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支払不能に陥ったペトロプラス

◆1月26日

 イランの原油禁輸措置で欧米の製油所で閉鎖されるところが続出しそうだ、という。これこそ、自分で自分の首を絞める、ということだろう。お馬鹿の見本となる。
 
 それもこれも、イスラエル・ユダヤ勢力がイランの「核計画」を「核『兵器』開発計画」だ、と捻じ曲げ強弁するキャンペーンのためであり、それに乗ろうとする欧米の軍・産複合体の圧力のせいである。

 イランの核計画には何ら問題はなく、どの国でも行っていることを行っているまでのことである。それがイランだけは許されないということがあってはならないのだが、この勢力はイランのアハマディネジャド大統領が、「イスラエルを地図から抹消する」、と語ったから非常に危険であり、彼らの核計画が進めば、必ず核兵器を持つようになりイスラエルが攻撃されるのだから、その前にイランの核施設を破壊すべきだ、と言っている。

 この論理には意図的に捻じ曲げた間違いがある。イランの大統領が言ったことはそんなことではない。そのことをこのブログでは、2010年7月27日号「イラン:1隻の米艦船に100隻の高速艇で攻撃」で示した。

 イランの大統領はイスラエルを地図から抹消する、ということは言っておらず、「パレスチナ国家の権利を認めないシオニスト政権は歴史から抹消されるであろう」と言ったのである。物理的にイスラエルという国家を抹消する、ということを言ったのではない。ましてそれをイランが行うとは言っていない。自然的にそうなる、と指摘したまでだ。政権などはいつでも消えるものである。当然なことを言ったまでである。

 ここをすり替えて欧米・ユダヤ系メディアはイランを悪者として喧伝し、それに追随する世界各地のメディアが情けない事だが同様のことを言ってきたのである。

 従って、イスラエル・ユダヤ勢力の邪悪な工作のため、欧米の製油所・製油業者が倒産・閉鎖されていくだけの間抜けな話となるのである。いい加減に目を覚ましたら如何なものか?

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●イラン原油禁輸措置で欧米の製油所の閉鎖が急増
http://www.bloomberg.com/news/2012-01-25/iran-embargo-may-speed-europe-refinery-closures-after-petroplus-failure.html
【1月25日 By Alessandra Migliaccio】

 ヨーロッパ連合がイランの石油に対する禁輸をしたことで、ヨーロッパの製油所の閉鎖に拍車が掛かる、とイタリアの製油業者ロビーの責任者が語った。 

 「アジア諸国で禁輸措置を取らない国々がイランの原油をディスカウント価格で買って、我々ヨーロッパ諸国に安い石油製品を売るようになる」とユニオン・ペトロリフェラ社のピエロ・デ・シモネ・ジェネラルマネージャーはローマで昨日、記者会見の席上で語った。
 「イタリアは既に5つの製油所の閉鎖の危機にあり、ヨーロッパ全体では70の製油所が危ないと見ている」

 ヨーロッパ連合(EU)は今週、イランの核計画に対する金融面での締め付けを狙う一環として、7月からイランの原油を輸入しないことで合意した。この政策は過剰設備と燃料需要の下落で製油所が苦労している最中のことである。ヨーロッパ中に5つの製油所を持つペトロプラス・ホールディング・AGは昨日、銀行の資金回収後に支払不能を発表した

 製油業者らはイランからの輸入の代わりにサウジアラビアとロシアから輸入するようになるだろうが、デ・シモネはアジアの製油業者らはイランの安い原油でもって競争相手に値下げ攻勢を仕掛けるだろうと言う。

 「イランは彼らの原油をどこかで売らねばならないが、間違いなく彼らは買い手を見つけることだろう」と彼は述べた。「我々はより一層アンフェアーな競争をせざるを得ないということだ。ヨーロッパで何らかの手を打つか、さもなければ多くのヨーロッパの製油所はペトロプラスに似た急激な終焉に直面する危機がある」

 国際エネルギー・エージェンシーによる1月18日の報告によれば、ブレント原油を精製してガソリン、ディーゼル、その他の燃料にする際の利ざやは北ヨーロッパでは昨年11月は1バーレル51セントであったが12月は26セントに落ち込んだ、という。


