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新疆ウィグル自治区
◆7月13日
ここ数週間、新疆のウルムチでの暴動が報じられている。多民族国家の中国はこの少数民族問題が毎年のように噴出している。今回のウィグル族と漢族との衝突・暴動は、中国政府の不安をかきたてた。胡錦濤国家主席はG8を欠席し対策のため急遽帰国した。ウィグル族のような不満は他の民族も共有しているものであり、このような民族間の衝突が起きれば、それが他の地方・民族に飛び火することも考えられるからだ。
このような動きは、近代の歴史発展と相似性を持つものである、と指摘しているのが、日本国家戦略研究所のサイトに載っている、「近・現代史の相似性とその教訓」の中の中国編だ。
その教訓としては、「どんなに軍事力を現代化して覇権国家を目指しても、その精神における現代化すなわち人権や自由民主主義的な体制を無視し続ければ、結局社会矛盾を解消することはできず国の内側からの騒乱が国家を揺るがすことになりかねないであろう」としているが、同感だ。「このように中国が真なる近代化を果たすまでは中国内部に根本的問題を抱えていることになり、それが中国の命取りになる可能性があると思われるのである」と結論を出しているが、今回のウィグル族弾圧のような動きはこれから大きくなりこそすれ、小さくなることはないであろうから、我々はやがて「第2辛亥革命」のようなものが、起きるものと考えておくべきであろう。
特にウィグル地域には豊富な資源が埋蔵されていて、それがパイプラインで東部産業地帯に送られ、そこの発展は素晴らしいものがあるが、ウィグル人から見れば、自分たちの父祖の残した財産が勝手に奪われている、としか映らないであろう。
その石油の精製所で昨日爆発があったという。単なる街中に繰り出すデモ・暴動から、中国の大動脈を狙った破壊工作、という次元に闘争がエスカレートしだしたのかもしれない。これが中国共産党独裁政権の瓦解の始まりでない、と誰が言えよう。
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●近・現代史の相似性とその教訓
http://www11.plala.or.jp/jins/newsletter2005-5.files/senryaku.htm
2.中国編
■清国の太平天国の乱と洋務運動および軍事力拡大
時代は120年目より更に30年遡った150年ほど前になるが、清国に太平天国の乱が起きた。広東省の客家(はっか)出身の洪秀全はキリスト教的色彩を持つ宗教結社上帝会を創始し、1851年に挙兵した。彼等は太平天国の建国を宣言し、洪秀全自らは天王と称した。「滅満興漢」をスローガンとし清朝打倒を目指し南京を占領し首都とし天京と名づけた。結局この太平天国の乱は鎮圧されることになるのだが、その後も彼等の残党やその他の宗教結社、例えば白連教系結社の会党、あるいは小刀会など、あるいは民族系のグループの反乱などが継続しておきた。これら宗教結社による騒乱は1900年には義和団事件となって再び世界史を揺るがすようになる。
太平天国の乱の鎮圧に活躍した曾国藩、李鴻章、左宗棠などの郷勇は軍需産業を中心とする近代的工場の設立、海軍の創建、鉱山の開発、鉄道の敷設、外国語学校の設立などを推進し、特に李鴻章は北洋艦隊、左宗棠は福建艦隊を創設し、時の清朝政府が進めていた「洋務運動」に貢献した。この運動は度重なる西欧諸国の侵略からの教訓として排外主義を転換して、外国との和親や西欧の進んだ技術の摂取に努め近代産業の育成と富国強兵をもって国家体制の再建を図ろうという試みであった。これら一連の近代化の動きは「中体西用(中国の伝統文化と国制を本体とし、これを支えるために西洋の技術を利用するという意味)」をモットーとした。従って、近代的議会政治や自由民権などの日本の動きとは異なる内容であった。ただし北洋艦隊の定遠、鎮遠の2隻の装甲艦が当時世界最大の戦艦であったように、軍事面では大いに力をつけ日本にとっても一大脅威となっていった。
■中国の法輪功問題と開放政策および軍事力拡大
今から13年ほど前の1992年5月、法輪功の創始者である李洪志により法輪大法なる宗教的教義が世に出た。教えを実践すると病気治療、健康保持に高い効果があるということと、「真・善・忍」の提唱により、多くの人に伝えられ、瞬く間に中国大陸に広がって96年には数万人の学習グループとなった。そのため中国政府から危険視され1996年には禁止され関連書物の出版も禁止された。これに対して北京で1万人ほどの抗議デモが起こり、これに対して中国政府は1999年に全面禁止を決定したため李洪志氏はニューヨークに亡命した。現在法輪功は中国共産党を倒すことを目指して活発な活動を世界中で行っている。
1978年12月の11期3中全会において、改革と対外開放政策が鄧小平のリーダーシップの下で決定された。この改革政策は農村部から始めら経営自主権を保証し、生産意欲向上を目指すことが決定されている。都市部の改革は、80年代半ばから始まり、企業自主権の拡大など経営形態の改革が進んだ。90年代に入ると経済成長はさらに加速したが都市と農村、沿海部と内陸部の地域格差は逆に深刻化し農民の不満は増大している。外資の積極利用が奨励され広東の深セン、福建省の厦門などに経済特別区が設置され、続いて、上海、天津、広州、大連などの沿海開放都市が設置された。華僑や欧米資本を積極的に導入することで、資本や技術の移転など成し遂げようとしている。
