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オバマ大統領とウリベ大統領

◆11月8日

 昨日、ベネズエラとコロンビアとの間に殺害を含む紛争から一気に緊張が高まった点を指摘したが、エバ・ゴリンガー女史は、アメリカ空軍の公式文書に、アメリカ政府とコロンビア政府間で取り交わされた軍事的合意は、麻薬対策のためというようりかは、南アメリカにおける米軍の軍事作戦を確実なものにするという目的の方が重要であり、主要な目的である、と説明されている点を指摘している。

 この空軍の文書は、2009年5月に2010年度予算の説明の一部として議会に付された。
 こうしてアメリカ政府が、南アメリカでコロンビアを踏み台にして、軍事作戦をすすめ、反米国家を転覆し、親米国家を生み出そう、とする意図を持っていることが明らかになったようだ。


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●公式米空軍文書は米・コロンビア軍事合意書の真の目的を示している
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=15951
【11月6日 by Eva Golinger】
 米空軍公式文書は、コロンビアのパランケロ基地 はアメリカ国防総省に対し、「・・・南アメリカ全域で全面的作戦を可能にする機会を与えるであろう」とある。この情報は、10月30日に調印された両国間の軍事的合意についてアルバロ・ウリベ・コロンビア大統領と米国務省が行った説明と食い違っている。
 両政府は、この軍事的合意事項は、コロンビア領内での麻薬取締り、テロ対策作戦と説明している。ウリベ大統領は、この合意内容に関してはこの地域にその真の目的についてずっと懸念が存在しているにもかかわらず、アメリカとの軍事的合意はコロンビアの隣国に影響を与えることはない、何回も説明した。
 しかし2009年5月付けの米空軍文書では、南アメリカ諸国の持つ懸念がずばり的を得ていることを示している。この文書は、合意事項の裏にある真の目的が、アメリカに「麻薬資金でなされるテロ活動、・・・そして反米政府・・・により治安と安定が恒常的な脅威にさらされている我々の南半球地域での全面的な作戦」を可能にさせることにあることを示している。

 アメリカとコロンビアとの間の合意は、コロンビアのパランケロ、マランボ、トレマイダ、ラランディア、アピアイ、カルタゲナ、マラガの7つの軍事施設を使用することを許可している。更にこの合意はコロンビア中の「必要とされる全ての施設や場所の使用」を制限なしに許可している。
 
 この合意は完全な免責を付けて、アメリカ軍と軍属職員、民間の防衛・警備契約者を含む者たちに、商業用空港も含む国中のどんな施設も、軍事的目的のために使用することを許可する、という条項が与えられている。これはコロンビアの国家主権を完全に放棄することを意味し、コロンビアをアメリカの従属国に変えることになる。

 空軍文書は、パランケロの基地の重要性を強調している。また飛行場、傾斜路その他の施設を共同警備区域に改良するため、2010年度予算に4600万ドルを要請していることを正当化している。

 南アメリカでどの国がアメリカ政府によって、“反米国家”とみなされているか予想することは簡単だ。ベネズエラ、ボリビア、いくらかはエクアドルに対する国務省、国防総省、議会から発せられる攻撃的宣言と声明は、ALBA諸国が、アメリカ政府によって「恒常的な脅威」として認定されていることを示している。「反米国家」と分類することは、アメリカの敵国と認識することだ。
 この文脈で見れば、コロンビアとの軍事的合意は、敵で一杯と見なす地域に対するアメリカのリアクションである。


◆麻薬対策作戦は二次的なこと
 「コロンビアとアメリカの連携は、コロンビアとアメリカの戦略的パートナーシップを強化する。強い安全保障協力関係は、緩んでいる麻薬対策能力を強化するため、南アメリカ中で全面的な作戦を可能にさせる機会を提供する。
 この声明ははっきりと、両国間の間で交わされた軍事的合意では、麻薬対策作戦は真の目的に対して二次的であることを示している。これは、オバマ政権とウリベ政権がずっと主張してきた、この合意はドラッグ密輸と生産活動に対する戦いが主要な焦点となっている、ということと明らかな矛盾を示している。
 空軍の文書は、「反米国家」からの「恒常的な脅威」と戦うため、コロンビアだけではなく南アメリカにおける「全面的な」軍事作戦の改善の必要性を強調している。


◆パランケロは大陸の機動性のための最良の選択肢
 空軍文書は、「パランケロはコロンビア内でインフラ開発に投資するための最良の地である」と説明している。その中心地域は作戦地域の範囲内にある・・・その隔離は安全運用(OPSEC)と軍事力保護を最大化し、ミリタリー・プロファイルを最小化させる。その意図するところは、現存するインフラを効果的に最大限に活用することだ。そうすることで、アメリカ軍の危機にすばやく対応する能力を改良することにあり、最小費用で地域のどこでもカバーするためだ。パランケロは南アメリカ大陸全体へのアクセスを保証することで、機動力を発揮する作戦を支援する。


◆スパイ作戦と戦争
 この文書は、パランケロの米軍は、スパイ作戦と情報作戦の能力を高め、アメリカ軍の地域における交戦能力を高めることを可能にするだろう、と説明している。「CSLの整備はアメリカとコロンビアとの間の戦略的パートナーシップを更に強化するし、両国の国益に資する。・・・アメリカ軍の存在は、情報、監視、偵察行動(ISR)を行う能力を高めるだろうし、世界的な到達能力を改善し、兵站能力を高め、パートナーシップ、地域安全保障協力を改善、遠征能力を拡大する」

