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アレクサンダー・ラール氏
◆9月30日
ロシア・グルジア紛争の結論をEUがレポートとして発表するようだが、この紛争がグルジア側から仕掛けたものだ、という内容となるようだ。
この紛争については、既にこのブログでも「米ロの代理戦争:南オセチア・グルジア紛争」【8月12日】号、「天気晴朗なれど波高し:カスピ海とペルシャ湾」【8月9日】号、その他でも何回か言及してきた。
そしてグルジアの始めた戦争であることを指摘してきたが、今回改めてEUが正式にレポートをまとめて発表することになったので、このブログの指摘内容が正しかったことが示されることになると言えるだろう。
このグルジアがロシアのアキレス腱であるコーカサス地方に位置し、世界的エネルギー資源地にあり、イランの隣国でもあり、という地政学的な位置にあるためロシアと欧米特にアメリカとイスラエルの関心が衝突する国であることから起きた紛争であった。
上記EUのレポートで先回の紛争の結論はほぼ出ることになったが、アメリカのこの地域に対するかかわりはそれで終わったわけではなく、特にイスラエルと深いつながりのあるCIAがイギリスのMI6とも協力しながら、この地域での工作を精力的に進めているようで、この地域に対する覇権の確立自体をあきらめたわけではないことが分かる。
下記にあるロシア・ユーラシア計画のアレクサンダー・ラール所長は急進的イスラム勢力がこれから問題となる、と見ているようだが、その勢力の背後にはやはりアメリカの特にCIA、イギリスのMI6、あるいはイスラエルのモサドなどの工作部隊の存在を見ていくべきではないか。そのようなイスラム勢力の武器にしろ工作・活動資金にしろ、それらを供給する勢力が必ず存在するのであり、多くの場合、アフガンのムジャヒディンがソ連軍と戦ったように、米英・イスラエルの工作部隊を常に考慮すべきである。
そしてグルジアでは改めて米軍の基地建設の話が出ているようで、それがそのまま進めば、2015年には地上軍と海軍の基地ができ、常時2万5000人の米軍兵士が駐屯するようになりそうだ。
これに対し、南コーカサスが超大国の覇権争いの場になることを嫌う地域の思惑が交差している。
従って、このコーカサス地方はこれからも紛争の火種は尽きない、と見るべきだろう。そしてその背後にはCIA、MI6、おそらくはイスラエルの正規の軍ないしはモサドなどの工作部隊などが存在している、と見るべきだ。彼らがうごめく限り、世界に紛争は絶えない。
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●EUレポート:2008年8月のロシア・グルジア戦争はグルジアが仕掛けた
http://news.antiwar.com/2009/09/28/eu-report-to-conclude-georgia-started-2008-war-with-russia/
【9月28日 by Jason Ditz】
EUの2008年8月のロシア・グルジア紛争に関するレポートがまもなく発表される。関係者によると、結論としてはグルジアが最初に発砲したという。
東欧諸国にとってより適切な内容とするため、レポートはロシアもまた南オセチアとアブハジアの分離主義者にロシアのパスポートを配布したとし、「紛争を利用した」と非難する内容を盛り込むようだ。
グルジアは公式に戦争に関する内容の一切について怒りを表明し反対した。ロシアが戦争を始めたのだ、と彼らは主張している。しかし前グルジア高官も、サーカシビリ大統領が戦闘を始めたくてむずむずしていたと認めているし、ハイテクの兵器を試験的に使用したがっていたと言う。これら兵器は戦闘の初期に破壊されている。
サーカシビリ大統領は、南オセチアとアブハジアの飛び地をグルジア領だと断言し、この両国を独立国とは認めないというアメリカの言質を得ていると言っている。とはいうものの、実効的にはもう長いこと両国に対するグルジアの支配は及んでいない。
●欧米はロシアのグルジア介入を“容赦”
http://en.rian.ru/valdai_op/20090928/156273283.html
【9月28日 Alexander Rahr・RIA Novosti】
冷戦は終わった。バルダイ・クラブでの議論の内容は昨年の相互批判とは違っていた。欧米はロシアのグルジア介入を“容赦”し、グルジアのサーカシビリ大統領がロシアを挑発したという見方を受け入れた。
リセット・ボタンは何回か押された。アメリカのオバマ大統領は中欧のミサイル防衛システム設置を中止した。これはおそらく、ロシアが秘密裏にアメリカに対しイラン向けのS-300売却中止を約束したのかもしれない。
欧米とロシアとの共同ミサイル防衛システムの本当の協力の機会はある。世界は一極体制から多極体制に変わりつつある。
アメリカは金融危機でひどく痛めつけられ、冷戦終了後も続けてきた世界での問題を処理し続けることが困難になりつつある。
アフガンにおけるNATOのありうる敗北という事態は、大中東でのイスラム勢力の劇的な増大を促すかもしれない。
ロシアは普通は欧米の政策に対し防衛的な姿勢に終始した。ロシアは中欧におけるミサイル防衛システム設置、ウクライナとグルジアに対するNATOの拡大、中央アジアに米軍基地を設置する、という考えに強烈に反対し成功裡にそれを中止にさせた。
しかし、ロシアは新しい状況が生まれつつあることを考えねばならないだろう。欧米勢力が中東から完全に去った時、イランとパキスタンがこの空白地帯における勢力として台頭するだろう。急進的なイスラム勢力が核兵器を獲得する危険性が現実性を帯びる。
世界は欧米とロシアが相互依存を深めるなか、非対称紛争の新時代に入りつつある。次の2010年9月のバルダイ・クラブ会議ではこの新しい問題に取り組まざるを得なくなるだろう。
●アメリカは南コーカサスに覇権拡張を目指す
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=15388
