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イランの小型潜水艦
◆6月9日
イスラエルの潜水艦が紅海を通過し、インド洋からペルシャ湾に入ったことがあったが、今回はイランの小型潜水艦が紅海に入ったという。
これに対して、イスラエルでは「挑発だ」と言っているようだが、それでは彼らの潜水艦が紅海を通ってインド洋からペルシャ湾に入ったのは「挑発」ではないのか、となる。
イスラエルは優秀なドイツ製の潜水艦を保有しているが、イランは国産の潜水艦であるし小型であるから、イスラエルのそれと比べればずっと穏当なものだ。イスラエルのそれは核巡航ミサイルをも装填できると言われている。
それでも中東の民主化の流れが進んでいる事、特にエジプトのムバラク政権が倒されたことで、イランが着実にその力をこの方面にまで伸ばしてきている。これはイスラエルにとってはいやな事ではあろう。しかしこのような流れは今後ますます強くなっていくはずだ。
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●イランの潜水艦が紅海へ
http://af.reuters.com/article/egyptNews/idAFLDE75608O20110607
【6月7日 Reuters】
イランは紅海へ潜水艦を派遣した、と準国営のファーズ通信が7日報じた。
「イラン軍の潜水艦が情報収集と他国の軍艦の特定のため紅海に入った」とファーズ通信は報じた。。
何隻のあるいはどの型の潜水艦かは報じていないが、海軍の第14艦隊に随伴して航海を続けていると報じた。
国営プレス・テレビは5月に、第14艦隊のバンダー・アッバス戦艦とシャヒド・ナクディ駆逐艦がアデン湾の海賊と戦うために派遣されたと報じた。
「艦隊は5月にアデン湾海域に入り、現在は紅海に入りミッションの継続中」とファーズは伝えた。
2隻のイランの戦艦は2月にシリアへ向かう途中スエズ運河を通過したが、これはそのような動きとしては1979年のイスラム革命以来初めてとなる。イランはこのミッションは「平和と友好」のミッションの一つであるが、イスラエルはこれを「挑発」と呼んでいる。
去年の8月、イランは国内で建造している120トンのガディール級の潜水艦艦隊を11隻に拡張した、と発表した。この潜水艦はペルシャ湾とオマン海の巡視に使用されるだろうという。
イランはソマリア海賊と戦うため戦艦を紅海にまで展開したが、この海域に潜水艦を派遣したとは以前発表していなかった。
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ダガン元モサド長官とネタニヤフ首相
◆6月5日
イスラエルのイラン攻撃について、実際の戦争を扱う部門の者たちはイラン攻撃がイスラエルにとっては取ってはならない選択肢であるという認識だが、こと政治家となると反対になるようだ。現場と後方の認識の違いとも言える。
今回元モサド長官のダガンがイラン攻撃は「するな」と語ったが、それはやはりイスラエルの首脳部では相変わらずイラン攻撃を考えているからだ、と考える者も多いようだ。
今は微妙な時期だ。今までの世界や地域での潮流が変化している時期である。中東・イスラム圏での「民衆革命」は進行中であるが、同時に欧米・イスラエル側も弱点が露になってきている。特に経済問題が再燃しだしており、これが欧米社会を今年一杯で混乱に陥れて行くことだろう。
イスラエルがイランを先制攻撃するようなことがあれば、前時代に戻ってしまうことになりかねない。前時代とは20世紀のことであり、それは詐欺的な背景を持つ戦争と革命の時代であり、金融資本勢力が大きく跳梁跋扈した時代のことだ。しかし21世紀はあの9・11が最後の事変であり、これからはもう金融資本勢力も戦争などをしている余裕は無くなる。
日本で起きた巨大地震と津波、それが原発に及ぼした問題、アメリカでの竜巻現象、フランスや中国での旱魃問題、ドイツで始まった大腸菌問題、などなどはこれから地球と人類が遭遇する大変動の兆候に過ぎない。