これと平行して80年代から「量」から「質」へ軍事力の転換が進められている。陸軍を中心とした兵員の削減を進めると同時に核、ミサイル戦力、海、空軍を中心とした全軍の近代化が進められている。80年5月には大陸間弾道ミサイルを発射実験に成功し82年10月には、潜水艦に搭載して、潜航した状態で弾道ミサイル(SLBM)を発射する実験、数年後には原子力潜水艦(SSBN)からの発射実験に成功した。さらに84年には静止衛星を打ち上げた。また台湾を威嚇し攻撃できる移動式の短距離弾道ミサイル(SSBM、「東風11」「東風15」)、日本をはじめとして中国周辺諸国を威嚇し攻撃できる移動式の中距離弾道ミサイル(「東風21」)を配備するところまで進んでいる。東シナ海で海洋調査活動を実施している背景には、海底石油開発のほかに、中国海軍の原子力潜水艦が東シナ海から太平洋に進出する通行ルートを求めている現実がある。国防費は2004年(約2100億元)には1994年(約550億元)の4倍近くになり大幅な増加が見られる。しかしこれとて実際の総額から見ると一部と考えられている。
<教訓>
■中国編
清国は洋務運動を通して軍事力を拡充し朝鮮に対する介入を強めたが、そのために朝鮮の独立主権問題を中心として日本との間に戦争が起こり敗北したように、朝鮮半島問題で北朝鮮や韓国に対する接し方を間違えるとアメリカの厳しい対応に遭遇するかもしれない。アメリカの脅威の当面の対象国として中国が挙げられていると言われる状況があるのだから、中国本土以外の場所に対する中国の著しい進出はアメリカの注意を喚起するであろうし、場合によってはそれを阻止する目的でアメリカの中国に対する軍事行動があるかもしれない。日清戦争で清が負けたのは、外的な軍備は近代的なもので装備してあったとしても、それの扱い方またそれを扱う人間、つまり提督、将校、兵士などが軍備と同じような近代化された精神や文化、ノウハウを持っていなかったからと思われる点、根本的には「中体西用」という考え方自体が間違っていたわけである。
これは現代に当てはめれば、どんなに軍事力を現代化して覇権国家を目指しても、その精神における現代化すなわち人権や自由民主主義的な体制を無視し続ければ、結局社会矛盾を解消することはできず国の内側からの騒乱が国家を揺るがすことになりかねないであろう。
かつて義和団事件が起きたが、これは西欧の特にキリスト教の宣教師などの影響からそれに反発する農民などが主体となっての宗教的グループによる騒乱であった。現代風にみれば、西欧からの投資などで急激に金持ちになった層に対する反発が農村部などに存在し、頻繁に反政府的な騒乱が生じている姿に似ていると言えよう。また法輪功は世界各地で活動を展開しており、最近彼らが発表した「九評共産党」によって共産党の問題点が明らかにされ、ために共産党を脱退するものたちが後を絶たない状況と言われている。
また100年前の中国では清朝政府の中から袁世凱を中心とする新軍が大きく勢力を伸ばし、1911年には孫文の辛亥革命がおこり、そこから動乱の中国が現出し軍閥の盤踞する分裂の時代へ入って行った。これは人民解放軍に対する中国共産党の統制があまり利かなくなり解放軍自体が独立的な勢力となり、さらに日本やアメリカなどに亡命していた孫文のように、アメリカに亡命している法輪功の指導者である李洪志などが革命家として孫文のような働きをするようになることを予想させるものである。そうするとその後は中国が再び分裂するような事態も考えられる。
このように中国が真なる近代化を果たすまでは中国内部に根本的問題を抱えていることになり、それが中国の命取りになる可能性があると思われるのである。
●ウルムチ市の石油精製所で爆発 公安局は違法集会を禁止
【7月12日 CNN】
中国新疆ウイグル自治区ウルムチ市にある中国石油天然ガス集団公司の石油精製所で、12日午前に爆発があり、消火活動で正午前に鎮火した。国営新華社通信が伝えた。
爆発の原因は不明。死傷者は出ておらず、当局は現在爆発について詳しく調査中という。 一方ウルムチ市の公安局は11日、警察の許可なく集会を開催することを禁止した。集会や公道でのデモ行進、屋外の公の場所での集会を許可なしに開催することを容認しないとしており、騒乱から1週間を前に現地には厳戒態勢が敷かれている。
●新疆:中国のエネルギー玄関口
http://www.atimes.com/atimes/China_Business/KG10Cb01.html
【7月10日 AsiaTimes】
ソ連崩壊後の中央アジアとカスピ海地域に向けた地理経済的な影響力の発信点である中国の西部地域の新疆で、とりわけ首都ウルムチで、15年にわたる開発と変化の後、騒乱が起こった。
カリフォルニア州の3倍以上になる広大で、中国の核実験の基地として知られているこの地域は、隣国からのパイプラインが敷設されているため、また、自国の東部工業地帯のためのエネルギー・鉱物資源の産出地であることで、より重要さを増してきている。
中国政府はこの新疆ウィグル地域に向けて漢族の移住を促進してきた。
自治区となっているこの地域の資源開発のため、原住民であるウイグル族には中国の他の地域に移るよう経済的なインセンティブが与えられた。
西部の高地を貫く新しい高速道路が、国際的な貿易を促進し、同時に政府の締め付けも強化された。アフガン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、およびインド・パキスタンの両サイドのカシミール停戦ラインと新疆は国境を接している。その他にはモンゴル、ロシア、チベット自治区と接している。
中国石油天然ガス総公司(CNPC)は、新疆には確認埋蔵量17.4兆立方フィートの天然ガスがあるという。ただし地理的に困難でしかもしばしば大変な深度にあるため、どれだけの量を採掘できるかはっきりしない。1990年代、欧米のエネルギー関連会社が高い試掘料を支払って喧伝された石油を試掘してみたが、何も噴き出さなかった。
それでも、中国の関係筋では、新疆は中国で生産している石油生産量の7分の1になり、原油埋蔵量の4分の1になるという。また石炭の5分の2が存在している。
