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ハルマゲドンという言葉を使用し出したオバマ政権

◆7月20日

 アメリカの国債発行上限を8月2日までに切り上げねば、アメリカはデフォルトになる、ということでオバマ政権はカタストロフという言葉からハルマゲドンという言葉を使用し出した、と言う。

 それに対して共和党は支出を抑えれば乗り切れると考えているようだ。一番の支出は国防費だから、国防費を大幅に削ることに共和党は賛成なのだろうか? 現実的にはそれは無理だろう。すると結局は上限を切り上げるしかない。だから、恐らくはそうなると見るのが妥当だろう。

 しかしいずれにしてもそれは付け焼刃の応急措置であって、根本的治癒ではないから、いずれ同じ問題が出てくる。だから、根本的措置を取る必要があるし、それは確かに国防費に手を付けることが必要になるはずだ。

 イラク、アフガン、リビアとさらにはパキスタン、ソマリア、・・・更に世界中の基地を維持するだけでも大変な出費だ。その国防費に群がるさまざまな利権問題をこれからオバマ政権は乗り越えて、国防費削減を実行していかねばならないはずだ。

 もしも上限が新たに決まらねば、アメリカのデフォルトは避け得ないが、でどうなるか? このブログではずっと以前から、世界の貿易が一時的であっても停止状態に追い込まれるだろう、と指摘してきた。ニューヨークの株式市場も閉鎖されるだろう。だから生活必需品などをある程度買いだめしておく必要があるだろう、ということになる。現金も手元に置いておく必要があるだろう。

 最悪は、以前から言われてきているアメリカの新ドル札発行で、旧札が無効状態になることだ。アメリカ人が保有するドルは保証されても、外国が保有するドルは紙くずになる、と言う状態が想定される。

 だから、菅政権に、「想定外のことが起きた」とは言わせない。しっかりその時のための準備をしておくべきである。

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●世界の終わり?:打つ手の無い負債問題でハルマゲドンに
http://today.msnbc.msn.com/id/43791431/ns/politics-capitol_hill/
【7月18日 msnbc.com staff and news service reports】

 アメリカの負債限度額を引き上げるのに時間があまり残っていないというのに、オバマ政権はアメリカがデフォルトになれば、災害的な結果を強調するため聖書の文言を使用し出した。

 何週間もガイトナー財務長官とその他の高官たちは、もしも14兆3000億ドルの負債限度額が8月2日までに引き上げられなければ、経済的「カタストロフ」が出来(しゅったい)すると警告してきた。

 メリアム・ウェブスター辞書はカタストロフという言葉の定義を「極端な不幸から徹底的な破壊ないしは破滅まで含む重要な悲劇的出来事」としている。

 この定義は殆どのエコノミストの見方と一致する。彼らはアメリカのデフォルトはアメリカを新たなリセッションに引き込み、国際金融市場に衝撃波を送るという点で同じ考えだ。

 インタビューや記者会見の中で、高官たちは何度もそのことを繰り返して言ってきている。

 しかし共和党員を脅し負債問題に関し行き詰った話し合いを打ち破って行動させる代わりに、反対の結果をもたらしている。


◆脅し屋?

 共和党員らはオバマ政府を脅し屋だと非難し、多くはデフォルトは決して起きない、支出を削減することでアメリカは支払を継続できるとする意見を翻すことを拒否している。

 アメリカ人はまた、オバマ政権の破滅に関する考え方に同意していないようだ。世論調査では、大多数のアメリカ人は負債の上限を切り上げないことをよしとしている。ただしこれら調査の対象となった人々がその段階に至った時にどうなるかという点についてよく分かっているかどうかはっきりしていないということはある。

 それで、ホワイトハウスはカタストロフという言葉を更に強めて、核大国のソ連とアメリカの間の「冷戦」の行き詰まり状態の時を暗示させるハルマゲドンという言葉を使用しだしたのだ。

 オバマはホワイトハウスでの記者会見で、負債の上限を切り上げることで彼を非難することを狙った共和党の込み入った計画に関して語った時、聖書の引用を行った。彼はそれで経済的ハルマゲドンを避けることができる、と語った。 

