意味する。 

 こういった政策が紛争に油を注ぐ。彼らは世界の平和と人類を危殆に晒す。彼らは両国がそろって衰退していることを無視している。失った覇権を取り戻すために彼らが何をしでかすか、予想してみるべきだ。

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キリスト教会を破壊し司教のローブを羽織り十字架をもてあそぶ武装テロリスト

◆6月29日

 ダマスカス郊外でシリアの民間衛星テレビ局が武装勢力の襲撃を受けた。ホムスではキリスト教会が襲撃され破壊された。襲撃しているのは、「無辜の市民」などではなく、シーア派のシリア政権を転覆させ、スンニー派の国に変えようと、スンニー派湾岸君主国家から資金を受けて「無辜の市民」を襲撃しているスンニー派の外国のテロリストたちである

 無辜の市民が、民間テレビ局を襲撃などしない。だから、NHKを始めとする日本のメディアはシリアのアサド政権が「無辜の市民」を弾圧している、という表現は、もういい加減、止めるべきである。あまりにも事実からかけ離れ、あまりにも事実と正反対の報道には正常は精神を維持することも困難に感じる。どこまで愚かなのか、ということなのだ。

 欧米NATO、トルコ、アラブ君主国家群があからさまにその牙をむいてシリアに襲い掛かってきている情勢に、ロシアはこの週末のシリア関係国会合に一縷の望みを繋いではいるが、今までの流れからはそれも効果がないかもしれない。そうなれば、欧米NATO・トルコ・アラブ君主国家群とロシア・イラン・ヒズボラとの全面対決という将来像が地平線に見えてくる。

★ あんた、寝ぼけたこと言ってんじゃないわよ! 
                            雪平夏見 (アンフェア the answer)

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●シリアは戦争状態 -1-
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=31649
【6月28日 by Stephen Lendman】

 6月27日シリアのアサド大統領はシリアが「戦争状態」にある、と述べた。
 「我々のあらゆる政策、命令、セクターはこの戦争に勝利するために向けられることになろう」

 彼は政府高官らをロシア、南アメリカ、アフリカ諸国との関係を強めるよう督促した。 「明らかに、問題は欧米とのみ一緒であったということだ。その間、世界の大半の国々は我々との関係を築こうと願っていたのだが、何十年もの間、我々は経済的関係を、我々を直接的ないしは間接的に植民地化した者たちと深めようとしていたのだ」。
 「シリアは世界のあらゆる国々と良好な関係を築こうと思うが、我々はどこに我々の本当の利益があるのか知らねばならない」

 27日、フリイェト紙は一面に、「撃墜された戦闘機は別のもう一機と一緒に飛行していた:CHP副代表は語る」と出した。CHP(共和国人民党)副代表のオルハン・ドズグンは、「政府はその別のもう一機の国籍を公表せよ、と要求した・・・」。

 地元のシリア人は「自分自身の目で二機が飛行していたのを見ている。もう一機がどうなったか分からない。政府は人々が見たものを否定した」という。

 ドズグンは、その別の一機は別のNATOメンバー国の物と考えている。国籍は分からない。アメリカかもしれない。アメリカの軍用機はインシルリク空軍基地を拠点としている。この基地はシリア国境に近いエーゲ海に近いところにある。そこではアメリカとトルコが合同で活動している。二機は同じ場所から飛んできたに違いない、と考えている。

 28日、反乱勢力は民間のテレビ局を攻撃した。この局はダマスカス南方20㎞のところにある。証拠もない中、ニューヨーク・タイムズ紙は「エリート共和国防衛隊」の脱走兵らがやった、と報道した。

 APは別の内容を報道した。「武装勢力がテレビ局を攻撃し、7人の職員が殺害され、その他は誘拐された。このテレビ局敷地内はひどく破壊された。それでも放送は攻撃後、しばらくして再開された。
 一人の職員は以下のように語った:「最初に小さな爆発音、それから大きな爆発音があり、武装した者たちが侵入してきた。彼らは局を乗っ取り報道室を完全に破壊した」

 情報相のオムラン・アル・ズビはこの事態を、「報道の自由に対する虐殺行為」と呼び、テロリストの仕業だと彼は述べた。
 「この虐殺行為は断罪せずにはおかないものであり、シリア・アルイクバリヤ衛星放送局の放送は停止することなく継続する。また、EU、アラブの国際機関が虐殺の責任を取るべき者たちであると考える」
 「この犯罪を犯した者たちはシリアの声を沈黙させるためにアラブ連盟評議会の決定でなされたものである」

