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IMFのロゴ

◆10月7日

 G-20で5000億ドルの景気刺激策が決められたようだ。またIMFがどうも将来の世界中央銀行の装いを持ち始めたようで、そこから発行されるSDRが将来ドルに変わる世界の準備通貨となりそうだ、ということだ。そしてそのためもあって、ドルは今後価値が半分になりそうである、という。

 また5000億ドルもの刺激策は結局は貧乏な国を助けるというよりかは、豊かな国の銀行を守るためのものだと指摘されている。たとえ貧乏な国にいくらかが与えられるとしても、それはローンであり、かつ実際はその金は豊かな国の銀行への利息の支払いなどに使用され、貧乏な国自体の発展に寄与することは殆どないだろう、というのである。

 銀行とその利息という問題を根本から見直さねばならないはずだが、まだまだ世界はそこまで行っていない、ということのようだ。
 今日本でも亀井郵政・金融担当大臣が、中小企業向けに支払い猶予・貸し渋り禁止法のようなものを作ろうとしているが、銀行に支援してもそれが下の中小企業になかなか流れない、という構造と似ている。

 いっそのこと、貧乏国の直接復興支援に金を回すようにさせ、銀行への支払いは猶予させるようなことが、世界でも必要とされているはずである。少なくとも利率を下げる、というような措置が必要だろう。しかしこれは国際的銀行と対決して呑ませねばならないわけで、彼らとの力勝負となる。
 日本は低い利率で貧乏な国に対する借款などをすることを受け入れる国々と連携して、IMFとは違う世界的な支援機構を生み出すようなことが願われているはずだ。

 銀行制度というものを通して、世界全体が貧乏に陥りつつあり、肥え太るのは銀行だけ、という世界になりつつある。
 

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●IMFが世界中央銀行の役割を担う?
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=15531
ドルは半分に切り下げられる?
【10月5日 by Ellen Brown】
「 1年前 は」、とオーストラリアのABCニュースで9月22日、ロス・バックレイ教授は語りだした。「誰もIMFについて知りたいとは思わなかったが、今やこの機関が、貧乏な国のための刺激策として売られた国際的刺激策を組織した機関となった」
 IMFは実際よりか高い地位に自らを押し上げたのかもしれない。ジム・リチャードOmnis理事長によれば、ピッツバーグで9月24日開かれたG-20の、発表されていない目的は、「IMFが世界中央銀行として受け入れらること」にあったという。リチャード氏は、CNBCでのインタビューで9月25日、この計画はIMFがドルに替わる世界準備通貨を発行するというものだ、と語った。
 「彼らは初めて債券を発行した」とリチャード氏は語った。「彼らはSDRを発行している。最後にSDRが発行されたのは1980年か81年で、300億ドルだった。今や、彼らは3000億ドル発行している。私が発行と言っているのは、紙幣の印刷のことだ。このSDRを保証するものは何もない」。
 SDR(特別引出権)は、金・銀の国際的な大きな取引用に合成の通貨としてIMFによって創造された。しかし今までは殆ど使用されることはなかった。

 なぜ世界は突然新しい世界的不換紙幣と、世界中央銀行を必要とするようになったのか?リチャード氏は、それは「トリフィンのジレンマ」だと言う。エコノミストのロバート・トリフィン氏が1960年代に指摘した問題だ。世界が金本位制から離れた時、世界貿易のためになんらかの準備通貨が大きい通貨の国から配られるべきだった。しかし国際的な目的のために通貨が発行されれば、その国は売る量より多く買うことが必要となり、貿易赤字が増えることで、最終的には破綻に至る。アメリカはこの50年間世界経済を支えてきたのだが、今や破綻に瀕している。アメリカはその負債を清算し、財政を整理することができるが、それをすれば世界経済が収縮する。代替となる準備通貨が世界経済を支えるために必要とされ、その間、アメリカは自らの負債の問題を解決する、その新しい通貨がIMFのSDRというわけだ。

 これが、トリフィンのジレンマに対する解決策だ、とリチャード氏は語る。しかしこれはアメリカを脆弱な立場に置くことになる。もし我々アメリカが戦争とかその他の世界的な大災害に直面すれば、我々はもうこれ以上紙幣を印刷する特典を持てなくなる。我々は他の者たちと同様、世界準備通貨を借り受ける必要が出てくることで、世界の指導者らの慈悲にすがる立場に陥ることになる。

