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時代の先読み
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日本の進むべき道
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我々の心構え
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ソーシャル・クレジットの構想を示したクリフォード・ヒュー・ダグラス
◆9月6日
中央銀行が民間の所有である欧米その他の国々で、人々にはその事実がまだまだ広く理解されるところとなっていない。しかし今や、その中央銀行の搾取制度からの解放の動きが少しずつ動き出している。欧米の多くの国は民間の銀行が中央銀行の株主となっていて、政府が株式を所有していないため、中央銀行が政府からの独立的な民間所有物となっており、また通貨発行に際しては、その通貨を政府が必要とする時には、国債を発行し通貨を受け取る。その際利息が発生し、それは中央銀行の利益となり、株主である銀行の利益となる。
なんで政府が所有していないのかと言われても、それが歴史的な結果としてそうなってしまっている。イギリス銀行を設立した際、その主導勢力であったロスチャイルド財閥の意向であった。アメリカの連邦準備制度も同様で、殆ど詐欺的方法で中央銀行が民間の銀行家らの手の内に握られてしまった。
この通貨創造の権限を取り戻す動きが以下の記事にある、たとえばソーシャル・クレジットと言われる政府通貨の発行である。カナダでこのソーシャル・クレジットという考え方を明らかにしたのが、クリフォード・ヒュー・ダグラスという人物だ。カナダにはこのソーシャル・クレジット党というものも存在している。
この件では、すでにこのブログでもEllen Brown女史の論説を紹介しているように、政府が通貨を発行すれば解決する道があるのだ。これは日本も同じことである。政府発行通貨で政府の債務問題は解消するのだが、それを実行できない圧力が外からあるようだ。しかしその圧力もやがて消えてなくなる時がやってくるだろう。
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●銀行の世界支配を打ち破れ
http://www.americanfreepress.net/html/canadasocialcredit_090509.html
【9月4日 By Mark Anderson】
カナダ議会が70周年を迎えたこの9月4日から7日まで通貨改革に関する討議が行われている。参加国は、ポーランド、アルゼンチン、マダガスカル、コートディボワールで、民間の中央銀行が各国に及ぼす破滅的な締め付けはなんとしてでも打ち破る必要がある、ということが語られている。“Can(できる)”という言葉が主要な合言葉になっている。
広範囲に存続しているこの悪制度に対し、アメリカ、カナダそれに各国からの参加者らは、“ソーシャル・クレジット”と呼ばれるものが人々をその締め付けから解放する切り札だという点で合意した。それは、何十年もの間、中央銀行から通貨を購入することを政府に強いるように破滅的な設計がされている状態を続けないで、債務とならないような社会的創造物としての通貨の誕生を意味するからだ。
現在の苦境は、経済活動の活力の源泉が、表にはあらわれない銀行業者の手の内に存在していて、彼らに通貨と信用創造のあらゆる利益が流れ入るようになっていることで、結果的に天然資源の豊富な国でさえ慢性的な貧困状態に陥るようになってしまうところにある。もしもその他の主要な政治的問題や、陰謀、スキャンダルなどが 世界支配のタコの触手だとすれば、中央銀行制度は頭であり脳髄にあたる。
ソーシャル・クレジットあるいはナショナル・クレジット(その他の名称が与えられている場合もある)は、通貨とクレジットの創造に関して国民の代表としての政府を主権者にするため、ボトムアップの草の根の運動が国の政策になるまで引っ張るだろう。中央銀行はもはや、国債を引き受けて通貨を国に売る(それで国民は巨額の負債を抱えることになる)“がまの油売り”であり続けることはない。
ソーシャル・クレジットの計画の一部分である社会的配当は国民に個人的な生活保護ではない収入をもたらし、これは仕事での収入に追加される。また労働市場は債務から解放され多くの仕事を供給できるようになる、とこの運動の推進者らは語る。
またコンペンセイティッド・ディスカウントと呼ばれるものは、物価の安定とビジネスでの収入の両方を保証するものだ。
とりわけ、重要な点の詳細な説明をするために、この記者はこの議会の重要な参加者の前スイス銀行員のフランソワ・ドゥ・シーベンタール氏に焦点をあてるだろう。この人物は正体のはっきりしないビルダーバーググループに参加するよう要請されたのを蹴って、中央銀行内での昇進を目指さないで、本当の改革運動を支援する方を選んだ。「我々は自分やその他の人々を解放することができる」とゲスト・スピーカーであるロドリゴ・ベラスケス氏は金曜日の準備会でのスピーチで語った。ベラスケス氏はコロンビアに住んでいるが、多くの国で人々に影響を与えている購買力の慢性的欠乏状態に言及しながら、いい収入の仕事が無い場合、人々は仕事をするより略奪に走るようになってしまう、と語った。