イラン攻撃などをしている時ではないのだ。諜報機関の長であった人物だからこそ、イラン攻撃の危うさをよく理解している、と言えよう。イスラエルが生き延びる道は今回オバマ大統領が示した、1967年の第3次中東戦争前の国境線に戻っての、パレスチナの独立で落着する。イランがイスラエルを攻撃することは無いのだから、中東問題の大半はそれで終焉する。
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●元モサド長官:イラン攻撃はするな
http://www.thetruthseeker.co.uk/?p=27676
【6月4日 By wmw_admin】
元モサド長官のメイアー・ダガンはネタニヤフ首相に対しイラン対策について厳しい警告を発した。テルアビブで1日開催された会議で、イスラエルはイランの核計画を完全に阻止することは出来ないだろうと語り、先制攻撃をしたとしてもたかだか計画を遅らせるだけだ、と述べた。
更に悪いのは、そのような攻撃をした結果について深刻な検討が必要であるとし、先制攻撃をすることがパンドラの箱を開けることになることを知るだろう、と警告した。
「イラン攻撃の影響がどういうものかを知ることは重要であり、イスラエルが国際的な批判の場に晒されることを知るだろう」とダガンは語った。
「イランに対する攻撃は、地域における戦争を意味し、その場合イランに核計画を継続させるもっともな理由を与えることになろう。それは、イラン人が「我々は核能力があるという外国の国に攻撃された。今や我々は戦略的な能力を持つ国に対抗出来る国防を選択せざるを得なくなった・・・大規模な核計画に向かう正当性のある原則論が出てくることになる」と彼は述べた。
「その戦争は単なるイランに対する戦争と言うことではないことを知ることが重要だ。それはシリアの領域にあるヒズボラを標的として攻撃する必要が出てくれば、シリアを含む地域戦争になるということだ。イスラエルが直面するこの地域的な問題は不可能なことである」
公的に語るということは元イスラエル諜報機関の責任者であった者には特別なことではあるが、ダガンがこのように辞職して直ぐに、しかも公的な場で語ることでイスラエルでは大きな注目を集めた。
ダガンのこの公的に示された警告については、イスラエルはイラン攻撃を事実準備している、と多くの者は見ている。また彼の見解を全面的に支持する者たちも多い。
ハアレツ紙に寄稿しているアルフ・ベンはダガンのスピーチを総括して、「全てのイスラエル人が理解できる単純なメッセージだ」と語った。
「エルサレムから出る政治的メッセージを首相が完全に統制してきた2年間だったが、ここにきてとうとう立ち上がって、『ビジョンと責任感を喪失している』リーダーシップにある本質的な危険性について公的に警告する人物が出てきた」
最近数ヶ月で、ガビ・アシュケナジ参謀総長と、シン・ベト保安庁のユヴァル・ディスキン長官が辞職した。ダガンと一緒にこのトリオ組みはバラクとネタニヤフの対抗組みと考えられていた。
3日、ダガンはバラクとネタニヤフに対してより一層対抗意識を出した発言をしている。
「辞職する前、ディスキンとアシュケナジと私は危険なアドベンチャーを阻止できたので、私は発言することを決意した」とダガンは語ったと言われている。
「今や私はビビとバラクを阻止する人間がいないことを怖れている」とネタニヤフのニックネームを使用してダガンは語った。
ダガン氏は、辞職する前はメディアと接触することを避けてきたが、在職最後の週に記者会見を開き、イラン攻撃に対する懸念を表明した。しかし、軍事検閲で彼の発言内容は公にされなかった。
「ダガンはイスラエル全般に自分のメッセージを送りたいと考えたのだ。しかし検閲が阻止した」と、ジャーナリストのロネン・バーグマンが思い出して語っている。「それで、彼は今は公職を離れたので検閲なしで公で語れるようになった」
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リビア上陸を計画しているキャメロン英首相とサルコジ仏大統領
◆6月1日