2005年に運転が開始された西東ガスパイプラインは、新疆のタリム盆地の資源を4000km先の上海に送っている。これにより中国は石炭に依存する度合いを減らすことができ、現在の住宅用電気を発電している石炭をガスに換えることを目指しているが、新しい石炭発電所が急速に建設されているのは、低価格なのと需要が大きく、待っておれないからだ。 昨年の公式の統計上の推定では、中国国内でのガス需要量は、990億立方メートル(bcm)と見られいてるが、国内生産量は800(bcm)である。天然ガスは世界では、2007年のエネルギー消費量の平均25%を占めているが、中国ではたった2.5%を占めているに過ぎない。
インドは、イラン・パキスタン・インド天然ガスパイプライン構想から辞退したのだが、中国は、イラン・パキスタン・パイプライン構想に興味を示し、パキスタンを通過させ、新疆に連結するルートを提案している。
西東ガスパイプラインは 12 bcm /年の量を運んでいる。この量は17 bcm/年に増大することが計画されている。第2パイプラインは、9000kmの長さで、新疆の北西部から2008年の始めに建設が開始された。第1パイプラインと並行して建設され、甘粛省に連結され、更にその先では広州に向かう。
この第2パイプラインは30 bcm/年が予定され、そのほとんどはウズベキスタンとカザフスタンを経由する建設中のトルクメニスタン・中国パイプラインから供給される。第3、第4、第5までのパイプライン構想が持ち上がっている。
これらの開発は10年前発表された「ゴー・ウェスト」計画に沿ったものだ。この計画では、新疆だけでなく、チベットも開発する計画にいれている。このチベット高原には驚くべき鉱物資源が眠っていて、この地域に昨年鉄道が敷設された。これを今後数十年にわたる中国の経済発展の推進力になりうるものだ。
このゴー・ウェスト計画は、もともと 1989年の天安門事件の10周年で導入された年間を通じて行われた治安対策キャンペーンの「強打作戦」と並行して導入されものだ。このところ数週間続いているウイグル族の抗議運動は、新しいものではないし、鎮圧されもしない。
中国政府はこのような不満をこの地域での移住政策で悪化させている。これは第2次世界大戦中にスターリンがチェチェンで行った強制移住とは違うが、公式的ではなく程度において多少緩和されたものという違いだけがあるだけだ。
東部の漢族の本拠地での騒乱の脅威があることを考えれば、最近の156人の死者を出したウイグル族と漢族との間の暴動は、当局の人心の不満に対する不安を更にかきたてることになるだろう。
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F-35ジョイント・ストライク・ファイター
◆7月12日
このブログの6月30日号の「イスラエルはイラン防空システム導入阻止を図っている 」で、ロシア製S-300がイランに引き渡されることを、イスラエルは阻止しようとしている、と書いたが、今回イスラエルがアメリカの最新ステルス戦闘機F-35ジョイント・ストライク・ファイターを購入する話が進んでいる、という報が出た
。
イスラエルはロシア製のS-300の能力を恐れ、イランへの引渡しを何とか阻止せんとしてきたが、結局それがままならぬ、となったため、今度は高額だが能力の高いF-35を購入するようだ。
イスラエルがこのようにして、イランの核保有を恐れるあまり、イラン空爆を避けることはできないこと、と見ている以上、イランもまたイスラエルからの攻撃を必至とみて、その対策を講じるであろう。
こうして軍拡となり、地域の緊張はますます高まることになりそうだ。このようなことを続けていけば、小規模であっても遠からず、中東地域における戦争の勃発が避けられないものになってしまうかも知れない。
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●イスラエルのF-35購入はイラン・シリア防衛網突破が目的
http://www.presstv.com/detail.aspx?id=100459&ionid=351020104
【7月12日 PressTV】
イスラエルがアメリカ製のF-35戦闘機を購入するという計画は、イランとシリアに供給されることになっているロシアの防空システムを突破することを意図していることを示唆している。
F-35戦闘機はS-300防空システムを無力化するものだ。、コンピューター・シミュレーションが示すところでは、アメリカのステルス戦闘機はロシアのミサイルを出し抜くことができることを示した、とノーボスチ通信がイスラエル高官の話として伝えた。
F-35ジョイント・ストライク・ファイター(JSF)はロッキード・マーチン社製で、世界で最高度に進化した戦闘機として期待されている、とのエルサレム・ポスト紙の記事をノーボスチ通信は伝えた。
先週、イスラエル政府は、現在のF-15とF-16を新型機と交替させるため、米国防総省にF-35ステルス戦闘機購入を公式に打診した。
何日か後、両者は初期の不一致の後、この購入問題である一定の“理解”に達した。
最終的な価格は、1億ドルと見られている。ただしこの取引の技術的詳細については、後日決定されるものが残っている。
エルサレム・ポスト紙は、イスラエルがアメリカに、イスラエル製の戦争と交信システムを機体に埋め込むよう要請している。
イスラエルは、もし技術的ないしは構造的な問題が生じた場合のため、航空機を整備するための必要なトレーニングを自国の技術者に受けさせたいと考えている。
最終契約は2010年の初期に執り行われると予想され、アメリカが2014年までにイスラエルにF-35の75機の内、3分の1を供給するものと見られている。