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中国のChinalco社
◆9月5日
中国が鉱物資源や貴金属に投資を振り向けている。ドルを外貨準備といて積み上げてきたが、まもなく始まると思われるドルの急落・崩壊前にそのドル資産を実物資産に変えようとしている動きのようだ。
このところの金価格の上昇、ドルの下落傾向の継続の背後にこの中国の戦略的な動きがあると言えるかもしれない。
そろそろ9月危機が本格化するということか。
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●中国のSWFは、ドルをゴールドのような戦略的投資に向けている
http://mineweb.com/mineweb/view/mineweb/en/page67?oid=88400&sn=Detail
中国はドルを売って石油や金などの実物資産に乗り換えようとして、中国の主要な政府系投資ファンド(SWF)その他の投資グループに、欧米の戦略的アセットに投資するよう督促している。
【9月3日 Lawrence Williams】
中国から情報が流れてきている。政府系投資ファンド、特に中国投資有限責任公司(CIC)は、中国以外の投資先を確立することが要請されている。このCICは3000億ドルの資金があり、更に政府からの支援を持ち、ヘッジファンドその他の投資先に集中しているようだが、この政府系投資ファンドにはもう一つの別の投資先として商品がある。
自由になる資金を持って中国はアメリカ・ドルを投売りし、より確かなアセットに投資を振り向けようとしているので、鉱物資源で中国がかかわっていないものは実際上はもう存在しない。
アメリカ議会への報告では中国高官の話としてCICは、1兆5000億ドルの外貨準備金の資本利益率の改善を目指し、また過剰な流動性を吸い上げるため、たった2年前に元入資金2000億ドルで設立された、という。最初の2000億ドルの資金でのパフォーマンスによるが、CICは中国の増大する外貨準備金を更に供給されるかもしれず、どうもそのようになってきているようだ。
中国の政府系投資ファンドの海外での投資についてのおそらく最も興味深い報告は、Paul Mylchreestのサンダー・ロード・レポートがしている。そこではアメリカの前情報関係者の話が載っている。彼は中国の政府系投資ファンドに友人がおり、風聞の域を出ないが、ファンドのアナリストは、四六時中石油と貴金属への投資に集中している、という。結論として、中国はドルは下落することを予期していて、崩壊が実際に始まる前に数兆ドルの資産をできる限り戦略的アセットに切りかえるべく動いている、ということになる。
問題は、あまりに多くの資金をわずかなアセットに、しかもわずかな時間内に切り替えねばならない、ということだ。それで中国政府は規制を緩和して、中国人に金と銀をできる限り購入するよう勧めている。それで今や中国の方がアメリカより貴金属の購入はしやすくなっている。そして、金・銀への投資を国営テレビで勧めている。もしこの傾向が継続すれば、中国は金・銀の購入でインドを追い越して世界一の国家として居続けるだろう。またその富の蓄積は、欧米の経済崩壊の影響から自国を守ることになる。
これが実際起きていることならば、おそらくは秘密裏に、粉飾決算を通して、報告が必要な中央銀行を通さずに、中国は金準備を蓄積していることになる
このCICの会長は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、CICの今年の「ひと月の世界のポートフォリオは昨年1年間分に等しい」、と言う。そして今年1年の投資のポジティブなリターンを予想しているので、政府に資金の追加供給を要請することになる、という。この追加供給される資金を何に投資するのかは分からないが、いずれにせよ中国が欧米のリセッションを利用して安値でアセットの購入をすることは間違いなく、欧米の基準からして彼らの資金は事実上無限とも言える額になる。しかし中国は古いガラクタには目をくれず、極上のものしか興味は無い。
既にCICはカナダの鉱山会社テク社の17%の株式を買い込んでいる。彼らはこの会社が昨年の崩壊から立ち直りつつあった時うまく買ったのだ。この鉱物資源への戦略的投資はまだまだ続きそうで、計画中だったり既に交渉に入っている件もある。中国アルミ業公司(Chinalco)がリオ・チント社を買収しようとして失敗した動きはその例の一つであり、オーストラリアの鉱山会社への投資と買収や、鉱山物資の豊かなアフリカ諸国に対する巨大な融資などもまたもう一つの例である。