【9月26日 by Andranik Tevanyan】
アメリカとロシアはエネルギー資源をめぐる覇権で争っている。また南コーカサスでの動きはこの文脈で考えるべきだ、とアンドラニク・テバニャン政治経済センター所長はNEWS.amに語った。 これはアメリカ国防総省がグルジアに2015年までに軍事基地を展開する計画があるという情報についてコメントしたもの。
「東ヨーロッパにABMシステムを展開するアイデアはアメリカはあきらめたが、長期計画をあきらめたわけではない。アメリカの、グルジアに軍を展開するという長期計画と、アルメニア・トルコの和解は、計画の構成要素で、テバニャン氏は、大型代替エネルギー・パッケージとして指定されている、と言う。
氏によれば、アメリカは、南コーカサスの問題をいっぺんに解決することを目指しているという。そのためにこの地域の覇権を確立し、ここをエネルギー資源地にしてしまうだろうという。
テバニャン氏は、、軍事基地はどこの国に対するものでもなく、アメリカがエネルギー資源地である中央アジアとアゼルバイジャンに“近づくこと”を可能にすることが意図されているだけだと強調した。
ペンタゴンの南コーカサスにおける計画の考えうる結果として、グルジアのアメリカ軍基地は、アルメニアが集団安全保障条約加盟国であることを考慮すれば、地域の安保システムの分離線を意味する、とテバニャン氏は述べた。
他方、アメリカは南コーカサスに彼らの計画を簡単に実現できるか疑わしいとテバニャン氏は言う。「ロシアがアメリカに簡単に譲歩するとは考えていない。グルジアに米軍基地を展開するというのは、まだはっきりしていない」と語る。
彼は、地域での軍拡競争は南コーカサスの国々にとっては利益とはならない、と強調する。「アルメニア、その他の国々も、第三国の軍事的重荷から解放されるよう動くだろうし、超大国の軍事力の展示会場の場所になってしまうことを避けようとするだろう」とテバニャン氏は語った。
アメリカ国防総省はメディアが報じるところでは、グルジアからの合意を得ようとしているようだ。その合意内容では、アメリカは2個の地上軍と1個の海軍基地をグルジアに2015年までに展開する、となっている。基地建設は2014年から開始され、次の年完成する予定だ。その際、アメリカはグルジアに2万5000名の兵士を展開することになる。
●ロシアのチェチェンの指導者がCIAの工作を非難
【9月24日 Reuters】
ロシアに支援されているチェチェンの指導者は、24日のインタビューで米英の情報機関の工作部隊と戦っていると語った。彼らはチェチェンを分裂させることを狙っている、という。
ラムザン・カディロフ氏はザブトラ紙へのコメントで、彼が率いた治安活動で殺されたCIAの工作員のアメリカの運転免許証を見たと語った。
チェチェン当局は以前、急進派のワハビストらに従う反政府分子はアルカイダに近い国際的なイスラム勢力から支援を受けているという。しかし欧米が紛争を煽っていると非難したことは無かった。
「我々は山岳地帯で米欧の情報機関の工作部隊と戦っている。彼らはカディロフと戦っているのでも、伝統的イスラム勢力と戦っているのでもない。彼らはロシア当局と戦っているのだ」と彼は語った。
欧米は国の最も弱い部分に狙いを定めてロシアのプーチン首相と国全体を攻撃することを狙っている、とカディロフ氏はwww.chechnya.gov.ru.で語っている。
カディロフ氏はロシア当局によってイスラム勢力地域で、分離主義者の反乱分子に対し、その動きから地域を防護する役目を負わされているが、人権主義者らは彼が連邦法を馬鹿にし、最近起きている紛争の多くは彼自身に責任がある、と言っている。
「欧米はロシアから戦略的な境界であるコーカサス地方を切り離すことを狙っている。もしコーカサスを取り上げれば、それはロシアの半分を取り上げるようなものだ」
多くのチェチェン人はヨーロッパに移民した。グルジアとそのほかの国の人々が反乱者としてリクルートされている」とカディロフ氏は語った。
「彼らは今は、プーチンとロシアを狙って打っている。チェチェン、ダゲスタンは弱い。ロシアの脆弱な部分だ」とカディロフ氏は、隣の地域も暴力事件で揺れていることに言及して語った。
これらの暴力事件にCIAとMI6が絡んでいる証拠があるかどうか聞かれて、「勿論だ」と、彼が率いた作戦でこれら組織の直接的関与を示すものを見ていると語った。
「チティゴフというテロリストがいる。彼はCIAのために活動をしていた。彼はアメリカの市民権を持っている。我々が彼を殺害したとき、その作戦を私が指揮していた。そこでアメリカの運転免許証と、その他の多くのアメリカの書類を発見した」と語った。
●グルジア元大統領:米軍基地設置に反対
【9月27日 Global Research】
グルジアのエドゥアルド・シュワルナゼ元大統領はグルジア内に米軍基地を建設する案に不適当であると反対を表明した。
26日行われた記者会見で、シュワルナゼ氏はグルジアは何も得るところはないと語った。
グルジア内に米軍基地を展開する件でアメリカがグルジア側と話し合いをすることに意欲を持っていると、グルジアのメディアが推測しているのを受けて、氏は上記のように語った。
グルジア政府のコメントは今のところない。
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マージョリー・コーン女史
◆9月29日
アフガンとイラク戦争は国際連合憲章に照らせば、戦争犯罪になる。これがトーマス・ジェファーソン法律学校のマージョリー・コーン教授の主張するところだ。
特にイラク戦争は、イラクが大量破壊兵器を持っているという言いがかりをつけて侵略し、散々家宅捜査をしたが、見つからず、イラクには大量破壊兵器は無かったと結論つけた後でも、居残ったままであることは言語同断である。
通常、警察がこの家には不法な麻薬なり拳銃なりが隠されているとみなし、家宅捜索を強行したが、見つからなかったとなれば、いくら警察と言えども、それ以上家にとどまることはできないはずだ。しかしアメリカは軍をイラクに置いたままである。これが国際的にまかり通っているのは、勿論アメリカの力が際立って大きく、誰もどの国も表立って反対したがらないからだ。まさかアメリカに正義があるとは、どこの国も思ってはいないであろう。