■プレッシャーの下で
 
「原油価格が高く、そのまま高値を維持しそうな中、利幅はずっと小さいままになりそうなプレッシャーの下にある」と昨日、バークレーPlcのアムリタ・セン・アナリストは述べた。「欧米で利益の出ていない製油所の閉鎖がまだ続くと思っていいだろう」

 アメリカのエネルギー省のデータによれば、EUは2011年前期ではイランから1日45万バーレルを輸入していたが、中国は同時期53万3000バーレル、インド、韓国、日本は合計で91万3000バーレルを輸入していたという。

 2010年にはイランからのEUによる原油輸入でイタリア、スペイン、ギリシャ合わせて68%を占めていたと、欧州委員会のデータは示している。ユニオン・ペトロリフェラの統計によれば、イタリアのイランからの輸入量は13%であるという。


■キャパシティー・ギャップ
 
デ・シモネは、イランが供給している重い原油に特化されている小さくて古い製油所の被害が大きいと述べた。イタリアは最近、年1億300万トンの燃料を生産する能力があるが、国内需要は7400万トンである、とデ・シモネは語った。このギャップは4つから5つの小さな製油所のキャパと同じである。ブルームバーグのデータによれば、ヨーロッパはロシアを入れれば175の製油所を持つ。

 「我々はこれからは大きな製油所、とりわけ需要が増しているディーゼルを生産できるところが生き残るだろうと思う。それとて簡単なことではないだろう」と彼は語った。

 過剰設備はこれからの数十年間の製油産業を「厳しい」ものにするだろう、と18日、BPのチーフ・エコノミストであるクリストフ・ルエルは語った。

 スウェーデンの製油業者のプリーム・ABは昨日、ゴッテンブルグとリュセキルの製油所の労働力を10%削減すると発表した。

 デ・シモネの会社は、低価格を申し出る国から輸入する、なんらかの輸入義務に好意的になるだろう。それはヨーロッパの製油業者の環境面・安全保障面・労働者への保証面と比べて同じレベルにないからだ。

 「アジアと極東の製油業者らは不公平なアドバンテージのため利益を出すだろうが、これはなんとかする必要がある」とデ・シモネは語った。

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ホームレス世帯センターの報告書


◆1月21日

 アメリカが豊かさの象徴だった時代があった。わけもなくアメリカにあこがれた時代があった。いまだにその幻影を追いかける人々も、この日本にいないわけではない。しかし、アメリカの現実は急速に変貌しつつある

 ホームレスの子供の数が、160万人だという。45人に1人の割合だ。昔の日本の学級で言えば、一クラスに一人はホームレス、ということだ。そしてホームレス全体では350万人の国だ。アメリカの人口が3億以上だから、おおざっぱに言えば、国民100人につき1人強がホームレスの国なのだ。

 車などに住んでいる人々もいるが、避難所に寝泊まりする者たちも多い。そのような雨露しのげる場所があるのはまだいい方だろう。路上生活者ともなれば、特に冬場などは生死の問題が浮上する。ニューヨークの冬などはとても東京の比ではなく、平均気温が1月では-1.4℃と言われている。

 またこれからはアメリカでも団塊の世代が定年退職する時代にはいる。彼らがきちっと年金などを受け取れるのかどうかが問題である。既にその年金分を投資などで失ってしまっている人々の数も決して少なくないはずだから、このホームレス問題は更に悪化する可能性が高い。
 
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●アメリカのホームレス世帯数が爆発的に増えている
http://americanfreepress.net/?p=2342#more-2342
【1月15日 By Dave Gahary】

 レーガン政権で始まり、ウォール街と共同作業で後継続された政策でホームレスになったアメリカの家庭と子供たちの数が危険水準に達してきた。昨年12月に公表された政府のレポートでは、160万人ものアメリカの子供たち、45人に1人の割でホームレスになっているという。これは過去3年間で38%の増加となる。

アメリカでは唯一のこの問題を扱っている機関であるホームレス世帯センター(NCFH)は、「アメリカ最若年層ホームレス2010」と題名がつけられたレポート・カード」で悲しい数字を公表している。このレポートは、ウォール街と政府の貪欲さと腐敗がこの様なホームレスの数が急上昇している主要な原因であることを示している。