 オバマの予算局長のジャック・リューは、17日のテレビインタビューの間、それを繰り返し述べた。

 「ハルマゲドンを弄ぶ何人かの声があるにもかかわらず、ワシントンの責任あるリーダー達はそうではない」とABCの「今週のプログラム」で語った。

 公正を期すために言えば、負債の上限の妥協は大激変になるだろうと4月に最初に語ったのは共和党のケイ・ベイレイ・ハッチソン上院議員だ。もっとも当時は彼女の警告は、ワシントンの多くの者たちに誇張だとして却下された。

 終わったばかりの共和党とオバマとの間の予算論議は政府を操業停止の一歩手前にさせた一方、負債論議は更に悪化していると説明しながら、「負債上限問題はハルマゲドンになる」と、彼女は語った。

 上記辞書の定義では、カタストロフが極めて悪い状況である反面、ハルマゲドンは積極的黙示録的である:「最終的かつ結論的な善と悪の力の戦いの時ないしは場所;通常は大規模で決定的な紛争あるいは対決」

 アメリカ中で多くのアメリカ人は、議論は喧々諤々と続けられ結論がでない膠着状態なのでどちらの側も良しとするようだ。

 「彼らは皆間抜け野郎だ」とスティーブ・ルジカはニューヨーク・タイムズ紙に語った。「これは長い間蒸し返されてきていること」と企業家のボカ・ラトンは語った。両方にあきあきしたと語り、「彼らはとっくに解決しているべきだった」と付け加えた。

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アメリカ人のホームレスが増えている

◆7月14日

 アメリカ経済はどんどん悪化している。中流だった人々が今や車上や路上で生活せざるを得なくなりだしている。まさかと思っていた事態が自分の身の上におきている。

 99週間の失業手当期間が来年初めに切れるというから、そうすると更に多くの貧窮者がホームレスとなるだろう。しかもアメリカの多くの市町村では車上や路上での生活を違法としているという。どこにも生きる場所がなくなりつつあるのだ。

 このまま進めば、アメリカは内乱状態に陥る危険性が高まる。しかもアメリカ国債の評価が下がったりすれば、混乱は更に増すだろう。アメリカが内乱状態になれば、世界的秩序も崩壊し、世界中が混乱状態に投げ込まれるだろう。

 アメリカが復興する最後の砦は、アメリカの建国の精神に立ち帰ることだ。神と共に、先ず教会を建て、道路や病院を建て、最後に自分達の家を建てた。ようするに神と共にある共同体を皆で建設しよう、という意識と意図である。

 そこには隣人に対する思いやりも当然存在する。教会で共に祈る、神の下で同じ兄弟姉妹としての隣人だ。お金よりもその隣人達との助け合いの精神の方がずっと大切なのだ。

 それにアメリカ人が気づき、立ち帰るまでは、アメリカの衰退は継続するだろう。そして世界もそれにつられて落ちていく。そして最後の最後、そのような世界に行くべき道を差し示すことができる内容を持つ国が日本である。ただし、今の政権では無理だろうが。

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●見捨てられた人々:中流だったアメリカ人が今やテント暮らしに
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/outcasts-tonight-tens-of-thousands-of-formerly-middle-class-americans-will-be-sleeping-in-their-cars-in-tent-cities-or-on-the-streets
【7月13日 The Economic Collapse】

 アメリカ中で経済的絶望感が蔓延しだしている。この記事を読めば、何百万世帯がようやく生きているという現状を知るだろう。多くのアメリカ人にとっては、屋根の下で眠り、少々の食べ物をテーブルに準備することが大変な戦いとなってしまった。悲しいかな、その戦いに敗北する者たちの数が増えている。
 多くの州では非合法となっているのだが、今夜、何万人もの元中流アメリカ人が車の中で寝泊りしている。何万人もの人々がテント村や路上で眠っている。その反面、アメリカ中の市町村ではテント村やホームレスの人々を自分達の地域から追い出す方策を議会で通過させている。ひとたび職を失い自宅を失えば、この国ではいうなれば見捨てられた人々になるのだ。悲しいかな、この「見捨てられた人々」の数はアメリカ経済が崩壊する中、増加し続けている。

