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ロン・ポール上院議員

◆9月18日

 巨大な金融機関の救済のために数兆ドルを流し込み、それで一時的に景気がよくなったかのような錯覚を我々は得ているのかもしれないが、アメリカのロン・ポール上院議員は今のアメリカの連邦政府ならびに連邦準備制度の政策は問題の解決には繋がらず、かえって連邦政府自身が巨大な不良債権となり、にっちもさっちも行かない状況になりつつある、と指摘している。

 また表面に出ている失業率は9.7%と言われているが、それはまやかしであり、職を探すことをあきらめてしまった人々をも含む数字を見れば、それは既には16.8%まで上昇している、と指摘している。この状況は日本でも同様であろう。だから、よく景気回復は実感できない、という言葉が出てくるのだ。

 これからもこの失業率増加はとどまらないであろうし、銀行の破綻件数も増え続けるであろう。これに年金問題などが加わることで、この傾向が継続することはほぼ間違いないのだから、やがては臨界点を迎え、連邦政府も連邦準備制度も持ちこたえることができなくなり、崩壊していくことになるだろう。


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●ロン・ポール議員:連邦政府は一つの巨大な不良債権
http://rawstory.com/08/news/2009/09/14/ron-paul-no-recovery/
【9月14日 By David Edwards and Daniel Tencer 】

 アメリカ経済は実際には昨年の金融危機以来も回復していないし、アメリカの中央銀行である連邦準備制度の政策は厳しい時期は継続すると指摘している、と14日、ロン・ポール上院議員は語った。

 「彼らは回復は見られると言っているが、働く人々によってそれは判断されるべきだ。実際の失業率は今や16%になっている。そしてお金を失った人々はそれを取り戻してはいない。家を失った人々はその家を取り戻すまでになっていない。回復はしていないのだ」とポール議員は語った。
 公式発表の失業率は8月で9.7%だが、ポール議員は職を探している人々だけでなく職探しをあきらめてしまっている人々をも勘定に入れる、「U-6}として知られるより広範囲な失業率指標に言及している。つまり公式発表の失業率とは既に職探しをあきらめてしまった人々は数えられていないのだ。
 8月、この広範囲のU-6失業率は16.8%にまで上昇した。これは大恐慌以来最悪だった1982年の景気後退時から見て、2.5ポイント高い数字だ。

 「回復はされていない。ここに言われているあらゆることはでたらめばかりだ」とCNNのキーレン・チェトリー氏にポール議員は語った。
 ポール議員は彼の新著である「連邦準備制度の終焉(End the Fed)」のプロモーションでCNNに出た時、この本の中味について語り、連邦政府がウォール街の救済に乗り出したことで、連邦政府自身が今や「巨大な不良債権」になってしまったことを指摘している、と語った。
 チェトリー氏はポール議員に、ニューヨーク・タイムズのコラムニストでノーベル賞受賞者であるポール・クルーグマン氏を含む著名なエコノミストらが連邦準備制度は世界経済を昨年大恐慌から救ったと主張していることについて尋ねた。
 「連邦準備制度はウォール街に対してはいい事をしたのでしょう。しかし平均的市民は多くのお金を失った。連邦準備制度は多くのクレジットを出し景気を刺激し、巨大機関の救済を行い、そこの役員らにボーナスを与えた。そしてそういった者たちが回復を語っているだけだ」。
 ポール議員は更に、「契約法を励行しなければならない。そうすることでもしへまをやらかせば、破産させるようにしなければならない。我々はこのような者たちを保護するべきではないのだ」と語った。
 「私は経済が回復しているとは思わない。失業するものたちの数は増え続けている。我々はずっとまずいことをしてきているのだ。我々は大恐慌時代にしたことをしている。1990年代に日本人がやったことをしている。それは悪い投資を更に下支えすることだ」「もし悪い負債を下支えすれば、そしてそのために金を投入すれば、苦痛が長引くだけだ。今進めている政策からは何もいいものは出てこないと思う」と語った。

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FRSのあるエクルズ・ビル(Eccles Building)

◆9月17日

 アメリカの景気は底を打った、という見方が出てきている。確かにある数字ではそうなっているのであろう。しかしこれは応急処置がとりあえず功を奏している、というレベルであり、根本的な解決がなされたわけではないのだ。
 従って下記のように更なる経済の悪化を指摘するエコノミストがいてもおかしくない。わずかに傷を覆ったかもしれないが、中で腐敗が進んでいるのだから、やがてそれは手に負えない状態に陥り、やがて外部にも現れてこざるを得ないであろう。