エルサレム・ポスト紙によれば、イスラエル政府は将来、この他に垂直離着陸機数機を含むアメリカの航空機50機を購入しようとしている。
イスラエルの購入リストに載っているF-35のある型は短距離離陸と垂直着陸を可能としている上に、である。
イスラエルと同盟国であるアメリカが、イランがS-300をロシアから購入するのを阻止しようとしているにもかかわらず、ロシア政府は契約の履行にたいするコミットメントを発表している。S-300の最新型は世界で最も効果的な全高度防空システムと考えられている。S-300PMU2フェイバリットは、アメリカのMIM-104パトリオットに比肩され、射程195km、高度10mから27kmの幅で、航空機・弾道ミサイルを捕捉・撃墜できる。
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ナスララ師の写真を掲げる女性
◆7月10日
元CIA職員によるイスラエルのイラン攻撃についての可能性についての論評が、インタビュー記事として今年の初めに語られていた。
ロバート・ベーア氏は、イラン攻撃はほとんど不可能、という見解を示している。それはやはり攻撃した後のイランの反撃を考慮すれば、自然とその結論になる、というのだ。専門家はそのようにみるだろう。
だからこそ、今回のイランの大統領選挙での、CIAのイラン内の「不安定化作戦」のような工作が必要である、とも言えるのであろう。
さて、その不可能といえるイラン攻撃をやりかねないイスラエルを、アメリカがどう説得して収めるか、という非常に困難な使命がオバマ大統領にあると言えよう。
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●ロバート・ベーア:米国内にあるイラン攻撃に対する軍の拒否姿勢
http://www.voltairenet.org/article160904.html
【7月6日 Omid Memarian】
今年始めのインター・プレス・サービスのインタビューに答えて、ガザ紛争の動向とイランの革命防衛隊、ハマス、ヒズボラに関する議論をロバート・ベーア氏が行っている。 「オバマ大統領はイスラエルからずっとイラン攻撃の圧力を受けているが、これはガザとレバノンと連携している」とベーア氏は語る。ベーア氏は元CIA職員で、「我々の知る悪魔:イラン指導層との関係で」の著者である。
インタビューの抄訳
IPS: あるアナリストらは、イスラエルとヒズボラの34日戦争後4年経って、ガザのハマスを攻撃することは、その先イランの核施設攻撃で終了する、というより大きな計画の一部であると見る向きもあるが、どうか?
ベーア氏: いや、イラン攻撃には軍の拒否と言う問題があると思う。イラン攻撃は不可能だ。
IPS: どうして不可能なのか?
ベーア氏: つまり、一つには、ペルシャ湾でのイランの反撃がある。イランはハマスみたいに攻撃されはしないし、その反撃もハマスのように狭い範囲ではない。もし攻撃されれば、イランの反撃は世界的な広がりを持つものになるだろう。間違いない。これが彼らの抑止力である。イランについては多くの教訓を理解することが重要だ。
もしイラン革命防衛隊ウェブ・サイトを見れば、彼らがイラン・イラク戦争で学んだ教訓を見ることができる。この戦争は消耗戦だった。いつまでも続くものだ。勝利することはできない。特にアメリカに対してはだ。それで彼らは次の、非対称戦能力を高めた。ゲリラ戦だ。これは非常に効果的だ。
イランの優れた頭脳と精神の持ち主たちは、パスダラン(革命防衛隊)に入った。彼らは必ずしも狂信者ではない。ある意味、彼らは愛国者という者たちだ。そして私の経験から言うと、このパスダランにいる人々は、作戦の面から言えば、イスラエルとヨルダンを含む中東地域での、情報、ゲリラ戦、政治思想における最も能力の高い人々である。
彼らは自分の任務を知っている。そして彼らはイランにおける政治的な傾向のいずれにも組しないものたちだ。
IPS: イスラエルによるイランの核施設の限定的な攻撃も考えられないか?特に、最近ニューヨーク・タイムズ紙が報道したもので、昨年イスラエルの指導層がブッシュ大統領(当時)に持ちかけたような攻撃のことだが。
ベーア氏: まったく考えられない。ブッシュ氏でさえそれを理解している。ニューヨーク・タイムズ紙は、ブッシュ氏が拒否した、と言う点では正しい。中東ではバランス・オブ・パワーがイランと米国の間に存在する。それは正しくバランス・オブ・パワーなのだ。航空機、戦車、潜水艦の数とかを言っているのではない。しかし暴力の独占と言う意味では平等だ、ということ。この点では平等だということは間違いないことなのだ。例えば我々はテヘランを爆撃することはできるだろう。しかしそれでどうだ、というのだ。それは丁度ガザで国連ビルをイスラエルが空爆したようなものだ。イスラエルはそれで何かを得たか、というのだ。何も、だ。確かに破壊することはできたが、それが何を彼らにもたらしたのか、というのだ。ハマスは相変わらず存在している。
イランにあるすべての軍事施設は2週間もあれば空爆することはできるだろう。しかしイランは相変わらずそこに存在している。そして新しい力を生み出す能力を持っているし、このような紛争から生み出される力はより一層強固なものであろう。そしてイランの力は経済的だ。石油の価格はいかなる違いももたらさない。ヒズボラを武装化し、ハマスを支援するのは、お金とは関係ない。石油の価格が1バレル10ドルになっても、イランにとって国防は問題ないのだ。
IPS: オバマ氏は繰り返しイランの指導層と対話することを語ってアメリカの外交の変化をもたらそうとしている。イラン担当顧問にデニス・ロス氏を任命したことは、彼の約束したことに対してどう影響を与えるだろうか?
