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キエフの警備隊 -1月27日-

◆1月30日

 欧米勢力がロシアを孤立化させ、最終的に攻略しようとするのは、ロシアが地上で国際金融資本勢力の、あるいは新世界秩序勢力の影響下にまだ入っていないからであり、そのロシアが今のまま生き残るとすれば、彼ら金融資本勢力の目指す世界統合政府はできないからだ。

 今や時が迫っていて、事態は彼らがロシアを攻略できるのか、自分たちが自ら崩壊していくのかの瀬戸際にまで来ている。従って、これからの何年かはその最後の闘いが熾烈さを増す時期になるだろう。この戦いは地上的な政治・軍事・経済・文化・宗教的な闘いであるが、同時に背後の霊的・オカルト的闘いでもある

 かつてヒトラーが政権を握り、瞬く間にヨーロッパを席巻していったのも、その背後には霊的・オカルト的要素が絡んでの現象だったように、現在の世界もヒットラー当時からの流れが生きている。すなわち、目に見える政治・経済・軍事等の現象の背後には、霊的・オカルト的要素が絡んでいる。そしてロシアは今、世界征服を目指すその新世界秩序オカルト勢力の攻撃を受けているところである

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西ウクライナのクーデター (その2:最終章)
http://www.eurasiareview.com/25012014-coup-western-ukraine-arab-spring-unleashed-europe-analysis/
【1月25 By Andrew Korybko - Eurasia Review】

 ジェネ・シャープは、前奏曲としての、またこの重要な暴動の号令係りとしての働きをした、見たところ無害の戦略の首謀者であり、ジョージ・ソロスは資金提供者だ。諸国家はこの謀略に対して自分たちと一般市民を守り、世界の安定を維持し、反撃するために一致して働く必要がある。ヨーロッパでのアラブの春のようなこの運動は、自分たちの好むところでこの戦術を使用できるという陰謀者らの自信を示している。今日はウクライナである。明日は、「非欧米的非自由民主的」国家と定義されたどこかだ。

 ウクライナは、欧米がロシアに対抗することを狙った拡大された戦略地政学的ゲームの一部分として、欧米の干渉の焦点となっていた。ズビグニュー・ブレジンスキーは1994年に、「ウクライナ無しではロシアは帝国として留まることはできないが、ウクライナと共にあれば、それを取り込み更に従わせることで、ロシアは自動的に帝国になる」と書いた。

 一年とちょっと前、アメリカは当時国務長官であったヒラリー・クリントン女史を通して、できうる範囲内で、アメリカはロシアの経済的統合の動きを巻き返すようにするだろう、という声明を発表した。ロシアのユーラシア・ユニオン計画を「この地域を再度ソビエト的にする動きと描写した後、彼女は、「その目標が何であるか我々は知っているし、我々はそれを鈍化させあるいは阻止するための効果的方法を考え出そうと努力しているところだ」と脅した。 

 間違いなく、世界はウクライナとロシアの経済協力を鈍化させ阻止すると脅した時、アメリカが何を考えていたのかを目撃しているところだ。継続する混乱の圧力の下で、またほぼ完全に経済が崩壊の縁にあるという、ウクライナの安定が崩れることで、ユーロ・広場の「親EUの統合主義者」のゴールの嘘があからさまになった。EUが長引く騒乱による傷をなめながら、EUに加盟しようとする失敗した国家の未来のウクライナを受け入れるのか、あるいは、NATOとの共同で、ウクライナの崩壊を計画し、欧米の保護の下で自分たちに有利になるよう再建するのであろう。

 いずれにしても、「ヨーロッパへの道」という作り話はインチキだと暴露され、「ヨーロッパ統合」という名目で戦闘的抗議デモ参加者らが自分たちの国に行ったことから、一般の平均的市民にとっては完全に何もいいことはもたらされないのだ。