結局この世は力が正義の世界である。それは今までは、ということだが。しかしそのアメリカの力にいよいよかげりが出てきた。アフガンやイラクで戦争を継続するためには巨額の資金が必要だが、それがもう出なくなってきている。そして今まで起こした戦争に対する反動が、出始めている。その一つがこのコーン女史などが進めている戦争犯罪でアメリカの為政者らを訴える運動だ。
ヒットラー政権で活躍した者たちも、戦争がドイツの敗北に終われば、戦争犯罪者として断罪されたように、アメリカの戦争でも勝っている場合はアメリカの敵が犯罪者であるが、アメリカ自体が落ち目になれば、今度はアメリカ自体が犯罪者側に陥る。この場合、ナチス時代のフランスのテロリストがドイツの敗北でレジスタンスとして賞賛されたように、立場と呼称が変化するだろう。
オバマ大統領はそこまでアメリカが落ち込む前に、ことを収拾したいと考えているはずだ。すなわち彼はイラクからの撤退をするだけではなく、結局はアフガンからも遠からず撤退する方針を打ち出すだろう。
そしてアメリカにとっては不名誉なことはなるべく穏便に済ませようとするだろうが、アメリカの将来にとって根本的に障害となることは手術をするように、切って捨てる荒業もするだろう。
オバマ政権がCIAとそれと協同しているイスラエル・シオニストのモサドと秘密の戦いをしていることは既に示したが、CIAの拷問問題は不問に付さない、としたので、今後もしばらくはこの戦いは終わらないはずだ。この戦いでオバマ大統領側が勝利すれば、ブッシュ前政権の者たちが起訴される可能性が高まるだろう。この場合は9月11日同時多発テロ事件の真相も明かされる方向に動くはずだ。
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●ブッシュ政権の高官らは戦争犯罪で起訴されるべきだ
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=15411
【9月27日 Randy Dotinga interviews Marjorie Cohn】
ジョージ・W・ブッシュ氏とディック・チェイニー氏には、サン・ディエゴにあるトーマス・ジェファーソン法律学校教授のマージョリー・コーン女史以上の敵はいないだろう。
ナショナル・ロイヤー・ギルド会長のコーン女史は、ブッシュ政権メンバーらが戦争犯罪で起訴されるよう要請する運動を行っている。
彼女はまたアフガンとイラクの戦争を国際法から見て不法と非難し、アメリカが問題であるという。これらの戦争が果たして自衛のために始められた戦争なのかどうか、議論の分かれるところだ。
新しい著書「自由の役割:徴兵拒否の政治学と栄誉」の中で、彼女と共同著者は、法的根拠に基づいて、現在の二つの戦争に従事することを拒否しているメンバーについて書いている。またブッシュ政権についての本「カウボーイ・リパブリック:ブッシュ・ギャングが法律を無視した6つの方法」を書いている。
今まではコーン氏の意見はワシントンでは多くの注目は集めなかった。ただし今オバマ政権では拷問問題を取り上げつつある。それでコーン氏は戦い続けている。あるインタビューで彼女は、不法な命令に従わないという兵士の責任、政府弁護団の起訴、前大統領と副大統領を裁判にかけることに対する障害に抵抗する能力などについて語っている。
質問:戦争犯罪闘争での最近の成功で一番大きかったことはなにか?
答え:アフガンとイラクでの戦争を拒否した兵士の軍法会議と軍の聴聞会における鑑定人として証言します。彼らはこれらの戦争は「不法」だと言います。アメリカの法律の一部でもある国連憲章を引用して私の証言はこれらの信念と一緒であることを示しました。そこには、一国は自衛のため、ないしは国連安保理が同意しなければ、他国を侵略することはできない、とあります。それでこれらの戦争は国連憲章に照らせば不法なのです。
我々の法律では、法の命令に従う義務がありますが、また不法な命令には従ってはならない義務もあるのです。不法な戦争を行うよう命じることは不法な命令なのです。
私の証言は、アフガンやイラクに兵士らを展開することは不法となる、と理解する何人かの兵士らの信念の合理性と一致しました。我々はあの証言である程度の成功を収めました。
質問:どのように?
答え:ある場合には、拘留中の兵士には時間が与えられないことがある。他の場合には、軍と切り離され良好な条件下に置かれているのです。
ブッシュ政権の拷問と権力乱用の政策について昨年議会で証言しました。その証言は、こういった政策とその政策を正当化する拷問メモを書いた弁護士らをセットした人々を法の裁きの前に引きずり出すのに有用でした。
質問:法律専門家の意見を表明することだけで起訴された人はいるか?
答え:どのように法を破ることができるかということを大統領にアドバイスすれば起訴されるでしょう。ヒトラーに、どのように人々を“合法的”に秘密収容所に追放しうまくやり終えるかをアドバイスしたために、第2次世界大戦後、戦争犯罪と人道に反する罪で起訴された弁護士はいます。
質問:弁護士らにそういうことがあったらどう思うか?
答え:アメリカの法律の下で、彼らは調査され起訴されるべきでしょう。
質問:刑務所に入るべきか?
答え:有罪となれば、勿論、彼らは刑務所に行くべきです。
質問:戦争犯罪の起訴をどのあたりまでの範囲で行うか?
答え:命令系統を辿り最高司令官までです。
質問:だとするとブッシュ氏やチェイニー氏も入るか?
答え:勿論です。、戦争犯罪である拷問、さらに虚偽の口実で不法な戦争に我々を引きずり込んだこと、そのため数千人のアメリカ人と数万人のイラク人が殺されているのです。これらを立証する証拠が多く存在し起訴を可能にするでしょう。
質問:これらの問題を見ると、これが純粋に法的視点からなのか、それともこういった裁判が国家に影響を与えることを考えますか?
