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経済ハルマゲドン警告をするジョイシー上院議員

◆12月13日

 オーストラリアの上院議員が、アメリカが国家デフォルトをした場合、オーストラリアはどうするのか、という発言をした。このままではアメリカはデフォルトに陥り、それは、世界的な経済ハルマゲドンを引き起こす、と言うのだ。
 こういう発言をいよいよ国の国会議員が堂々と発言する時代圏に入ってきている、ということを我々も認識すべきだ。
 まだ日本では、アメリカのデフォルトなどを口にする議員はいないだろうが、巷ではこのブログもそうだが、このアメリカのデフォルトという問題は頻繁に語られている話題になりつつある。もう遠い先の話ではなくなってきているのである。
 
 日本はどうするのか? ジェイシー上院議員は、食料の確保、基本的生活必需品の供給能力の確保、という当然の政策を述べている。これは国民の代表として近未来を見つめて、誠実に取り組むべき課題として当然のことである。

 
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経済ハルマゲドン警告
http://www.theage.com.au/national/joyces-armageddon-warning-20091210-km90.html
【12月11日 MARK DAVIS】
 反対勢力の新しい金融スポークスマンのバーナビイ・ジョイシー氏は、アメリカ政府がもしその負債でデフォルトすれば、経済ハルマゲドンが来ると警告した。
 トニー・アボットの新しい金融スポークスマンのバーナビイ・ジョイシー氏は、アメリカ政府がその負債の故、デフォルトするかもしれない、と考えている。それが経済ハルマゲドンの引き金を引き、その影響は最近の金融危機を取るに足りないほどのものにするだろうという。

 彼はまた、政府は4つの主要銀行のアセットを解体し、そうすることで銀行が金利を下げるようにさせることを可能にする法律を導入すべきだと提案している。
 「解体する必要がないかもしれない」と彼は言う。「しかし、彼らにオーストラリア社会を尊重する面で、更に熱心にならねばこれらの権力がそれを行うことになると彼らに知らせねばならない」と語った。

 ジョイシー上院議員は、財務長官を含む何人かの長官から攻撃されている。彼らは、ジョイシー議員は、「経済論の反動派から経済政策立案者として次の政府の2番目の上級者へ昇進した者だ」と言っている。
 ザ・エイジでのインタビューで、ジョイシー議員は、人々を驚かしたくはなかったと語った。しかしアメリカないしはオーストラリア政府の国家デフォルトに対するオーストラリアの「緊急時対策」に関しての討論が必要だったと語った。
 アメリカ政府のデフォルトは、世界全体の経済崩壊を意味するし、問題は我々は今どのあたりにいるのか、ということだ」と彼は語った。
 彼は、アメリカのデフォルトの可能性は、まだぼんやりとしているが、しかし実際の問題だと語った。そして政治家らは、そのリスクを認めようとしないため、選挙民に対して好意的ではない、と語った。
 ジョイシー議員は、10月の上院評価公聴会でアメリカのデフォルトに対する警告を発したのが最初である。彼はそこで、ケン・ヘンリー財務長官にその件について質した。
 ヘンリー博士は、公的人間は、「極端な仮定的な議論」をすることでは注意深くあらねばならない、それは、社会で誤解を招きかねないからだと警告した。
 昇進以来言動を慎む代わりに、ジョイシー議員は、自分もまたどこかの国家は、借金の支払いに問題を抱えていることに懸念を持っていると、そのレトリックを強めた。
 「あなたが新しい顧客に告げる最初のことは、彼らが今どこにいるかということだ。我々はオーストラリア国民に、彼らがどこにいるかを正確に告げねばならないのだ」と彼は語った。
 「政府は1157億ドルの負債を抱えている。オーストラリア政府債、中期債、長期債と、州政府はその他に1700億ドルの負債を抱えている」とジョイシー議員は語った。
 「我々は、政府がこれらの負債を支払う能力があるのか尋ねねばならない。私はたとえば、クイーンスランドは特に無理だ、と言うだろう」

 ジョイシー上院議員は、もしアメリカが復興すれば、世界的なファンドは北アメリカに帰ってくるだろう、と言う。オーストラリアに資金が流れることを確保する唯一の道は、金利を上げることだ、と語った。
 「これは最初のシナリオだ。オーストラリアにとってそれは非常にまずいことだ。最悪のシナリオは、アメリカがその負債を支払わないということだ。中国にアメリカは2兆ドル、1兆ドルを日本に、更に1兆ドル、その他の国々に対する負債を抱えている。そして我々は全く身動きできないでいる」「これはドルから元にシフトがなされて、中国が一夜で、巨大な権力を持つプレイヤーになることだろう」と語った。