 これを避けるため、連邦準備制度は実際の経済を更に収縮させるだろうが、金利を上げる用意があると示唆している。
 Fedの理事の一人ケビン・ワーシュ氏はアセットの価格が上がればFedは金利を上げる必要があるだろうと言っている。ドルから逃げる投資家らが伝統的に投資先にする金のことを言っているとリチャード氏は解釈している。「中央銀行は金を嫌う。それは彼らの紙幣を印刷する能力を制限するからだ」とリチャード氏は述べる。もし金価格が突然1オンス1500ドルとなれば、それはドルが崩壊しているということだ。
 ワーシュ氏は、Fedはそういうことが起きないようにすると市場を励ましている。Fedはドルを呼び戻すために金利を上げるかもしれない。リチャード氏は、「ワーシュ氏は、我々はどちらかと言えばドルを処分しなければならないのだが、それをゆっくりとするだろう、と言う。ワーシュ氏はドルの不安定な下落に対し先手を打とうとしている。彼らがやろうとすることは、勿論、安定した下落だ」と述べた。

 Fedの伝統的な役割である、価格の安定の維持、というのはどうなったのか? それはナンセンスだ、とリチャードは言う。「彼らがやっていることは銀行を下支えるためにドルを膨張させることだ」。ドルは膨張させられねばならない。それは支払う金以上の負債が突出しているからだ。
 政府は現在、臨時負債60兆ドルを抱えている。「この負債を支払えるだけの経済の成長と税収入のコンビネーションは存在しない」とリチャード氏は語る。政府はその半分を今後14年間で支払うことができるかもしれないが、それはドルを半分の価値にさせる必要があるということだ。


◆ドルを半分の価値にさせる必要があるのか?

 ドルの価値を下げる、ということは、我々が苦労して得たドルが半分になることで、民衆にとってはいいことではない。事実、この動きは我々にためというよりか銀行のためにデザインされている。ドルは現在の通貨の仕組みにあるジレンマを補正するために切り下げが必要だ。この仕組みは詐欺と呼べるかもしれない、トリフィンのそれより扱いにくいものだ。この突出した負債をカバーできるだけの充分な資金は決してない。それはコイン以外の一切のマネーは銀行によりローンとして創造されたものだからだ。そして彼らがローンを創造する時、出した金以上の金が銀行に返されねばならない。銀行は元金を生み出すが、ローンを返却する際必要な利息は違う。

 銀行のコンソーシアムによって所有されていて、彼らの利益のために設定されている連邦準備制度(Fed)は、銀行は返済されるということを見越して存在している。そしてそれが行なわれる唯一の方法は、利息を支払うためのドルを創造するためにマネーサプライを増やすことだ。しかしそれは、ドルの価値を希釈することを意味し、市民に見えない税を課すことを意味する。マネーサプライは更なるローンにより増やされ、そのローンは膨張したマネーサプライが解決するはずだった負債と利息に追加される。銀行制度は基本的にはマルチ商法で、それは継続的に更なる負債を創造することで存続することができる。


◆IMFの5000億ドルの刺激策:国の発展を支援するためかそれとも銀行のためか?

 そしてそれはバックレイ教授の語るIMFの刺激策に舞い戻らせる。それは金融危機で痛めつけられた諸国が復興するのを助けるものとして振り出される。しかしバックレイ教授は、それが本当に行われていることなのか疑っている。
むしろ、彼が言うには、G-20で決められた5000億ドルは「豊かな国の銀行のための刺激策」なのだ。教授はこの刺激策は通常は助成金であると指摘している。IMFからくる金はローンの形になるだろう。「G-20参加国が決めたこれらはIMFを通して貧しい国に与えられるローンである。それらは返済されねばならない。そしてその金は国際的な銀行に返済するために今使われている・・・その金は実際は貧しい国に落ちるのではない。それはそのまま貧乏な国の債権者に返済されてしまうのだ。・・・貧乏国は今後30年間IMFに返済をし続けるようになるだろう」と言う。

 バックレイ教授は、基本的には、IMFによって拡大されたこのローンは負債の増大を意味すると言う。それは、発展途上国は今より更に、しっかりと負債にがんじがらめにされることを意味する。「現在の時点では、負債は貧乏な国が銀行に借りている状態で、もし貧乏な国は必要ならば、デフォルトすることができたであろう。銀行の負債をIMFが肩代わりすることになるというのは、貧乏な国が常に奉仕してくれる大変すばらしい戦略的な理由となる・・・豊かな国はこの5000億ドルを彼らの銀行を刺激するためのものとしたわけで、IMFは諸国と債務者と銀行の間に置かれた素晴らしい仲間なのだ」

 最近まで、IMFは時代遅れだと言われていた。今や、その汚名を返上すべく忙しく動くようになった。しかしそれは、国際的銀行制度のための集金代行業者という古くて見苦しい事業である。第3世界の債務者が利息の支払いをすることでローンに奉仕する限り、銀行はローンをアセットとして勘定に入れることができる。これは彼らのマルチ商法をマネーサプライを更なるローンで膨張させつつ継続させることになる。
 これは全て銀行にとって、また彼らの提携している多国籍企業にとって素晴らしいことなのだ。しかし5000億ドルの資金はG-20諸国の納税者が賄うのである。そして予測しうる結果は、アメリカは世界的な中央銀行の帝国に仕える債務者の列に並ぶようになるだろうということだ。

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ドルの運命は?