答え:両方です。私は法律分野で訓練を積みましたので、彼らが法を犯したことは明らかなのです。我々の国は法治国家です。
わが国の憲法は大統領が誠実に法律を施行することを要求しています。またこれらの重罪を犯したものを法廷に引き出さなければ、将来の政権は戦争犯罪を逃れることができると考えるだろう、ということははっきり言えることです。
他の国の国民は、我々が我々の指導者の犯した殺人と拷問を不問に付したとして我々のことを嫌悪するようになるでしょう。
質問:ブッシュ氏とチェイニー氏が起訴されたら、どのようなネガティブな影響が出ると考えるか?国が分裂するかどうか、それをあなたは警戒するかどうか?
答え:共和党は反対するでしょう。国はいろいろな面で分裂しています。医療保険でもアフガン戦争に対する姿勢でも。ある人々は、特に共和党員は、大統領と司法長官が正しいことをすることを未然に防がず、ブッシュ政権の人々が裁判に掛けられれば怒りだすかもしれない。
質問:外国で行っている戦争についてオバマ大統領はどうすべきか?
答え:撤退し、外交と海外支援を重用すべきで、アフガンやイラク、パキスタンに対する軍事的介入をエスカレートする代わりに問題解決には平和的な手段で行うべきです。
質問:あなたが気に入る方向に潮目が変わってきているか?
答え:何が潮目を変えるかというと、力強い活発な反戦運動です。今はまだそうなっていません。ベトナム戦争の時、行いました。その時には徴集制度があり、大学生が抵抗運動をしました。
質問:人間性というものをどう捉えるか?戦争や紛争を見て、人間は戦うもので、これは避けがたいことだ、と考える人がいます。また平和運動家がいます。彼らは暴力の代わりに外交を通じて物事を進めていけると考える人です。
答え:私は平和主義者ではありません。人には自衛のための行動を取るべき時というものがあります。しかしアメリカ政府は自衛のための活動をしてきたのではないのです。
国家同士の、また国内の問題は平和的手段で処理できます。暴力と戦いは最後の手段です。しかし残念なことに、アメリカは何回も、この暴力と紛争を最初の手段に使用してきました。
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中東3者会談の当事者ら
◆9月27日
オバマ大統領が議長で国連安全保障理事会がもたれたが、この時期中東問題の当事者がオバマ大統領と共に3者会談を行い、結果、目だった合意事項もないまま、とりあえず次ぎの会議だけは約束した、ということになった。
これをイスラエル側の勝利だ、と見る見方が多いようだが、以下の論説にあるように、その勝利は「ピュロス王の勝利」であり、決してイスラエルは勝利したわけではない、と見る見方も存在している。
オバマ大統領のこの中東問題の解決に対する決意は固いようであるし、その内容は、このブログでも主張してきたように、イスラエルが1967年の第3次中東戦争前の国境線に撤退し占領地を返還し、2国家共存を実現する、というものだ。これを実現させることがオバマ大統領の追及しているものである限り、イスラエルはその線で今後の交渉の仕方を考えていかねばならない。
またこれしか中東問題の解決の仕方は存在しない。つまりこれが終着点なのだ。
それはオバマ大統領の23日の国連総会の場での一般討論演説にも見られるように、「イラクからの撤退」、「核兵器なき世界を希求」、などを誓約している。これもこのブログで指摘してきた点だ。これをしないと地球全体がもたない、というか、人類の存続が確保されないからだ。
イラク戦争の動機のひとつはイスラエルの安全保障を強化するものであったのだが、イラクにはシーア派の政権ができ、しかもそこから撤退を誓っているのであるから、決してイスラエルの安全保障が向上したとはいえない事情があるし、核兵器なき世界を希求するということになれば、核兵器なき中東をも希求していることになる。しかし、中東では核兵器を保有しているのは、イスラエルだけだから、このオバマ大統領の言っていることは、中東に限れば、イスラエルから核兵器を除去する、ということを希求する、ということを意味する。
このブログで指摘してきていることだが、オバマ政権は(少なくともオバマ大統領は)、中東問題の最後の鍵はイスラエルの核の除去である、と認識していて、最終的にはそれを実現する意図を明確にしていくことだろう。
だから、それが表面に出る前に、イスラエルは妥協の道を探る必要があり、それをしないまま時間が過ぎれば、アメリカ側からイスラエルの核を問題視する状況になるだろう。もしアメリカがイスラエルの核兵器を問題視することになれば、これはイスラエルの逆鱗に触れるわけだから、アメリカとイスラエルの関係は現在の「対立的」というレベルから、「敵対的」というレベルになっていくことだろう。これは最終的にはイスラエルの、すくなくともシオニスト政権の滅亡に繋がる状況となるはずだ。
だから、ネタニヤフ政権はオバマ大統領の意図を見誤ることなく、あるレベルで妥協することを知らなければならないのだ。
もっともアメリカを支配しているのは我々だ、という認識がシオニストにはあるようだから、アメリカのイニシアチブを否定しあくまで己の意図を実現しようと固執すれば、イスラエル自身が袋小路に追い詰められることになる。
つまりイスラエルの運命は決まっているのだから(2国家共存)、今からその終着点に向かって進んでいったほうが身のためなのだ。
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●ネタニヤフとオバマ:どっちが相手をコケにしているのか?