ベーア氏: デニス・ロス氏はイスラエルには受けがいい。もしイランとの対話が始まれば、イスラエルはロス氏が彼らを裏切るようなことはしない、と見ている。つまり、彼らは何年も掛けてロス氏をテストしてきているのだ。ロス氏はユダヤ系でイスラエルに対しては誠実だった。おかしな物も含めてイスラエルのプロジェクトに従って今まで来ている。対話が始まっても、イスラエルとしてはサプライズに出会うことはないと思っている。もしオバマ氏が新しい人物を入れても、イスラエルの知らないハーバード大学の教授とか、彼らはその人物を動けないようにし、その後には大きな政治的なブローバックが待ち受けているだろう。
IPS: 中東問題でのロス氏の位置に関して、特に過去10年のイラン問題では、オバマ大統領はどう新しい外交方針を取り入れていくのか?
ベーア氏:政治的にこれを通していくにはオバマ氏は民主党の後押しが必要だ。それで彼はデニス・ロス氏や、国家情報局長のデニス・ブレーヤー氏のような人物を招きいれたのだ。彼としては、吟味されてない人物を引き入れるわけにはいかないし、民主党に反対させるわけにもいかない。それはもしイランとの交渉が始まれば、イスラエルの沈黙の干渉があるからだ。イスラエルは関係者だからだ。
アメリカの中東政策ではイスラエルの承諾と言うものなしには何もできない。少なくともある程度は。イスラエルを無視することはできない。
IPS: それはどうしてですか?
ベーア氏:ニューヨーク市を見てみなさい。主要新聞を。彼らはシオニストの計画を持っている。彼らはやることをやる。私はユダヤ人ではない。イスラエルはどうでもいいのだが、かといって反ユダヤでもない。これは単なる事実だ。私は、出版社にイスラエルについての本を書こうと思うと言ったら、彼らは、おやめなさい、と言うのだ。イスラエルの真実について書くことはできない、ということだ。イスラエルについての事実について語ることができる唯一の場所は、イスラエルだ。アメリカにいては聞くことのできないことを聞くことができる。
IPS: 例えば
ベーア氏: 例えば、ガザの人々はなんでそんなに不幸なのか?もし人が刑務所に住めば、不幸と思わないか?そういうことはニューヨーク・タイムズ紙を読んでいては絶対知ることはできない。ニューヨーク・タイムズ紙はイスラエルの延長みたいなものだ。
IPS: ガザ紛争のイラン・イスラエルおよびアメリカ関係における影響にはどんなものがあるか。最近の攻撃でハマスは破壊されたのか?
ベーア氏: いや、それは不可能だ。ハマスとは一つの思想だ。ハマスは組織ではない。ハマスとは思想であり、イスラエルが150万の人々をエジプトに追い出さねば、ガザを屈服させることはできない。イスラエルはガザに侵攻し指導者らを殺害し1万人を牢屋に押し込むことはできるだろうが、ハマスは一層強くなって出てくるだろう。その場合の負け組みはファタハであろう。
IPS: ハマスとヒズボラの軍・政治的行動の主な特性はなにか?