 多く語られた「停戦」は、反乱側が時間稼ぎをし、西ウクライナの行政府をできるだけ多く転覆させる活動を継続しようとするための何ものでもなかった。彼らは不幸にもシリアに関するジュネーブ会議2と同じくインチキである。両者とも、「反乱勢力」グループは政権交代が狙いであり、これのためには何でもするのだ。一切の活動、一切の言葉は、騙すための、武装解除させるための、抵抗を和らげるための嘘であり、そうすることで、彼らは当初からの国家的クーデターを一歩でも進めようとしているのである。

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ウクライナのキエフでバリケードを築く反政府勢力

◆1月30日

 ウクライナでの騒乱については、去年の12月23日号「ウクライナ騒動で起きたこと(その1)」から3回連続で掲載してきた。ウクライナをロシアから切り離し、EUに組み込むための謀略である。つまり純粋なウクライナ人自身の運動ではなく、外部の勢力が大きく関わっている。

 ロシアとウクライナとは歴史的・文化的・人種的に、まさしく兄弟国家と言える存在であるが、欧米金融資本勢力は、ロシアを弱体化させるために、ウクライナをEU側に組み込もうとしている。外部の勢力が絡んだ一種のクーデーター未遂事件となっている。

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●西ウクライナのクーデター (その1)
http://www.eurasiareview.com/25012014-coup-western-ukraine-arab-spring-unleashed-europe-analysis/
【1月25 By Andrew Korybko - Eurasia Review】

暴徒らはリヴィウの行政ビルを占拠し、知事の辞任を強要した。この地域で誰が現在、権力を握っているか分からないが、反政府勢力によって形成された傀儡政府がまもなく出来上がるようだ。「自治」の要求は、もしくは、あからさまな分離主義者の悪ふざけは、クリシコと彼の仲間に、「交渉」の期間中に民主的に選出された政府に反対する権力を更に追加するかもしれない。

 クリシコに率いられたもっと過激な活動が始まるかもしれない。1月22日、彼は、「弾丸の飛ぶ中、通りに出なければならないのならば、弾丸の飛ぶ中を行くつもりだ」と宣言しているからだ。バトキフシチナ党党首のアーセニー・ヤツェニュクは、ウクライナを事実上の内戦に引きずり込むクリシコの挑発的な脅しを支援した。彼は1月22日、似たようなことを語っているからだ。「明日1月23日、我々は共に前進するだろう。それが額に弾丸を意味するのならば、なるようになればいい。しかしそれが誠実で公正で勇気あるやり方だ」。

 両者がそれぞれ自分達の手下の暴徒らを、国内で流血騒ぎに追い込むよう煽るという脅しをしていることは明らかである。アラブの春の騒ぎのように、こういった扇動者らは無政府状態の地域に対する統治権力を獲得するため、政府権力によって「誰か自分達の仲間」が殺されるように煽っている。ヤヌコビッチによる本格的軍ないしはベルクートの介入はまさに、クリシコとヤツェニュクが望んでいるものだ。彼等にとっては、もっと多くの「抗議者」が死ねば更に都合がいいのだ。1980年代のポーランドでは、今ウクライナで見ているものよりもずっと規模の小さな騒乱でも、戒厳令が敷かれたことを想起すべきである。

 当局は反乱地域の秩序を回復するか、首都の統制を再度取り戻すよう試みるか、どうするかの厳しい決定を下さねばならない。状況は非常に厳しいし、このカラー革命とアラブの春の合体モンスターは、精神分裂病的に後者の方の性格を帯びだしている。リビヤのやり方は、外部の者たちがこのヨーロッパ内にパンドラの箱を容易にひっくり返せると思うほどまでに、明らかに「完成」されたやり方となった。