 この文章で使われる戦争の言葉には、 アメリカとコロンビアで交わされた軍事的合意の背後にある真の意図が表されている:彼らはラテンアメリカで戦争をする準備を進めている。過去数日間はコロンビアとベネズエラ間の紛争と緊張で満ちていた。数日前、ベネズエラ政府はコロンビア情報局(DAS)の3人のスパイを逮捕した。またキューバ、エクアドル、ベネズエラに対する不安定化とスパイ作戦のいくつかを発見した。フェニックス、サロモン、ファルコンと名づけられたこの3つの作戦は、DASのスパイと一緒に捕獲した文書内に記されている。約2週間前、コロンビアとの国境沿いのタチラで10人の遺体が発見された。関係する調査を終わってみると、ベネズエラ政府はベネズエラ領内に侵入したコロンビアの民兵組織に属する者たちであることが判明した。
 コロンビアからの危険な民兵侵入は、ベネズエラに対する不安定化計画の一部を形成し、チャベス政権を倒すため、ベネズエラ領内に民兵国家を作り出すことを意図している。

 アメリカとコロンビアの間の軍事的合意は、地域の緊張と紛争を煽るだけだ。
米空軍の文書で明らかにされた情報は、アメリカ政府がコロンビアを踏み台に利用しながら、南アメリカ内に戦争状態を促進することを意図していることを示している。

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パキスタンのペシャワールの市場での爆弾テロ現場

◆11月2日

 9月15日号の「ブラックウォーター社がブット元パキスタン首相とハリリ元レバノン首相暗殺にかかわった」で示したように、パキスタンをはじめ、中東でアメリカの民間警備会社のブラックウォーターがCIAなどの下請けの特殊作戦ないし工作を行ってきているが、今度のパキスタンでの大規模テロ攻撃もこのブラックウォーターの工作だと、当地の武装勢力が指摘している。

 一般的には、いわゆるテロ攻撃があると、アルカイダだとかタリバンだとかそのシンパの仕業という、ステレオタイプの報道がなされるのが欧米のメディアであり、日本のメディアもその欧米のメディアに右へ倣えで報道してきた。
 しかし、実際は、イラクでもレバノンでも、あるいは今回のパキスタンでも、特に大規模なテロ攻撃は大方は欧米の特殊部隊ないしは、今回のようにその欧米諸国の下請けの民間特殊作戦部隊が行ってきていることが明らかになりつつある。

 このような騒乱状態を惹起する目的な何か、といえば、そうすることで、米軍の駐留の口実とするためである。これほどの騒乱状態があるのに、米軍は引き上げるのか? という状態を作るためである。世界の警察官を任じてきたアメリカであり、そうすることで、アメリカの支配を世界に拡大してきたことで、同時にさまざまな利権を確保することができたのであり、それを継続するためには各地に「騒乱状態が存在することが必要」なのだ。

 このような動きをする特にCIAとオバマ政権は戦っている、と見られるが、オバマ大統領に対するさまざまな圧力は強く、大統領と言えども簡単に自身の願う政策を進めることができないのが、アメリカの政治の裏事情だろう(この件では既に何回か論じた)。

 従ってもうしばらくはこの鬩(せめ)ぎ合い継続するものと考えられる。


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ペシャワール爆弾テロはブラックウォーターの工作
http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=110059&ionid=351020401
【11月2日 PressTV】
 ペシャワールの市場での車爆弾のすさまじい爆発後、建物の破片の周りにパキスタンの人々は集まっていた。
 パキスタンの親タリバン武装勢力はアメリカの民間警備会社ブラックウォーターが10月28日の100人以上の死者を出したペシャワールでの爆弾爆発の仕業であると非難した。

 テーリク・エ・タリバン指導者のハキムラ・メフスド氏は、ブラック・ウォーターとパキスタンの工作部隊がペシャワールの混雑する市場での爆弾爆発に介入した、と語った。
 最新のレポートによると、死者の数は106人に、また150人以上が負傷した。治安関係者は瓦礫の下にまだ埋まっている人々がいると言っている。
 パキスタン軍は南部ワジリスタン地方で武装勢力が敗北に直面しているため、彼らは民衆を標的にしている、と語った。
 メフスド氏は、その非難を拒絶した。アメリカの警備会社のブラックウォーターが地方の協力者と共にこの攻撃に介入した、と語った。
 11月1日、テーリク・エ・タリバンの支持者ら200人ほどが、デラ・イスマイル・カーンでブラックウォーターを非難し反米スローガンを叫んでデモを行った。
 ジャマト・エ・イスラミ党の地方長のサラジ・ウル・ハク氏は、アメリカの同意の元で行われているパキスタンの武装勢力に対する作戦は、敵の目的を実現するだけなので、中止するべきだ、と語った。
 「今やこのことは明らかになった。全ての爆弾爆発は、キュベール・バザールのファイサル・モスクで行われたものも、ブラックウォーターが行った」と彼は述べた。
 約2万8000人の兵士が、1000人ほどのウズベク戦士とアラブ系アルカイダ関連メンバーを含む、推定1万人の親タリバン勢力と戦っている。
 アナリストは南ワジリスタンで武装勢力が押されているので更なる衝突が増える可能性があると警告した。

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アフガンのケシ畑

◆10月24日

 アフガンはアヘン生産量で世界最大だ。しかしこのアヘン生産もタリバンが政権を担っていた時はゼロだった。アメリカ軍がこのタリバン政権を倒してから急激にアヘンの生産量は拡大し、今や世界のアヘン生産の92%がアフガン産となった。(参照:米露新時代を画するオバマ大統領の訪露◆7月4日号、アヘン立国のアフガンとタリバン掃討◆5月12日号)