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●エコノミストは、二重落ち込みの景気後退を警告
http://www.ft.com/cms/s/0/e6dd31f0-a133-11de-a88d-00144feabdc0.html
【9月14日 By Robert Cookson and Sundeep Tucker】
 世界は経済の落ち込みの核心部分の問題を解決していないので再度景気後退に落ち込むだろう、と主流派のエコノミストには殆どいなかった、金融危機を予想したエコノミストが語った。
 香港でのシボス会議で14日、国際決済銀行の前チーフ・エコノミストだった評判の高いウィリアム・ホワイト氏は、短期の経済支援をする政府の姿勢は将来の危機の種を蒔いていることになる、と警告した。
 「我々はW字型の景気後退に入っていくのか、と言えば、おそらくそうだろう。我々はL字型なのか、と言えば少しも驚かないだろう」と、二重落ち込みの景気後退と言われるリスク、あるいは1990年代に日本が陥った長期の停滞に言及しながら、彼は語った。
 「唯一つ私が驚いたのは我々がいた状態からすばやい、そして持続可能な回復だ」と述べた。

 1995年から2008年まで銀行の中央銀行の経済部門を担当したホワイト氏のコメントは、重要だ。彼は金融危機が起きる前からその可能性に言及していた数少ない老練なエコノミストだからだ。
 ホワイト氏は、繰り返し世界の金融システムの危険なアンバランスな状態を2003年ごろから警告し続けており、当時の中央銀行界のタブーを破って連邦準備理事会のアラン・グリーンスパン議長に対し、彼の継続的な安いマネー政策を非難した。
 14日ホワイト氏は、ひとたび政府と中央銀行がかつてなかった刺激策を撤退させた場合、世界経済の中で生き残る経済の芽があるのか、という疑問を示した。「新芽が本当にでているのか?問題はどんな肥料が使われているのか、ということだ」と語った。
 世界中で、中央銀行は金融システムに対して恐慌を避けるため、過去2年間で数兆ドルもの新たな資金を注入した。政府は政府で似たような極端な政策として、銀行から自動車業界まで下支えするため巨大な負債を請け負った。こういった政策は既に株から商品に至るまで、アセットプライス面でのバブルを拡大していくだろう、と語り、もし中央銀行がその出口戦略で時期を間違うと、中期的にはインフレがコントロール不能になる危険がある」と語った。
 また世界経済の中での潜在的な問題、例えばアメリカとヨーロッパ、アジアとの間の貿易の持続不能のアンバランスの問題などが解決されていない、と指摘した。
 シボス会議にはジョセフ・ヤム氏が参加したが、この人物は香港金融管理局の局長を16年間務めた後辞職したところだ。ヤム氏は、金融面でより一層の安定化のために仕事をしている者たちが直面している多くの課題について語った。
 厳しい内容の演説でヤム氏は、銀行の大きな利益と役員のボーナスは投資効率を下げ金融危機の可能性を増大させると語った。
 ヤム氏は、翌月今のポストを辞職すれば、中国の中央銀行である中国人民銀行の顧問となることが決まっている。
 民間の短期の利益の金融機関が利益を最大化せんとすることと、経済に刺激を与えた政府の効果的な金融仲介活動との間に軋轢があると指摘した。「この軋轢はあまり語られていない。中央銀行のフォーラムでもだ」と語った。

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テント住まいのアメリカ人

◆9月14日

 アメリカの実際の経済状態はどうなっているのか、ということがこのワシントン・タイムズ社のレポートである程度分かる。貧困というレベルにあるアメリカ人が8人に1人と言う割合になっているという。年収が1万ドルちょっとというのは、約100万円の年収ということになる。また少数民族の中では、下記にあるように、4分の1の割合で貧困レベルにあることが分かる。

 この貧困化はこれからも増大する傾向を持っていると見ていいだろう。すると生活そのものができなくなった人々がどういう動きをとるようになるのか、ということについて、おそらく誰も語りたくない内容があるだろう。
 アメリカにはこれから長い暗い日々が待っていることは間違いないし、それは結局は世界全体に広がることも間違いなく、これから世界はこの問題に直面せざるを得なくなる。


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●アメリカ人の貧困率は8人に1人
http://www.washingtontimes.com/news/2009/sep/11/poverty-hits-1-in-8-americans/
【9月12日 by Joseph Weber】

 昨年からのアメリカの景気後退とレイオフで約250万人のアメリカ人が貧困以下のレベルに落ち込んだ。このためアメリカの貧困率は1998年以来最高となったと、センサス・ビューロ社が10日報じた。