フランスのサルコジ大統領とイギリスのキャメロン首相はリビアのベンガジに一緒に訪問する計画だそうだ。ということは、今までの空爆は上陸を前にしての掃討作戦だったということらしい。
これに合わせるように、アメリカの空母ジョージ・H・W・ブッシュが地中海に到着したという。地中海の第六艦隊が更に強化された形になったようだ。
この空母に加えて強力な強襲揚陸艦がその他の揚陸艦を従えて来るのも、上陸作戦が発動されることを伺わせるものだ。
民間人の保護と称して他国に侵略することを平気で行うこの「仏英」両国の未来は暗い。それを支援する形のアメリカもそろそろ自国内部に目を向けた方がよくなるだろう。「想定外」のことが起きて初めて目を覚ますのかもしれないが。
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●リビア上陸を図るサルコジ大統領とキャメロン首相
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=25063
【5月31日 by Manlio Dinucci】
G8の終わりに、サルコジ仏大統領はリビアのベンガジをイギリスのキャメロン首相と共に訪問する計画だと発表した。彼らは、「同じ考え方」をしており、とりわけ、「カダフィと妥協することはできない」という点では一致しているからだという。オバマ大統領は同様の考え方を表明した:「リビアの民衆が保護され、圧制が止むまで我々は手を抜く事はできない」という。要するに、彼らはリビア占領をする準備をしているのだ。
そしてG8で、「力の行使を即刻停止するよう」リビア政府に要請している間に、NATOは空爆を強化してきた:8週間に満たない期間内で、8500回の出撃がなされた。殆どの爆撃機はイタリア南部の基地から出撃した。ピサではアメリカのキャンプ・ダービー基地からのC-130その他の貨物機が行き交っていた。これらの貨物機は爆弾、ミサイルなどを南方の基地に向けて運んでいる。恐らくイギリスのアパッチが同伴する形で、フランスのタイガーヘリコプターが作戦に加わったことで、空爆は上陸のための準備、ということが確認されたことになる。
更に重要な点は、最新鋭のニミッツ級空母のジョージ・H・W・ブッシュに率いられた強力な攻撃部隊が地中海に到着したことだ。この名称は、1991年のポスト冷戦期でペルシャ湾での最初の戦争を行った大統領の栄誉をたたえて名づけられたものだ。
空母ジョージ・H・W・ブッシュ
この空母は、全長333m、幅40mあり6000名の乗務員を抱えている。56機の航空機(20秒間隔で飛び立てる)と15機のヘリコプター、そして最新鋭の戦争システムを装備している。このようにこれは一つの大きな軍事基地である。同時にこれは移動式の原子力発電所である:二基の加圧水型原子炉を持ち、4つのプロペラの蒸気タービンを動かしている。福島の原発より更に危険な原発を持っているこの空母はナポリ湾その他に入ってくる。
この空母ジョージ・H・W・ブッシュは、トラクスタンとミッチャーのミサイル駆逐艦、ゲティスバーグとアンツィオのミサイル巡洋艦、それに8飛行中隊から成る攻撃部隊に随伴されている。これらは原子力潜水艦のプロビデンス、フロリダ、スクラントンを含むその他の部隊と共にナポリに司令部のある第六艦隊を強化することになるだろう。
第六艦隊に加えられるのは、ヘリコプター、垂直離着陸機、大砲、戦車を搭載でき、2000名の海兵隊を上陸させることのできるワスプ級強襲揚陸艦のバターンに率いられる水陸両用攻撃グループである。
強襲揚陸艦バターン
バターンは他のメサ・ヴェルダとホイッドビー・アイランドの2隻の揚陸艦に随伴される。この2隻は5月13日から18日の間、イタリアのタラントに寄港していた。ホイッドビー・アイランドは4機の大型のエアクッション型揚陸艇を搭載している。これは半径300マイルにある沿岸に陸上から見られることなく非常にすばやく200名を上陸させることができる。
リビアへの「人道的」上陸の準備は全てできている。ヨーロッパ人は、空母ブッシュに守られながら最初の上陸の栄誉をほしいままにする事だろう。(John Catalinotto の英訳文)