中国が日本を抜いて世界第2位の経済大国に数年以内になると見る者がいるし、アメリカでさえ2030年までに抜かれると考える者がいる。もし中国が今の調子で行けば、またアメリカが今の調子で行けば、もっと早くそうなるかもしれない。共産主義は中国式では、経済戦争で勝利を収めつつあり、世界はまもなくドルではなく人民元を基軸通貨とするようになりかねない。
サンダー・ロード・レポートの報告には興味深いが少々当惑させられる補足説明がある。 Paul Mylchreestは南アメリカに25年間住んだことがあるのだが、初めて現地人がドルよりかは自国通貨の方を好みだした、と言うのだ。このコメントを終わるにあたって彼は、「教育も無く、貧しい食事をし、不十分な医療しか受けられないで海抜3500メートルの地点に住む男にとって、ドルは蓄えるべき資産としては望ましいものではないと分かれば、ドルが世界の基軸通貨としてどれだけ長くその地位を保つだろうか」と書いている。
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パナリン教授
◆9月2日
ロシアのパナリン教授がアメリカの分裂の可能性を語っている件は既にこのブログでも紹介したことがあるが、そのパナリン教授が、今度はアメリカの分裂を引き起こすことになる「混乱状態」がアメリカにこれから2ヶ月以内に始まる可能性について語っている。
その原因の一つに今回の日本の総選挙での結果がある点が示されている。鳩山次期総理の論文の一部が翻訳され、それがアメリカの大手新聞に掲載され、一気に大きな影響力を持ち始めたようだ。
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●ロシア教授:アメリカの崩壊は2ヶ月以内に始まるかもしれない
【9月1日 Paul Joseph Watson】
イゴール・パナリン教授は、10年前に初めて唱えた運命の日の予想理論は変わりなく現在も有効だと言う。かれはこの理論で、アメリカは2010年の終わりにはソ連のように完全に崩壊するとし、それに向けて「混乱」が2ヶ月以内に始まるかもしれない、と言う
政治学博士で外務省ロシア外交アカデミーの教授のパナリン教授は、記者会見で昨日、新著書の発表の際にオバマ大統領は急速に迫りつつある危機を回避するため何もしていないと語り、その危機は11月にも姿を現すかもしれないと述べた。「オバマ氏は、“希望の大統領”だが、1年以内に希望は何もなくなってしまうだろう」とパナリン教授は語る。「彼は実質的にはもう一人のゴルバチョフだ。彼は語ることは好きだが、何も実際的にはしてきていない。ゴルバチョフは少なくとも地域の共産党政権の書記だったが、オバマ大統領は社会福祉指導員だっただけだ。彼の精神性はまったく違う。いい人でうまく語る人だが、彼は指導者ではないし、アメリカを崩壊に導くだろう。アメリカ人がそれに気づいた時は、爆弾が破裂するよう感じるだろう。
1998年以来、パナリン氏は、アメリカの分裂とドルの崩壊について警告してきた。パナリン氏によれば最近の日本の民主党の総選挙での勝利は、アメリカの経済崩壊のもう一つのサインだという。
「本日私はドルとアメリカの崩壊が避け得ないということのもう一つの確認を受け取った。日本の民主党が選挙で勝利した。この政党のリーダーである鳩山氏は、自分の経済計画の中でドルに対する不信感を示している。はっきり言えば、彼は日本の準備金をドルから別の通貨に変更することを計画している、ということだ。その動きはドルの交換レートでの価値を、早ければこの11月頃には下げるようになるだろう。分裂はその後起こるだろう」と語り、教授は翌年には中国もドルの大量投売りを開始し、ロシアは原油とガスをルーブルで取引するようになるだろう、と付け加えた。
パナリン氏は以前、アメリカ、カナダ、メキシコの間の安全保障繁栄パートナーシップ合意に言及し、ドルは「新通貨単位としてのアメロ通貨」にその座を譲るようになるだろう、と述べていた。
教授はアメリカは6つのパートに分裂すると見ている。ほぼ1865年の南北戦争中の境界に似たライン、「中国人の人口の増加が見られる太平洋地域、ヒスパニックの多い南部地域、独立の気運が見られるテキサス州、他とは異なる精神性を持つ大西洋側地帯、中央部分の貧乏人とインディアン先住民のの多い地域、カナダからの影響力が強い北方地域」と説明している。
長期的には、パナリン教授は、分裂する州は、最終的にはEU、カナダ、中国、メキシコ、日本、ロシアがそれぞれ取るようになり、アメリカは無くなる、と言う。パナリン教授は、この崩壊を、「政治的なエリートの世界に紛争を撒き散らすことを狙ったばかげた攻撃的な政策」のせいだと非難する。そしてアメリカ国内での銃器の販売が増大していることに警告を発し、それは金融の全面的崩壊の影響から生じる“混乱”に人々が備えるためである、と語った。
「私としては、アメリカが2010年6月までになくなってしまう可能性は50%を超えていると考える」。この点について、「世界の大国の使命は、アメリカに混乱が生じないようにすることだ」とパナリン氏は結論付けた。
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中国自動車が自動車業界の救世主?