 例年の調査で、アメリカ人の8人に1人(13.2%)が年収10,991ドル(4人家族で22,025ドル)、週200ドルちょっとで生活していることを示している。
 このレポート内容は日々貧乏人、ホームレスの人々とかかわっている者には驚きでもなんでもない。
 コロラド・ホームレス連合のB.J. イアチノ広報部長は、要請があるため支援する対象となる人々の枠を限界にまで拡大していると話した。「住宅や医療および精神的な支援を要請する人々が劇的に増大している」と語った。
 北カリフォルニア・ルーテル社会奉仕協会のバーバラ・ドロハー・クライン会長兼CEOは、経済危機は多くの家庭を食糧、住宅、雇用などの面で追い詰めつつある、と言う。
「これは本当に記録的で大規模なものです」とクライン氏は語る。彼女の管理事務所はカリフォルニア州のコンコードにある。「フレスノは厳しい状況にあります。それはベーカーズ・フィールドにまで続いています。それは、いずこも同じ、と言う感じで、一体人々はどうやって生きているのか、という感じです」と語る。「誰でもここではできる限りのことは何でもしようと必死です。まったくひどい状況です」と言う。
 増大する貧困率はアメリカ人の収入の減少と一緒だということをこのセンサス・ビューロ社のレポートは示している。平均的家庭の収入は昨年52,163ドルから50,303ドルに減少し、この4年間で始めての減少となった。
 このデータはまた貧困が偏った形で影響していることを示している。18歳以下の子供のいる家庭では19%が貧困家庭となっている。昨年は18%だった。
 「我々のところにくる家庭は増えています。それは一つの流れとなっています」とイアチノ氏は語る。

 増大する貧困化の影響は少数民族の間とある一定の地域にも偏って現れている。ビューロ社の報告では、2008年ではヒスパニックの23.2%、黒人の24・7%が貧困以下のレベルの生活をしているとある。
 最も厳しい州は中西部にある。そこでは貧困率は昨年の11.1%から12・4%に上昇し、西部では12.0%から13.5%に上昇した。北東部と南部では統計的には変化はでていない、とセンサス・ビューロ社は言う。
 中西部の貧困増大は一部は自動車産業でのレイオフによる。この問題ではデトロイトと周辺地域が特に影響が激しかった。
 「今のこの時期は、冬期でもないのにより多くの人々が来ている」、と語るのは、ミシガン州のランシングにある市営救済奉仕団のマイク・ヘイズ氏だ。失業者用に準備する宿泊用ベッド数を24から44に増やしたと言う。それはいつも埋まってしまうという。
 「売りに出されたり、空き家となる住宅はますます増えている。今まで見たことの無い数だ。ミシガン州はまったくひどい」と彼は語った。

 センサス・ビューロ社の統計係りのチャック・ネルソン氏は貧困数は2007年12月から始まった景気後退を反映している、と語る。この景気後退で貧困が増えて減収が起き、それが現在進行中のリセッション中ずっと継続している」と語った。
 ビューロ社のレポート「2008年:アメリカの収入、貧困、および健康保険制度」では、健康保険制度加入者数も伝えている。この制度の改革を10日オバマ大統領が語った。
 この制度に加入していない人々の数は、ビューロ社によれば、2007年の4570万人から2008年には4630万人に増大した。同じ時期、個人で健康保険に加入している者の数は2億200万人だったのが2億100万人に減少し、政府の健康保険に加入する者の数は8300万人から8740万人に増えた。企業の健康保険に入っているものは、1億7740万人から1億7630万人に減少した。
 ネルソン氏は、ワシントンで行われている健康保険制度改革の激しい議論の応酬があるにもかかわらず、会社は統計を発表することでの政治的な圧力は何も感じていない、と述べた。「我々としては、毎年一番重要な時期なのです」と彼は語った。

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中国が狙うゴールド

◆9月13日

 中国が鉱物資源、並びに特に金、銀などの貴金属を買い集めている、という件をこのブログでも扱ったことがあった(9月5日号)。
 その中国の金買いの動きの第2弾としての今回の記事である。

 下記にあるように、ドルの下落に対する対処としての側面と将来を鑑みての戦略的措置として、特に金をしっかりと購入し始めているようだ。従って現在のレートである金1オンス1000ドルというのが、今後の目安になりそうだ、と言うことが語られている。これが新しい金価格の基底になりそうだ、という。すると今買っておいても大きく下げるリスクは少ないと言えるのかもしれない。