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アメリカの社会主義運動家のジョイシー・シェディアク
◆5月26日
アメリカの社会主義運動家のジョイシー・シェディアクが、シリアの反政府デモは実は親政府デモだ、と言っている。アル・ジャジーラなどの欧米系のメディアが嘘の報道をしている、と指摘している。
この件では既にこのブログでも前から指摘してきたことである。アル・ジャジーラはアラブ系メディアではあるが、その実欧米系でもあるから、反米のシリアで起きたデモは何が何でも反政府デモとしたかったようだ。しかし実際は親政府・親アサド・デモが数多く起きているのだ。
彼女はマルクシストの政治観が必要だと言っている。ブログ子はマルクス主義者ではないし、どちらかというと所謂マルクス主義には反対する者であるが、それは主に彼らが唯物主義者であるという点から同意できないということでであり、彼らの史的唯物論とか弁証法的唯物論は真理ではないと考えるからで、社会的不平等などに対する視点を無視していいということではない。
そして帝国主義者と言っている存在も、要するにこの世で追い求めるものは他国の支配であり、そこの労働力の支配であり、資源の支配であり、結局それは物質的な繁栄とか、物質に対する限りない欲望を満たす為の事業でるという点からすれば、マルクス主義者と同様の唯物主義者なのだ。この物質は今は金で買えるから、結局金を多く持つ事で、全てを支配しよう、という考え方になっているのが、帝国主義者である。だから、この世界では究極的には金融資本家の天下となっている。
シリアは中東和平問題でも鍵を握る国家であるから、その運命は世界の将来の構造にも関係する。シリア民衆の支持がまだ生きているこの今の時期に、アサド大統領の才覚がどういう形で現れるか、今後も注目していくべきだろう。
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●シリアの抗議運動の背後に誰がいるのか?
http://www.iacenter.org/archive/syria051511/index.html
【5月11日 by Joyce Chediac】
世界の人々は中東で起きている民衆のデモに対して同情の思いで見ている。しかし全ての反乱が必ずしも同じ条件で起きているのではない。
例えば労働者に対して非常に厳しい対応をしてきたエジプトとかチュニジアのような欧米の顧客となっている政権に対する抗議運動は、圧制と貧困から人々を解放する可能性を持っている。しかしながら、リビアとシリアでは事情は異なるのだ。
これらの政府は勿論欠陥はあるが、アメリカの言いなりにならない姿勢を保持してきたので、何十年にもわたるアメリカの不安定化の工作の標的であった。アメリカに率いられる欧米はこの地域で起きている運動を利用して、リビアとシリアに介入し欧米の植民地主義の支配下に置こうとし、そこの労働者を帝国主義のための日雇い労働者に貶めようとしている。
そこで住んで働いている労働者らから長いこと離反している、アメリカに支配されているバーレーンとイエメンと比較してみよう。これら両国政府はデモ隊に対して射撃し、逮捕、拷問をしてきた。それでも、飛行禁止空域などは設定されていない。また両国とも制裁の対象になっていない。しかしながらリビアでは、「欧米」の「人道的介入」が「一般市民の保護」のため行われたが、それが意味することは、六週間にわたる空爆であり、そのため多くの市民のインフラが破壊されたのである。
今や、リビアを空爆している同じその欧米勢力がアラブ世界でただ一国、独立を保ち残っている世俗国家であるシリアを脅している。欧米社会はシリア政府高官に制裁を課した。なぜか?
一つは、アメリカはイランとシリアの戦略的同盟関係を破りたいと考えているからだ。アメリカはまたシリアがレバノンのヒズボラとパレスチナのハマスにしている支援を阻止したいと考えている。この目的のためアメリカはシリアを不安定化し、主権を破壊し、帝国主義者の影響力下に引っ張ってこようとしている。
■誰がシリアで抗議運動をしているのか?