◆8月20日
欧米がいまだに経済の復調においては銀行分野だけが利益を出しているところがあるだけで、全般的には相変わらず、というか更に悪化している中、中国はいろいろ言われているが、とりあえず成長を続けている。その秘密はどこにあるのか、という点を、かつてこのブログでも紹介した(5月30日、6月2日号など)エレン・ブラウン女史が、銀行の所有形態にその原因があり、その銀行の経営姿勢にある、と指摘している。
基本的には、中央銀行というものが欧米では民間所有という形態なのに対して、中国はさすがに社会主義政権ということで、国家の所有という形態の違いがあり、これがその経営姿勢にも影響し、結果中国でのビジネスの発展が継続している理由だ、と言う。
これは実は資本主義というシステムそのものの問題点を浮き彫りにしていることで、政府が国債を発行し、中央銀行が通貨を発行するたびにそれが借金となるシステムでは、その借金から生み出される利息を受け取る中央銀行(株主は各種の銀行)は利益を出しても、政府そのもの、つまりその埋め合わせは将来の税金であるから、結局は国民が銀行にその利息を支払うことになり、未来永劫にわたって国民はその利子の支払いから逃れられない状況に陥り、銀行家らの奴隷となってしまうシステムとなりうるのだ。
中国の中央銀行のあり方は一つの示唆であり、これからオバマ政権が向かおうとしている未来は、ひょっとしてこのような中国式の中央銀行のあり方、つまり国営の中央銀行、というものを目指しているのかも知れない。
そうだとすれば、アメリカはその時点から復活していく可能性が高い。
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●中国経済の秘密:政府が銀行を所有しその反対ではない
【8月18日 by Ellen Brown】
「銀行が生み出した銀行危機に直面しているこの時期に信じがたいことだが、銀行が未だに最強のロビー団体である。彼らはおおっぴらに支配している」2009年4月30日、ディック・ダービン上院議員(民主党)
アメリカが銀行システムを救済するために数兆ドルもの資金を注ぎ、経済が疲弊している時、中国は「奇跡の経済」と呼ばれ、世界から切り離されている。世界が1930年代以来の景気後退に見舞われている中、中国は年8%の成長率を維持している。これらが報告されている内容だが、コメンテーターらは半信半疑だ。彼らは、輸出に依存する他の国々が大きな後退を余儀なくされている中、どうしてそれが可能なのか、といぶかっている。エコノミストのリチャード・ウォルフ氏は懐疑的だ。:
我々は世界的な資本主義的な危機の世界にいる。どこでも消費は減少している。中国からの製品も含めてどこでも人々はものを買わなくなっている。世界経済に大きく依拠する社会がどのようにして大きな成長を果たすことができたというのか?株式市場は安値から既に100%高くなっている。そんな現象は世界のどこにも、少なくとも欧米諸国では見られないものだ。
どうやってそれが可能なのか?中国が言っていることを信じるためには、あなたは、ほんの数ヶ月で、長くても1年で、彼らの経済を輸出主導から国内に集中した産業構造に変えることができるということを認めねばならないだろう。
我々は殆どうまくいっていないというのに、どうやって中国の刺激策はそううまくいっているのか?