 「もしアメリカが崩壊すれば、中国製品がアメリカに売られることはなくなるし、従って、オーストラリアの資源の中国による購入もずっと少なくなる」
 
 「貿易の動きは止まってしまうだろう。アメリカは支払わないかもしれないのに、どうして彼らと貿易するのだ?、と人々は考えるからだ」

 彼は、「この実際の金融危機は今我々が体験している序論のような状況を取るに足りないほどのものにしてしまうだろう」と述べた。

 どのような緊急時対策を提案を支持するかとの問いに、ジョイシー議員は、津波に備えようとするのと同じだ、と応えた。しかし、地方経済は、もっと自信を持つべきだと言う。

 「この経済ハルマゲドンで準備すべきことは、自分たちが食べていける能力、国民に対し、基本的な医薬品、基本的な必需品を供給できる能力を確保することである」と語った。
 彼の銀行に関するコメントは後ほどスカイテレビで行われた。彼は、政府は尻込みし、「夜陰にまぎれて」銀行の集中化で金利が上昇するのを見ていた、と語った。

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アメリカの負債とGDPとの関係

◆12月12日

 アメリカは巨大な戦費やヘルスケアーの予算を通して、ますます負債を増大させているが、このままではついにその負債額がアメリカの年間のGDPにまで到達するだろうと見られている。
 返却不能の負債額を抱えて、最終的には、アメリカは国家デフォルトを宣言することになるのであろうか? 

 その時、世界の経済活動は一瞬停止することになるだろう。まさにハリウッド映画の「地球が停止する日」であるし、「2012」の光景だ。ただし物理的にではなく、金融・経済的にである。その意味において、これらハリウッド映画は予言的な内容を持っている。もっともハリウッドを支配している者たちと、このアメリカの金融・経済を支配している者たちはいとこ同士のような者たちだから、互いに理解しあっているから、当然だが。


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巨大な政府債務はGDP総計をやがて追い越す
http://www.americanfreepress.net/html/huge_national_debt__203.html
【12月12日 American Free Press】

 アメリカ国防総省は130の国の軍事占領を続けながら、イラクとアフガンの二つの戦争を進めようとしている。財務省はウォール街をてこ入れしようとしている。議会はアメリカ人が住宅や車を買うように更に金を借り入れようとしている。民主党はフリーのヘルスケアーを不法移民を含めた皆に与えたがっている。ワシントンの問題は、連邦政府の負債がここ20年間積み重なって、こういった計画をぶち壊すところに追い込んでいることがはっきりしてきたことだ。

 連邦予算赤字は、記録的な規模に膨れ上がり、1兆ドルを政府債務に積み増している。アメリカの負債合計は、将来の負債は含まずに今や12兆ドルを超えている。そして、議会はまもなく更にその額を高めることに投票する。そうしないと財務省は利子を支払うことができなくなるだろう。あるいは新しい国債を発行し更なる負債を追い込むだろう。

 対照的にアメリカの労働者階級は、負債の清算のための過酷な労働をしてきている。毎月、アメリカ人は重荷を減らすために経費を削減しつつ責任あることをしている。過去、失業の記録と経済の崩壊にもかかわらず、消費者は2000億ドルの負債をへらした。2008年の第3四半期の2兆6000億ドルの負債総計を2009年9月では2兆4000億ドルまでにした。

 その間、連邦政府は、更に支出を続けた。民主党はヘルスケアー改革のために1兆ドルを積み増そうとしている。ホワイトハウスは既に第2次世界大戦とベトナム戦争以上の時間がかかっていて、ほぼ1兆ドルが支出されているアフガンに3万人を送ろうとしてしている。

 議会は既に怠慢で、2010年の12の歳出予算案の7つまでを通すことに失敗している。
 連邦政府の2010年会計年度は、2009年10月に始まっている。関係省庁の官僚たちは毎月を議員たちが通す法案によって日々を過ごしている。
 無一文の州政府は、連邦政府に交通機関プログラムや仕事がなく困っているアメリカ人に仕事を作るための資金繰りのためのばら撒きを当てにしている。どこにも、金融的な責任を持つ者もなく、仕事を約束する者もいない。