 1月5日、アメリカ・フリー・プレス誌(AFP)は、このNCFHの創設者であり会長であるエレン・バサック博士と会談を持った。バサック博士はハーバード・メディカル・スクールの精神病学助教授でもある。

 「私たちはこのNCFHを1988年に創設しました。当時ホームレスの家庭は新しく生じたばかりの問題でした」と博士は語った。「当時は、ホームレス人口の内、世帯と子供の占める割合は1%でした。しかし今は、ホームレス人口の38%が家庭と子供たちが占めています。私たちも努力はしておりますが、この数字は増え続けています」と言う。

 AFPはバサック博士にこの傾向が継続することは感染症の拡大のように考えるか、と尋ねた。「はい、そう思います」と彼女は答えた。「そして、非常にショッキングなことは、歴史的な記録を見ると、例えば100年前は、通りにホームレスの子供とかホームレスの家庭はいなかったのです。大恐慌の期間、あるいは厳しい不況の時にはありました。しかし、100年間を通してみれば、特殊な場合であったのです」
 
 ウォール街の投機と連邦政府の共謀で、さらなるアメリカ人が住宅から追い出され、今のシステムでは大量の差し押さえによって起きているこの事態をうまくコントロールできないでいる。

 バサック博士は、アメリカの新しい現実を説明した:「私たちは多くの父親たちが子供たちと一緒にホームレスになっている例が増えているのを見ています。そして両親そろっての例も。また避難所に住む家庭が増え、仕事も避難所から通っています。もしもあなたが最低賃金でフルタイムで仕事をしても、通常の市場価格で賃貸されている2寝室のアパートの部屋を借りられるところはどこにもありません」

 最も被害が大きいのは子供たちです、とバサック博士は語る。その子供たちの半分は6歳以下で、「こういった子供たちの多くは、住宅から出て車で生活しています」と博士は説明した。


車で生活するアメリカ人家庭

 「カリフォルニア、ニューヨーク、テキサス、フロリダ、シカゴ、イリノイ、アリゾナなどに、このホームレスの子供たちの数が多いです」と博士は語った。「ロサンジェルスはアメリカのホームレスの首都の観があります。カリフォルニアは大体33万5000人のホームレス・キッズがいます」という。

 バサック博士は、「私たちは豊かな国ですが、第三世界になりつつあるのです」と語った。

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ユーロ問題を抱えるヨーロッパ連合

◆1月9日
 
 ユーロが調子悪い。昨年の12月18日号の記事「ユーロの崩壊、死、その終焉」で示された傾向が今年に入ってからも止まない。このままでは本当にユーロ圏は金融内破しそうだ。

 連日のように、ユーロが対ドル、勿論対円でも下げている。ヨーロッパの大銀行の株価にそれが直接響いている。 しかしドルだって似たような情況にあるから、ユーロもドルも信頼できないとなれば、日本円が一時的に基軸通貨の役割を担うことになるという専門家もいる。

 既にこのブログでは2008年のリーマン・ショック以来、根本的な解決はされていないので、再び金融津波が襲ってくる、と繰り返してきた。事態は今や、その金融津波の第二波がいよいよやってきそうな事態になりつつある、ということだ。

 築いた堤防や波避けを捨てて、津波の時にはとにかく高い所に逃げることが重要。そして津波が去るのをじっと待つしかない。これは金融でも言えることで、自分が持っている債権などは処分した方がよいだろう。このブログでは金(ゴールド)が上がる、としてきたが、そのゴールドでさえ、意味をあまり成さない事態にならないとも限らなくなるかもしれないから、あまりそれに依存し過ぎるのは良くないだろう。

 自分が生き残る為には何が必要か? これを真剣に考え実行する時が迫っているといって過言ではない。要するに、食糧であり、エネルギーであり、生活必需品だ。

 「金融資本主義の崩壊」、という事態をいろいろ想定してみるべきなのだ。債権など日本国債以外は、何にもならなくなることを想定すべきである。日本国債ならば、日本国がある限り、最低の保証はあるだろう。

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●悪夢のようにユーロが下げ始めた
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/look-out-below-the-nightmarish-decline-of-the-euro-has-begun
【1月9日 The Economic Collapse】