 車の中やテント村で寝泊りするようになった殆どのアメリカ人は、自分達がそのような状況に陥るとは夢にも考えた事のなかった人々だ。

 デア・シュピーゲル誌のある記事に、自分達の身に起きたことにすっかりショックを受けたアメリカ人カップルの話が掲載されている。

 シャネル・サベドラは既に路上にいた。彼女と夫はもう3週間車で寝泊りしてきた。「こんな風になるとは思ってもみませんでした。まさかです」とサベドラは言う。彼女は泣き出して、「私はいい大人よ。自分のことはなんとかなります。夫もそれは同じ。しかし子供達にとってはこの状態は過酷過ぎます」と語った。彼女は3人の子供がいる。9歳、5歳、3歳だ。

 「私達はサンベルナルディノ市に家を持っていました」とサベドラは言う。夫が2009年にプレハブ住宅建設の職を失ったら、ガス会社はガスを止めた。「私達はバーベキューの上でお湯を沸かし子供達を風呂に入れました」と語る。家賃を支払うことができなくなり、8月に家から追い出された。

 3歳や5歳の子供を抱えて車の中で寝泊りすることになったらどういう思いになると思いますか?

 残念だが、児童保護課がこの家庭について知ったらこの子供達は両親から引き離され、戻っては来ないだろう。

 アメリカは非常に残酷な場所になりつつある。

 不幸にも、この家庭におきたことは何か特別な孤立した事ではない。失業がアメリカ中に拡大しているので、自宅を失う人々の数はうなぎのぼりに増えている。

 今日、シアトルのほぼ3分の1のホームレスの人々が車で寝泊りしている。私の読者にもいる。JDという読者は前の私の記事に以下のようなコメントを残している。

 「私は2年前に建設業の仕事を一時解雇されてからずっとその状態でしたが、9月に解雇されました。それでアパートを出されました。それから寝る場所を求めて宿を転々としました。今では、時には車の中で寝泊りしています。芝生の手入れの事業をしている友人がいたので、運が良かったのです。ガソリンをもらって自分の車に入れています。言いたくはないが、やがては大都市でもフーバービル(貧民窟)ができるだろうよ。社会保障やフードスタンプ、その他の政府の政策が終了すれば無政府状態が始まるだろう」

 絶望感がアメリカ全土に広がっている。大多数の人々が経済の復活に期待していたのだが、それは起きなかった。

 車で寝泊りしているアメリカ人という現象は有名になったので、タイム誌までも特集を組んだほどだ・・・

 家賃を支払えない人々は、絶望の路上生活に陥る前に清潔さと威厳の最後の段階を保つのが車だ。車輪の上の自宅は幌馬車からRV車まで、伝統的にアメリカ人の生き方の一つだ。かつては上昇気流に乗っていたアメリカ人の中には、経済嵐のために自家用車の後部座席やリアーをベッドルームにせざるを得なくなった人々がいる。
 「12月に警察車両で一晩パトロールしてみたら、6人の人々が車で寝泊りしていたのを発見した」と、ロングビーチ市の市会議員のディー・アンドリューの参謀であるジョン・エドムンドは語る。
 「一人は4ドアセダンに寝泊りしていた未亡人だ。彼女と夫は空軍の退役兵である。彼女は支援できるはずの担当部署について知らなかった。涙がでたよ」とエドムンドは語った。

 残念ながら、合衆国の多くの地域では、車での寝泊りは違法とされている。多くの都市では、警察が乗り込みホームレスが罰金を払えなければ、車は持っていかれてしまうのだ。

 カリフォルニア州ベニス市では、車で寝泊りしていたために人々が逮捕された。ベニス市では人々がRV車に寝泊りしていく町として人気があったが、警察はRV車に寝泊りしている人々を逮捕し始め、車は持っていかれてしまった。

 以下はデイリー・コスのウェブサイトに掲載された記事である。

 車のバッテリーを交換していたエリックを彼らは逮捕した。彼が車で寝泊りしていたからだ。数日後、彼らは3番通りに駐車したあった彼のRV車を索引していった。彼が留置所におり、72時間経っても持ち主が現れなかったからだ。土曜日、彼らは7番通りを捜索しベアーを逮捕、彼のRV車も持ち去った。彼らはエリザベスのRV車も持ち去ったが、エリザベスを逮捕したかどうか分からない。しかし彼女を見つけられなかった。警察は6番通りに行き、白いRV車を持ち去った。この車はいつもブロードウェイの6番通りに駐車しているのだ。毎日、彼らは1台から4台ほどのRV車を持ち去っていく。ちょっとすれば、もう誰もいなくなるだろう。