 アフガンのタリバン政権をアメリカが倒したのは、中央アジアの石油等をインド洋に送るパイプラインをアフガン経由で敷く利権問題があったからだし、またアフガンのアヘン剤を獲得するためでもある。

 このブログでは既にこの件を指摘してきた。オバマ政権はそのような背景を持つアフガン戦争を今後どうするつもりなのか。
 このブログではオバマ大統領の意図は、イラクからだけではなく、アフガンからも撤退のベクトルを持っている、と見ているが、ネオコン・タカ派とCIAの勢力がホワイト・ハウスを引っ張ってなんとしてでもアフガンの戦争を拡大しようとしている、と見ていると指摘してきた。
 下記にあるように、オバマ大統領の安全保障問題担当補佐官のジェームズ・ジョーンズ氏は、本質的にはアフガンにはアルカイダの勢力は殆ど存在しない、と言っていい、と述べている。これはオバマ大統領の理解でもあるはずだ。つまりアフガンで、アルカイダの脅威のために増派しよう、というのは根拠のない要請になるため、大統領は本当は増派に反対のはずなのだ。

 それで、このアフガン増派問題は、オバマ大統領の正念場になる(ロシアはNATOのアフガンでの敗北に備えねばならない◆10月16日号)、と指摘したのである。


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アメリカのいかさまアフガン戦争
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=15761
【10月21日 William Engdahl】
 オバマ大統領の行程表の注目すべき側面の一つは、メディアの殆ど誰も問題提起しないことであるが、なぜ一体アメリカ国防総省はアフガンの軍事占領を目指しているのか、ということだ。
 ここには二つの基本的な理由がある。どちらも公的には認めることができないものだ。
 「勝利」するためにやれ3万人だ、いや少なくとも20万が必要ではと、どれほどの軍隊が必要なのかという公式に話されている偽りの議論の背後で、本当の米軍の存在の目的は隠されている。

 2008年の大統領選キャンペーン中でさえ、オバマ候補はイラクではなくアフガンではアメリカは戦争を継続する、と話していた。
 彼のその理由は何か?アルカイダ組織が存在していて、そのアルカイダはアメリカの安全保障にとっての脅威であるからだ、というものだ。しかしアメリカのアフガンでの戦争にはまったく違う理由があるのだ。

 アフガンにおけるアメリカ軍の存在には二つの理由がある。第一は、アヘン市場における世界最大のアヘンの供給地を掌握し、そのアヘンを敵対者、特にロシア相手に地政学的武器として使用する、というものだ。アフガンのドラッグ市場を支配するということは、破綻し腐敗しているウォール街の金融マフィアの流動資産のため重要なのだ。

◆アフガン・アヘンの地政学
 国連の公式レポートでさえ、アフガンのアヘン生産はタリバン政権が2001年に倒れてから劇的に増大していると記している。UNODCのデータは、タリバン政権時のいかなる時よりも過去4回の成長期(2004年~2007年)の各時期でケシの栽培が増えていることを示している。アフガンではラテン・アメリカのコカイン栽培よりも一層多くの土地がケシ栽培に使用されている。2007年では、世界のアヘン剤市場でアフガン産が93%を占めた。アメリカがポパルザイ族から出た問題の多いパシュツン軍閥長であるハミド・カルザイ氏をピックアップしたことが記録されている。この人物はCIAと仕事をしてきた男だ。
アフガンからの情報では、カルザイは今日のアフガンのアヘンのゴッドファーザーである、という。彼がかつて、そして今もアメリカ政府の好む人物であることは何かの間違いでも何でもない。しかし大規模な選挙の不正と脅しなどでカルザイの政権は終わりに近づいていいるかもしれない。

 胡散臭いビンラディンや彼のアルカイダ・テロリスト集団は誰なんだ、という点を世界は忘れてしまった後、アメリカ軍がアフガンにとどまる第二の理由は、米軍の戦闘部隊を、アフガン中の永久空軍基地と共に作り上げる口実のためだ。
 これらの基地の目的は、アルカイダを掃討するためでも、謎めいた「タリバン」を根絶するためでもない。アメリカのアフガンでの基地の狙いは、アメリカの世界的帝権を脅かす二つの国を標的とし攻撃することができるようにするためだ。

◆失われた「天命」
 ウォール街とワシントンのアメリカの権力エリートたちの問題は、彼らが深刻な金融危機の真っ只中にある、という事実だ。この危機は世界全体ではっきりと認識されていて、各国は生き残りのための動きをしている。アメリカのエリートたちは中国の帝国の歴史でいうところの天命を失ってしまった。天命は支配者が民衆を正義に基づき公平に支配することで与えられる。彼らが暴君として専制君主的に支配し、民衆を弾圧し酷使すれば彼らは天命を失う。

 もしも、アメリカの金融と外交政策を過去1世紀にわたって支配してきた力ある民間の富豪エリートたちが天命を持っていたとすれば、彼らは間違いなくそれを失ったのだ。民衆に与えられている憲法上の権利を剥奪して、警察国家の創設に向かう国内の動きや、選良ではない財務長官のポールソンや今はティム・ガイトナーなどによる権力の恣意的な行使、「破産させるには大きすぎる」と言われるウォール街の最大の銀行の破綻の救済のため、納税者の同意もないまま数兆ドルを盗んだこと、これら一切は彼らは天命を喪失したことを示している。

 この状況の中で、アメリカの権力エリートたちは彼らのメディアによって「グローバリゼーション」と欺瞞的に呼んでいる彼らの寄生虫的帝国の支配を維持するために必死でいる。この支配を維持するために、アメリカの将来の唯一のスーパーパワー支配に立ち向かうようになるかもしれない、ユーラシア大陸にある二つの大国の生起する経済、エネルギー、軍事における協力関係をぶち壊さねばならない。中国とロシアの連携のことだ。