ベーア氏: 彼らは戦争を地理的に捉えなおしている。ヒズボラが洞穴を掘り、通信に光ファイバーを使用する事実は、高度な技術と原始的な戦闘方式のコンビネーションを表している。つまり、世界のどの軍隊がヒズボラのほかに光ファイバーを使用しているか、ということだ。光ファイバーは盗聴できないのだ。なにもできない。
ハッサン・ナスララ師を見てみれば、彼はイスラム教の政治のやり方を再設定し、キリスト教徒との連携を結ぶことまでするようになった。ビン・ラディンはキリスト教徒を殺そうとした。ナスララ師はそこまでやるようになったのだ。キリスト教徒を同盟者と見るようにまでなったのだ。
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イランに導入予定のS-300
◆6月30日
イスラエルは、イランのアハメドネジャド政権が2期目を迎える事態となったため、イランの核計画進展は必至と見て、おそらくイラン核施設への攻撃の腹を固めつつあるものと思われるが、その際彼らにとっても脅威となるのが、ロシアから引き渡されることになっている世界最強といわれる地対空ミサイルS-300である。
このミサイルが導入されると、イスラエルの爆撃機が低高度でイラン領内に侵入し、標的を破壊しようとしても、高度10mならば、このミサイルが捕捉・迎撃できるのだ。高度10m以下で高速度で飛行することはほとんど無理であろうから、イスラエルとしても、このミサイルの導入だけはなんとしても阻止したい、と考えているようだ。
それで、今イスラエルは供給元であるロシア指導部に対し直接、イランへの引渡しを行わないよう要請しているようだが、ロシアの不倶戴天の敵と言えば、これはイスラエル・シオニストなのだから、話は簡単ではなかろう。
駆け引きは勿論行われるであろうが、終局的には防衛兵器ということで、ロシアはイランにこのミサイル・システムを供給することになるだろう。
その際、イスラエルはそれでもイラン核施設への攻撃を行うのかどうか、わからない。やるとすれば、実際にこのミサイルがイランに実戦配備される以前となるだろう。
しかし我々が知っているように、オバマ政権は、イスラエルに対し、イランを攻撃しないよう要請(命令)しているから、その要請を振り切ってイラン攻撃するとなれば、イスラエルにとっても国の命運を掛けた行動になるだろう。
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●イスラエル:S-300防空システムがイランに渡るのを阻止へ
【6月29日 RIA Novosti】
http://en.rian.ru/mlitary_news/20090629/155382108.html
イスラエルは2007年契約されたロシア製 S-300防空システムのイランへの引き渡しを阻止しようと必死である、とイスラエル紙が報じた。
イスラエルのハアレツ紙によると、「ネタニヤフ首相はプーチン首相を電話で呼び出し兵器引渡しを阻止するよう要請した」と言う。
イスラエルのバラク国防相は、1週間前、パリの航空ショーで、ロシア軍参謀総長のマカロフ将軍と会い、将軍にも介入を要請した、と言う。
イスラエルとアメリカは防空システムのイランへの引渡しは地域の軍事的バランスを崩すと主張しており、ロシアは最近まで取引の実行を遅らせてきていた。
ロシア関係筋は3月、イランはまだS-300を受け取っていないしとしているが、取引はロシアの指導者の意向にかかっており、ロシアは改めて数億ドルにのぼる契約の履行に対するコミットメントを表明している。
ハアレツ紙は、リーバーマン外相が数週間前モスクワを訪問した際、ロシアのメドベージェフ大統領はリーバーマン外相に、契約金の何割かは既に支払われている、と述べている。
イランへの兵器引渡しは、アジアの重要な兵器市場である中国とインドでロシアが今までの位置を失いつつあるから、ロシアにとっても重要である。
最近の進捗状況と照らし、また次週予定されているアメリカ大統領とロシア大統領の会談を前に、「取引を完了しないという以前のロシアの意向を回復させるためイスラエルは集中的な外交攻勢を掛けてきている」と書いている。
最新のS-300型はS-300PMU2 Favoritで、射程195km、飛来する弾道ミサイルや航空機を高度10mから27kmの幅で捕捉・迎撃できる。
このS-300は、世界最高の全高度地域防空システムで、アメリカのMIM-104 パトリオット・システムに比肩される。
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狙撃されて死んだネダ・アグハ・ソルタン嬢
◆6月29日
イラン人女性が撃たれて死亡する様子を撮影したビデオが、死亡直後にYouTubeにアップされ、その人物の普段の「さわやか美人風」の顔がまたすぐアップされ、しかもその美人ぶりにたちまち都市伝説の新たな誕生を思わせるようなすばやい反応が世界のメディアやブログ上に現れた。いわく、「抵抗のシンボル」いわく「イランのジャンヌ・ダルク」「イラン改革派の国際的シンボル」云々・・・
これはもう充分に準備されていた報道である、という直感的な疑惑がわいてこざるを得ない、欧米シオニストの行う典型的な一連の工作の動きである。
こういう国際的なメディアの大々的なセンセーショナルな見出しをそのまま鵜呑みにしてはならない。一般の人間は85%から95%はこれで完全にイラン政府側を【悪】、ムサビ側ないしは「改革派」を【善】、とし、それ以降はそのまま流れに身を任せ・・・となるが、これこそが、大手メディアを牛耳る者達の工作の狙いである、と見るべきなのだ。
以下は、CNNが駐メキシコ・イラン大使にインタビューした際の大使の見解であるが、これをCNNが掲載したことは評価するべきかと思う。FOXテレビではこういうことはしないであろう。テレビ業界でも、まともな側と偏ったままの側、と徐々に分裂していくことになるかもしれない。
大使が指摘した点は、物事を考える上で重要な点を示している。今後も一般人の頭脳を馬鹿にして、センセーショナリズムで世論を誤導しようとする動きは止まらないであろうが、我々はニュースメディアそのものを監視しながら世界の動きを見ていかねばならない。
更に元国家安全保障担当大統領補佐官だったスコウクロフト氏が、アメリカの情報工作員がイラン内にいて、イランの動きに影響を与えることに集中していることだろうと語ったことを報じる記事も翻訳し掲載する。
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●イラン大使:ネダさんの銃撃死にはCIAが絡んでいる?