 アメリカでうまくいかなくなると、あなたは持っているものまで当局が持ち去っていくのをすぐに発見するだろう。

あなたが貧乏ならば、合衆国は非常に残忍な場所になりうる。アメリカ中で、地方自治体はテント村を違法にしているか、テント村の住民を追い払うことをしている。

 多くのアメリカ人が隣で多くのホームレスたちが野宿することを好まないことが分かった。しかし今テント村にいる人々はかつてはあなたや私と同じような人々だったのだ。

 この国のいくつかの地域のテント村でなされた事は、全く嫌悪すべきものだ。例えば、フロリダ州のセントピーターズブルグ市の警察がホームレス達のテントをカッターナイフで切り裂いているビデオを忘れることはないだろう。このような情景を見て、何を思うかだ。こういった人々に対する何がしかの憐れみの情を感じなければ、何かおかしいはずだ。テント村に逃げ込むのは、次はあなたの番かもしれないのだ。

 アメリカの多くの都市では、路上で眠ることも違法となる。もしもあなたがホームレスだったとして、あなたがどうするか、私には分からない。アメリカのある地域では、車でも、テント村でも、路上でも眠ることはできないのだ。

 この経済事情の下、自宅から追い出された人々に対してどうすべきなのか? 彼らを一くくりにして壁をめぐらした刑務所に入れるべきなのか? 笑ってはいけない、日ごとにそのような状況に我々は近づいているのだ。

 
◆我々は非常に恐ろしい時期を生きている
 
 貧困がアメリカで蔓延している。フードパントリーやスープキッチン(食糧無料配給所)に群がるアメリカ人の数は2006年から比べて46%増えた。今や4400万人のアメリカ人がフードスタンプをもらって生きている。もしもこういったものが存在していなければ、アメリカの路上は貧窮した人々で溢れていることだろう。

 事態は深刻であり、更に深刻化しつつある。

 来年の初め、失業者を支援していた失業手当給付の期限が切れる。現在まで、多くのアメリカの失業者は99週間まで失業手当の給付を受けられた。それが終わるのだ。

 ニューヨーク・タイムズ紙によれば、これはやっと生活できていた失業者の財布から370億ドルが引き抜かれることになる、という。経済にどういう影響をもたらすだろうか?

 これは失業率が再び上昇しだす時期に起きようとしている。シスコは1万人のレイオフを発表したばかりだ。その他の大企業はまもなくもっと多いレイオフの発表をすることが予想されている。

 経済が落ち込むというその他の兆しもある。クリスマス商品の事前注文が落ちている。ショッピングモールの空き店舗が再び増えている。殆ど全ての主要な世論調査では、人々が経済面では非常に悲観的になっていることを示している。

 では一体なぜこれらがおきているのか? 我々の職はどこに消えたのか? 我々の何百万もの職は労賃がはるかに安い海外に移転したのであり、そこは我々にどんどん迫ってきている。

 アメリカン・ドリームのサイトで、「グローバリズムが我々の職、ビジネス、国家の冨を破壊させた10のステップ」と題する記事を私は書き終えたばかりだ。これは2500語でグローバライゼーションが完璧に我々の経済を破壊したことを表したエッセイだ。この記事が、どうして多くの良い職がアメリカを去り帰ってこないかということをあなた方が理解する助けになれば、と願っている。

 世界の羨望の的であった多くの我々の偉大な大都市が今では悪い冗談になってしまった。

 以下はイギリスの記者がデトロイトを訪ねたときのものだ・・・

 時々、半分壊れた、あるいは半分焼失した、それでも残っていることで都会だったことを思い出させる。痛ましく点々と残っている住宅が以前の面影を示している。時々化粧直しされているものも見える。多くはなにもなされていない。

 多くが訪問者が近寄らないような警告を張り出している。一つの住宅のドアには、「入るならリスク覚悟で」と書かれた言葉が、怒りの顔の絵と共に掲げられていた。

 近くの荒れて、黒コゲになっていて、ガラクタで一杯の場所に入っていった。誰があるいは何がこれらの住宅の中でうごめいていたのかさっぱり分からない。しかしデトロイトのことを笑ってはならない。デトロイトで起きたことはもうすぐあなた方の地域でも起きるかもしれないからだ。

 アメリカは衰退がずっと進んでいる。多くのアメリカ人が職を失い、自宅を失っているので、「見捨てられた者たち」の数はますます増えている。何百万人ものアメリカ人がこれから車の中で、テント村であるいは路上で寝泊りするようになるだろう。

 アメリカ経済は「ノーマル」に戻ることはもはやない。我々は今、「ニュー・ノーマル」を生きているのであり、これからやってくるものに比べれば素晴らしく裕福な状況なのだ。

 痛ましい状況にある人々に憐れみを示していただきたい。経済の実情があらわになってきているので、次に憐れみを必要とする人があなたになるかもしれないのだから。

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量的緩和はおしまい?