 10年以上前のセルビアの「ブルドーザー革命」以来、カラー革命の方式は改善され、アラブの春となり、今やこの二つはユーロ・広場に変貌し、我々の世紀の新しいタイプの戦争となった。グローバル化された今日の世界では、NGOという存在と、同時にテロリストと武器密輸入業者が情報機関の強い影響の下で狙った国に簡単に侵入できるため、この「社会的」武器・ウィルスの脅威は、高いものではなかった。3000人の中東のテロリストが、ウクライナの「反政府勢力」のある者たちを軍事的に訓練する必要でか、ルーマニアに移動する計画を持っていたということは偶然と考えるべきではない。これは、外部勢力は長期に渡って、出来る限り不安定化を深化させる意図を持っていることを示している。 

                     -その2に続く-

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バンダルはビン・ラディンの子分であり後継者であると指摘するジェームズ・ペトラ教授

◆1月23日

 地球上で最も退歩的政権がサウジアラビアの政権である。この国から今、狂信的なイスラム教スンニー派ワッハービ派のテロリストらが、世界の各地でテロ活動を展開し、ワッハービ派イスラム帝国を作ろうと世俗国家の破壊にいそしんでいる。これに調子を合わせて、利用しているごろつき国家が存在している。

 このような世界の末期症状の混乱がいつまで継続するのか、ということは、現代人の人間としての資質の問題になっている。シリアのアサド大統領が何回も言っているように、サウジアラビアがテロリストを支援しなければ、シリアの問題は2週間で解決するのである。

 この世界的テロ・ネットワークを構築し指揮しているのが、サウジアラビアのバンダル・ビン・スルタンである。この人物は現代世界の鬼っ子である。この人物にサウジアラビアがどう対処するか、が問題である。最悪の事態に至る前に彼を一切の要職から解雇する必要がある。それがサウジ王家のできる、最後の善行である。

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●サウジアラビアとバンダルの世界的テロ・ネットワーク (その3)
http://www.globalresearch.ca/global-terrorism-and-saudi-arabia-a-retrograde-rentier-dictatorship/5364556
【1月11日 By Prof. James Petras】


■バンダルのアメリカ離反:イラクとイランでの攻勢

 サウジアラビアはアメリカにとって極めて利用価値のある存在であったが、時にコントロールできなくなる相手であった。バンダルが情報長官となってからは、そのことが特に顕著となった:長期に渡るCIAのアセットであったが、当時も彼は彼自身の任務のために「気に入った者たち」を引き抜くことがあった。とりわけその「気に入った者たち」がサウジ権力構造の中で彼の昇進を後押しする場合にはそうだ。そこで、例えば、AIPACの反対にも関わらず彼がAWACsを獲得した力量は彼に多くの評価をもたらした。彼の力量で数百人のサウジ王家の者たちが、9・11事件の際に高度なセキュリティー問題の生じている中、航空機でアメリカを離脱できたということがあった。

 過去にエピソード的な違反例があった中、バンダルは更にアメリカの政策から離反する動きを取った。彼は、アメリカの代理的存在や、顧客、秘密工作員らと相克することがありながらも、サウジの覇権を最大限に拡大する方向で、自分自信のテロ・ネットワークを構築するという挙に出た。

 アメリカがイラクでは右派のマリキ政府を支援する事にしているのに、バンダルは政治的、軍事的、資金的な支援をスンニー・テロリスト・グループである、「イラクとレバントのイスラム国」を支援している。
 
 アメリカがイランと「暫定合意」を果たしたのに、バンダルは反対の声を挙げ、支援を「買い集めた」。サウジアラビアはフランスのオランド大統領の訪問の際に、イランに対する拡大された制裁を施すことを条件に、10億ドルの武器購入の契約を結んだ。バンダルは更に、アメリカとイランとの交渉を頓挫させるため、アメリカ議会に対し影響を与える為、イスラエルがそのシオニスト権力システムを使用することに対する支援を表明した。