◆10月1日

 昨日(アメリカでは今日)9月30日は、連邦会計年度の末日ということで、その中味が明らかにされる日だという。この日を前後してその内容の如何によっては急速な株価の下落や為替レートの悪化が予想されている。

 以下の論文は、アメリカの経済・金融システムの内容を容赦なく解剖し簡潔に説明している。金融というものが、詐欺まがいのマネー・ゲームはおろか、デリバティブ・カジノに集中し、それが有害廃棄物と化し、その毒にあたったため、今、集中治療室でようやく生きている状態であるという。
 このまま行けば、アメリカでは取り付け騒ぎが再び起こり、その騒ぎの中で解体していくという。それが起きる前にそれを阻止し回復させることはできるのか。


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●10月を前に導火線には既に火がつけられた
http://www.larouchepub.com/other/2009/3638fuse_lit_oct.html
【9月25日 by John Hoefle】

 この原稿を書いている時、連邦会計年度の末日が近くなっている。この日は連邦政府がその勘定を精算しなければならない日だ。それは困難なことだ。連邦政府は絶望的に破産している。大規模な略奪にドアを開いた規制緩和で国家を破壊したのだ。更には、この略奪で50州ある内の49州を破産させた。またその他数限りない市、郡、その他の地方政府、そして大量の民衆もだ。
 我々の国は、かつては世界で最も生産力の強い工業国だったが、その勢いに影が差し、経済がどのように機能するかについてなんらの知恵もなく、市民の福利厚生にはなんらの関心もない金融パラサイト(寄生虫)に牛耳られるようになってしまった。
 この時点にくるのに40年がかかった。最後の一歩を前に、我々は崖の淵に立ち深淵を覗き込んでいるのだ。


◆グローバリゼーションは失敗

 何も解決はしていない。大規模救済、歴史上の最大の詐欺、は急場を救ったと言われるが、実際は事態を一層悪化させただけだ。
 経済問題は2重構造だ。我々の富を生み出す経済の生産力を破壊した。そしてその代わりに歴史的に最大の、大きすぎて全てを返済することを考えるのも馬鹿げたことになるような負債を生み出した。これを可能にしたメカニズムはグローバリゼーションだ。そしてグローバリゼーションとは帝国の上品な言い方である。我々が実際にしたことは、アメリカ合衆国が成り立っている原則を裏切り、この国を野蛮な帝国の金融の遊技場に変えたことだ。アメリカは世界の消費大国となり、国内で生産していたものも含めて世界で生産される製品の購入者となった。そしてその過程で、世界中の国の生活に必要な必需品をコントロールしている企業カルテルを生み出すのに手を貸した。
 買い物をするために我々は借り入れを行う。その負債の資金供給のためこの帝国はめまいがするようなデリバティブ証券を中心に巨大な負債マシーンを作った 負債は不思議にも資産に変わり、どこでも売れた。これは見ものだ。それは崩壊する前に想像を超えて拡大した

 しかし崩壊したのは、輝くような外観の下でそれは実際は略奪マシーンだったからだ。支配する者と操作する者らを、そうでない残った者たちに対して盗みを働くことで、外見上、計り知れないほどの金持ちにするねずみ講であった。
 この道理に反するシステムの崩壊に対する適切な反応は、安堵のため息であろう。そしてそれが破損したものを修復する決意だ。しかし、我々のいわゆる指導者たちは、犠牲者らの代償でもって犯罪者らの救済に忙しく動き回った。彼らはひどい状況を生み出し事態を悪化させた。 


◆負債の清算

 愚か者は更なる負債を生み出すことで負債を清算しようと試みる。巨大でハイパーインフレのような量の負債を、崩壊のシステムとゾンビ銀行に注ぎ込んだ。仕事を失ったため、世帯は混乱に陥り、クレジットの利用は削減され、自分たちを保護してくれるものと考えたセーフティネットは、ずたずたに裂かれてしまった。負債が増えるのが早ければ、それだけその負債を返済する経済力はますます縮小する。