http://edition.cnn.com/2009/WORLD/meast/06/25/iran.ambassador/
◆ハイライト
1.駐メキシコ大使は、CIAないしは他の情報機関が非難されるべきであろうと述べる
2.CIAスポークスマンは、その考えは「間違っており馬鹿馬鹿しい言いがかりだ」と言う
3.イラン大使は、流血の事態をイラン政府非難に利用しようとしたと欧米を非難する
4.メディアは親アハメドネジャド大統領のデモを報道しなかった
【6月25日 CNN】
アメリカが、ネダ・アグハ・ソルタン嬢の殺害の背後にいるかもしれない、と駐メキシコ・イラン大使は語った。土曜日に起きた26歳のネダ嬢の殺害の瞬間のビデオが、彼女のことを6月12日の大統領選挙結果に対する反対運動のシンボルにした、と25日、大使は語った。
ネダ・アグハ・ソルタン嬢(26歳)は、テヘランで20日(土)撃たれて死亡。
「このネダ嬢の死は大変不可解である」とモハマド・ハッサン・ガディリ大使は語った。「私が疑問に思うことは、ネダ嬢は背後から撃たれているが、正面からの何台ものカメラで撮影されていて、しかもその辺りにはデモらしいデモは行われていないではないか?」
彼は、これはCIAないしはその他の情報機関が背後にいる、と考えるべきだ、と述べた。「もしCIAが誰かを殺害しようとし、それをイラン政府によるものとしたければ、女性を犠牲者として選択するのは理に適っている。つまり犠牲者が女性であればより一層の同情を誘うことができるからだ」とガディリ氏は語った。
これに応えてCIAのスポークスマンのジョージ・リトル氏は「この若い女性の死はCIAに責任があるとすることは間違っているし、馬鹿馬鹿しい言いがかりだ」と述べた。
ビデオを見ると、彼女は胸を撃たれているが、ガディリ氏は、弾丸は頭に発見されたがイランで使用されているタイプのものではない、と言う。「テロリスト、CIA、工作員が行うやり方がある」と彼は語った。「当然のことだが、彼らは今回のデモが流血騒ぎになることを願っていた。そうなれば、それをイランに対する攻撃に利用できる。これはCIAがさまざまな国で普通に用いてきた方法だ」
しかし「私はCIAがやった、とは言っていない。いろいろな組織が動いている。他の情報機関の仕業かもしれない。勿論CIAなのかもしれない。テロリストの可能性もある。いずれにしてもこういったやり方をする者達がいるということだ」
イラン政府の国際的ジャーナリストに対する報道規制についてどう思うか、と聞かれて、ガディリ氏はリポーターらを非難した。「リポーターとマス・メディアの中には、真実を報道しないものがいる」と語った。例えば、国際ニュースを提供する企業は、アハメドネジャド大統領にランドスライドで敗北したムサビ氏を支援するデモばかりで表紙を埋め尽くした。しかしこういったニュース機関は、「勝利者を支援する数多くのデモは報道しなかった」と語った。
更には、国際ニュース・メディアの報道人は、銀行やバスに火をつけて、あるいは他の人々を攻撃する反政府運動家の姿は報道しなかった。「彼らが報道したのは、それを取り締まる警官の様子だ」と彼は語った。
イランでの報道規制のため、CNNは抗議行動に関する情報や非難を確認することができずにいる。ガディリ氏は、保安部隊がイラン人の生命財産を保全することは当然のことだ、と言う。「もしアメリカで、マケイン氏の支援者らが、先回の選挙の時に、通りに出て銀行に火をつけたりしたら、警官がただ座ったまま見物人でいていいと思いますか?」と彼は尋ねた。
ガディリ氏は、ムサビ氏の支援者らに「過半数の勝利」を受け入れるよう要請している。
アハメドネジャド氏の圧倒的な勝利は驚きではない、とガディリ氏は述べる。6月12日の選挙の3週間前にアメリカで発行された世論調査では、アハメドネジャド氏が圧倒的な差で勝っているのであった。「どうしてそれを示さないのですか?」と彼は尋ねた。
ガディリ氏は更に、反対派が投票は正しく数えられていない証拠だとしている選挙結果のすばやい報道について説明した。「それは、たった4人の者達が4千万人の投票を数えたのだ、と言っているわけではない。数万人の人々がこれらの投票を数えたのだ。それを発表したのであり、単純なことだ」と。
●誰がネダ・アグハ・ソルタンを殺害したか?