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/KI25Ak01.html
【9月25日 Asia Times】
オバマ大統領がイスラエルの西岸と東エルサレムにおける入植問題を一旦棚上げする、と決定したことに、イスラエル関係者は大きな勝利だと主張したが、アナリストの何人かは、強硬派のネタニヤフ首相のその勝利は「ピュロス王の勝利(犠牲の多い勝利)」かもしれない、と見ている。
ニューヨーク市で22日行われたオバマ大統領、ネタニヤフ首相、アッバス議長の3者会談で発表された決定は、アメリカ政府が強硬に反対するネタニヤフ首相に対し、和平プロセスの最初の一歩として入植の凍結を決意させようとした7ヶ月の努力に終結を告げるものとなった。
しかしオバマ大統領の会議前の落胆と焦燥感、また近い将来イスラエルとパレスチナの間の恒久的な地位に関する話し合いを始めるという決意は、ホワイトハウスが最終的な和平合意問題に集中的に直接かかわる、ということを示している。
「交渉を始めることについて話し合うというのは以前の話で、今や実現に向かって前進する時だ」と22日、オバマ大統領は宣言した。
「恒久的地位交渉を始めなければならない、それもすぐに」と彼は語った。大統領はネタニヤフ首相とアッバス議長に来週、代表団をワシントンに送り、ジョージ・ミッチェル中東特使と会い、交渉を行うための条件を示すように要請した。
オバマ大統領はまた、10月中旬頃に会談の状況をクリントン国務長官が大統領に報告するだろうと語った。
23日にはオバマ氏は両者に対し更に詳細で決意に満ちた内容を語った。「前提条件なしに交渉を再開する時が来た。これはイスラエルとパレスチナの安全保障、国境線、難民、エルサレム、についてだ」と国連総会の場で語った。そしてこの演説でアメリカ政府は「イスラエルの継続的な入植を正当なものと認めてはいない」ことを示した。
「ゴールははっきりしている。二つの国が隣国同士として平和と安全の中で共存する、というものだ。全てのイスラエル人にとって本物の安全な地としてのユダヤ国家のイスラエルと、1967年から始まった占領を終結させた状態の領土、そこはパレスチナ人の能力が発揮される独立した、存続可能なパレスチナ国家だ」と語り、「和平を追求する私の決意にぶれはない」と誓って語った。
この入植問題での行き詰まりと恒久的地位問題を話す会議からこの問題を切り離したことは、これらを分析する多くの者たちからは、ネタニヤフ首相の勝利で、最終地位問題の話し合いの前に入る前の条件といて入植の凍結に固執したパレスチナ側と、オバマ大統領が今年の春以来、入植地での建設を中止することを要請していたアメリカ政府自身の敗北だと認識されている。
「ネタニヤフが1、アッバス、オバマ、それにイスラエル・パレスチナ和平プロセスは0だ」とウッドロー・ウィルソン国際センターのアロン・デイビッド・ミラー前アメリカ和平交渉人は23日、今回の3者会談の分析でマクラッチー紙に語った。「得意げなイスラエルと屈辱感にさいなまされているパレスチナがいる」と、アラブ・アメリカ研究所のジェームズ・ゾグビー氏が語った。
「今の状態は良くない。この話し合いが始まる前より困難な状況になってしまった」と」言う。
確かに、22日イスラエル首相が会談に臨む用意はあると主張したのだが、ネタニヤフ首相は、“暫定的な”と言われる入植地問題その他の信頼醸成策(CBMs)などに対応することでは余裕を感じている、といくらかのアナリストは見ている。それは、彼には右翼の連立政権内の政党の支持を得ることを勘定に入れていることと、オバマ大統領に敵対的になりつつある広範な国民の支持があるからだ。
「ネタニヤフ氏が望んでいるやり方は、暫定的問題とCBMsに焦点をあわせるやり方であり、同時に彼の立場が最も困難なものとなる核心となる問題は避けるというものだ」とニュー・アメリカ・ファンデーションのダニエル・レビ前イスラエル和平交渉人は語った。
入植問題を切り離すことで、入植地での建設を違法と糾弾し続けつつも、オバマ氏は外交的な寝技でもってネタニヤフ氏に最終地位問題に取り組むよう圧力を掛けるだろう。この問題はネタニヤフ氏がその連立政権を維持し続ける能力があるかどうかを試すことになるだろう。
「ここまでのことは、会議の場をしつらえるための歩みだ」とレビ氏は Foreignpolicy.com.に書いている。
彼は、入植活動の凍結のための数ヶ月の努力の後に陥っている行き詰まり状態は、「より巧妙な戦略の一部」であり、それは自分たちで合意に至るための努力の面では長期にわたった両者の無能力が目立った後、適切な時期に「包括的な和平を実現するためのアメリカの計画の表明と促進活動」に彼らを導び入れるだろう、と語っている。
この分析には同意しないアナリストもいる。彼らは、最終的な和平合意に行き着く上では緊急的な事態の中で、リスクが増大したにもかかわらず、オバマ政権はネタニヤフ側に、とりわけ、深刻な妥協をするようにどれほど強烈に圧力を掛けるつもりなのか、という点を明らかにせずにいる、と主張している。
「最初から、オバマ氏はネタニヤフ氏の頑固さを軽く見ていたのは明らかだ。またオバマ政権は、もし入植問題で協力を得られなかったならば、なにをすべきかという点を考慮していなかったようだ」と、ハーバード大学教授で“イスラエル・ロビー”を書いた共同著者の一人である、スティーブン・ウォルト教授は指摘する。
「もしネタニヤフ首相を一時的な入植活動の凍結で合意させられなければ、彼に、
1.パレスチナ国家の設立を可能ならしめる国境線の確立
2.東エルサレムにパレスチナ国家の首都設定
3.神殿の丘の処遇
4.難民対策面での合意
5.壁の外にいる入植者らの撤退
という難問で合意させることができるだろうか」、と語った。
ゾグビー氏にとっては、ここ数ヶ月ミッチェル特使が試みたように、範囲と期間について詳細な条件を交渉する代わりに、最初からオバマ政権は入植活動の停止を誠実に要請すべきだったし、また最終地位問題の話し合いに直接移るべきだったのだ、となる。
しかし彼は北アイルランドでの交渉人としての能力が確認されているミッチェル氏の、より大きな戦略が存在している可能性は排除しなかった。
「最終地位問題から入植問題を切り離すことは、政策の変更かもしれないし、あるいは極端にまずい状況から単に抜け出すための方策だったかもしれない」とゾグビー氏は語った。