 バンダルはアメリカの情報機関に対する初期の従順さを越えて動き出した。彼の過去と現在の欧米の大統領たちと政治的に影響力の大きい高官らとの間の近い関係のため、彼は「大国の冒険」に乗り出す意欲を持った。彼はロシアのプーチン大統領とあってシリアに対するロシアの支援を停止するよう説得しようとした。その際かれはニンジンと鞭を提示した:承諾すれば数十億ドルの武器購入を、さもなくばチェチェン・テロリストがソチ・オリンピックを脅かすという内容だ。彼はトルコのエルドアン首相を、シリアのアサドの敵である「穏健派」の武装勢力を支援するNATOの同盟国としての立場から離脱させ、サウジアラビアが支援するアルカイダ系テロリストの「イラクとレバントのイスラム国」を受け入れるようにさせた。彼は、サウジが訓練を施した大量のテロリストをシリアと恐らくはレバノンに移送させることを容易くさせるべく、エルドアンの支援を確保するため、イランとイラクと石油に関する売買契約を結ぶという、エルドアンの「日和見主義」的な動きや、彼がNATOと共に軍事的協調関係を継続していることや、エジプトのモルシ政権を支援していたことを「黙視」した。

 バンダルは、アフガンとパキスタンの武装したタリバンの対米抵抗活動に対し、武器を供給し資金を提供することで、同じくアメリカに対しては「合意された離脱」のための場所を提供することで、彼等との関係を強化した。バンダルは恐らくは中国西部のウィグルの過激派、ロシアのチェチェンとコーカサスのテロリストらに武器を提供し支援をしているし、更にはサウジアラビアとして、中国との石油に関する合意を拡大し、ロシアのガズプロムと協調している。

 サウジが直接的な軍事介入を行った場所は湾岸国のバーレーンである。そこではサウジ軍がその地の専制政治体制に反対する民主化運動を粉砕した。


■バンダル:国内の怪しげな基盤上の世界的テロ

 バンダルはサウジの外交政策の極端な変化に乗り出し、サウジの世界的影響力を拡大した。最悪の時は、反動的な支配者が権力を握り、民主的秩序をひっくり返せば、サウジアラビアはドルの詰まった鞄と共にその政権を強化する為にやってくるのだ。テロ・ネットワークが民族主義者、世俗主義者、あるいはシーア派政府を転覆させるために活動を開始する時はいつでも、サウジの資金と武器が来る事を計算に入れている。欧米のジャーナリストの誰かが、婉曲に退歩的なサウジ政権を「自由化し近代化する弱々しい努力」として描いたものは、海外のテロ活動の軍事的な強化である。バンダルはテロの近代的テクニックを、イスラム教徒の多い国で反動的支配のサウジ・モデルを押し付ける為に使用している

 問題は、バンダルの海外での大規模な「冒険的」な作戦は、支配する王家の、「内省的な」支配方式と相克することだ。彼等は何千億ドルもの石油収入を貯めて、世界中の最上位の資産に投資し、メディナやメッカ、聖地の敬虔な守護者を装いながら、ひそかにアメリカやイギリス、レバノンの女性のパトロンとなるため、そっとしておいて欲しいのである。

 今のところ、バンダルに敵対する者は出ていない。それは彼が、支配する王とそのインナーサークルの者たちに敬意を払う点で抜かりが無いからだ。彼は東西の首相、大統領その他重要な人物らをリヤドに連れ、あるいは買収して連れて来て契約を結ばせ、支配する専制君主の喜ぶお世辞を言わせてきたのだ。

 しかし、アルカイダ作戦を指揮しようとする熱心な態度、サウジの過激派に海外に行くよう奨励すること、そしてテロリストの戦争を始めることは、王族達を困惑させている。彼等はサウジが訓練し、武装させ、経験を積んだテロリスト、「聖戦士」と言われる者たちが、シリア、ロシア、イラクから帰還し、王宮を爆破することを恐れている。