 連邦政府の負債はアメリカのGDP全体をまもなく追い越すであろう。これは14兆5000億ドルとなる。かつてそのような無責任な事態をこの国家が生来させたことはなかった。

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リチャード・クック氏

◆12月11日

 アメリカの連邦準備制度が1913年に設立された以来、アメリカではこの機関がアメリカの通貨政策を仕切ってきたが、実はこの連邦準備制度なるものが、主にヨーロッパのそれもユダヤ系を中心とする大銀行の出資する民間会社として出発したということを当のアメリカ人が知らないでいる。
 そもそも銀行は貸出しする時、まずは人の預けた金の90%を貸出し、利子を取る。貸し出された金は、めぐって再び銀行口座に預けられるから、その預けられた金のまた90%が貸出しに回る。それに対しても利子を取る。これの繰り返しで、結局銀行は、自分はなんらの商品も創造しないまま、ほぼ濡れ手で粟の利益を得る。連邦準備制度はこれを政府に対して行うし、その他の銀行に対しても行うから、これほど儲かるところはない。
 100年近くかかって、一体どれほどの利益を彼らは上げたのであろうか。アメリカは現在、一人当たり下記のリチャード・クック氏によれば、20万ドルの借金を抱えていることになる。これは返せる額ではないだろう。
 これの対策として、氏は持論でもある地方自治体などの発行する補助通貨の発行を提案している。これは自身で発行するもので、借金ではない。通貨が交換のための媒体である、という原点に戻ればそれが可能である、という。
 実は日本でも政府発行紙幣というものが一時語られた。税収より国債発行額の方が大きくなる今の現状に対して、できるだけ国債という借金を少なくしたいと考えることは理解できるが、ここで政府が貨幣を発行し、それを日銀が買い取り、その日銀の資金で、民需を起こすことで問題は解決に向かうはずなのだ。それをやらない、あるいはやらないのは、外国の目を気にしているとしか思えない。インフレになる、という者がいるが、インフレ結構ではないか。今デフレだと大騒ぎしていて、これに全員が頭を悩ましているのだから。また円高だといってこれにも悩んでいるのだから、一挙両得どころか三得以上になるのだ。

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2009年-2010年:経済的岐路
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=16489
【12月10日 by Richard C Cook】
 2008年から09年に掛けての危機はアメリカの金融システムが不安定であることを示し、それが乱用の対象であり、金持ちには有利だが、その他の全ての人々を更なる負債へと追い込んだことを暴露した。
 住宅バブルは、歴史上最大級のクレジット・インフレーションを基礎にしたものであった。それは住宅価格を空前のレベルに押し上げたが、それが崩壊した時には、もっとも深刻なリセッションを生み出した。6兆ドルの資産がまさに消滅したのだ。
 その間、規制されない世界資本主義は富の蓄積を継続し、労賃のもっとも安い市場へ仕事のアウトソーシングを行い、結果、アメリカの失業率を上げ、地方、地域の経済の破壊を促進した。

 リセッションが穏やかな回復を示しても、それは失業状態の多様化であり、安い賃金の仕事がある、アメリカは歴史的なもっとも無駄使いの財源中心、負債志向経済のままであろう。戦争支出予算では1兆ドルは足りないのだ。

 回復への歩みは、連邦政府予算の毎年1兆4000億ドルの赤字のため、国債発行を異常に増やすことで、元気づけられた。これはしかし、アメリカ経済が国民一人一人(子供も含め)にほぼ20万ドルの負債を課していることになる。
 あらゆる部門での巨大な政府の負債は、ケインズ主義経済の推進力としての政府雇用に依存するやり方と一緒になって、政府の税と手数料の総計を上げて、個人の収入の40%から50%にまでなっている。
 「部屋にいる象」は負債に根拠を置く通貨システムで連邦準備制度によって進められているものだ。これは、1913年に考えられて以来、アメリカの通貨供給を、政府の赤字に対する貸出しも含めて、銀行貸出しに殆ど全部を任せるようにさせた。連邦準備制度法は、銀行システムに無から通貨を創造するということと、その貸出しから金利を取るという驚くべき特権を与えた。連邦政府はこの銀行システム、信託基金、投資家に対し、外国政府も含めて、ほぼ毎年金利だけで、4000万ドルを支払っている。
 もしも今の金利と税をそれに加えれば、おそらくアメリカのGDPの半分がそれで消えてしまうことになるだろう。
 1971年の金本位制の最終的な消滅は、ドルの価値の客観的な尺度をなくしてしまった。以来、ドルは85%の価値を喪失した。巧みな説明にもかかわらず、政府と連邦準備制度は、価値の下がったドルによって負債を削減するため通貨のインフレを起こしたことになるのだ。
 議会の何人かの議員は、連邦準備制度を制御しようと図ったが、今のところそれは成功していない。通貨改革に対する多くの提案はあらゆるところから寄せられているが、連邦準備制度の権力と銀行システムによる、今の現状を維持しようとする力は巨大である。