 ユーロは死につつある通貨だ。1月5日、ユーロの対ドルレートは2010年9月以来始めて、1.28ドルに下がった。去年の7月では1.45ドルだった。しかしこれは始まりに過ぎない。ユーロはもっと下げるだろう。今の時点で、デフォルトの危機にあるいくつかのヨーロッパの国々が存在し、ヨーロッパの金融システムは債務と有毒資産に溢れており、大方のヨーロッパの主要銀行は破綻したリーマン・ブラザースのようなレバレッジの掛け方をしているのだ。

 殆どのアメリカ人は何が起きているのかというこの問題の深刻さを理解していない。ダウが1万2000ドル以上をキープし、いくつかのアメリカの経済指標がわずかに好転しているからといって、全てがうまく行っているわけではない。最近指摘したように、EUの経済規模はアメリカのより大きく、我々のものより大きな銀行システムを持っている。アメリカの銀行はヨーロッパのソブリン・デットとヨーロッパの銀行の負債に大きく関っている。もしもヨーロッパの金融システムが崩壊すれば、そしてユーロが急落すれば、それは世界全体を揺るがすことになる。

 したがって、以下を良く見て、ユーロが下がって来ていること、そして更にもっと下がることを知ったほうが良い。ユーロが崩壊したら、以前のようではなくなる。

 では、ユーロはどこまで下げるのだろう?

 キャピタル・エコノミクスの専門家のジュリアン・ジェソップは、ユーロはかなり下げる、と予想している。

 アメリカの最近の経済データの比較的強い傾向はドルを支えているが、我々はユーロ圏が深い長期の不況に向かっているのでこのドルの傾向が続くと考える。それ以上に、ユーロが生き残れるかどうか、という不信感がこの通貨の重しになっている。従って我々はユーロは今年の暮れには1.10ドルほどになっていると考える。

 この件については以前書いたが、PIMCOのポートフォリオ・マネージメントの責任者はユーロはそれ以上に下げるだろうと見ている。

 「ドルと等価になるというのはありうる事だ。分かりますか?」
 1ドル=1ユーロ? そんなことあるわけない、とは考えないように。

 しかしユーロが下げるということは問題の一部だ。問題は、ヨーロッパが金融崩壊の縁に追い詰められているということであり、それが2008年の金融危機を小さく見せるほどの事態にならないとも限らないということだ。

 悲しい事に、殆どのアメリカ人はここ数日ヨーロッパで起きていることの意味が分からないままでいる。

■イタリアの最大の銀行のユニクレジットの株価は間違いなく崩壊しつつある。ユニクレジットの株価は4日、14%下落し、5日には17%下落した。
■その他のイタリアの主要銀行である、インテサ、サンパオロは5日、7.3%下落した。 
■フランスの主要三銀行の株価は5日、少なくとも5%は下落している。
■ドイツ銀行でさえ、転げ落ちる岩のように下落している。コメルツバンクの株価は5日、4.5%、ドイチュバンクは5日、5・6%下落した。
■5年物のイタリア国債の利回りは、6%に戻り、10年物のイタリア国債は7%に戻った。ヨーロッパ中のアナリストは、イタリア国債の情況は利率がこのまま高値で留まれば持続不可である、と主張している。
■イタリアの若年層の失業率はかつてない高さを記録している。
 
 
 これは心胆を寒からしめるものだ。しかしUSAトゥデイのトップの見出しは何か?
「企業主らは喫煙者に喫煙禁止命令」
 その他のトップの見出しには以下のようなものがある・・・
 
 「バーゲン・シーズンがタコベル、ピザハット、ウェンディーに」
 「あなたの犬はあなたのことを理解していますか?」
 
 こういうことがこの国でのニュースになることなのか?
 ヨーロッパで歴史的規模の金融メルトダウンが起きている。そしてUSAトゥデイ紙の一面ではそれについてのニュースを何一つ見つけることが出来ないのだ。驚くべきことだ。
 
 我々はテレビによる昏睡状態から目覚めてるべきだ。事態は世界の金融システムのためには非常にまずい情況になってきている。ユーロに対する信頼が今大きく損なわれている。外交問題評議会(CFR)でさえ、ユーロは失敗だったと認めている・・・