答えはシンプルだろう:中国は銀行システムに生産的経済にたいして悪辣な経営をさせてははいないからだ。中国の銀行は、民衆のために仕事をしているのであって、その反対ではないからだ。アル・ジャジーラ英語版のサマ・エル・シャハト氏はそのように語る。シャハト氏はロンドン大学の経済博士号を持っている。8月10日、「中国は民衆を銀行より大切にする」と見出しで彼女は書いている。
「中国は、金融分野と普通の中国人と彼らのビジネスとが存在している世界との間に分離がない経済大国だ。両方の分野が成長していて、これは政府の銀行に対する取り組み方による。中国は自分たちの銀行を、あまりに強力に影響力ある巨大な存在にすることで救済措置をショットだとかハイジャックしたと呼ぶようになるまでにはさせなかったのである。要するに中国政府は、利権や団体より中国民衆の要求や、彼らの利益に応えることを最優先するようにしたのだ。それが、中国の銀行の民衆や彼らのビジネスに対する貸し出しが記録的に伸びている理由だ」
ウォルフ氏が語る「世界的資本主義の危機」と呼ぶものは、貸し出し危機のことだ; そして中国ではこのクレジット(貸し出し)はアメリカと違って自由になされている。それは金融分野だけではなく産業界や地方自治体に対してもだ。国営銀行は貸し出しを大きく拡大している。地方政府や国営企業の借り入れ額は巨額だ。中国人民銀行の推定では、2009年前半期のローン総額は1兆800億ドルで、2008年の貸し出し総額の1.5倍である。
連邦準備銀行も記録的な貸し出しをしているが、その資金は金融分野の救済に向かっていて、一般人は枯れきっている、とエル・シャハト氏は語る。
「イギリスとアメリカでは、金融分野は儲けているが、一般人はまずい状態からひどい状態へとなりつつある。失業率は高く、ビジネスはお手上げ状態、差し押さえはいまだに続いている。ウォールストリートとメインストリートはお互い異質の世界に住んでいる。そしてその理由の大きな部分は銀行が民衆には貸し出しをしていない、という点にある。
イギリスやアメリカでは、銀行は納税者からのお金と中央銀行からの量的緩和による安い資金のすべて掴んでしまっている。彼らはそれを人々に貸し出す代わりに、自らのバランス・シートを補強し整理することに使用している。 お金は銀行にハイジャックされたのであり、我々の政府はそれに対しては何もしていない。実際はお互いに共謀してやっているのだ」と語っている。
★万里の長城にひび?
中国経済は完璧ではない。利益を出さねばならないという圧力、とりわけ海外の投資資本からの圧力は投機的ベンチャー投資に向かわせる。巨額資本は一般人には手の届かない高層マンションとその他の不動産開発に向かう。中国人労働者らは資本主義的過ぎる現状に不満が多い。住宅、医療保健、高等教育など以前は国家が引き受けていたものだ。中小企業むけのローンをもっと増やす努力が続けられているが、国営企業と大企業がローンの大方を受けている。これは銀行が貸し出しの規準を厳格にするよう言われているからであり、またこういった大型の企業ならば信用リスクがより安全とされているからだ。
ウォルフ氏は中国の“奇跡”はバブルであり、それははじけて大災害をもたらす寸前にあると見ている。歴史的には、バブルが突然はじけるのは、投機家らがはじけさせるからだ。1990年に日本の株式市場バブルがはじけた時、アジアの1998年の時など、外国の投機家らがこういった国々の通貨に非標準型デリバティブでもって攻撃を仕掛けたためだ。この攻撃に遭った犠牲者らは準備通貨でもって自国通貨を買い上げて防衛しようとしたが、準備通貨はすぐ底をついた。今日、中国では多くのドルを準備通貨として保有したので、投機家らが中国株式市場に何らかの仕掛けをすることは困難になっている。自然な市場動向による漸進的な市場の下落は経済が正常な動きをしているからだ。
★経済の役割の転換?