 二つの大国はそれぞれ重要な要素を持っている。中国は世界で最も活気のある経済、若く活動的な労働力、教育を受けた中流階級である。ロシアはソ連時代からの破壊的な経済、またエリツイン時代の原始的な略奪からまだ完全に復活はしていないが、それでもこの両国の連携に枢要なアセットを持っている。ロシアの核攻撃能力と軍事力は冷戦時代の残滓であってもアメリカの軍事的支配に対する唯一の脅威となっている。
 またロシアは中国が緊急に必要とする世界最大の天然ガスと石油の大きな埋蔵量を持つ国だ。この二つの国は2001年に設立された上海協力機構(SCO)を通してますます連携を深めている。この機構にはロシアと中国以外に、中央アジアのカザフスタン、キリギス、タジキスタン、ウズベキスタンが含まれている。

 アメリカのタリバンやアルカイダに対する戦争の目的は、実際は自国の軍事力を直接中央アジアで生起しているSCOの地理的空白地帯に配備するためである。

 公式的には、勿論アメリカは2002年以来アフガンに軍事プレゼンスを果たしているのは、アフガンの脆弱な民主主義を守るためだ、と主張している。これは奇妙なことだ。

 2004年の12月、ドナルド・ラムズフェルド国防長官がカブールを訪問した時、アフガンのヘルマンド、ヘラト、ニムロズ、バルク、ホスト、パクチアに新しい9つの基地を建設する計画を立てた。この9つの基地は、2001年から2002年の冬に、表向きはオサマ・ビン・ラディンらのテロの脅威を封じ込め、根絶するためだとしてアフガンを占領した時建設した3つの主要な基地に追加されるものだ。

 ペンタゴンの最初の3つの基地を、カブール北の米軍の主要な兵站基地であるバグラム飛行場、南部のカンダハル飛行場、西部のヘラトのシンダンド飛行場に建設した。シンダントはアフガンでのアメリカ軍の最大の基地だが、イラン国境からわずか100kmしか離れていない。またロシアと中国に対する攻撃を可能とする距離にある。

 アフガンは歴史的に19世紀から20世紀にかけて中央アジアの支配を争うイギリス・ロシアのグレート・ゲームの中心舞台であった。イギリスの戦略は「帝国の王冠にはめ込まれた宝石」であったインドを脅かすことになるロシアのアフガン支配をなんとしてでも阻止するというものであった。

 ペンタゴンの戦略立案者らには、アフガンは高度に戦略的であるとみなされていた。これはアメリカ軍が直接ロシアと中国とを脅かすことができ、同時にイランや石油の豊富な中東地帯に対し、にらみを利かせることができる位置にある。一世紀以上の戦争を超えて地政学的には殆どこの構図は変わっていない。

 アフガンは南アジア、中央アジア、中東に接する非常に重要な位置にある。アフガンはまた、計画中のカスピ海の油田からインド洋に達するパイプラインの敷かれる地域となっている。これにはアメリカの石油会社であるユノカル、エンロン、チェイニー元副大統領のハリバートンが絡んでいる。これらの企業は、トルクメニスタンからアフガンとパキスタンを経由し、エンロンの巨大な天然ガスプラントのあるムンバイに近いダブホールまで運ぶパイプラインの独占的利権を交渉中だ。カルザイ大統領はアメリカの傀儡大統領になる前は、ユノカルのロビイストだった人物だ。


◆アルカイダは脅威ではない
 こういった、アフガンにまつわる本当の目的についてのあらゆるごまかしを暴く真実は、アフガンにおける「アルカイダ」の脅威と言われるものをじっくり観察することではっきりする。
 作家であるエリク・マルゴリス氏によれば、2001年9月11日同時多発テロ事件以前に、アメリカの情報機関はタリバンとアルカイダに対する支援をしていた。マルゴリス氏は、「CIAはウィグル人イスラム教徒を扇動し中国の支配に反対させるためオサマ・ビン・ラディンのアルカイダを利用し、ロシアの中央アジアの同盟国に対してはタリバンを利用して撹乱させよう計画していた」と主張している。

 アメリカは昨年7月の世界ウィグル会議への支援をもって中国に反対するウィグル人イスラム教徒を扇動するという、別の手段を発見した。しかしアルカイダの「脅威」というものが、オバマ政権のアフガン戦争の正当化の要としていまだに使用されている。

 しかし今や、前海兵隊大将でオバマ大統領の国家安全保障担当大統領補佐官のジェームズ・ジョーンズ氏は、アメリカの友好的なメディアによって都合よく隠されたのだが、アフガンにおけるアルカイダの脅威の大きさについて声明を発表している。ジョーンズ氏は議会に対し、「アルカイダの動きは非常に減少した。最大に見積もってもアフガンでの活動要員数は100人にも満たないし、基地もなく、アメリカに対しても同盟軍にたいしても攻撃を行うような力量は持っていない」と報告した。

 これは、アルカイダなるものは、実際的には、アフガンには存在しない、ということだ。マジか・・・
 パキスタンでさえ、アルカイダが活動しているのをみることは殆どない。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「アメリカの無人機で攻撃され、資金的には行き詰まっているため、パキスタンの荒涼とした山岳地帯に行くよう若いアラブ人を誘うことが困難になっているアルカイダは、アフガンでその勢力が縮まっているのを見ている、と情報機関ならびにパキスタンとアメリカ高官のレポートにはある。アルカイダが補充しようとするアラブの青年らにとっては、寒いところで腹を減らしながら隠れていることは素敵なことではない、と南アジアにいるアメリカ高官が語った」と報告している。