 おそらくドルは中国がその準備金を金に向けなくとも、他の要因ででも下げる傾向は続きそうだから、中国の姿勢は当然と言えば当然であろう。
 その反面日本はどうするのだろうか。アメリカの意見ばかり拝聴してきた自民党政権が倒れ民主党政権になることで、今後は日本もドルとのかかわりが更に薄くなっていく傾向とはなろう。民主党政権は今後ドルの国債を買うことは、あったとしても少量であろう。できれば民主党政権にも金を準備金のかなりの部分としてもらい、将来に対する備えを強固なものにしてもらいたいものだ。

 今日本政府が持っている金(765トン)の大部分はアメリカのノートフォックスの金庫に納められていると聞いている。これでは何にもならないから、徐々にでいいから、現物を日本に運んでくるべきではないか。それともその現物は実際には存在しないのかもしれないが・・・


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●金(ゴールド)市場における中国の増大する巨大な影響
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=15170
【9月12日 by Lawrence Williams】
 近い将来、中国の成長する経済力が金価格を支配する傾向を強めることに疑いの余地はない

 中国の金融力が世界的な金価格を効果的にコントロールする力を持っていることに疑いの余地はない。中国がドルの下落に備えて公式に金を準備金にしている、という報道がちょっとでもあれば、少なくとも金価格は安定するし、中国がそうしていることを疑う余地は殆ど無いようだ。しかし今のところは、ドルを不安定化させようとしているわけではないし、また金価格を暴騰させようとしているわけでもない。
 しかし、もし中国が、数兆ドルものドル資産の内、適切な分量を金と交換するため、金の大掛かりな購入を発表をしてドルの不安定化を目指そうとすれば、彼らはそれを実行できるだろう。これは通貨戦争で欧米を屈服させようと思えば、おそらく核兵器より一層強力な経済的な武器となる。しかし、それをしようとするとは思えない、少なくとも、中国の国内市場が欧米に輸出する中国製品を吸収できるほど大きくなるまではないだろう。
 つまり中国はまだ輸出市場に大きく依存している状態で、人民元の平価切上げは望ましいものとはなっておらず、ドルの下落を懸念している。従って中国は世界経済の均衡を保つよう注意深く進まねばならないはずだ。
 しかし、明らかに中国はその金融の支配力を行使しだしている。
 中国は、中国国営金融企業は詐欺的な商品やデリバティブ取引に対しデフォルトの権利を有する、と発言した。これに対し影響を受けそうな金融業界からの反応は沈黙に近かった。これはアメリカではなく中国の金融力が世界的な金融危機の調整を主張しているからだ。
しかしこれは欧米の金融業界や既に苦しい状況にある銀行システムに一層の重荷になるかもしれない。
 中国の国営企業は欧米のアセットの買いあさりをしている。それは投資として、鉱山セクターでは将来の戦略的な資源供給を掌握しておくためにという両面性がある。中国の動機に対する疑いを鎮める積極的な努力であろうか、これらの多くは資源供給の長期契約を持つ欧米の企業の中で、目立たない利害関係を通して進めている。
 
 金の問題に戻ろう。
 中国のトップのある高官は、中国が金を購入していることを実質上認めたが、それは少なくとも市場の安定を保つ程度の適切なレベルでのことで、市場を乱すようなものではない、ということは冒頭にあるとおりだ。それが本当ならば、そうでないという理由はほとんどないが、金を買ったとしてもその大幅な下落の危険は少ない、ということを意味するだろう。
 しかし中国は、金の価格上昇で起きるかもしれないドルの崩壊を望んではいないので、当然金価格の上昇をコントロールすることができる。
 我々はまた、インターネット上ではウィルスのごとくに拡大し、多くのコメンテーターらが取り上げた我々の論文が語っているように、中国の国営企業は金と銀の購入を一般大衆に勧めている。中国人は金を購入するという件では強い志向を持っている人々だ。その結果として、中国は貴金属購入で1番のインドを今年ないしは来年には抜く勢いである。中国は国内の鉱山業を後押ししている。中国は現在は金の最大産出国であり、産出量は上がり続けている。現在の金価格は1オンス1000ドルを超えてきているが、中国の国内の金購入量は今年前半期で14%上昇の446.6トンで、後半期には倍加すると見ている。
 これも金価格が、少なくとも現在の価格レベルを維持する支えになる。金価格がちょっと下げると買いが入るが、それは中国が買っているからだと言われているがはっきりとはしていない。
 現在の金価格は、巨大な利益を得ようとする心理的レベルの1オンス1000ドル付近に来ているにもかかわらず、それ以下にはならないようだ。疑惑は、中国は金価格1オンス1000ドルないしはその付近を底にすることを願っている、というものだ。しかしそれが公式に認められるということはなさそうで、この中国の市場の下支えが実際のものか、金に期待する者達の夢想するところのものなのかを見極めるにはもうしばらく待たねばならない、

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ドルの運命は?