 9月30日がやってきた。負債で窒息しつつある国の会計年度の末日だ。いくらかの負債は正当なものだ。実際の経済活動からのものだが、多くはいんちきなもので、帝国のデリバティブ・カジノでの賭博の結果だ。そしてこれはいんちき負債で、カジノの架空の請求だ。それをわが政府が保護して、その他の経済を崩壊させているのだ。この国が破産していることに何の不思議もない。

 リンドン・ラルーシュ氏は、このことを、暑い日にニトログリセリンをもてあそぶことになぞらえている。と言うのも、ある日誰かが、この架空の負債を支払われることはない決意すれば、そしてそいつの隣りの者はそれは買うに値するものと思わないかもしれないので、そこで大きな条件の違いが出てくる。
 デリバティブの価値と関連したインスツルメンツは、金融業者が呼ぶところの“より愚かな者の論理”というもので成り立っている。つまり、あなたが売ろうとする証券の価値より高く買いたがる愚か者が常にいる、ということだ。
ゲームがストップした後、無価値の証券を持っている者が大いなる愚かな者となる。

 こうしてわが商業銀行、投資銀行、保険会社、投資信託、現金運用ファンド、年金基金、等々は、無価値なジャンク債の膨大な山を抱えて行き詰っているが、それでも自分たちの会計簿を高く維持している。彼らは市場が再開するよう救済プロセスに賭けていて、そうなれば、より愚かな者に彼らのがらくたを売りさばいてしまえると思っていたが、それは決して起きなかった。
 帝国にひいきにされていたいくつかの機関は今のところは救われているが、残りの者たちは捨てられて枯れ果てている。


◆実態はひどい状況にある

 新しい会計年度に入るのに際して、政府の主張するところのものは、救済措置はうまく行った、回復は始まった、そしてわが国を金融秩序に乗せることに集中すべきだ、というものだ。救済メカニズムは必要なくなったんで終了する、と告げられている。

 これは大衆向けの陳腐なお話しだ。「すべて事もなし」とは大衆を安心させ眠りに付かせるよう企図されている。しかしながら、インサイダーたちはそれが嘘であることを皆知っている。彼らはおおっぴらに、ただしより一層控えめな言い方でそう言っている。これはピッツバーグのG-20会議に集まった指導者らからも明らかだ。彼らの主要メッセージは、救済策をストップするな、というものだ。
 これをウォール街の投機家たちの立場から考えて見てほしい。あるいはロンドンのシティーの、あるいは世界のどこの誰でも、無価値な証券の山の前で途方に暮れている者たちだ。買い手がいなければ、それは何の価値もないものだ。目に見える唯一の買い手である政府は規模の縮小を語っている。パニックになっていなければ注意していないだろう。
 一切のシステムは破裂しそうになっている。経済崩壊とは正当な負債は支払われず、有毒廃棄物(不良債権)の買い手はいないことを意味する。導火線に火がつき、爆発は近い。いつか、ということが問題であり、もしかして、ではない。


◆グラス・スティーガル

 この時点での唯一の解決策は、ラルーシュ氏によれば、商業銀行を保護し安定化させるため、9月29日のグラス・スティーガル法の速やかな復活である。 それをしなければ、彼が言うには、我々は新しい崩壊段階に入っており、これは異次元の位相空間で、数字は同じでも事態は異なる、という。これは「鼓動は続いているし呼吸もしているが、死につつある人になぞらえられる。従って、鼓動が読め息があっても決定的なものではない。その下にあるものが問題である。彼の鼓動と呼吸を脅かすもののことだ。それが重要である」

 「何かがうまくいかなくなる」ことを待っている人々は間違っている。その何かは既に起きているからだ。金融システムは異次元位相に入った。そして最後のあえぎが近い。それはダイナミックなプロセスであり、年代記ではない。しばしばすぐには目に見えない仕方で原因・結果が作動するものだ。 
 この原因は既に起きている。そして結果は容赦なくやってくる。負債は支払われることはない。そしてその恐ろしい現実が有毒廃棄物保有者に明らかになり始めると、パニックが始まる。パラサイトどもが現金を引き出す競争をするから取り付け騒ぎが始まる。どこにも安全な避難所はない。我々の知っている世界は連鎖反応崩壊の中で解体していくからだ。