 ユーロは今や失敗した実験通貨であったと認められるべきだろう。ユーロが導入された1999年からわずか12年でのこの失敗は何かの事故だとか、官僚主義のミスマネージメントの結果ということではなく、異質な国々からなるグループに単一通貨を押し付けた避けられない結果である。ユーロ導入による経済面での悪い結果が、いくつかの国のソブリン・デット危機やヨーロッパの主要銀行に見られる脆弱な情況、ユーロ圏全体における高い失業率、ユーロ圏諸国の多くが大きな貿易赤字を抱えている実情に現れている。CFRでさえサジを投げるのならば、ユーロに何が起きているのか分かろうというものだ。

 これからの数年でユーロが破綻するかもしれない可能性が実際にある。クレジット・スイスの、定額所得リサーチ・グループのレポートが正しかったようだ・・・

 「我々はユーロの終末に遭遇しているようだ。それを打開することは出来そうにも無く、ユーロ圏のソブリン・ボンド市場の閉鎖、そして最強の銀行でさえ起きるかもしれない取次ぎ騒ぎを避けるためには、恐らく1月中旬までに、何か尋常でないことでも起きる必要がありそうだ」

 ヨーロッパの債務危機はますます悪化し続けている。ヨーロッパの指導者らがやってみたいかなる策も機能しなかった。我々はこの危機がメルトダウンする段階にますます近づいている。

 以前書いたように、ヨーロッパに何が起きているかを理解するのに、天才である必要はない。方程式は簡単だ・・・

 粗野な緊縮財政+有毒レベルの国債+上昇する利回り+金融システムに対する信頼感の欠如+大掛かりにレバレッジを利かせている銀行+大規模な信用収縮=歴史的規模の金融爆破(内破)
 
 不幸にも、ヨーロッパで今起きていることは、アメリカでも結局は起きることだ。アメリカの債務は時限爆弾で、それは世界経済をいつか破壊することになるだろう。誰もいつその内破が起きるのかしらないが、誰もがそれがおきることは避けられないことを知っている。

 ヨーロッパが金融的に分解すれば、我々自身の金融システムを大きく不安定化させるだろう。ヨーロッパで起きていることは、我々の「限定的回復」を「大規模な不況」に一夜の内に変えてしまいかねない。

 従って、ユーロから目を離すべきではない。もしもユーロが下げ続ければ、世界経済にとっては全く悪い知らせである。不幸にも、真実は、ユーロの衰退は始まったばかりである、ということだ。

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ユーロの崩壊、死、終焉

◆12月18日

 ヨーロッパの財政・金融問題は土壇場にまで来ている。何か大きなことが起きない限り、間違いなくユーロの崩壊、死、終焉が来る、と見られている。

 それはまた、アメリカの金融にも多大な影響を与えるし、中国のバブル崩壊と合わせて、来年以降は全世界が大混乱に見舞われる可能性が高まってきている。

 これは、残念ながら、新しい人類の世界を生み出すための、生みの苦しみともいうべきことであり、避けて通ることはできない相談である。ただし、被害を最小限にとどめることはできるはずだ。

 今から起きようとしていることは、金融資本主義ともいうべき、今の世界のシステムそのものの崩壊につながる事象であり、それはまた、今までの人間の生き方そのものが問われる事態でもあるのだ。

 金(かね)が金を生み出し、その金が物を支配し、物に依存して生存している人間そのものを支配してきたのが、この金融資本主義である。だから、そのようなシステムは崩壊せざるを得ないし、崩壊しなければ、新しい世界が開かれることはない。恐らくは崩壊と並行して新しい世界が生み出されていくことが望ましいのだが・・・つまりソフトランディングである。

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●ユーロの崩壊、死、その終焉
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/the-collapse-of-the-euro-the-death-of-the-euro-and-the-end-of-the-euro
【12月15日 The Economic Collapse】