 もしこの声明の論理的結論を見れば、アフガンの山岳地帯で、NATO要員と共にドイツの兵士が死んでいくのは、「テロとの戦争に勝利する」こととなんらの関係もないということだ。都合のよい事に、殆どのメディアは、アルカイダは存在しているとしても、1980年代のCIAの作った組織であるという事実を忘れていることにしているのだ。CIAはイスラム世界から急進的イスラム教徒をリクルートして、訓練し、アフガンのソ連兵に対する戦争をさせた。これはレーガン政権時のCIAのビル・ケーシー長官が作った戦略である。ソ連に対し「新しいベトナム」を生み出してやろうという目論みだった。これは赤軍の敗北とソ連の崩壊を導いた。

 今や、このジェームズ・ジョーンズ氏は、アフガンにはアルカイダは本質的には存在しないことを認めている。おそらく、アフガンのケシの収穫を守るために若い兵士を送るという本当の目的についての、もっと本音の議論が政治家たちによってなされるべき時になっているのだ。




ヨーロッパ、ロシア、イランの中毒者はオフガンのアヘンを使用
【10月21日 Reuters】
 アフガン産のケシは650億ドルのヘロインを生み出し、アヘン市場は供給されるアヘンの半分を消費するヨーロッパ、ロシア、イラン人を含む1500万人の中毒者を囲っていると21日、国連のレポートに示されている。
 アフガンは世界のアヘンの92%を生産する。ケシから生産される濃いペーストでヘロインが作られる。毎年アフガンから3500トンのアヘンが不正輸出されると、国連薬物・犯罪レポートが記している。これらの薬物が中央アジアの国を離れる前に、3分の2がヘロインに加工される。残りはアヘンとして不正輸出されると研究は記している。
 わずか2%ほどのアヘンとヘロインがアフガンを離れる前に当局によって差し押さえられる。アフガンを離れたヘロインは40%がパキスタンを通して、イランへ30%、25%は中央アジアを通して世界に出て行く。
 「アフガンとパキスタンの国境地帯はなんでも不正な、麻薬は勿論、武器、爆弾製造装置、麻薬前駆物質、麻薬資金、そして人間と移民の世界最大の自由貿易地帯になったと、アントニオ・マリア・コスタUNODC事務局長は語った。

 「麻薬とテロの跋扈は中央アジア地帯に拡大するだろう」と、コスタ事務局長は語った。「地域の大きな部分は大規模なテロリズムに巻き込まれるだろう。そしてエネルギー資源を危険にさらすことになるだろう」
 世界的にアフガンのアヘン剤の20%が中毒患者に渡る前に差し押さえられるが、2倍の南アメリカコカインが差し押さえられている、とこの研究は記している。ヘロインの価格は国境を越える毎に上昇していく。カブールで1グラム3ドルだったものが、ロンドン、ミラノ、モスクワの路上では100ドルになる。

◆タリバンの兵器資金
 ヨーロッパでは世界のアヘン剤の19%を消費している、ロシアとイランはそれぞれ15%、中国は12%、インドは7%。またパキスタン、アフリカ、アメリカはそれぞれ6%、とこの研究は記している。「麻薬中毒・犯罪・反乱者:アフガン・アヘンの国境を越えた脅威」

 アフガンのアヘン剤取引は反乱者の資金源となっている、とコスタ氏は語る。

 2005年以来、2001年にアメリカ軍の侵攻により倒されたタリバンは力をつけて帰ってきて、1年に1億6000万ドルをケシ栽培と取引に対する税収で得ている、という。タリバンとアルカイダはパキスタン内に10億ドルのアヘン剤市場を利用している。

 「タリバンが直接アヘン市場での取引に介入することで、武器購入資金にしている。そしてそれらの武器は高性能なものになり、広範囲に行き渡るようになってきた」とコスタ氏は語った。「ヘロインの取引で利益を上げたものの中にはスーツを着込みホワイトカラーをつける者もいる。他の者たちは黒いターバンだ」

 「多くのこのような麻薬貴族らは、反乱者とつながっている。そしてアフガンと外国の情報機関で知られている者たちだ」と彼は語った。しかし、彼らは国連安保理が要求しているように、旅行を止められることもないし、彼らの資産が差し押さえられることもない。

 この報告では、1年で650億ドルのアヘンとヘロインの販売の殆どは、アフガンの外にいる犯罪者らによって着服されている。

 世界中の1540万人のアヘン剤中毒者の中で、1130万人はヘロインを使用、その他はアヘンを使用している。世界のヘロインの消費の内、半分近くはヨーロッパとロシアで、アヘン使用者の42%はイランに存在している。

 ヘロインとアヘンは毎年10万人を死に追いやっている。またHIVの拡散をかつてない速度で助けていると、報告書は記している。
 またこの報告書ではアフガンは1万2000トンのアヘンの在庫があり、これは世界の需要に2年以上も応えるほどの内容である。
 「これほどのアヘンが悪者の手にあるため、これらの在庫を見つけて破壊する必要性は緊急事態以上の問題だ」とコスタ氏は語った。

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イスラエルに機密を流そうとしたスパイ

◆10月21日

 アメリカの機密情報をイスラエルに流そうとしたスパイが逮捕された。イスラエルのアメリカでのスパイ問題はこのブログでも「スパイ工作事件でイスラエルに圧力を掛けるオバマ政権 ◆4月30日号」でも取り上げたように、頻繁に起きている。
 このような国がアメリカの同盟国だ、というのだからあきれる。これをみても、アメリカがイスラエルに鼻面を引き回されてきた今までの歴史が分かろうと言うものだ。
 故シャロン元首相は、「心配するな、我々がアメリカをコントロールしているのであり、アメリカ人もそれを知っている」、と嘯いたが、それは上記のようなスキャンダルがあっても、アメリカがイスラエルとの同盟関係を切れない事情を表す言葉かもしれない。