デモ隊はシリアのバシャール・アサド政府に対して起こされている。アサド政府は少なくとも何回かは武力でもってそれを押さえ込もうとした。しかし、こういったデモ隊の正体は不明確なままだ。どこまでが本当に民衆の反乱なのか? 国を指導しているシリア社会主義アラブバース党の対応はどうだったのか?
非常にはっきりしている事は、アメリカ帝国主義はこの抗議運動を自分らの利益になるよう利用しようとしていることだ。それは2006年にIMFによって押し付けられた緊縮計画のために苦しんでいるシリア人労働者らが要求している事柄とはなんらの関係もないものだ。ミッシェル・チョスドフスキー教授は5月3日に、抗議運動の中には、ヨルダンからダラアを通ってシリアに入った「武装したギャング・グループの組織化された反乱」が含まれていると書いている。ダラアから抗議運動が始まっているのだ。
一方、シリア政府のメディアは多くを語らないが、欧米企業メディアとアル・ジャジーラは抗議運動とシリア政府の弾圧を大げさに報道していることで非難されている。4月30日の「今日のロシア」は、シリアにいる特派員の情報として、親アサド大統領の集会が、アル・ジャジーラでは「反アサド大統領」の集会として報道されている;アル・ジャジーラとロイターで報道された反政府デモは起きていない;他の国のデモの映像がシリアでのデモの様子として報道された、と述べている。
一面に掲載されている記事からの印象は、反アサドのデモが殆ど全シリアで起きているというものだが、殆どの中東の専門家らは、この時点ではシリア政府は殆どのシリア人によって支持されている、と認めている。
■マルクス主義的政治観が必要
世界の金融資本とそのメディアの代弁者らはシリア政府を「嵌めよう」としているようだ。しかし、帝国主義は全能ではない。戦って敗れる事もありうる。シリア政府と民衆はアメリカが介入することを避ける為になにができたか、また何ができるか? 今のこの動きを何が阻止できるか? マルクス主義がこういった問題に応える道具を提供するだろう。
シリアにある政府はマルクス主義の言い方では、「ブルジョア民族主義者」と言う。これはリビア、イラン、それにアメリカの侵略前のイラクにも言えることだ。彼らは帝国主義者による支配から解放されている立場にある国家を発展させようとしているので、民族主義者だ。また彼らは、搾取階級の資本家らによって支配されているのでブルジョアである。
マルクシストは帝国主義に抵抗するこういった政府を支持する。それは、抑圧されし者たちの民族自決の表明であるからだ。これはマルクシストがこれら政府のあらゆる政策を支持することを意味するわけではない。
マルクシストはまたこれらの政権が二重の性格を有していることを認める。ブルジョア民族主義者は労働者をより強く搾取できるから帝国主義者を追い出そうとする。しかし、帝国主義者が国家主権を脅かす時には、労働者たちと共通の利害関係を持つようになる。しかしながら、これらの政府は帝国主義と終始一貫して戦うことはできない;労働者階級のみが戦えるのだ。
■イスラエルと対峙する前線で
シリアはどう対処しているのか?