 ユーロは最初から失敗するようなプロジェクトだった。今我々はそれが始まっているのを目撃している。本日、ユーロはドルに対して11か月ぶりの安値を記録した。これを書いている時点で、ユーロの対ドルレートは1.2983ドルだ。7月では1.45ドル強だった。パニックが金融市場を席巻する中、ユーロはこの三日間で3%下落した。しかしこれは始まりに過ぎない。ユーロが1.20ドル以下に落ちれば、アナリストたちはユーロ崩壊を語りだすだろう。ユーロがドルと等価となれば、世界のメディアの一面ではユーロの死だと大騒ぎをすることだろう。しかし、ヨーロッパの金融システムが崩壊すれば、実際にユーロの終焉を目撃することになろう。それは実際起こりうることである。ユーロ圏は、今の構造からはうまく機能しないのだ。17の異なる国家が17の異なる財政、17の異なる税制、17の異なる経済政策を持っていて、それらをいっしょくたにして機能させようとしても無理なのだ。ユーロは失敗するべく生まれた通貨である。そしてドイツのような大きな国家がユーロ圏を出ると決めれば、ゲームオーバーとなる。

 ユーロが調子悪い、というレベルではない。過去6か月の対ドルレートをチェックしてみるべきだ。実際のところは、ユーロ崩壊はすでに始まっている。

 多くの投資からはこの傾向が継続するとみている。現在のところ、莫大な資金がユーロは更に下落するという方向に掛けられている。

 世界中で金融の専門家らは、ユーロがどこまで下落するか考えている。MIMCOのポートフォリオ・マネージャーのスコット・マザーは、ユーロはこれからもずっと下落すると考えている。

 「来年にはドルと等価になるということは確実だ」。勿論、世界の中央銀行はある時点でユーロの価値を確保するため共同介入するかもしれない。この種のことは過去にあったことだ。しかしそのような支援も一時的なものだろう。

 中央銀行は市場を操作できる、しかし、最終的には長期的なトレンドは変わらない。ヨーロッパ債権利回りに何が起きているかを見るだけで十分だろう。

 欧州中央銀行がすでにヨーロッパ国債を買い取ることで2740億ドルを費やしたが、ヨーロッパ債権利回りは再び上昇している。

 ユーロの死を阻止するため更なる努力がなされるだろうが、これは風につば吐くようなもので無駄に終わるだろう。

 クラッカージャック・ファイナンスに掲載された最近の記事はユーロの持つ基本的問題を指摘している・・・

 ユーロ圏の欠陥構造問題が今や完全に白日の下に晒された。
 17か国で作るブロックは共通通貨を採用し通貨政策を中央銀行に任せた。しかしながら、17の主権国家は、相対的なアドバンテージ、産業、負債レベル、利率、財政赤字、労働市場規制、税制を持っている。これらすべての差異を考慮すれば、ここ10年以上現在の構造のまま存続したということは驚くべきことである。ギリシャはユーロに加盟しなかったら、現在の経済的不況に入ることはなかっただろう。しかし今や、10万の仕事が無くなり、3分の1の人々が貧困の中に生活している。

 この危機が残りのヨーロッパ諸国に拡大することで、ヨーロッパ金融システムに巨大なストレスを与えていくことになる。多くの人々は、待ち構えている困難をユーロが乗り越えることはできない、と考えているのだ。

 以下は、クレディスイスの確定利付き債リサーチグループからのレポートからのものである。

 「我々はユーロの終末の段階に突入したようだ。これを乗り越えることは簡単ではなく、ヨーロッパの国債市場の閉鎖を阻止するためには、おそらくは1月中旬までに何か突拍子もないことが起きる必要性がある。この債券市場の閉鎖が起きれば最強の銀行でさえ取り付け騒ぎが起きるかもしれない」

 だから、我々はユーロの終焉を見ることになるかもしれない。その内わかることだ。ただし、一つのことだけは確かだ。ヨーロッパの状況は日増しに悪化している。

 ギリシャでは、2011年開始以来、全ての銀行預金のほぼ20%がおろされている。もしもまだギリシャの銀行にお金を預けていたら、取り付け騒ぎが悪化する前に、何とかしたいと思うだろう。

 本日、ドイツで2番目に大きい銀行が救済が必要だと判明した。以下はスカイ・ニュースの記事からだ・・・

 ドイツで2番目に大きな銀行であるコメルツバンクが、各国政府に対する貸付金のためにデフォルトに陥るのを防ぐための資金が必要であると監査官が語った後、ドイツ政府と救済について話し合いを始めたと言われている。