 しかしこのところ今回のスパイ事件だけでなく、臓器密売事件(7月27日号)などでもFBIがおとり捜査でユダヤ系アメリカ人の悪行を暴き逮捕している。スパイ事件でも今年はこれでこのブログで取り上げた分だけでも2件目となる。こうして継続的にユダヤ・イスラエルのスキャンダルを暴くことで、ユダヤ・イスラエルのアメリカ国内における立場を弱め、締め上げていくことが強まっていくものと思われる。

 これは前に「これは、実はオバマ大統領の取り掛かり始めている大きなプロジェクトの突端であり、発端であろうと考える。つまりいままでの歴代のアメリカ政府ができなかった、アメリカとイスラエルの腐れ縁を断ち切り、通常の国家と国家の関係に持っていくための作戦の取っ掛かりの事件であろうというのだ」と“アメリカのユダヤ教教師:腎臓を16万ドルで販売 ◆7月27日”で書いたことの裏づけともなる。  


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●政府の科学者をスパイ容疑で逮捕-イスラエルに機密を流そうとして
【10月19日 AP】
前国防総省職員がイスラエルに機密情報を渡そうとして逮捕される

 メリーランドの前国防総省職員で科学者、ホワイトハウス・宇宙評議会とその他の省庁で仕事をしていた人物が19日、機密情報をイスラエルの情報員と信じたFBI職員に渡したことで逮捕された。
 スチュワート・デイビッド・ノゼッテ(52)は、機密情報を交信し、手渡し、送信しようとしたという刑事告発で起訴された、と司法省は発表した。
 訴状はイスラエルあるいは誰かが背後でアメリカの法に違反することをしたと主張はしていない。
 エルサレムではこの問題が明らかになった夜、イスラエル政府はすぐにはコメントは無かった。
 ノゼッテはFBI捜査官によって逮捕された。彼は20日連邦裁判所に現れることになっている。司法当局はノゼッテは弁護士をすぐ準備しない、と語った。
 供述書では、FBI捜査官レスリー・マルテルは、9月3日ノゼッテはイスラエルの情報機関員だと装う人物から電話を受けた、と述べた。その電話の呼び出しはFBI捜査官であった。

 ノゼッテはその日の夜、その機関員とワシントンのホテルで会うことに合意した。その後の会合で、二人はノゼッテのイスラエルのために仕事をする意思について話し合いがなされた、と供述書にあった。

 ノゼッテは過去に保全許可証を持っていてアメリカの衛星情報にアクセスできると捜査官に伝えたと言われている、と供述書にある。
 ノゼッテはまた情報を売る用意がある、と語ったと言われている。捜査官はイスラエル情報機関のモサドが通信システムを準備するだろうからノゼッテは情報を郵便局の私書箱の中に送ることができる、と説明した。

「彼らはどう支払うかを解決しなければならない」
 ノゼッテは定期的に継続的に情報を流すことに合意した。またイスラエルのパスポートを要求した、と供述書にはある。この事件の推移が記されている。
・・・以下略

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爆弾テロの被害者

◆10月21日

 42人の死者を出した自爆攻撃がイラン南部の都市で起きた。これには革命防衛隊の司令官数人が含まれ、その規模と情報の正確さから、イラン首脳部は背後に米英の情報機関の関与を見ている。

 イランに対しては既にこのブログでも指摘してきたように、もう何年も前からイラン政権の不安定化を目指して、アメリカのCIAがイラン国内に侵入しているし、先の大統領選挙ではイギリス大使館が直接関与したということが分かっている。

 彼らの狙いは最終的には勿論現在のアハメドネジャド政権の転覆であるが、その前にイランの核濃縮問題をこじらせ、例えばIAEAとの会談でウラン濃縮を外国で行う、というような案で国際社会が納得し一件落着しないよう、ことを荒立てる、という当面の目的もあるだろう。

 また証拠を残すことで、イランの怒りを煽りたて、米英に対する直接的な攻撃などを喚起することも狙っていると思われる。ようするに静かにしている素人にやくざが難癖をつけるというのと同じやり方である。
 これでイランがいきり立ち米英との直接的対峙、そして何らかの交戦ということになれば、イスラエルの思う壺ということになろう。

 これをみても分かるとおり、アメリカのCIAは独自の工作をイラン内部で何年も続けてきているが、これは下記に示したオバマ大統領のカイロ大学での演説にも見られるように、イランに対する工作はしない、ということをわざわざ大統領として発言しているオバマ政権の意向ではない、と判断すべきだろう。イランとの関係をこじらせてアメリカをイランとの戦争に引き入れようと願う勢力はイスラエルであり、イランとの戦いでアメリカが得るものは何もない。

 イランに対する最近の工作などはブッシュ・ネオコン政権のものだが、それがオバマ大統領時代になっても大統領の意向に反してでも継続しているのである。だからこのブログでは大統領とCIAとが殆ど敵対的関係になっていることを繰り返して指摘してきている。CIAはアメリカの国益ではなくある勢力の利益になることを進めているのである。

 イランが石油取引をドルから他の通貨に替えているが、それをまたドルによる決済に戻すためとしてイラクのようにイランを叩いてアメリカの願うような政権を生み出すようなことは成功するとは到底思えない。