「私はネタニヤフ氏があらゆる状況を彼に有利にしてしまうような策略の名人かどうかは知らないが、ミッチェル氏はこの問題にはよく順応している」と付け加えた。「そしていずれにしても、この問題の終結まではまだまだ長くかかるだろう」と語った。
●握手すれど合わぬ視線 「中東和平」道のり遠く
【9月24日 SANEI EXPRESS】
バラク・オバマ米大統領(48)は22日、ニューヨーク市内のホテルで、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相(59)、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長(74)と就任後初の3者会談を行い、中東和平交渉の再開を強く促した。ネタニヤフ首相とアッバス議長の両氏は、大統領に促される形で握手にこそ応じたものの、焦点のユダヤ人入植地の建設凍結問題などで具体的な進展はなかった。
オバマ大統領はネタニヤフ首相、アッバス議長とそれぞれ個別に会談した後、3者で会談した。
オバマ大統領は「交渉開始について話し合うときは過ぎた。前に進むときだ」と述べ、エルサレムの帰属、入植地問題など最終的地位に関する交渉にすぐに着手すべきと訴えた。
ロイター通信によると、ネタニヤフ首相は会談後、「前提条件なしで和平プロセスを早期に再開すべきとの見解の一致をみた」と述べた。来週、ミッチェル米中東担当特使が双方の代表と再び会談し、ヒラリー・クリントン国務長官(61)が10月に大統領に交渉経過を報告する。
大統領としてはイスラエル、パレスチナ双方との協議を重ね、問題の早期進展を図りたい意向だが、最終的地位交渉の議題はいずれも実現困難な問題ばかりだ。しかも、同盟国である米国とイスラエルとの関係は、入植地建設を進めるネタニヤフ政権下で、これまでになくひずみが生じている。ネタニヤフ首相はヨルダン川西岸での9カ月の建設凍結を提案した。
一方、アッバス議長は会談後、イスラエルによるヨルダン川西岸や東エルサレムでの入植活動凍結を求める姿勢を改めて強調する一方、「われわれの立場に基づいた形で交渉を再開できることを信じている」と指摘した。入植凍結を求めるオバマ大統領の強い態度が、イスラエルの強硬路線修正につながることへの期待をにじませたとみられ、双方の隔たりは依然として大きいのが実情だ。
また、アッバス議長もガザ地区の実効支配をイスラム原理主義組織ハマスに奪われた状態が続き、すべてのパレスチナを代表する存在ではない。
■掛け声倒れ?
いったんは困難とみられながら、米国の強い要請で急きょ開催にまでこぎつけた3首脳会談だったが、オバマ大統領は報道陣の前で、硬い表情のネタニヤフ、アッバス両氏に説教するような調子で交渉再開を求め、「すべての障害、歴史、不信にかかわらず、前進する方法をみつけなければならない」と強調するなど多難な前途を思わせた。
オバマ大統領としては2国家共存による和平の実現に向けた仲介を強化する姿勢を鮮明にしたといえる。だが、会談ではイスラエルの入植活動など主要な対立点の解消に向けた具体的な提案はなく、大統領の掛け声倒れになる可能性も少なくなく、和平進展は険しい道のりといえそうだ。(ニューヨーク 有元隆志)
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CIA本部のロビーの床
◆9月24日
アメリカのCIAのテロリスト容疑者への尋問時の行き過ぎの問題、それが時に拷問になり法に触れるまでの権力の乱用問題となっている。
ブッシュ政権時代の「武断政治」の後遺症であるが、オバマ大統領はこの問題でCIAに対する調査を再開するつもりだ。これに対し7人の元CIA長官がオバマ大統領に直接書簡を送り、CIAに対する再調査を中止するよう要請したが、大統領はその計画に変更がないことを明確にした。
これはある意味、オバマ大統領とCIAとの戦いを示していると言えそうだ。CIAの要所部分にはかなりの割合でユダヤ系アメリカ人が入っていると言われ、ユダヤのアメリカ支配の重要な部分を担っていると思われる。このCIAの闇の部分が政府の知らないところで、さまざまな動きを独自の資金を駆使して行ってきていると見られている。
しかしCIAは職員数数万人の巨大組織だ。一筋縄でいくような組織ではないし、彼らにはさまざまな非合法の下請け組織が控えていると判断すべきだから、どこでどんなやり方で圧力や危険が待っているかもしれない。だからオバマ大統領と言えども、そろりそろりとやるしかないだろう。
実際このCIAは、例えばケネディ大統領やロバート・ケネディ司法長官暗殺の黒幕と見られたりしているのを見ても(http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/newsnight/6166806.stm)、自分たちの都合にとって障害となるような人物を、たとえそれが自国の大統領であろうと暗殺しかねない組織と見られている事情があることを思えば、慎重さを要することは論を待たない。
しかし今回のこの問題は、大統領の一つの決意を示す行動であると見られる。それでCIAも組織を挙げてそれに抵抗しようと試みたのがこの7人の元長官らの書簡だろう。しかし大統領はこの戦いの矛を収めるつもりはないようだ。
従って、このオバマ大統領の動きは、最終的にはCIAのもっと秘められた部分をも暴くような局面に至るかも知れず、注視していくべきと思われる。
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●オバマ大統領:司法長官のCIA調査を支持
【9月21日 FOXNews.com】
オバマ大統領は、7人の元CIA長官らの書いた調査中止を要請する書簡にもかかわらず、ホルダー司法長官にCIAの権力乱用問題での調査の自由裁量を与えた。
オバマ大統領は20日、エリック・ホルダー司法長官のCIA問題における決定を却下するつもりがないことを明確にした。司法長官はブッシュ政権時に、CIAがテロリストとされる者たちに対する尋問で法の範囲を超えることがあったかどうかを調査する決定をした。
オバマ大統領はホルダー長官に対し、7人の元CIA長官らから調査中止を要請する手紙を受け取った後に、自由裁量権を与えた。