今のところ、中国の刺激策はイギリスやアメリカのそれと比べても明らかに功を奏している。そしてその理由は、政府が銀行を握っているという点にある。政府は銀行の信用貸しシステムを、公営企業と貿易に向けているが、それは政府が銀行、大部分の銀行、を所有しているからだ。
皮肉なことに、この中国の経済の特色は、アメリカ自体よりもアメリカのもともとの理想的な資本主義のあり方に近い。中国はしばしば共産主義国家と言われるが、教科書にあるような共産主義国家であったためしはなく、以前に比べれば現在は更にそうである。
中共の指導者の鄧小平は、1978年以降中国を外国投資に開放した人物だが、ねずみを捕まえる猫ならば、その色が何色かは問題ではない、という有名な言葉を残した。中国経済がなんと呼ばれようと、現在それは企業家らを勇気付けるようなフレームワークを提供している。
ジム・ロジャーズはシンガポール在のアメリカ人投資家で金融コメンテーターであるが2004年、「赤い資本主義の台頭」というタイトルの論文を書いた。
「世界のベストの資本家は共産中国に住み仕事をしている・・・中国の指導者らがどんなに自分たちを共産主義者と呼ぼうと、彼らは世界で覇権的な資本主義経済を生み出そうとしている」
アメリカはロジャーズ氏が呼ぶ「金持ちのための社会主義」に陥っている。通常のビジネスが破産すると彼らは自分らのアスファルト・ジャングルに置き去りにさせられる。しかし、「大きすぎて破産させられない」とみなされた銀行は、我々納税者がその損失を穴埋めし、銀行所有者たちは利益を確保し、投機をし続けることが許される。
納税者の金によるウォールストリートの救済は、資本主義原理からの明確な逸脱を意味し、それはアメリカの経済のあり方を変えてしまった。学校で我々が教えている資本主義とは、家族経営の小規模な店や農家、平等な競争条件で競争している企業家らの資本主義だ。
政府の役割は規則を設定し全員がフェアーに競争することを確約することだ。
しかしそれは今我々が直面している資本主義ではない。家族経営の小規模な店は大型のチェーンストアーやメガ・産業によって締め出されてしまった。小規模私営農業は多国籍農企業によって買い上げられてしまっている。またウォールストリートの銀行はあまりに強力になったため議会は、いまや銀行が議会を乗っ取ったと不平を言っている。巨大銀行や企業は自分たちに都合よい内容に規則を書き換えた。健全な競争は強欲資本主義に取って代わり、その中では小魚はシステム的に鮫に飲み込まれるようになっている。
その結果金持ちと貧乏人の格差はかつてないほどに広がり、歴史的には最大規模の富の移転がなされている。
★両方の最良部分
破綻した銀行システムに対する中国の解決法は、銀行そのものの国営化であり、悪い意味の負債を増やすことではない。もしもアメリカがこの方法を採用すれば、我々庶民は我々の投資に何らかの価値あるもの、民衆が所有する安定し責任ある銀行システム、を手にすることができるだろう。
もし「国営化」という言葉がアメリカ的ではないと思うならば、公有の公益のためにある、例えば公営図書館、公園、公営裁判所などを考えてみるべきだ。
我々はウォールストリートから我々のお金を取り戻すべきだ。そしてそれは我々が、手に負えない銀行の独占を打ち破り、お金と貸し出しの支配権を我々の手に取り戻すことでできることだ。もし中国が両方のよい点を持つことができているならば、我々にだってできるはずだ。//
●金儲けだけに走るな!?