◆6月28日

 アメリカの国債をアメリカの中央銀行である連邦準備銀行が買い支えてきたが、6月一杯でこのQE2が終了すると、もう誰もアメリカ国債を買うものがいなくなる。これはアメリカ政府のデフォルトに繋がるので、絶対に避けねばならないと当局者は考えるだろう。

 しかしポール・クレイグ・ロバーツ氏は量的緩和策を停止すれば、ドルに対する信頼が回復されアメリカに対する投資が増え、また商品などへの投機資金がひきだされ、石油や穀物価格も安定に向かう、と見ている。

 確かに大掛かりな量的緩和策を実施しても、結局アメリカの経済は改善せず成果に乏しかった。これ以上続ける方が却ってデメリットが大きい、と考えておかしくない。

 アメリカの大多数の国民の消費力が衰え、わずかな数の大富豪のみが更に富を増やしているような構造そのものにメスを入れることが、これからは必要なはずだ。オバマ大統領は二期目でそれを本格的に目指す可能性があるが、そこまでの道程をどう乗り越えるのか? アメリカの正念場である。

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●連邦準備銀行は量的緩和を停止できるか?
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=25412
【6月27日 by Paul Craig Roberts】

 もしも連邦準備銀行がQE(量的緩和策)を停止すれば、ドルに対する信頼は上昇することだろう。アメリカへの投資資金が流れ込み、アメリカの株式市場を支持し財政赤字の埋め合わせに貢献することになるだろう。金と銀価格は下落する。ドルに対するネガティブな期待は石油や穀物価格から搾り取られるだろう。旱魃や洪水それに供給分野などは穀物価格に影響を与え続けるだろうし、行政上の戦いは石油価格に影響を与えることはあるだろう。

 もしもQE停止がヨーロッパのソブリン・デット問題と一致して起これば、ドルは失った力を大いに取り戻すことになるだろう。

 このような観点から、連邦準備銀行は国債購入を停止すべきであり、また人々は地金への投資と商品投機から撤退すべきである。

 しかしその他の要素が絡んでいる・・・経済と支払い能力問題のため金融機関の心配がある。6月22日の記者会見で、連邦準備制度理事会のバーナンキ議長は、「いくつかの逆風がある、金融セクターの弱さ、住宅問題、バランスシート、レバレッジ解消問題などが、我々が考えていたよりもずっと強く、重いということだ」と語った。 

 財政上の刺激策とオバマ大統領の7000億ドルの刺激策にもかかわらず、経済成長と雇用増大について期待した結果は得れなかった。
 ジョン・ウィリアムズが言うように、もしもインフレが完全に計測されたら、経済成長はマイナスだったかも知れず、失業が正確に報告されていたら、現在の失業率は22%になるだろう。

 この弱い経済は、アメリカ企業利益や金融機関の展望にプラスとはならない。アメリカ企業は商品の製造やサービス分野に大規模な投資を海外で行っているが、それらの商品やサービスを購入する収入や借金する能力をアメリカの消費者は持っていない。仕事のない人々や国内のサービス業に従事する低賃金の人々、病院の用務員、バーテンダー、ウェイトレス、などは現在の低く抑えられた価格であっても住宅を買う事はできない。金融機関の会計簿が不動産手形で一杯になるまで、金融危機は終わらない。

 更に、ダウジョーンズ平均が雇用の増大とGDPの成長なしに維持されるとは思えない。

 ドルを救い価格を安定させる為に連邦準備銀行は経済の復活、雇用、それにオバマの再選を犠牲にできるのか? これは誰も触れていない問題だ。

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ロシア中央銀行

◆6月26日

 ロシアと中国は両国間での貿易決済をルーブル、ないしは元ででも行うことで合意した。既に2009年10月15日号の「ロシアと中国の協力関係が強化」で示したように、以前からこのアイデアが取りざたされていて、今回それが実現することになった、ということのようだ 
 これは昨今取りざたされている欧米の金融・通貨問題が顕著になってきたことが背景にあるはずだ。不安定でいつ暴落するか分からない外国通貨ではなく、両国の通貨を決済に使用すれば、そのような不安は払拭できる。