 前にも書いたが、CIAとMI6、そしてイスラエルのモサドが存在する限り、世界に紛争は耐えない。パキスタンのISIは9月11日同時多発テロ事件にも関与していると見られるから、CIAなどアメリカの情報機関との深い関係がある。こういうのを腐れ縁と言う。


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●イラン革命防衛隊:米英に報復を誓う
【10月19日 Times Online】
 イランの革命防衛隊長官は19日、6人の司令官を殺害したグループを支援したとし米英に対する報復措置をとることを語った。
 革命防衛隊のモハマド・アリ・ジャファリ長官は昨日南イランで自爆攻撃を行ったジュンダラと米英そして残念だがパキスタンの情報機関とが直接つながっていることを示す書類を見た、と語った。この爆発で42人が死んだ。
 この事件はイランの核計画についてイランと大国との間で行われることになっていたウィーンでの会談に暗い影をさすものとなった。
 「事件の背後で、アメリカ、イギリスの情報機関が存在している。彼らに対する報復的措置が必要となろう」とジャファリ長官は語ったとISNA通信が伝えた。
 「(ジュンダラの指導者のアボドルマレク・リギ)自身と彼の計画は間違いなくこれらの機関の傘の下にあり保護されていた。・・・これらの機関によって支援され彼らの指令で彼は動いていたことは間違いない」と語った。

 アナリストらは、この事件では、アメリカとイギリス双方が非難されるべきで、外国の介入があったという疑惑は、昨日の防衛隊の高官と部族リーダーの会議がシスタン・バルチスタン地方であると知っていたジュンダラの情報分析の正確さのために持ち上がった。これで防衛隊の地上部隊の副司令官が殺された。
 自爆攻撃者は、彼の体に巻きつけた爆弾をピシェン市のスポーツ施設の正門で、一行がスンニー派とシーア派の和解のための会議のために到着した時、爆発させた。殺された内の2人は国営放送IRIBの職員だったとこの会社が発表した。
 革命防衛隊の地上軍司令官のモハマド・パクプール将軍は、イラン・テレビに対し、攻撃した者たちは欧米で訓練を受けていた、と語った。
 「テロリストの基地と反乱者らはイランには存在していない。彼らはアメリカ人とイギリス人によっていくつかの隣国で訓練を受けていた」と彼は語った。

 アハメドネジャド・イラン大統領は、アシフ・アリ・ザルダイ・パキスタン大統領に電話をし、攻撃をしたパキスタンにいる加害者らを見つけるよう要請し、ただちに対応してくれるよう要請した。
 「イランとパキスタンは同胞関係にあるが、パキスタンにテロリストらが存在しることは、正当化されない」とアハメドネジャド氏はザルダイ氏に語った。
 「パキスタン政府はこれらの犯罪者らを早期に逮捕することを支援するべきであり、また彼らは罰せられるべきだ」

 ジャファリ将軍はイランの代表団をパキスタンに派遣し、パキスタンがリギを支援している証拠を示すという。「代表団はリギを引き渡すよう要請するだろう」と彼は語った。
 アメリカ、パキスタン、イギリスはこの爆弾事件を非難し介入の事実を否定した。 「我々はこの事件とイギリスが関係しているという主張に対し強くそれを否定する」とイギリス外務省スポークスマンは語った。「テロリズムはどこで起きようと嫌悪すべきだ」

 パキスタン外務省のアブドゥル・バシト・スポークスマンは、「パキスタンはテロ行為にかかわることはない・・・我々はこの脅威を取り除くことに全力を挙げている」と語った。

 開発が進んでいない、イランとパキスタン、アフガンとの国境沿いにあるシスタン・バルチェスタン地方はしばしば治安部隊と少数民族のバルチ・スンニー派の反乱者らとの交戦の舞台となってきた。またアフガンから重武装したドラッグ密輸業者らがヘロインを運び入れる地である。

 ジュンドラは、主流であるシーア派のスンニー派とバルチに対する差別の撤廃を目指して戦っていると言っている。5月に起き25人が死んだシーア派モスクに対する攻撃を含め、2005年以来多くの攻撃をしてきたと非難されている。

 昨日の爆弾事件は、イランの核兵器の野望に対する問題で膠着状態にある状況を打開せんとして開かれる本日のIAEA(国際原子力機関)のウィーンでの会議に緊張をもたらしている。
 一つの案は、国内の電力用と医療アイソトープ計画用のウラニウムを外国で濃縮させよう、とするもの。
 イランのIAEAスポークスマンのアリ・シルザディアン氏は、イランは、ロシアとフランス、アメリカとの間の合意が取り付けられねば、追加の濃縮を行うと言っていると述べた。
 イランは以前、ジュンドラのメンバーらはパキスタンから工作活動をしていると主張してきた。アナリストのある者たちは、ジュンドラはタリバンからパキスタンのISI情報機関に同盟者を乗り換えてきていると考えている。このパキスタンのISIは過去、スンニー派のグループ、特にアフガンで武器の支援した。
 イランとパキスタンとの関係は、それでも最近は総じて良好なものだった。また両国は天然ガスのパイプライン分野で協力する計画を持っている。