 帝国は耐乏生活を人々に強いることになり、人々が死ぬに任せるだろう。分別のある人は克服する、それもすばやく。

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ジュリアン・ロバートソン氏

◆9月26日

 このブログではドルが下落することを言い続けてきている。特に鳩山政権となって、藤井財務大臣が円安政策は採らない、と言っているのを見ても、ドルは下げる傾向が続きそうだ。
 現在ドルは90円を切ってきた。今年中にどこまで下げるのか、という点ではまさしく80円台、87円前後と見る意見が多い。実際はそんなものではすまないかも知れない。
 ジョージ・ソロス氏のクォンタム・ファンドと並ぶ世界最大級のヘッジファンドであるタイガー・マネージメントを率いたジュリアン・ロバートソン氏は中国と日本が米国債を買ってくれねばアメリカは破滅すると言っている。
 日本は上記のように藤井財務相の発言にあるように、頼りにならないし、中国もこのブログで示してきたように、ドル資産を現物の金や銀、その他高級不動産、などに投資することを国民に奨励しているくらいだから、ドルを売りこそすれ買い増しする勢いはもはやない、と言える。せいぜい調整程度であろう。

 9月30日のアメリカ会計年度の末日が近づくにつれドルの動きは要注意だ。

 
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●アメリカは、中国と日本が負債を買ってくれねばハルマゲドンだ
【9月24日 CNBC】
 アメリカは日本と中国が我々の負債を買い上げてくれることに全面的に依存しているので、彼らがそれを停止すれば、厳しい経済問題に直面する、とタイガーマネージメントの創設者で会長だったジュリアン・ロバートソン氏がCNBCに語った。
 「もし日本と中国が我々の負債を買ってくれねばハルマゲドンだ」とインタビューでロバートソン氏は語る。「どこから資金を得ることができるのか知らない。どうも我々はとんでもない状況に自らを追い込んでしまったようだ。そこからなんとかして脱出しなければならない」

 ロバートソン氏は、外国が我々の債券を買うことを停止すればインフレが大きな問題となる、と語った。
 「もし中国と日本が債券の購入を停止すれば、我々はすぐ15から20%のインフレに見舞われるだろう」と語った。「これは経済の問題ではない。これは彼らが金を貸してくれねば、誰が貸してくれるのか、という問題なのだ。我々がこの二つの国に完全に依存する状況を考えてくれ。大変なことだ」

 ロバートソン氏は、中国は米国債を購入することを停止するとは思わっていないが、日本は最終的には長期国債を売らざるを得なくなるだろう、と述べた。
 「それは買わないことよりもっと深刻なことだ」と彼は言う。「その他には、彼らは殆ど短期国債だけを購入している。そしてそれは我々が提供しているものだ。それは我々は長期債を売ることができないからだ。ご存知のように、歴史は、短期の借り入れをする人は火の車に見舞われることを示している」と語った。
 
 この問題を避ける唯一の方法は、経済を成長させ抜け出るしかない、と語った。
 「アメリカは大量消費を改め、節約に徹し貯蓄をすることだ。そして、以前の状態にもどらねばならない」と語る。「そうならねば、迷い込んだ森から抜け出ることはできない」
 ロバートソン氏は短期的にはそんなに楽観論者ではない。
 「我々は相当まずい状況にある」と彼は語る。「リセッションは少なくとも一時的には超えたと思う。しかし、我々には取り組んでいない多くの問題があり、また、あまりに多くの金を借りたので、中国と日本が我々の負債を買ってくれねばそれを返済することができなくなっている。


●「円安政策とらない」藤井財務相、米に約束
9月25日10時38分配信 読売新聞
【ピッツバーグ(米東部)=森田将孝】藤井財務相は24日午後(日本時間25日未明)、金融サミットの開幕前にガイトナー米財務長官と初めて会談した。
 藤井財務相は会談後に記者団に対して「他国のような通貨安政策には反対で、円もそう対応すると申し上げた」と話し、ガイトナー長官に安易な円売り・ドル買いの市場介入などによる円安政策は取らない姿勢を伝えたことを明らかにした。通貨当局の責任者が公式の会談で為替介入しない方針を伝えるのは極めて異例で、発言が為替や株式市場に与える影響が懸念される。
 藤井財務相は米側に「自国通貨安の政策をとる傾向もあるようだが、(4月の)ロンドンサミットにおいて駄目となった」と伝えたことを明らかにし、このような方針に対して「ガイトナー長官は非常に好感を持っていた」と述べた。
 ただ、藤井財務相は「ガイトナー長官が基本的にドルは強くなくてはならないと言っていることは多とする」とも述べ、自国通貨を強くしたいとする米国側の立場にも理解を示した。
 また、藤井財務相はガイトナー長官に、鳩山政権が衆院選の政権公約で掲げた内需中心の経済政策に切り替える方針を伝えた。米国は貿易赤字などの改善のため、中国や日本などの輸出国に内需拡大を求める「世界的な経常収支の不均衡」の是正を提唱しており、ガイトナー長官からは日本の内需拡大方針に共感を得られたとしている。
 円安政策を取らずに円高になれば、輸入品が安くなるなど内需振興に寄与しやすいとの見方があることについて、藤井財務相は「そういう意図した為替政策は取らない。為替市場は自由経済の牙城で、安易に公が介入するというのはどうかと思う」との認識を示した。
 金融機関の自己資本比率規制の強化については「基本的に健全にしていくことは賛成だが、早急にやるとかえって貸し渋りを起こす傾向があるとも理解をしてもらった」と述べた。