 また両国は上海協力機構の主要国家であり、安全保障面でもその協力関係を強め、欧米諸国で作るNATOと対峙する関係にあるため、通貨でもその対応措置としてNATO圏が使用するドルとユーロではなく、自国のルーブルと元を強化する必要性も感じているはずだ。

 このように世界の基軸通貨としてのドルの需要が徐々に減少しだしている。その傾向は今後、ますます強まるだろう。

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●ロシアと中国は貿易決済にルーブルと元を使用で合意
http://en.rian.ru/business/20110623/164798920.html
【6月23日 RIANOVOSTI】

 ロシアと中国は、両国の中央銀行間の合意に従って、二国間貿易を促進するためルーブルと元で取引することにした、とロシア中央銀行のヴィクトール・メルニコフ副総裁が21日語った。

 「この合意はロシアと中国銀行を通して、自由に交換可能な通貨でだけでなく、ルーブルと元で決済することを可能にしている」とメルニコフは語った。

 ロシアと中国は二国間貿易を、2010年の600億ドルから2015年には1000億ドル、2020年には2000億ドルにまで拡大するよう促進することで合意した。

 中国人民銀行のマ・デルン副総裁は、この合意は両国に対して、自国通貨での取引額を増加させる機会になり、「国際準備通貨に近づける」ことになるだろう、と語った。

 この取引はロシアと中国が外国為替リスクと手数料を軽減させることになると、マとメルニコフ両副総裁は語った。

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アテネの議会前でデモを行う人々


◆6月22日

 ギリシャの債券問題にゆれるヨーロッパはBRICSからの支援や民間投資家らを巻き込む事でその延命を図ろうとしている反面、「ユーロ危機」を演出したイギリス、アメリカ側が反対に格下げなどの問題に見られるように、弱体化がはっきりしてきた。アメリカは債務の上限を決めなおさねば、やりくりできなくなることがはっきりしている。アメリカのデフォルト、と言う問題が現実になってきている。

 たとえこの危機を乗り越えたとしても、根本的な解決ではないから、やがて決めた上限に債務残高が到達することで、同じ問題が再び起きることになる。
 
 これに対して、考えられる対処の仕方は、新札発行とその新札と旧札の交換を自国民だけ(アメリカ人)に限る大統領令を出し、アメリカ政府などの持っている外国に対する債務をチャラにすることである。そのようなことが起きた場合、アメリカに対して怒鳴り込みたいのが人情だろうが、なにせ世界最大の軍隊を持つ国に戦争を仕掛ける国は存在しないであろう。

 さて、これからの半年間、GEABが言うところの、2011年の7月から2012年の1月までの6ヶ月間は世界経済の動向の分岐点となるという。経済が混乱すれば、ギリシャで起きている騒乱状況がギリシャだけの問題ではなくなるだろう。

 この世界経済の大混乱時代、と今回の日本で起きた東日本大震災とは、別々の出来事ではあるが、根底では繋がっている、と見ている。つまり、このブログでずっと主張してきた、世界の根本的変革が始まるのが、これからの時期である、ということであり、我々一人ひとりが今までの生き方や人生観の根本的な変革を余儀なくされていく時代にはいりつつある、ということ。


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●ヨーロッパとアメリカ:世界的債務危機 (その2)
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=25354
【6月21日 by GEAB】

◆ヨーロッパ政府債務の爆発メカニズム
 
アングロ・サクソン金融業者らはこの1年半は、魔法使いの見習いを演じた。2009年12月のフィナンシャル・タイムズ紙のギリシャ危機に関する見出しは、すぐにいわゆる「ユーロ危機」となった。  

 我々は既にGEAB(Global Europe Anticipation Bulletin)の記事で多くの説明をしてきたので、ロンドンのシティーとウォール街による工作である、新しい言葉を使用してなされるこの大いなるごまかしの変化に付き合うつもりはない。ただ、18ヶ月後を見れば、ユーロは健闘しているが、ドルは継続して世界の代表的通貨に対して下げ続けていることを指摘すれば充分であろう;ユーロ圏の崩壊に賭けた者たちは多くの資金を失ったのだ。