●自爆テロに「反撃」宣言…拡大恐れ、対応に躍起
【10月19日 毎日新聞】
 イラン南東部シスタン・バルチスタン州で18日起きた革命防衛隊を狙った自爆テロを受け、イラン政府が警戒感を強めている。米英の関与を指摘して非難を繰り返し、革命防衛隊は「反撃」を宣言。6月の大統領選後の政治不安が続く中、民族・宗派対立という新たな火種の拡大を恐れ、対応に躍起になっている。
 ロイター通信などによると、これまでに革命防衛隊幹部を含む42人が死亡し、同州の武装組織「ジュンダラ(アラーの兵士)」が犯行を認めた。事件後、イラン側は「テロはイランに対する米国の敵意の表れだ」(ラリジャニ国会議長)などと要人が米英を名指しで非難、革命防衛隊幹部も「報復措置が取られるべきだ」とし、武装組織とパキスタン当局との関係にも言及した。アフマディネジャド大統領はパキスタンのザルダリ大統領と電話協議し、容疑者の逮捕を求めたという。
 同州は貧困を背景に麻薬・武器密輸や誘拐など犯罪が絶えず、07年には横浜国立大の日本人学生が誘拐される事件も発生した。民族的少数派のバルチ人、宗派的少数派のスンニ派が多く居住。政権への反発が強く、今年5月にも「アラーの兵士」によるテロ事件で25人が死亡した。
 北西部にクルド人居住地域も抱えるイランでは、事件を機に民族問題が拡大することが懸念されている。外国への強い反発の背景には、アフマディネジャド大統領の政権運営のまずさに加え、国内の不安を抑え込む狙いもあるとみられる。
 鈴木均・アジア経済研究所副主任研究員は「政権の危機感は高まる一方で、都市と地方を問わず、より治安強化が進むのではないか」と話している。


●元国家安全保障担当大統領補佐官:アメリカはイラン内に工作員を送っている
【6月26日 Infowars.com】
by.Steve Watson
 元国家安全保障担当大統領補佐官はアメリカの情報工作員がイラン内にいて、イランの動きに影響を与えることに集中していることだろうと語った。
 ジェラルド・フォードおよびブッシュ(シニア)大統領時代の国家安全保障担当大統領補佐官であったブレン・スコウクロフト氏は、アルジャジーラの番組「分断戦」の中で、ジョッシュ・ラッシング氏にイランにいる反政府運動家たちを支援することは、政府のさらなる弾圧を惹起するだろう、と語った。
 「イランの情勢を変える試みは我々とさらなる自由を求めデモを行う者達に跳ね返ってくるだろう」と語った。「それで我々は何が最善か見なければならない。地域でのイランの行動に影響を与えるものだ」と語った。

 スコウクロフト氏は、元米空軍中将で、ニクソン政権では国防補佐官を務め、その後ブッシュ政権では外交情報審議会議長を務めた。
 「イランにアメリカが何らかの情報工作員を持たないと考えることはナイーブではないだろうか?」とラッシング氏は尋ねた。
 「勿論、我々はそのような工作員を持っている」とスコウクロフト氏は返答した。「彼らは反政府運動家たちを支援しているでしょうか?」とラッシング氏が尋ねる。「おそらくは。しかし革命防衛隊、民兵など、それに警察が一体となった勢力に対抗するにはとても足りないだろう」

 投票データが示すように、18歳から24歳で構成される投票意欲の強い層を含むあらゆる年代に支持されているアハメドネジャド氏を支援するグループがあるが、スコウクロフト氏は以下のように語った。「増大する若い層は今の環境を好ましく思っていない。イランは変わるだろう。それはほとんど避けられないものだ」

 基本的には、スコウクロフト氏のコメントはオバマ大統領はCIAのイランに対する介入についての非難は明らかに間違っていると、語ったように、真実については頑なな態度ではないという事実を際立たせる。
 この状況について報告してきたように、欧米の情報機関がイランに潜入し、隠密の工作を数年にわたって進めてきているということに議論の余地はない。

 CIAを背後に持つネットワークが「ソフト・リボリューション」をイランで、人と人とのコンタクトを通じて進めようとしていることが、6ヶ月前に暴露されている。
 このソフト・リボリューションは、実行に移される前にイランの防諜係官によって摘発されたのだ。これは、NGO活動、労働組合運動、非暴力デモ、不服従市民運動、そして部族間紛争を惹起することなどを通して実行されることになっていた。

 スコウクロフト氏が指摘していない点は、情報工作員がイランでの政権交代を願うのであれば、今の政府に強権を発動させ流血の弾圧をさせることが、注目している世界の人々の目にとって、今のイラン政府を悪の存在に仕立て上げる完全なやり方になったであろうという事実だ。
 これが、イランの主権をグローバリストの作る世界秩序の流れに売り渡すことに一切の興味を持っていないイスラム指導者らの権威に直接的に挑戦する、彼らの傀儡である指導者をこの状況に投入する道を作ることになっただろうということだ。


●米大統領、CIAの対イラン秘密工作を承認か・米テレビ報道
【2007年5月23日 日経新聞】
米ABCテレビ(電子版)は22日、ブッシュ米大統領が米中央情報局(CIA)による対イラン秘密工作を承認したと伝えた。武力行使は含まれず、反政府宣伝活動やイランによる国際的な資金取引の妨害などが選択肢となっているという。米政府は「情報活動にはコメントしない」との声明を出した。
 報道によると、秘密工作はイランによるウラン濃縮活動やイラクの武装勢力支援を停止させることが目的で、CIAが昨年から検討を重ねてきた。


●<米大統領>文化保持し経済成長した日韓のように…演説要旨
【6月4日 毎日新聞】
 オバマ米大統領が4日にカイロで行った演説の要旨は次の通り。

 略・・・
 ◆イラン、核問題 米国は冷戦中、民主的に選ばれたイラン政府を転覆させた。イランは、米国に対し暴力的だった。今後は互いを尊重し、話し合う。核への姿勢は揺るがない。米国は、いかなる国も核兵器を持たない世界を追求する。核拡散防止条約に従う国々はイランを含め、平和利用を認める。・・・以下略

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