ドルは下落する?

◆9月25日

 アメリカ経済活動は上向いたと、連邦準備制度理事会は23日発表した。景気は底入れをした、というのだ。
 しかしレーガン政権時代の財務次官だった、ポール・クレイグ・ロバーツ氏は政府発表の中味は嘘だ、と言っている。
 このブログでもアメリカ経済はこれから更に深い底に陥るという点を指摘してきた。それは下記にもみられるように、経済の実態は少しも良くなっていないからだ。銀行の破綻は継続中だし、雇用はますます悪化している。住宅の差し押さえもまだまだ継続しているし、これからは商業用不動産の破綻が問題になりだすだろう。
 こうして政府の示す数字上の景気回復と、実際の経済の悪化との乖離が一層激しくなり、ついにその矛盾が誰の目にも明らかとなるだろう。


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●経済もまた嘘の一つだ
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=15326
【9月22日 by Paul Craig Roberts】
 アメリカ人は米政府からはなにも真実の情報を受け取ることがない。経済に関してももそうだ。アメリカ人は経済的にどん底に落とされ、100万の学童がホームレスになっている。だが連邦準備制度理事会のバーナンキ議長はリセッションは終わったと語る。

 流れるニュースはより空虚な内容となっている。消費者支出はアメリカ経済の70%を占める。それは経済を支えている。これがストップしている。超富豪を別として、21世紀には消費者所得に成長はない。ジョン・ウィリアムズ氏は統計学の専門家だが、彼のshadowstats.com では、世帯収入は2001年をピークに下落が続いていると報告している。

 アメリカ経済は 消費者所得の成長を消費者負債での成長で置き換えることで成長を維持してきた。連邦準備制度理事会議長のアラン・グリーンスパン氏(当時)は、低金利をもって消費者負債を奨励した。低金利は住宅価格を押し上げ、アメリカ人に彼らの住宅を借り替えることを可能ならしめ支払いを可能にした。クレジット・カードは不動産とエクィティの価格が上がる期待で、最高限度まで使用され積もった負債の支払いに使用された。浮かれた騒ぎは不動産とエクィティのバブルがはじけることで終わった。
 消費者はもはや負債を増やすことができなくなり、収入は上昇せず、成長する消費者経済の基礎はなくなった。
 まさに、統計は消費者は金銭的に生き残るため負債の支払いを続けていることを示している。消費者が成長の鍵となっている経済では困ったニュースだ。
 投資銀行は過去から学んだ教訓を破棄した欲に駆られた規制緩和のおかげで、消費者より大胆になり、新しい高い目標に向かって投機的なレバレッジを掛けた。
 ラリー・サマーズ氏とゴールドマン・サックスのヘンリー・ポールソンCEOの扇動で、証券取引委員会とブッシュ政権は債務レバレッジに対する規制をはずして協力した。
 バブルが破裂すると、桁外れのレバレッジは金融システムを崩壊の脅威にさらした。米財務省と連邦準備制度は誰も知らぬ間にこの“金融システムを救済するため”に何兆ドルもの資金を注入した。これは経済危機を引き起こした欲に駆られたこれらの金融システムを救済するためにアメリカ市民の老後のたくわえの半分を奪うことを意味した。
 銀行ではなく消費者が痛めつけられた。不良資産救済プログラム(TARP)の7000億ドルで生き返り、連邦準備制度の拡大されたバランス・シートで銀行はまたもやヘッジファンドのような振る舞いをしだした。レバレッジを効かせた投機は、現在の株式市場の上げ相場でもう一つのバブルを生み出しているが、それは経済の回復を意味しているわけではなく、いくつかの投資銀行と彼らの米政界の友人らによるアメリカ人の富の強奪である。利益を巻き上げているゴールドマン・サックスは職員に対し数十万ドルのボーナスを発表した。