 3人の記者と4人の職員が殺された、とこのテレビ局の副編集長のアブド・アル・アサディは語った。彼はこの虐殺はシリアのすべてのメディアに対する攻撃である、と語った。殺された者たちは、「言葉と見解という武器しかもっていなかったのだ」と語った。

 編集人のアダマ・アル・タウィールは、アルイクバリヤ局は反アサド・プロパガンダについて議論していたことで攻撃された、と語った。ヤラ・サレ特派員は、他の記者らは「テロリストの正体と、彼らの活動の内容をを暴くこと」に情熱を燃やすことだろう、と述べた。

 シリアの報道人連合と全国メディア評議会はこの虐殺行為を非難した。レバノン・アマル運動も同様に非難声明を出した。その中央情報局は、ジャーナリズム、メディア、自由報道に対する攻撃を意味する、と語った。

 28日、ロシア国会のヴラジミール・ジリノフスキー副議長は、トルコをシリア領空侵犯で非難した。彼はこれを、「慎重に計算された挑発的行為」と断罪した。
 彼は、アメリカとNATOの重要同盟国が全面的な介入前に紛争拡大を図っている、と示唆した。

 ロシア連邦副議長のイリヤ・ウマカノフはシリア人のみで問題解決にあたるべきだ、と述べた。

 ロシア連邦国防安保委員会議長のヴィクトール・オゼロフは、NATOの介入に対する警告を発した。同様の警告を外務省スポークスマンのアレクサンダー・ルカシェビッチが出した。

 トルコの議論が熱を帯びてきている。26日、今日のザマーン紙の一面見出しは、「反撃を準備してシリア国境で軍厳戒体制」として、「エルドアン首相はシリアに対してトルコ軍はシリア軍接近を自国に対する脅威とするよう訓令を受けている・・・」と書いている。

 エルドアンは軍に対して、「侵犯があった際には」捕捉し、対応し、攻撃するよう命令を出した。
 トルコはアメリカにとって重要な国だ。トルコはNATOのこの地域での攻撃犬だ。トルコは敵意を持って軍用機を高速で低空飛行でシリア領内に侵入させた。これは、その他の挑発行為が後続することを示唆している。アメリカ、イスラエル、イギリス、フランスが挑発している。

 彼は、「介入の規則は変化した」と語った。彼の声明の後、トルコ軍がシリア国境地域に向かった。戦車と長距離砲部隊がその中に入っている。

 エルドアンはまたロシアのことを、「シリアの弁護士」だと難詰した。今回生じたことを、「非常に危険なこと」と呼び、トルコ外務省は今回の事件を更なる介入の口実として利用することに警告を発した。

 ホワイトハウスの報道官のジェイ・カーニーは、アメリカは「トルコその他の国と共にアサド政権に責任があるという姿勢を維持する」と語った。

 国防総省スポークスマンのジョン・カービー海軍大尉は以下のように語った:「この航空機が撃墜されるに至った意思決定プロセスの詳細は知らない。事実は、それが撃墜されたということだ。我々はそれを計算された行動だったと考えている」

 別の国防総省スポークスマンのジョージ・リトルは、「シリア政権はこのことに対して説明責任がある」と語った。

 アメリカ、トルコ、NATO主要国、そして地域の同盟国はボールを戦争の方に進めている。戦争を始めることのできるこれからの偽旗(自作自演)攻撃を待っている。その可能性は日ごとに強まっている。

 NATOの26日の会合で不吉なサインが示された。事務局長のフォー・ラスムッセンは敵対的コメントを発した。彼はシリアをトルコを挑発したことで非難した。彼はこれを、「受け入れられない・・・もっとも強い言葉で」と言った。彼はアサドのことを、「国際的規範、平和と治安、人命」に対する侵犯を行っていると言って非難した。

 シリアは攻撃されている。国際法によれば、シリアは防衛的措置をとることができる。それに失敗することは無責任となる。ラスムッセンは世界的殺人マシーンの名義上の責任者である。 

 NATOの記録は、国際法の完璧な無視というものを示している。1990年代からユーゴスラビア、アフガン、パキスタン、イラク、リビア、そしてシリアに対するおおっぴらな侵略をしてきている。NATOメンバー国はアメリカの代理戦争を支援している。

                                             -2に続く-

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