 大きな政府とケインズ的な負債を基礎とする金融システムと共に、特権を持つ大銀行が行使してきた力で、我々は、通貨とは、製造者が商品とサービスを交換する際の媒体である、と見なされていた歴史の時期のことをすっかり忘れてしまった。1913年前は、通貨の創造と使用は、ずっと中央集権化されておらず、主に市場で使用されていたのだ。

 通貨の真の目的と意義は、大恐慌の時、再発見された。多くのビジネスと地方の管轄区域で彼ら自身の通貨を仮証券として発行したのだ。仮証券は、人々が法定通貨として受理を強制される銀行が創造する不換紙幣より通貨の安定的な形式である。同じことが、貿易交換で使用される自己発行の「貿易単位」にも言える。
 
 今日、似たような動きが合法的な補助通貨の創造と使用ということを通じて始まっている。本当の経済民主主義と地方・地域の経済安定化をもたらすという目標に近いものを達成する希望があるものとしてそれがベストであろう。これを擁護する者たちは、政府に働きかけて、税の支払いでこの補助通貨を受け入れるようさせるべきだ。

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民主党のデイビッド・オベイ議員


◆12月9日

 オバマ大統領はアフガンへの増派を発表した。以前から指摘してきたが、彼は本心では、アフガンからもイラクからも撤退を進めたいのだが、以下の記事にあるように、軍・産・金複合体にがんじがらめになっていて、自由な采配を揮えない状況に置かれているようだ。従って、アフガンに対しては増派となり、そのための増税の必要性が出てきた。
 このようなことを続ければ、アメリカ国民はやがて連邦政府に対する反発から騒乱が起きるようになるだろう。不必要な戦争だが、戦争で儲けることのできる者たちが、この国のエリートたちだから、戦争はなくならない。
 このままではアメリカはこの戦争のため、その費用に押しつぶされ、分裂・瓦解していくようになるだろう。


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●新しい戦争に付加税
【12月7日 American Free Press.net】
 アメリカの労働階級が税を払い、戦争で血を流しているというポピュリストの見方が今日真実であることを告げている。金がかかる、不必要な戦争をイラクとアフガンで継続することで、ホワイトハウスの民主党員と議会は、あと何人のアメリカ人を戦場に送るべきか、誰がその費用を払うのかを話し合っている。

 法とは対照的に、議員らは、アフガンで大砲の餌食(兵士)になる者の数を増やすことを提案している。同時に、下院の民主党員らは、イラクとアフガンでの戦争の増大する費用のために新しい税を課すことを願っている。

 下院は、アメリカ兵をもっとアフガンに送るというホワイトハウスの計画を取り上げるようだ。しかしおかしなねじれ現象は、民主党はこの問題では意見が割れているので、ホワイトハウスは共和党からの支持を利用して、この計画を通そうとしていることだ。
 オバマ氏の、2つの戦争はエスカレートさせないという選挙キャンペーンにおける誓約にもかかわらず、オバマ氏は、軍・産・金複合体にがんじがらめに縛られているようだ。民主党内のポピュリストは、戦争を終わらせ、軍を撤退させるよう圧力を掛けている。その結果、ホワイトハウスは、勝利の見込みのない戦争に更なるアメリカ人を数万人も送るための支持と資金のめどをつけるため、両党のネオコン派と結ばざるを得なかった。