 「緊迫した話し合い」が何日間が続いたと言う。

 ヨーロッパの各国政府は救いたい銀行は救済するだろうが、残りは破綻するに任せられることだろう。どの銀行が救済されどの銀行が破綻させられるか、我々は知らない。

 しかし、多くのヨーロッパの銀行が問題を抱えている。実際、14日フィッチ・レーティングスは、ヨーロッパの五つの大銀行の信用格付けを下げた。

 ユーロ圏は暫くの期間はうまく機能したが、今やシステムの欠陥は明らかになってきた。どれくらいヨーロッパの金融システムがまずいかを知るために図を見ればわかる。ヨーロッパ債権利回りがこのようになるとは想定されていなかったことだ。 


急上昇しているヨーロッパ債権利回り

 最後にはどこかがユーロ圏を去ることになるだろう。ギリシャとかイタリアがユーロ圏を去ることが言われてきたが、実際のところはもっと強い国、例えばドイツが最初のそのような動きを取るかもしれないのだ。

 もしもドイツがユーロ圏を去れば、彼らは新ドイツ紙幣を印刷するようになるのだろうか?

 いや、その場合には、ドイツは全ヨーロッパの新しい金融システムのための新しいヨーロッパ通貨を制定すしようとするかもしれない。ドイツは「ヨーロッパ超国家」の考え方に固執している。そしてユーロが失敗したからと言って、この考え方まで捨てるとは思えない。

 しかし誰が正しく誰が間違っていたかは時間が経てばわかることだろう。

 以前書いたように、ヨーロッパで起きていることを理解することは簡単である。問題はシンプルだ・・・

 厳しい緊縮財政+政府の有毒化した債権+債権利回り上昇+金融システムに対する自信の欠如+銀行の極端なレバレッジの利かせ方+巨大な信用危機=歴史的金融内部爆発 

 不幸にも、アメリカはこの混乱から無傷で脱出することはできないだろう。アメリカの金融システムとヨーロッパのそれは、かつてないほどに深く関係し合っている。ヨーロッパでの金融危機が本当に破裂すれば、アメリカの多くの銀行も破綻することを見ることになろう。

 アメリカ経済は2008年の金融危機から完全には復活できていない。そして次のこの金融危機は酷い経済的混乱に我々を陥れるだろう。

 2012年は、金融界にとっては非常に興味深い年になろう。皆さんがこれから起きる事柄に対して準備できていることを願うばかりだ。

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アイスランドの中央銀行

◆11月12日

 ギリシャに続いてイタリアでも財政危機問題がかまびすしくなってきた。これはリーマンブラザースから続いている問題が、一時の糊塗ではしのげなくなってきていることを示している。いわば国際的金融問題が破裂しつつあるのだ

 これに対し、ユーロ圏になかったアイスランドでは銀行を破綻させ、納税者を保護したことで、かえって今は健全性を持つ経済成長を果たしつつあるという。勿論それは国家全体で緊縮財政に取り組み、国民もそれに応えた結果だ。

 大きすぎて破綻させられない」というまことしやかな嘘の言説を説いて、大銀行の保護を継続しても、問題の解決にならないばかりか、ますます事態は悪化していっている状況を打開するには、この「破綻させられない」という嘘、ないしは脅迫を退けて、破綻させればよいのだ。事業に失敗すれば、その落とし前をつけろ、という単純な真理だ。

 そうすることで、教訓を得て、またやり直しを始めることができる。しかし「破綻させられない」とすることで、癌を抱える事業体を存続させれば、その癌細胞はその事業体を超えて他の分野にも移転することで、全体が冒されてしまう。

 癌に冒された臓器の全摘出をすれば、一時は痩せ衰えるが、病巣の除去をなしたことで、後は回復を待つばかりとなるだろう。これからでも遅くない、破綻するべきものは破綻させるべきである。

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●アイスランド危機からの教訓:銀行を破綻させよ
【11月5日 AFP】

 アイスランドの銀行破綻とそれにともなう国家の混乱から3年経って、アイスランドの経済は持ち直しつつあることは、政府は銀行を破綻させ、納税者を保護すべきであるということを示している、とアナリストは語っている。