◆9月8日

 ドルが世界の準備通貨として今まで世界に君臨してきたが、そのドルが今回の金融危機で揺るぎ始めており、特にBRICsといわれる国々はドル離れを加速している。
 今回は国連の組織である国連貿易開発会議がその報告書の中で、このドルに変わる国際通貨制度に言及したということで画期的なことになった。
 これで世界の体勢がドルに替わる新基軸通貨創設、という動きに拍車がかかると言ってよいだろう。

 この動きは当然ドルの価格の下落を意味するから、膨大なアメリカ国債を保有している中国、日本、あるいはアラブの石油産出国などの動きが重要な問題となってくるだろう。


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●国連はドルに替わる新世界通貨を望んでいる
【9月7日 Telegraph.co.uk】
 国連は、第2次世界大戦以後の世界の通貨システムの最大の建て直しのため、ドルに替わる世界的通貨の導入を提案した。
 国連貿易開発会議(UNCTAD)での思い切った報告の中で、世界の経済を拘束する通貨と資本のシステムの規則は適切に稼動しておらず、金融・経済危機の責任の大部分を追うべき存在だ、と指摘した。
 これに加えて、ドルが世界の準備通貨となっている現在のシステムは全体的な見直しの対象となるべきだ、と指摘している。
 中国やロシアを含むその他の国々は世界の準備通貨としてのドルに替わるものを提案しているが、このUNCTADの提案は主要な国際機関としてこのような提案をした最初のケースとなった。
 ようするにこの報告書では、ブレトンウッズ式の国際的為替レートの新システムを提案している。これは中央銀行が、世界経済の動きに従って自国の通貨に対する介入措置を取るよう要請されることになる。
 この提案はまた、現行のシステムでは、イギリスやアメリカのような赤字国が再調整の負担を負う代わりに、中国やドイツのように黒字国が自国の不均衡を更にカットして経済を刺激するべきだとされている。
 「ドルを人工的通貨に替えることは、赤字国のポテンシャルに関する問題をいくつか解決するかもしれないし、安定化に寄与するだろう」とこの報告書の作成者の一人であるデトレフ・コッテ氏は語った。
 「しかしまた為替レートの管理システムが必要となる。諸国は実際のレートを保持し安定化に努めねばならない。中央銀行は介入することが必要となろう。しなければ国際通貨基金のような国際機関からそうするよう要請されることになるだろう」と語った。
 この提案は、UNCTADの年次貿易開発レポートの中にあり、世界の通貨システムの建て直しのためのおおいに急進的な提案をしている。
 多くのエコノミストたちは経済危機はブレトンウッズ体制後の機能不全により一層の責任があると指摘しているのだが、今に至るもG20を含む国際的機関が代替制度を提案するまでには至っていない。


●国連:新たな世界準備通貨の創設提言-為替相場管理で安定必要
【9月7日 ブルームバーグ】
 国連は7日発表した報告書で、新たな世界準備通貨を創設し、国際貿易でのドルの役割を軽減することで、新興国市場を金融の思惑的な「信頼感競争」から保護する必要があると提言した。
  ジュネーブに本部を置く国連貿易開発会議(UNCTAD)は報告書で、国連加盟国は新たに世界準備通貨銀行を創設し、同銀が通貨発行および加盟国が保有する通貨の為替水準を監視することに合意する必要があると呼び掛けた。 米住宅ローン市場の崩壊をきっかけに金融危機が発生したことを受け、中国やインド、ブラジル、ロシアは今年、ドルに替わる主要準備通貨が必要だと訴えた。世界最大規模のドル準備を有する中国は、国際通貨基金(IMF)のSDR(特別引き出し権)など超国家通貨が安定強化につながるだろうと主張している。
 報告書の共同執筆者で、UNCTADのディレクターであるハイナー・フラスベック氏は、ジュネーブからインタビューに応じ、「為替相場管理のための多国間合意に基づく枠組みで、より安定した為替水準を達成できる確率はかなり高い」との見方を示し、「ブレトン・ウッズ体制や欧州通貨制度(EMS)に相当する取り組みが必要だ」と述べた。

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経済から宗教まで、時代の先を読み解くための作業を人間活動のあらゆる分野にメスを入れて行います。
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