 我々が予期したように、この危機は新しいユーロランドという主権存在の台頭を促した。それはたとえいやいやながら爆発物の役割を演じることになったとしても、ユーロ圏を【2011年秋の衝撃】に対して日本、アメリカあるいはイギリスよりもっとよく準備させている。この「爆撃」はこの期間、ユーロランドを標的として、小休止をはさみながら数週間なされた。実際この爆撃は、3つの連続する大きな結果をもたらしたが、その内の2つはウォール街やシティーが期待していたものとははるかにかけ離れたものだった。

1.初期の2009年12月から2010年5月の期間は、2007年・08年に培われたユーロは強靭であるという感覚を取り除いた。その耐久性に対する疑惑をもたらし、正確に言えば、ユーロは将来的にはドルの代替物であるという考え方を植えつけた。

2.その後(2010年6月から2011年3月)の期間で、ユーロランドの指導者らは「トップスピード」で、あらゆる手段を使ってこの単一通貨を保護し、強化すべく働き出した(何年も前からそうすべきだった)。そうしながら、イギリスをないがしろにしてヨーロッパの統合を強化した。同時に、BRICSからのユーロに対する支援を強化し盛り返した。これは中国が率先した。中国は二つの基本的事実に気づいたのだ:ヨーロッパ人は問題に対処するため真剣であり、アングロ・サクソンの決意があれば、ユーロは「ドルの世界」から抜け出すための枢要な道具である、と言う点だ。

3.最終的(2011年4月~2011年9月)に、この爆弾は現在ユーロ圏を、民間投資家らにギリシャ問題の解決に、特に「自発的に」払い戻しすることで貢献させることを余儀なくさせている

 想像できるように、最初の打撃がウォール街とシティーが願った目的の一つであったならば(イギリスとアメリカの巨大な問題から注意を逸らせることは別として)、他方では、他の二つの結果は、ユーロを弱体化させ、その世界的な影響力を減退させるという当初の願いと全く反対の結果をもたらした。

 特に2012年までにユーロボンドの発行を見ることになる4番目のシリーズは準備が進められていて、ユーロランド諸国の債券発行の割り振りと、避ける事のできない政治的圧力が、ユーロ圏の辺境国家の債務再編に対する民間からの貢献の割合を増加させている。 

 そして、第4番目のシリーズで、事態はアメリカ連邦政府債務の爆弾の引き金を引くであろう感染プロセスの中心に入ることになる。なぜならば、先ず、政府の負債問題について超敏感な金融環境と世界的メディアを生み出すことで、ウォール街とシティーは、アメリカ、イギリス、日本の政府の財政赤字の持続不可能な大きさを暴露してきた。 

 これは、二つの金融センターの忠実な番犬である格付け会社に国債の格下げというマッドレースを始めさせることになった。数ヶ月前までは殆どの専門家らにとって夢想だにしなかった事とはいえ、我々が予期していたように、アメリカが格下げの脅威にさらされるようになったのはこの理由からだ。

 同時に、イギリス、フランス、日本、も格付け会社の標的になっている。

 これらの格付け会社は決して重要なことは予想しないことを思い出すべきだ(サブプライム問題も、世界的危機も、ギリシャ危機も、アラブの春も・・・)。もしも彼らが今日、有無を言わさずに格下げするのならば、それは、自分自らのゲームに巻き込まれているからだ。Aの格下げを、順調にいってないBの格付けに対する影響無しに行うことはできない。 

 いかなる国も自国の負債でデフォルトになることはない、という仮説は、3年間の危機を越えることはなかった: この点が、ウォール街とシティーが罠に嵌ったところであり、それが全てのやる気まんまんの魔法使いの見習い達に脅威となっている。彼らにとってギリシャの負債問題でヒステリックな状況が生まれているのをコントロールすることは出来ないだろう、ということがわかっていない。

 それで、ギリシャ問題とユーロ圏についてミスリードする記事の影響が拡大しているのは、
今日、債務上限と大規模な予算の削減で激しい討論をしているアメリカ議会である。再び、我々のチームは、歴史というものに分別というものがあるならば、それは間違いなく皮肉の分別だろうということを強調するだけである。

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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