シリアは1966年以来アラブ社会主義バース党が支配する政府によって統治されてきた。現在の国家元首はバシャール・アサドだ。シリアはイスラエルと国境を接する「前線国家」だ。この事実はシリアの歴史のあらゆる方面に影響を与えている。またそのために常時、帝国主義者とシオニストの圧力にさらされてきた。それがシリア人の運命をパレスチナの戦いと結び付けている。
アメリカの石油パイプラインをシリアが国営化したことで1967年の戦争が始まった。イスラエルはシリアのゴラン高原、パレスチナの西岸、ガザ、エジプトのシナイ半島を占領した。ゴラン高原はそれ以来イスラエルに併合されたままだ。
シリアがこの地域の進歩的な役割を果たしている時、これは常に起きることではない。1976年シリア政府はイスラエルによって武装されたレバノンのファシスト主義者側について革命的パレスチナ・レバノン同盟に対抗してレバノン戦争に介入した。シリアの資本家は革命的レバノンがシリア人労働者によってシリア政府を転覆させるのではと恐れたのだ。
アメリカとイスラエルからの容赦のない圧力やゴラン高原返還が拒否されたことでシリア政府は反帝国主義の姿勢に戻った。イラン、ヒズボラ、ハマスの同盟国家であるという今のシリアが果たしている役割は、アメリカとイスラエルがこの地域で侵略的になるのを押さえ込んでいる重要な要素である。
■資本家の業績悪化で独立性を持つ国家に揺らぎが
他のブルジョア民族主義政府と同様に、シリアは資本主義世界市場と共に崩壊することはなかったし、そのような展望を持っていない。代わりに、欧米の銀行によって完全に支配されているその市場でよりましな立場を得ようとしている。経済が悪化している間、シリアのような民族主義政府はウォール街によって経済的譲歩を強いられた。それは労働者を直撃し「ブルジョワの買弁」である親帝国主義のエリートの成長を促した。これによって、帝国主義者からの政府の独立性は揺らぎだし反面労働者から乖離しだした。
2006年にシリアはIMFの緊縮政策を採用し、賃金凍結、外国銀行に経済を開放、国営企業の民営化が始まった。労働者側からすれば、これは失業、インフレ、社会条件の悪化を意味した。帝国主義者はこのことを知っている。
シリアは全ての町に電気を敷いた、しかし民衆の必要を満たすという社会契約を達成できなくなり、・・・とニューヨーク・タイムズ紙が4月30日に書いている。
「政権の批判者は経済自由化は携帯電話会社のシリアテルなど重要な数多くの経済を支配しているアサドの母方の従兄弟であるラミ・マクロフのようなエリート・ビジネスマンのグループが利益を得るところとなった、と批判している」 (Financial Times, April 26)。
ニューヨーク・タイムズ紙の記事によると、反政府側が槍玉に挙げているマクロフは、「資本主義の仲間であり、貧乏人を更に貧乏にし、金持ちの仲間を途方もない富豪にしている」という。
労働者の支持があることがシリアを最も強くさせているのであり、その労働者に対する経済的打撃をひっくり返せば、シリア政府は帝国主義者の不安定化の工作から自らを防衛することはできるかもしれない。方法としては、外国資本の進出を阻止することで経済の開放を逆転させる;電気、通信、その他のキーとなる産業の再国営化;食糧生産を優先させる;補助金の復活などが含まれるだろう。
このような措置を取る事で、抗議運動をしていた者たちに勝つことができるだろうし、彼らの信頼を取り戻す事ができる。帝国主義者の不安定化工作に対してシリアは良い土壌ではないことを示すことができるだろう。
同時に、労働者と革新主義者らはシリアに対するアメリカの介入に断固反対すべきである。帝国主義者が全面的な支配を再び獲得すれば、抑圧された中東ならびにアメリカの労働者階級と抑圧された人々にとって最悪となるだろう。
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親イスラエルNGOがアラブ民主化を支援している
◆5月25日
アラブ世界の民主化を推し進めているグループの背後には、親イスラエルグループが存在していると、大阪在住の中東アナリストであるマイク・オカセイルが指摘している。
イランなどでは早くからそのようなことが指摘されてきたのだが、中東でもその傾向があるという。特にイエメンではそうらしい。またこのブログで指摘してきたように、シリアではレバノンに拠点を置くグループがシリア人を扇動し、武器や資金を援助していることを指摘してきたが、その背後にはやはりこのような親イスラエルの組織がいることであろう。勿論、アメリカのCIAなども間違いなくかかわっているはずだ。