http://www.workers.org/2009/editorials/neda_agha-soltan_0702/
【6月24日 Workers World】
CIAに訓練を受けた狙撃手が、テヘランの建物の屋根の上で待機している。彼の仲間が通りでカメラと共に「彼女がやってきた。車から降りた。丁度いい」と伝える。
狙撃手は狙いを定めて射殺、そして逃走した。
路上では、仲間がビデオカメラを回し若い女性を撮影する。彼女の顔は見えているが傷は付けられていない。人々が助けようとするが、彼女は血を流しつつ死んでいく。
1時間もしないで、ビデオがオランダのBBCやVOAに到着し、大きな伝説の一部になる。
・・・
これが、ネダ・アグハ・ソルタン嬢の上に起こったことか? 我々にはわからない。あなたにも分からない。上記の話は、欧米のメディア・プロパガンダ・マシーンが永続的に繰り返している話よりかは、ありそうな話だろう。
この若い女性は、彼女が支援する人が誰であったとしても、当局や民兵と戦うような人物ではなかった。彼女は主流のデモとは距離を置いていた。なぜ、いつ、特別の銃撃戦や衝突ががあったわけでもない地域で、どんな国家の官僚、警察、あるいは軍関係の人間が非武装で、政治的な背景のない、まして抵抗運動にかかわったことのない女性を銃撃する必要があったのであろうか?
あの写真家がどうして、、2つの植民地主義勢力であったイギリスとアメリカの情報機関にもっとも近いところにあるメディア(BBCとVOA)とコンタクトを持ったのであろうか? 偶然。しかしここには多くのことが一度に起きている。背後に誰がいるのか?
我々が確かなことは、植民地主義の国家に基盤を持つメディア企業は、危機の時には大衆に混乱を惹き起こし支配者を支援するよう世論を動員し、抑圧され搾取された者達を悪と断罪する強力な武器なのだ、ということだ。
このインターネットの時代では、情報と同じような速さで偽情報も広がることを思い起こさねばならない。
●【動画】デモ中に撃たれ死亡した「ネダ」の映像が投げかけた波紋
【6月23日 AFP】
大統領選の結果をめぐり混乱が続くイランの首都テヘラン(Tehran)で、インターネットに掲載されたデモを見学中に撃たれて死亡したとされる少女が流血する画像が抗議デモのシンボルとなっている。ネダを追悼するデモをテヘラン市内のハフテ・ティール広場(Haft-e Tir Square)で行おうとの呼び掛けがネット上で広がったが、警察当局は22日、約1000人が参加した同広場での集会を強制的に解散させた。
●元国家安全保障担当大統領補佐官:アメリカはイラン内に工作員を送っている
【6月26日 Infowars.com】
by.Steve Watson
元国家安全保障担当大統領補佐官はアメリカの情報工作員がイラン内にいて、イランの動きに影響を与えることに集中していることだろうと語った。
ジェラルド・フォードおよびブッシュ(シニア)大統領時代の国家安全保障担当大統領補佐官であったブレン・スコウクロフト氏は、アルジャジーラの番組「分断戦」の中で、ジョッシュ・ラッシング氏にイランにいる反政府運動家たちを支援することは、政府のさらなる弾圧を惹起するだろう、と語った。
「イランの情勢を変える試みは我々とさらなる自由を求めデモを行う者達に跳ね返ってくるだろう」と語った。「それで我々は何が最善か見なければならない。地域でのイランの行動に影響を与えるものだ」と語った。
スコウクロフト氏は、元米空軍中将で、ニクソン政権では国防補佐官を務め、その後ブッシュ政権では外交情報審議会議長を務めた。
「イランにアメリカが何らかの情報工作員を持たないと考えることはナイーブではないだろうか?」とラッシング氏は尋ねた。
「勿論、我々はそのような工作員を持っている」とスコウクロフト氏は返答した。「彼らは反政府運動家たちを支援しているでしょうか?」とラッシング氏が尋ねる。「おそらくは。しかし革命防衛隊、民兵など、それに警察が一体となった勢力に対抗するにはとても足りないだろう」
投票データが示すように、18歳から24歳で構成される投票意欲の強い層を含むあらゆる年代に支持されているアハメドネジャド氏を支援するグループがあるが、スコウクロフト氏は以下のように語った。「増大する若い層は今の環境を好ましく思っていない。イランは変わるだろう。それはほとんど避けられないものだ」
基本的には、スコウクロフト氏のコメントはオバマ大統領はCIAのイランに対する介入についての非難は明らかに間違っていると、語ったように、真実については頑なな態度ではないという事実を際立たせる。
この状況について報告してきたように、欧米の情報機関がイランに潜入し、隠密の工作を数年にわたって進めてきているということに議論の余地はない。
CIAを背後に持つネットワークが「ソフト・リボリューション」をイランで、人と人とのコンタクトを通じて進めようとしていることが、6ヶ月前に暴露されている。
このソフト・リボリューションは、実行に移される前にイランの防諜係官によって摘発されたのだ。これは、NGO活動、労働組合運動、非暴力デモ、不服従市民運動、そして部族間紛争を惹起することなどを通して実行されることになっていた。
スコウクロフト氏が指摘していない点は、情報工作員がイランでの政権交代を願うのであれば、今の政府に強権を発動させ流血の弾圧をさせることが、注目している世界の人々の目にとって、今のイラン政府を悪の存在に仕立て上げる完全なやり方になったであろうという事実だ。
これが、イランの主権をグローバリストの作る世界秩序の流れに売り渡すことに一切の興味を持っていないイスラム指導者らの権威に直接的に挑戦する、彼らの傀儡である指導者をこの状況に投入する道を作ることになっただろうということだ。
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