省政府、中国的社会主義の分かる民間企業経営者を育成へ―江蘇省
【8月20日 Record China】
2009年8月18日、江蘇省政府は同省経済の発展のため、今後2年間に有力民間企業の後継者や新興企業の若手経営者合計1000人に対し、中国革命史などの理論教育を実施する計画を立てている。新京報が伝えた。
同省の人事管理部門である省委組織部によると、同省では現在、民間企業が省全体の経済活動の51.3%を占めるまでに成長しており、有力企業をさらに発展させ、新興企業を成長へと導くことは同省経済の将来にとって最重要課題であるとしている。このため同省では、有力民間企業の後継者の育成を通じて、新世代のリーダーによる経済の発展を進めていく方針である。・・・以下略
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ジェラルド・セレンテ氏
◆8月15日
アメリカの景気は底を打ったのでは、と言われている。日本もそうではないか、という見方もある。しかしトレンド・リサーチ・インスティチュートのジェラルド・セレンテ氏は以前より、景気後退はこれからが本番であり、この行き着く先は恐慌だと言い続けている。
またそれに伴ってアメリカでは民衆の反乱がおきるだろうと見ている。全米で起きているいわゆるティーパーティーは、今後も続くはずで、それがアメリカを第2の革命にまで引っ張って行くだろうというのが彼の見方だ。
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●アメリカ第2革命が始まった
【8月12日 By Gerald Celente】
アメリカ国民はざわめいている。第2アメリカ革命の第3波が起きた。歴史が作られつつある。しかし第1、第2波同様、第3波も聞かれる事はなかった。
アメリカは動揺している。南北戦争以来このようなことはおきたことはなかった。しかし抗議する者たちのことは国際的に過小評価されるか誤解されている。
第1波は2009年4月15日だった。反税大会と“ティーパーティー”が全米700カ所で持たれた。彼らの運動の意義を認めるより、大手メディアは無視するかティーバッグを性的なことと関連付けて揶揄したりして冷やかした。
最初、オバマ大統領はティーパーティーのことは知らなかったと言った。ホワイトハウスは後になって、このティーパーティーは“不穏な”ものに変化するかもしれない、と警告した。
第2波は、7月4日だった。全米で“代表者なければ税なし”とやはり抗議デモが起きた。そして前と同様に、これらのデモは右翼の馬鹿騒ぎとして解散させられた。
第3波は、この8月に起きた。上下両院がオバマ大統領の医療保険制度改革に協力している点に向けられた。タウンホール会議で、怒った市民らは代議員に向かって怒鳴り返した。多くの警官やボディーガードが動員され、一般参加者と政治家らとの間隔を保った。
ホワイトハウスとメディアは抗議する者たちのことを、「保守派の連中」と呼んだり、フォックス・ニュースや右翼系ラジオショーのホストによってそそのかされた共和党系の活動家によって組織された舞台で演じる役者たちだと呼んだ。
この最後のイベントについては、いかなる制度改革にも反対する医療保険関係者も市民を扇動しているとして非難された。しかし組織された運動か自然発生的か否かは問題の核心ではない。多くの抗議者たちは1000ページになる制度改革書類の中身を理解しているようには思えなかったが、彼らの感情は本物で、見せ掛けのものではない。
良かれ悪しかれ、法律制定は市民に対してもう一つの重荷を加えることと見なされている。政府が押し通した不人気な巨額の救済、買占め、緊急経済対策をアメリカ人は無理やり呑まされた。反対意見を表明する公式の場がないまま、市民の選択肢は効果のない請願だったり、無名の下役のスタッフが受け取るようになっている議会に対する電子メールや電話で訴えることだけだ。
現在議会は休暇中であり、選ばれた代議員らは近くに帰ってきている中、市民は爆発しつつある。最悪なのは医療保険制度改革にはなく、その医療改革案を政府が命令していることにある。その計画がどのように提出されたかとか、あるいは何が約束されたのか如何にかかわらず、一般市民にとっては、法律制定というものは、大きな政府がまた自分たちの生活から何かを取り上げその代価を自分たちに支払わせることを意味しているのだ(彼らが何ができ何ができないかを語りつつ)
初期段階とは言え、「第2アメリカ革命」が始まっている。とはいえ、我々が予測するのは、世界を変えうるトレンドである、この世紀におけるもっとも深いところで進んでいる政治的トレンドで、経済の底が抜けるまで金融危機を見ることのできなかった学者、専門家らには未だに見えていないものだ。
トレンド・フォーカスト:状況は未だに悪化を続けている。世界経済は末期的である。リセッションは短い回復状態にあるが景気回復の初期段階ではない。安い資金、簡便なクレジットそれに無制限の借り入れは、資金的あるいは財政的政策では盛り返すことのできない経済危機を引き起こしている。そしてその危機が更に安い資金、クレジットそして無制限の借り入れを促進する。
しかしながら、政府は介入し、課税と統制を続けるだろう。抗議はエスカレートし暴動がそれに続くだろう。
第2アメリカ革命の第4波:導火線に点火するかもしれない多くの未知の要因がある中、トレンド・リサーチ・インスティチュートは、もし政府が強制する豚インフルエンザ・ワクチン接種が実行されれば、それが第4波となるだろう、と見る。数千万人がワクチン接種を拒否する自由を自分たちの権利として戦うであろう。
発行人の注釈:インターネットの力や新しい技術は容赦なく“第2次アメリカ革命”を発酵させていく。いかに広範囲に感情的な高まりがあっても、過去に税不払い大会、ティーパーティー、医療保険制度改革抗議運動が起きても、それが地方メディアが報道しても、全米のトップニュースにはならなかっただろうし、それらの運動は死産となってしまったであろう。
今、ユビキタスのカメラ装備の携帯電話、世界中で見れるユーチューブ、数百万のツウィッターとツウィートなどがあるので、これらの民衆蜂起を無視したり封じ込めたりすることはできない。革命的熱情は伝染することだろう。
★これを阻止することができるのか?