 11月の中旬、歳出委員会議長の民主党のデイビッド・オベイ議員は、国防経費小委員会議長のジョン・P・ムルタ議員(民主党)と、民主党幹部会議議長のジョン・B・ラーソン議員と共に、新しい付加税を作る方法を明らかにした。これを、大統領は毎年課すことで戦争の費用を賄うことができるようになる。
 「大統領は、アフガンでの対ゲリラ対策を拡大するよう要請されていたが、その提案者は、それが少なくとも10年は継続するもので、1兆ドルの費用が見込まれると言っていた。しかし、ヘルスケアー法案とは違い、それは認められないだろう。それは間違っている」、と3人の議員は共同声明で述べた。
 「イラクとアフガンの軍の介入で代償を払った人々は、軍の家族だけだ。もしこの戦争が正当なものならば、誰もがそれを負担するのが公正なことなのだ」

 議会の中の誰かが、この不必要な二つの戦争に関連したこの狂った費用を認めたことは見上げたものだ。しかし、増税することが、ほかの誰でもなく銀行と兵器製造業者を利するという提案があっぱれだというのは、それほど深刻なことではない。召集令がアメリカ人の富裕者の息子や娘が戦場に送られるということを示唆することが誤りなのと同じように、増税がこの国の富の分配率に応じて負担されるとになるということも誤りである。

 その名のとおり、付加税は小企業と平均的アメリカ人に偏って直撃する。それは、多国籍企業とエリートたち-戦争をもっとも強く煽っている者たち-は、自分らの金と権力を、システムをどうにかして操って、支払いを避けたり、戦争で血を流すことを避けるために使うからだ。

 不必要なコストと流血を終わらせるずっといい解決法は、イラクとアフガンから出ることだし、後片付けをイランとパキスタンの指導部に任せることだ。彼らはこの地域に安定をもたらす、既得のそして正当な利益を持っている。

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ドバイ・デリバティブ・バブルの崩壊

◆12月8日

 ドバイの負債支払い延期問題がボディーブローのように今後の世界経済に影響を与えるという点は、多少の違いはあっても、誰もが認めることであろう。まさか今沈静化しているからといって、それで終わる、と考えている者は少ないのではないだろうか。
 以下の記事では、ドバイの今回の問題を、核爆弾の閃光、であったと表現している。閃光があってから、一瞬は静寂が空気を支配するが、その後、きのこ雲が立ち上り、そこで衝撃波が周囲に及ぶ・・・その衝撃波で閃光で残ったものも粉々に砕かれていく・・・

 数兆ドルが流れ込んだドバイが破綻した。そこに流れ込んだ数兆ドルの清算がなされる時、何が起きるのであろうか? それは素人でも予想がつくというものである。


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ドバイの金融核爆弾
【12月6日 Clive Maund】
 我々は予想していた金(ゴールド)の大きな反応を4日(金)に見た。問題は、我々はまた大きな重要なドルのブレイクアウトを見たことだ。これはこれからしばらくの間、重要な可能性を秘めていると見ている。これは商品と株式市場にとってはいいニュースではない。それは、昨年見たような現金への逃避の始まりを意味するからだ。
 昨日のことで奇妙なことは、ドルの大きなブレイクアウトを見たが、国債は大きく下げたことだ。我々は去年あったような、ただし更に悪質なデフレの大きな波の入り口に立っていると思われる。しかし、現金への逃避を見ることになるだろうが、国債になだれ込む様なことにはならないだろう、ということだ。では何が起きているのか? 何が動きの背後にある主要な力学か? 誰でも、核の爆発を見た不運な者は、熱線を浴びたから不運だったのだが、最初は明るい閃光を見て、それから閃光は消えしばらくは静寂があり、それから衝撃波が来る前にきのこ雲が立ち上り始める、控えめに言ってもひどい状態になる時のことを知っている。
 我々は閃光をみたのだから、衝撃波に備えるべきだろう。

 ドバイで何が起きたのか、ということは、明るい閃光であり、メディアは衝撃波が来る前の少しの期間を利用して、全てこともなし、と大衆に安心させようとした。「安心してください。何も起きませんから。たったの600億ドルの問題です。お茶でも飲んでゆっくりしてください」
 
 問題は、600億ドルだけの問題ではない、ということだ。これはより大規模なデフォルトだ。ドバイは大きな下水口で、欧米の銀行と政府が無条件に、数百億ドルではなく、数兆ドルを注ぎ込んでいるのだ。それが、デリバティブの手段を介しレバレッジを掛けられて巨大な資金となって、落日のローマにドバイの建設ラッシュがなされ、その飽食のレベルは、シーザーも嫉妬で顔を青ざめさせるほどだったのだ。