 更に、バンダルのテロ・ネットワークの標的になった海外の国家が報復するかもしれないのだ:ロシア人、シリア人、エジプト人、パキスタン人、イラク人が、彼等自身の報復の道具となる者たちを雇うかもしれない。

 何千億ドルも武器購入に使っても、サウジ政権はあらゆる面で非常に脆弱である。部族軍団以外では、億万長者エリートは民衆の支持は殆ど無く、正当性は更に無い。彼等は海外からの移民労働者、外国の「専門家」、そしてアメリカ軍に依存している。サウジのエリートらは、ワッハービ派の聖職者らに、聖なる土地に「異教徒」らを入れていることで軽蔑されている。

 バンダルがサウジの力を海外に拡張している間、国内の支配の基盤は弱体化している。彼がシリア、イラン、アフガンにおけるアメリカの政策立案者らに挑んでいる間、増大する敵対的政権に対する防衛をこのサウジ政権はアメリカ空軍と第七艦隊に依存しているのだ。

 バンダルは、その膨張した自我と共に、自分のことを新しい帝国を建設する「サラディン」では、と思っているかもしれない。しかし、実際は、一本の指を振ることで、彼のパトロンの王は彼をすぐにも免職させることが出来る。テロリストによる挑発的なあまりに多くの爆弾騒ぎは、国際的な危機に繋がり、そのことで世界の非難がサウジアラビアに集中するようになるだろう。

 実際は、バンダル・ビン・スルタンはビン・ラディンの子分であり後継者なのだ:彼は世界的テロリズムを深化させ体系化した。バンダルのテロ・ネットワワークはビン・ラディンのものよりも、ずっと多くの無垢な犠牲者を生み出した。それは、勿論、予想されるべきことだ:結局のところ、彼はサウジの国庫からの何十億ドルを受け取り、CIAの訓練とネタニヤフの握手を獲得する!

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サウジアラビアが資金・武器援助したシリアのテロリストたち

◆1月22日

 サウジアラビアのバンダル王子が主導する世界的テロは、その豊富な資金力のお陰で成功している部分がある。しかしリビヤ、そしてエジプトで展開してきた流れの中で、バンダルは欧米と利害が一致しないことをも積極的に進めてきたことで、欧米との関係を悪化させた。恐らくはこれが命取りとなって、バンダルの世界テロ作戦は失敗に帰するようになるだろう。そのターニング・ポイントが今進められているシリア戦争であろう。

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●サウジアラビアとバンダルの世界的テロ・ネットワーク (その2)
http://www.globalresearch.ca/global-terrorism-and-saudi-arabia-a-retrograde-rentier-dictatorship/5364556
【1月11日 By Prof. James Petras】


■バンダルのテロ・ネットワーク

 バンダル・ビン・スルタンはサウジアラビアを内向的部族的政権で、その生き残りを全面的に米軍の力に依存する政権から、広範なテロ・ネットワークの中東の中心であり、右派軍事独裁政権(エジプト)と顧客の政権(イェメン)を積極的に資金援助し、ペルシャ湾岸(バーレーン)に対する軍事介入を行う政権へと変貌させた。

 バンダルはサウジアラビアが支配するワッハービ派やその他多くのスンニー派の武装グループなど、アルカイダの過激派の仲間を利用して広範な秘密テロ作戦に資金を提供し武器を供給してきた。

 バンダルは「プラグマティック」なテロリスト・オペレーターである:サウジアラビア内のアルカイダの敵対勢力を弾圧し、イラク、シリア、アフガニスタンその他あらゆるところでアルカイダ系テロリストに資金援助をしている。

 バンダルはアメリカ情報機関の長期に渡るアセットであるが、彼は、つい最近は、中東での利権がアメリカのそれとは異なる専制国家の利権を求める「独自の道」を取り始めた。

 同じ意味で、サウジアラビアは長いことイスラエルと敵対してきたが、バンダルは「内密の理解」を示しはじめ、共通の敵であるイランに関係する分野で、より詳しくはオバマとロウハニの政府間の合意事項に反対する分野でネタニヤフ政権と共同する動きを取り始めた。