 北大西洋の島国は2008年10月、アメリカの巨大投資銀行のリーマン・ブラザースの破綻によって生じた世界的危機のあおりでその極端に拡大された金融部門が崩壊したため、三つの大銀行が破綻するのを経験した。

 これらの銀行は数週間の内に支払い不能に陥り、政府はそれら銀行を破綻させざるを得なくなり、IMFから22億5000万ドルの救済資金を借り受けせざるを得なくなった。

 その後の3年間に及ぶ厳しい緊縮財政で、ギリシャがデフォルトの淵に追いやられその他のユーロ圏の国家がプレッシャーを受ける現在の世界的な金融・経済危機にも拘わらず、アイスランドの経済は健全性を取り戻しつつある。

 「アイスランドから得ることのできる教訓は、納税者と政府が金融危機で抱えるコストをできるだけ保護する大切さである」とアイスランド銀行のアナリストであるブジャルキ・ベントソンはAFPに語った。

 「危機に対処するやり方が我々の選択ではなく、政府の無能力によって強いられたものだったとしても、このやり方は比較的うまくいったと言える」とベントソンは語った。

 アイスランドの銀行はその最大期には国家のGDPの11倍のアセットを持っていた。

 ノーベル賞受賞者のアメリカの経済学者のポール・クルーグマンはベントソンと同意見だ。
 「どこでも銀行を救済しその分を公的資金で賄っている時、アイスランドでは銀行を破綻させ、かえってその社会的セフティーネットを拡大したのだ」と、ニューヨーク・タイムズ紙の評論蘭に書いている。

 「誰でも国際的投資家らを懐柔しようと躍起になっている時、アイスランドでは資金の動きを一時的に統制した」と彼は語ったのだ。

 先週、レイキャブィクを訪問中、クルーグマンは、アイスランドはクローナを持っていたことが経済復興に幸いしたとし、経済のインバランスに対してユーロを採用することで守られるという考え方に警告を発した。

 「アイスランドの経済の復興は、ユーロ圏外にあることのアドバンテージを示している。ユーロ圏に参加することで安全性が高まるとう考え方は根拠がなくなった」とユーロ圏のキーとなるある国が公的資金問題に苦しんでいることを指して彼は語った。

 しかしアイスランドの例は今のギリシャやイタリアの問題に直接適用することはできない。 

 「ギリシャ、イタリアと2008年のアイスランドとの大きな違いは、後者は度を越した銀行の借入によって崩壊したことによる危機という問題だったが、前者はソブリンデット危機とそれがヨーロッパの銀行業務にまで影響を与えている問題ということだ」とベントソンは語った。

 「アイスランドでは、政府は危機以前には健全性を維持していた」と語る。

 2008年のメルトダウン期間中に在職していたアイスランドのガイアー・ハアルデ前首相は、銀行を破綻させ貸方がその損失を負うようにさせたことで正しいことをしたと主張した。

 「我々は国家を破綻から救ったのだ」とハアルデはAFPに対してこの7月語った。

 「現在の状況を見れば、そしてギリシャは言うに及ばず、アイルランドと比較して見ても明らかである」と彼は語り、二つのEUの問題ありの国家は、「我々はやらなかった過ちを犯した・・・我々は銀行の外部の負債は保証しなかった」と語った。

 国際的救済パッケージで救われ復興中のアイルランドやラトビアのように、アイスランドは厳しい緊縮財政の道を取ったことで今やその努力の結果を見ている。

 アイスランドの中央銀行は11月2日、金利を4分の1ポイント上げて4.75%とした。これはその他の発展途上国が今の危機の最中に借入れコストを削減しているのと際だった違いだ。

 2011年の前半期の経済成長は2.5%だと言われていて、2011年全体では3.0%になると予想している。

 アリオン銀行のアナリストであるデイビッド・ステファンソンはAFPに対して、「アイスランドは他の国々と比べてその経済(サイクル)で異なった状況にある」ために、金利を上げたのだ、と語った。、

 「アイスランドの中央銀行は、似た状況下にある他の中央銀行が金利を低いままに抑えたりむしろ下げたりできるのは、インフレ懸念が比較的低いと予想されると考えているからだ」と語った。

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