◆残りのアメリカ人は手ひどく痛めつけられている
 
 失業率の数字はクリントン政権時からフィクションである。この失業率はアメリカ人で1年以上も失業状態にあり求職活動をあきらめた者の数は含まれていない。報告されている10%という率は、長期にわたって失業状態で苦しんできて、もはや失業者の数に入っていない数百万人のアメリカ人を考えれば控えめな方なのだ。毎月、失業者は何もしないで時をすごすだけなので、失業者のカテゴリーから外れるのだ。
 インフレ率は、特に“コア・インフレーション”は、もう一つのフィクションだ。コア・インフレーションはアメリカの二つの最大予算アイテムの食糧とエネルギーを含んでいない。消費者物価指数(CPI)はクリントン政権のボスキン・コミッション以来、もし製品の価格が上昇すれば、消費者はより安い製品と替えることを想定している。これは、そのとおりだろうが、このようなインフレの計り方は、CPIは過去のものと比較する意味がないことを意味する。

 ボスキン・コミッションのCPIは、インフレ率を下げることで、GDPの成長率を上げるものだ。この統計的な操作の結果は、控えめのインフレ率であり、そのため本当の社会保障収益の本当の価値を損ない、更に成長率の誇張だ。
 過去のアメリカの繁栄の時期に、アメリカ人の収入は生産性と共に上昇した。 それは本当のアメリカ人の収入の増大であり、それがアメリカの経済を推進した。
 今日のアメリカは、増大している収入を示している分野は、金融セクターであり、それは過度のレバレッジと、アメリカ人の労働を外国人のもので代替している実業界の上に乗っているアメリカの将来を危うくしている。
 今日のアメリカで幅を利かせている補償規定と株主の収益を強調する環境下で企業の役員らはアメリカ人の雇用を最小化することで収益と補償を最大化している。
 これを主要メディアや外国の企業にへつらうエコノミストの中でこのことを認めるものを見つけてみてほしい。
 下落の最悪の部分はこれからだ。銀行破綻と住宅差し押さえはこれからがピークとなる。商業用不動産の破綻はこれからだ。ドルの危機は増大している。
 それが来た時、アメリカは巨大な予算を組むために、あるいは貿易赤字のために苦労し、世界はドルの下落による被害を避けようとして、金利は劇的に上昇するだろう。

 今年の春からアメリカドルはペッグしているものを除けば、全ての通貨に対し下落している。スイス・フランはドルに対し14%上昇した。カナダ・ドルからユーロ、あるいはポンドなど全てのハードカレンシーは、今年の4月以来少なくとも13%は上昇した。日本円もそれに続いているし、ブラジルのレアルは25%上昇した。ロシアのルーブルでさえ、米ドルに対し13%上昇したのだ。
 最も安全な投資がドルに対抗するものであるという回復とはどんな回復なのか?
 私の時代のアメリカの世帯は、夫が働き、妻は家事に携わり子供の養育をしていたが、今日では殆どそういう例を見ない。多くの場合、全部とは言わないが、世帯のメンバーは家計のために仕事をしなければならない状況にある。しかし、仕事は無くなりつつあり、パートタイムの仕事も同様にない。

 財務省で次官補として働いていた時使用された方法による計り方で計れば、失業率は今日では、20%となる。更に、これを減らす明確な方法はない。生産の現場に労働者が戻ってくることを要請するために、低金利政策を待ち望んでいるような、金利の上昇で労働者を臨時的に解雇した工場はない。
 仕事は外国に移転してしまった。アメリカが繁栄していた時代、CEOは顧客、労働者、株主にたいし同等の責任があるという考え方を叩き込まれていた。
 この考え方は根絶された。ウォール街に押され、また「過大視された株主の利益」を約束する乗っ取りの恐れから、また「能率給」により煽られて、CEOはアメリカ人を安い外国の従業員で代替させるあらゆる方法を用いた。

 失業率20%、また職をみつけることのできない優秀な工学の卒業生の存在にもかかわらず議会は外国人に対する6万5000ドル/年の H-1B就労用ビザを支持し続けている。
 大恐慌以来最も高い失業率の只中で、能力のあるアメリカ人ワーカーがいないと考えるのは愚かなことではないか?