 ドバイのことを人々が考えると、心に浮かぶことは、7つ星の巨大な豪奢なホテルであり、記録的な高さのビル群であり、ヤシの木の形の人工島だったり、新しいオフィスビル、あるいはマンションの森だったり、etcである。

 多くの人々が知らないことは、デリバティブの途方も無いレバレッジで、ドバイがビジネスの世界的な巨大帝国を生み出すようにさせたということだ。その多くは破綻していて、驚くべき負債を積み上げている、ということだ。ドバイは、デリバティブのピラミッドの連鎖でできていて、その一切がぺちゃんこになって全くの無一文状態になったのだ。どこからこの一切のものを支払う金はやってきたのか? なぜ、納税者から年金基金運用者まで、世界中で、特にアメリカで、ウォール街が大きなチャネルとなって、ドバイに金を流し込んだのであろうか?

 興味深いことは、なんらの説明責任もなされていないことだ。国と企業はこの首長国に資金を流すことで張り合って、限りないと思われる石油に魅了され、保証を要求することは礼を失することと見なされた。今や、ドバイは破綻した。ドバイ政府は突然ドバイワールドから距離を置き始め、あるいはドバイに数兆ドルを流し込んだ欧米の銀行と政府に対する姿勢は、「お気の毒様、損しましたね、馬鹿を見ましたね」という感じなのだ。
 何を意味するか、といえば、、世界中の銀行のバランスシート上では、資産に勘定されている数兆ドルの資金は実際は負債である、ということだ。だから世界がこの事実を知るようになった時、つまり衝撃波がやってきた時、こういった銀行の株の値に、あるいは株式市場全体で、これから何が起きるのかということなのだ。
 
 小さな驚きは、ゴールドマンサックスとJPモルガンのチャートは、87年のクラッシュ前のチャートと非常に似ているということだ。しかし今回起きることに比べれば、あれは小さなポテトだった。

 前進し目を凝らしてみよーいずれにしても既に支払ってしまっているのだ!
 もし商品と株から資金が逃げ出せば、どこかに行くしかない。昨年は、知っているように、米国債に向かった。特に短期国債に、またそれは大量のドルを全面的な流動性資金として現金化に向かわせ、ついで国債購入に向かわせた。今回似たような動きが予想されるのは、投資家の殆どは、米国債以外の選択肢を思い浮かばないからだが、カール・デニンガーが繰り返し取り上げている複雑な要素がある。それは、同時に何の金利も支払わずドルを危機においやりつつ、終わりの無い貨幣化と詐欺的なマネーサプライをすることで、外国の国債購入者をアメリカは馬鹿にし、まぬけな者たちと見立てていたということだ。 彼らは正しい、彼らはまぬけなのだ。彼らはいずれにしても、結局のところ、結果を引き受けざるを得ないだろう。愚かな彼らは破綻した国の負債を買い込んだ。「いつも全ての人をだますことはできない」ということわざがある。また外国の国債購入者と保有者はアメリカの人を見下した姿勢に飽き飽きしだしているし、ドルと国債への新しい逃避を引き起こす更なるデフレ的な収縮が無い中、彼らはそれを投売りする動きを始めているようなのだ。これが、デニンガーが指摘しているように、金利上昇の「死のスパイラル」が開始されることにつながるだろう。その結果として、ひとつには、株式市場のクラッシュがあるだろう。

 広範な株式市場の上昇率はここ数ヶ月遅くなってきている。S&P500のインデックスの6ヶ月チャートは、頂点に上り詰めているように見える。それで、まもなく市場は下落に向かうと思われる。下落時には市場は上昇の2倍の速さで進むということを知っておかねばならない。

 銀行株は、第2次の下落の波では厳しい打撃をうけそうである。これは最近数ヶ月の相対的強度が悪化していることから明らかなことだ。彼らは既に、クラッシュする付近に来ている。
 ゴールドマンサックスとJPモルガンの2つのエリート企業は、金融危機の最中もっとも多くの役得を得た企業だ。全てにおいて前線にいて、それが株の価格の復帰が大変よかった理由だが、またそのことで、彼らに弱い点はないと広く考えられている。それでも彼らが第2次の下落の波で、それを避けられるとは考えられてはいないし、現在の高い評価は空売りあるいはプットオプションのいい候補とされるだろう。

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