従って、アラブ世界で起きている「民主化」の動きには、自然発生的で、間違いなく民衆の自発的な動きから始まった民主化運動もあるのだが、時間の経過と共に、資金を援助する組織などが出てきて、結局そのような資金の豊富なグループがその運動の主導権を握っていく事になる場合があり、その資金援助をするNGOなどに、親イスラエルのあるいは隠れイスラエルのNGOなどが存在すると見られる。
丁度ヨーロッパや中央アジアで吹き荒れた「カラー革命」が、その背後にCIAなど欧米の組織からの資金援助を受けていたことがあったように、今回のアラブ世界での「民衆革命」もまた同様に、欧米側、とくに親イスラエル・グループからの支援を大きく受けている者たちが存在しているのだ。
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●親イスラエルグループが中東の反政府グループを支援している
http://thepassionateattachment.com/2011/05/23/press-tv-o-cathail-names-pro-israelis-backing-mena-dissidents/
【5月24日 Maidhc Ó Cathail】
プレスTVは大阪在住の中東アナリストで調査ジャーナリストであるマイク・オカセイルとのインタビューを行った。
欧米のグループで親イスラエルのグループと反政府組織とが繋がり中東諸国での騒乱を引き起こしたと言う。
マイク・オカセイルは親イスラエルグループと中東の反政府組織との繋がりを暴露している。
◎プレスTV:イエメンで今日起きている事柄についてどのように理解しているか語ってください。
■オカセイル:予想通りのことが起きていると思います。ここ数ヶ月続いてきたことです。サーレハは辞任せざるを得ないでしょう。しかし広い観点で見る必要があります。サーレハを辞任に追い込む勢力に注目しなければなりません。勿論、イエメン人は民主主義を求めています。またサーレハの独裁的な支配に倦み疲れています。
しかし同時に、これを通じて誰が利益を得るのかという点も見なければなりません。また誰がデモ隊を支援しているのかを。ここ数ヶ月だけではなく、この数年間を見る必要があります。
ワシントン・ポスト紙とニューヨーク・タイムズ紙の記事を見ると、ナショナル・エンダウメント・フォー・デモクラシーやその関連グループの、ナショナル・デモクラティック・インスティチュート、インターナショナル・リパブリカン・インスティチュート、フリーダム・ハウスなどがあらゆる種類の支援、訓練や資金援助をアラブ世界の反政府グループに対してを行っている事がわかります。
◎プレスTV:この全体的な状況で利益を得ている者のことを語っていましたが、それが誰なのか教えてください。
■オカセイル:この件にかかわっている者たちを見ると、例えばナショナル・エンダウメント・フォー・デモクラシーの会長を長らく務めているのはカール・ガーシュマンですが、この人物は1960年代には、「名誉毀損防止連盟(ADL)」の調査局に務めていた者です。皆さんご存知のように、この組織はイスラエルを弁護しイスラエルに批判的は者たちを攻撃する組織です。またその調査はしばしばイスラエルを批判する者たちに対する諜報活動をすることを意味します。
ナショナル・デモクラティック・インスティチュートの会長が誰かというと、ケニース・ウォーラックです。この人物は1970年代には、「アメリカ・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)」の法務局長だった男です。
例えば、アラブ世界とイランで民主化を推し進めようと活動する者たちを支援している「cyberdissidents.org」のようなオンラインのグループがあります。そのような活動は素晴らしいと思うかもしれませんが、誰がそのような組織を作ったのか、を見るべきです。
これはアデルソン・インスティチュートによって設立されました。この組織はエルサレムのシャレム・センターに存在しています。シェルドン・アデルソンとかロナルド・ラウダーのような人々が支援しています。こういった人々はベンジャミン・ネタニヤフの親しい友人たちです。
ナタン・シャランスキーという人物が責任者でした。このナタン・シャランスキーとは、人権活動家を装っていますが、ガザから撤退を決めたアリエル・シャロン政府を辞職した人物です。シャランスキーは「ひとつのエルサレム(onejerusalem.org)」というグループの責任者でした。この組織はエルサレム内のいかなる部分であってもパレスチナ人の主権を拒否するグループです。
このような人々がアラブ世界とイランで反政府グループを支援しているのです。
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