トレンド・フォーカスト:“第2アメリカ革命”が止められなくなる前に、大衆をだますように仕組まれた見せ掛けの自作自演の事件を通して本筋からずらされるかもしれないし、あるいは実際の事件、ないしは危機がおき、そのため全米が大統領を支持するようになるかもしれない。最悪のケースとして、ジェラルド・セレント所長によれば、政府というものがとる方法を見れば、著しい失敗をとんでもない失敗に増幅するため、彼らがとる昔ながらの傾向は、すべてが失敗した場合、国を戦争に引きずり込むということだ、という。
自作自演の事件、実際の危機、あるいは宣戦布告は、“第2アメリカ革命”の動きを鈍くするだろうが、それを止めることはできない。//
●米FRB、景気底入れを確認
【8月13日 時事通信】
米連邦準備制度理事会(FRB)は、3月下旬から実施している総額3000億ドルの中長期国債買い取り策を、10月末で打ち切ることを決めた。ゼロ金利政策はしばらく継続する。
●8割超が「景気後退終わった」=米紙エコノミスト調査
【8月13日 時事通信】
12日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、主要エコノミストに対する調査の結果を公表し、米景気後退の終了時期について「既に終わった」と「今年7~9月期」を合わせた回答が84%に上ったと報じた。7月の米失業率が1年3カ月ぶりに低下したことなどから、景気の底打ち観測が強まっている。
ただ、事実上のゼロ金利政策を続ける連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに転じる時期に関しては、「2009年末までに」は13%にとどまり、「10年中」が61%。「11年以降」も25%を占め、慎重な見方が支配的だ。
●<米CIT>破産法適用可能性示唆 決算報告提出できず
【8月12日 毎日新聞】
経営危機に陥っている米ノンバンク大手CITグループは11日、09年4~6月期決算報告を提出期限の10日までに米証券取引委員会(SEC)に提出できなかったと発表した。CITは同時に、債権者による社債買い取りなど資金調達が実現しなければ、連邦破産法の適用を余儀なくされる可能性があることを明らかにした。
この声明を受け、ニューヨーク株式市場では同社の株価が前日終値比18.9%安の1.20ドルまで下落。7月中旬に続き、同社の経営破綻(はたん)懸念が再燃した。
CITは、機械や航空機などを主力とする米リース業大手。昨年まで中小企業向け融資では米国内最大手の規模を誇っていた。低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)に絡む事業で損失が膨らみ、07年4~6月期以来、8四半期連続の赤字を計上し、経営危機に直面。昨年12月には、米政府から23億3000万ドル(約2240億円)の資本注入を受けていた。
●米地銀3行が破綻、年初来の破綻は72行に
【8月9日 CNN】
米連邦預金保険公社(FDIC)は8日、地方銀行3行が7日に破綻し、年初来の地銀破綻が72行に増えたと発表した。
新たに破綻したのは、ファースト・ステート・バンクとコミュニティ・ナショナル・バンク(ともにフロリダ州)、コミュニティ・ファースト・バンク(オレゴン州)。フロリダ州の2行はスターンズ・バンク(ミネソタ州)、コミュニティ・ファースト・バンクはホーム・フェデラル・バンク(アイダホ州)がそれぞれ受け皿銀行となる。
今回の破綻でFDICの預金保険基金が負担する金額は、合計1億8500万ドルとなる見通し。年初来の負担金額は165億8000万ドルと、昨年1年間の176億ドルに迫った。破綻地銀数ベースでも、昨年の25行の約3倍にのぼっている。
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