「私は元CIA長官らが自分たちが築いてきた組織を支持しようとしていることを評価したい。しかし自分としては、誰も法を超えて存在する者はいない、ということを信じている」と、オバマ大統領はCBS番組の“フェイス・オブ・ザ・ネイション”内で語った。 「私はアメリカ大統領として、法の番人としてある司法長官の決定を却下する決定を主張しようとしているのではない、ということを明確にしておきたい」
CIAの元長官らは、大統領宛ての手紙の中で、この問題は既にCIAと専門の検察官により調査されており、その決定を再考慮することはCIA職員にとって法の示すところのものに従うことに懸念を抱かせることになる、と書いた。
「ホルダー司法長官の犯罪調査の再開の決定は、司法省が以前起訴を思いとどまったケースの者たちが相変わらず危機の中にあるという雰囲気を生み出す」と彼らは書いた。
「9月11日同時多発テロ事件などの余波の中で、困難な任務についたこれら男女の職員らは、彼らの活動を規制する規則には不変性があることを信じたはずだ」とこれら7人の元長官らは書いた。
オバマ大統領は、調査を再開するという議論の多い決定については距離を置いていた。大統領は20日、まだ時間があるからと、後ろではなく前を見たい、と語ったが、批判者はもし大統領が本当にあのアドバイスに従うつもりだったならば、彼は調査を中止したはずだ、と言う。
大統領は20日、“魔女狩り”を願っているわけではない、と語り、「ジョン・ダーハム検事は犯罪調査はまだ行っていない」、と語った。「彼らは一体何がおきたのかということを調べているだけだ」と大統領は語った。
ワシントン・ポスト紙は、週末にかけて、司法省の再調査はこのケースの狭いポートフォリオを中心とするものだろう、と報告している。
この記事ではホルダー氏はキーとなるメモを決定の前に読んでいなかったとある。このメモとは、CIA職員に対する告訴は取り上げないという決定について説明した、ブッシュ政権の下にあった検事たちの書いたもの。
●7人の元CIA長官がオバマ大統領に調査中止を要請
【9月18日 Los Angels Times】
新しい司法省のCIAの活動についての調査は「継続する危機の雰囲気を醸成する」と、過去35年間の共和・民主両党政権に仕えた情報機関を指揮した7人の元長官が今日、オバマ大統領に調査中止を要請した。
民主党は、大統領が将来を見ているのだ、と言った。しかし大統領は司法長官であるエリック・ホルダー氏が、情報機関職員あるいはブッシュ政権で許可された請け負い業者らの尋問乱用の可能性のある10のケースについての調査をする特別検察官を指名するということを中止させることはなかった。
これらのケースは連邦政府によって既に起訴が取り下げられているものだ。
元情報機関長官たちは「もし一つの政権の期間中、職業検察官により終了した犯罪調査が、次の政権内で国政被任命者の命令で再開されるとすれば、起訴の取り下げということは意味がなくなる」と書いた。
これら7人の元長官たちはジョン・ダッチ、ポーター・ゴス、マイケル・ハイデン、ジェームズ・シュレンジンガー、ジョージ・テネット、ウィリアム・ウェブスター、ジェームズ・ウールセイだ。
彼らは、異なる政党における将来における調査があるという心配は、テロリズムと戦う際に必要となる積極的な尋問に支障をきたすだけでなく、外国政府との協力面でも問題が出ると懸念を表明した。
現在のレオン・パネッタCIA長官のスポークスマンは、彼は今日と明日に集中しているのであり、過去ではない、と述べた。
ホルダー司法長官のスポークスマンは、計画には変更ないことを示唆した。そしてオバマ大統領は現在の職員らの仕事にはなんらの影響も与えないと自信を持っていると語った。
ホワイトハウスはなんらのコメントも出していない。
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軍人ラビが配布したパンフレット
◆9月23日
昨年暮れから今年はじめにかけてのイスラエルのガザ侵攻で、軍人ラビが前線でイスラエル兵を鼓舞し、それが問題となっている。
旧約聖書を見れば、モーセの後を継いだヨシュアが現在のパレスチナ地方に侵入する時、そこに以前から住んでいた住民をことごとく殺したことが書かれている。旧約の神がそれを命令しているからそうなってしまったのだが、現在でもそのようなことをイスラエル軍に求めるのが、このイスラエルの軍人ラビである。
イスラエルでは、非宗教人が30%くらい存在している(現在はもっと多いかも)しイスラム教徒やキリスト教徒、ドルーズ教徒もいる。つまりイスラエル人の多くは非ユダヤ教徒なのだ。そこにユダヤ教の教えで聖戦思想を吹き込む動きが強まっているというから、これはイスラエル内部でも問題とならざるを得ないであろう。
しかしいずれにしてもイスラエルの建国自体が、いわばシオニズムという聖書的な概念を背景にして建国された経緯があるのだから、どうしても宗教的な急進派が力を持つようになるのは避けられないのではないだろうか。
そうすると今後は、イスラム教徒の急進派(原理主義・根本主義)と、イスラエル・ユダヤ教徒の急進派とのガチンコの衝突になることが懸念されるのだ。まさしく宗教戦争だ。これをイスラエルの職業軍人も恐れている。狂信的になったら、その行き着く先は破滅であろう。それは狂信的になれば破滅するまで戦い、妥協を知らない、ということになるからだ。
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●イスラエル軍に増えている軍人ラビ(ユダヤ教教師)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/newsnight/8232340.stm
【9月7日 BBC Newsnight】
イスラエル軍は変貌している。かつてはその世俗性を持っていた戦闘部隊には、イスラエルの戦争は“神の戦争”と信じる人々が増えている。
軍人ラビは一層影響力を増してきている。宗教の訓練に加え戦争で鍛えられて、軍規は彼らを新しい軍のエリートにしている。
彼らは士官学校を卒業し、軍司令官の近くで活動している。彼らの主要な義務の一つは兵士らの士気を高め最前線でも鼓舞することだ。
イスラエルの将軍は戦争をジハード(聖戦)にしてしまう危険性を警告している。この問題はイスラエルの中で相当の論議を呼んでいる。軍の士気というものは、神に仕える人間によって与えられるべきものなのか、それとも国家に対する信念とそれを保全せんとする思いからくるべきか?