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オーストラリアの高級住宅とその売り手たち

◆9月21日

 中国が金や銀、あるいは鉱山などへの投資を加速しているということは既にこのブログでも指摘した。以下の記事は、中国はオーストラリアの高級住宅不動産に対しても購入を進めているという話である。
 米ドルが近いうちに崩壊することを見込んで、今のうちに価値ある実物を買っておこうという意図のようだ。アメリカの差し押さえられた住宅などには手を出さないのだろうか? とにかくドルが紙切れに近くなる前に、という意図があるらしく国策のようにして買いあさるつもりなのであろう。

 このような中国のドライな動きに対し、日本では鳩山政権となり、少なくとも、ドルの国債は買い増さない、というような消極的な仕方ではあるが、米ドルが増えない方向で対処しようとしているようだ。
 
 いずれにせよ、最大のドル準備金保有国である中国がこの動きであるから、ドルの近未来における下落、急落、暴落は避け得ないであろう。


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●中国の不動産投資ブームとドル崩壊
【9月18日 Rense.com】
 オーストラリアは中国の加熱された不動産ブームの中にあるが、後の世界は金融危機の中に沈んでいる。
 中国政府は金持ちの中間層の人々に自分らのドル資産でオーストラリアの最高級不動産を取得することを許可した。
 2009年3月、オーストラリアのウェイン・スワン財務部長はオーストラリア・フォーリン・インベストメント・ボードを通して、オーストラリアの外国人が不動産を購入する面での制限を取り払って、オーストラリアの住宅不動産市場の水門を開いた。
 以前は、永住権を持つ外国人のみが FIRBの許可なしでオーストラリアの住宅不動産を取得できた。今や、短期の滞在ビザを持つ誰でも政府の許可なしに購入することができる。
 この政策はアメリカ向けの消費者用製品を何年も続けてきた輸出によって中国が獲得した資金に狙いを定めている。
 オーストラリアの財務部長の示したこの政策の説明は、金融危機で収縮した経済を支えた政府自身の刺激策を支援するものとなっている。

 批判する者たちは、オーストラリアのFIRB政策の変化は、実際は、中国の中国アルミ業公司(Chinalco)がリオ・チント社を買収しようとしたのを拒否したことに対する中国に対する残念賞だ、と言っている。
 中国は195億ドルの投資を阻止されたことを怒っていることは理解できる。中国はオーストラリアの最大の輸出市場として日本にとって替わろうとしている。
 オーストラリアの最高級の贅沢な不動産市場は、何人かのアナリストが言っているドルの崩壊が起きる前に、実物資産を購入しようとする中国のホットマネーで沸いている。
 メルボルンの高級住宅街のあるボールンダラにいる住民は、市場をゆがめそこから自分らを締め出し、隣人がアジア化している現状を引き起こしている洪水のようなドルの流入に怒っている。
 オーストラリアの人口は2100万人で、アメリカ合衆国に近い広さを持っている。中国の人口は13億人で、オーストラリアの比較的人口の多いメルボルンとシドニーの両都市からは、中国まで飛行機で短時間で到達できる距離にある。
 オーストラリア政府が採った新しく適用される開放政策で、金融、社会面での影響が出ており、それに怒っているオーストラリア人は多い。
 情報の多い人々はFRBの無責任な紙幣印刷の因果関係と、世界の準備通貨としての地位の乱用に言及しFRBを指弾している
 彼らは、連邦準備制度(Fed)がインフレ圧力を輸出している点、および世界中の多くの国々で増大しているアメリカ問題を非難している。中国のホットマネーはFedの無責任な行動の結果である。
 最近のレポートでは、中国政府はアメリカ・ドルの崩壊について非常に懸念していて、自国民に対して金・銀の購入を勧めている。最近までそのような購入は中国人は制限を受けていた。政策が変わった後、中国銀行は金や銀を買う、心配顔の中国人で溢れた。金の現在の価格は1オンス1000ドルを超え、銀は17ドルを超えている。
 中国首脳は中国人の富裕層に対し安定した海外の国に投資するよう促している。こういった投資を煽るため、中国は最近海外に送金する自国民に対する制限を緩和した。オーストラリアの豊富な商品経済は中国にとっては価値あるものなので、ドルを投資するに都合のいい国と考えられている。
 オーストラリア通貨は商品通貨だ。米ドルが下がれば、オーストラリア・ドルは通常は上がる。1米ドルで1.13オーストラリアドルを買える。これは昨年の1.40ドルより下がった。為替トレーダーは、来年の早い時期に、あるいはドルの崩壊時には同価値になると期待している。
 これらの不吉なサインに加えて、破綻したウォール街の銀行の詐欺的なデリバティブ契約についてはデフォルトを宣言すると中国が発表した。アメリカの通貨および財政政策を批判する者たちは、ドルの崩壊は避けがたいことと語っている。
 中国ははっきりとドルは危機的状況下にあると見ていて、同様の見方をその行動で示している。
 思いもよらなかったオーストラリアの不動産市場ブームは、米ドル鉱山の中に入ったカナリアなのか? そうだと言う声がする。

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