軍人ラビは今年のガザ侵攻の期間中、目立つようになった。彼らのいくつかの活動は、軍における政治・宗教的影響力に関しいくつかの疑問を投げかけている。
非宗教的兵士であるガル・エイナブ氏は、基地、兵舎、戦場でも隅から隅まで宗教的論理が溢れていると語った。
兵士が銃を受け取ると、すぐさま今度は聖書の中の一編である詩篇の本を与えられる、という。そして彼の小隊がガザに侵攻していった時、彼らには民間のラビと軍人ラビが両サイドについていた、と言う。
「あれでは戦争が聖戦のようになる、まるで十字軍のように。戸惑いました。宗教と軍は完全に切り離すべきです」と彼は語った。
◆光の子ら
しかしシャミエル・カウフマンのような軍人ラビは、この変化を歓迎している。以前は、戦争では軍人ラビは前線から離れた場所にいた、と言う。ガザの侵攻時には、兵士に同伴するように命ぜられた。
「我々の任務は兵士の戦闘心を鼓舞することにある。聖書の時代からメシアの到来に至るまでの永遠のユダヤ人の精神だ」
彼の小隊がガザに行く前に、ラビ・カウフマンは、彼らの司令官がカウフマン師に角笛を吹くよう要請したという。「ちょうど聖書に出てくるヨシュアがカナン(現在のパレスチナ地方)の地を征服した時のように。あれは戦争を聖なるものにする」と語った。
ラビらは、何百もの宗教的な小冊子をガザ戦争時に配布した。
そのことが知れ渡ると、イスラエルで大きな問題となった。いくつかの小冊子には、兵士のことを「光の子ら」と呼び、パレスチナ人を「闇の子ら」と呼んでいるのだ。他の箇所では、パレスチナ人のことを聖書の中でユダヤ人の憎い敵であったペリシテ人になぞらえている。
イスラエル軍はこの小冊子の発行には直接かかわってはいないが、その本の中には軍のスタンプが押されている。
軍の指導者らは、ラビに軍の規範を守るよう要請しているし、彼らラビの信念は信念として別にしてほしいとしている。彼らはこの新しいい民族主義的宗教兵士がイスラエル軍に入ってきている動きにも同様の姿勢であたるとしている。
◆宗教的義務
西岸のヘブロンの近くにある正統派ユダヤ教神学校を訪ねてみよう。そこは今増えている宗教学校の一つで、そこでは聖書を前線に持参することを奨励している。
この神学校は西岸のユダヤ人入植地にある。神学校の学生らは皆、戦闘部隊に入隊することを選択するが、思想的にあまり熱心でない学生らは入隊を避けることが統計的に示されている。これがイスラエルの新聞の見出しを飾った。
19歳の学生は、宗教的兵士は軍の態度を改善するし軍がより“道徳的”になる、と語った。
彼らはイスラエルの市民を守ることを宗教的義務と考えている。主(神)がそれを命令している、というのだ。
もしオバマ大統領がやり通すことになれば、イスラエルは最終的には殆どの入植地から撤退することになるだろう。
入植者らは国際法からみれば、違法となるし、パレスチナ人は将来の彼らの国土となる領土だと主張している。しかしイスラエルの宗教的兵士らにしてみれば、西岸は神がユダヤ人に与えた領土なのだ。
ガル・エイナブ氏は、多くの兵士は入植地を閉鎖することには反対するだろうと語る。この入植問題は軍を分裂させる可能性がある、と彼は語った。そして多くの士官らがこの入植者であると言う。
「もし、イスラエル政府からの命令とラビのメッセージとの間に矛盾が出てくれば、入植者と宗教的右翼兵士らはラビに従うでしょう」と彼は語った。
◆「ジハード」の脅威
イスラエル軍指導部はジハードの考え方には強く反対している。エリ・シャーマイスター准将は、軍の教育総監だ。彼は過去いくつかの過ちがあったと認めた。しかし今は軍人ラビとの関係で良いバランスが保たれていると言う。
彼は、イスラエル軍の司令官が唯一、兵士らの士気の責任を持っている者だと強調した。
「イスラエル軍の規範コードは明瞭だ。我々は兵士をこの規範コードに照らして審査するのであり、宗教的なものを使うことはない」と語った。
シャーマイスター准将の前任者は、軍の内部で警戒すべき変化があったことを証言している。
ネヘミア・ダガン予備役将軍は、軍におきていることはイスラエル人の多くが思うよりはるかに危険なものであると語る。
「我々兵士は、我々自身の考え方は脇において、やるべきことをやることができた。我々自身が宗教的かキブツ出身かは問題ではなかった。しかしもうそういうわけにはいかなくなった」と言うのだ。「戦場での士気は宗教的権威からもたらされることはない。もしそれがなされれば、それは“聖戦”となってしまう。私は人々がこの言葉を好まないだろうということを知っている。しかし現実はそうなりつつある。一旦聖戦となれば、限界がなくなる。多くの宗教的なユダヤ人は、ガザ侵攻時なされた説教の内容に反対だ。彼らはユダヤ教の正しい教えを曲解させると共にイスラエル軍の規範コードと矛盾する考え方を押し付けている」と語った。
日々、イスラエル軍は市民のいる領域、ガザや西岸、東エルサレムで任務についている。イスラエル兵がさらされている影響力は大変重大な内容を持っている。
ここに住んでいるパレスチナ人に対する彼らの姿勢は、彼らが使用する武力と兵器に影響を与えることになりそうだ。
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