 バンダルは直接的に、ないしは代理を通して、時には欧米の帝国主義的政策と共謀して、またある時にはサウジアラビアの覇権的野望を発揮して、政治的な調整作業を行い、反抗する政権を不安定化させ、サウジアラビアの独裁的支配の政治的影響圏を、北アフリカから南アジア、ロシアのコーカサスからアフリカの角(ソマリア)にまで拡大するため介入し始めている。


■北アフリカ:チュニジア、モロッコ、リビヤ、エジプト

 バンダルは何十億ドルを使用し、大衆的民主化運動が圧殺され、矮小化され、動員不能になるようにチュニジアとモロッコの右派政府を強化してきた。サウジから資金的援助を受けた過激派は、民主的世俗派指導者と反政府側の社会主義的労働組合指導者らを暗殺することで、政府内の「穏健派」分子を支援するよう勧められた。

 バンダルのチュニジアとモロッコにおける政策は大まかに言ってアメリカとフランスのそれと一致している;しかしリビヤとエジプトでは違う。サウジがリビヤの殺害されたカダフィに対しアルカイダ系グループを資金的に支援したのは、NATOの空爆と一致した動きだった。しかしながら、その後分裂が起きた:NATOが支援する新自由主義的で国外追放者の政権は、サウジが支援するアルカイダとテロ・ギャング、部族的武装者で略奪者である者たちに反旗を翻したのだ。

 バンダルが資金を投入したリビヤの過激派は、その軍事作戦をシリアに拡大した。サウジ政権はシリア政府打倒のための広範な軍事作戦を展開している。リビヤでのNATOとサウジ側の武装グループ間の殺し合いは、ベンガジのCIA工作員とアメリカ大使殺害となって表れた。

 カダフィを葬ったことで、バンダルは自分の武装勢力によって惹き起こされた混乱と血の抗争を継続することの興味を実質的に失った。これらの武装勢力は反対に、自分で資金の調達をするようになり、銀行襲撃や石油の略奪、地方自治体の金庫を空にすることなどで、かなりバンダルの支配から独立した状況にある。

 エジプトでは、イスラエルと共同で(理由はことなるが)、バンダルは民主的に選出されたモハメド・モルシのムスリム同胞団の政権を倒す戦略を練った。バンダルとサウジの独裁政権は、軍事クーデターを支援し、シシ将軍の独裁制を支持した。アメリカが目指した、ムスリム同胞団と軍事政権の両派並立合意という、民衆の選挙による正当性を持つ、親NATOで親イスラエルの政権作りの戦略は頓挫した。

 150億ドルの支援パッケージと更にそれに追加もいとわないというバンダルのオファーは、エジプト軍を資金的に支えることになり、また国際的な金融的報復に対する経済的免疫力を与える事になった。この軍事政権は同胞団を弾圧し牢につなぎ、彼等の選出された指導者等を処刑すると脅した。彼等は自由主義的左派の反対派を違法とした。彼等はこの左派を権力を握る事を正当化するために敵兵として扱ったのだ。

 軍事クーデターを支援するため、バンダルは敵である、サウジの専制政府とは対極的な民主的に選出された政府を抹殺した。彼は同じ考え方のアラブ国家の独裁政権を安定化させた。軍の支配者らは世俗的であり、親欧米、親イスラエルで、シリアのアサド政権に対する姿勢は同胞団よりか穏便である。
 エジプトのクーデターの車輪を推進させたバンダルの成功は、政治的な盟友等の立場を安定化させたが、不確実な未来に直面することになった。新しい反独裁の大衆運動が復活したことは、サウジアラビアとのコネクションが標的にされるかもしれないのだ。更には、バンダルは湾岸諸国との団結を切捨て弱めた:カタールはモルシ政権に資金援助をしていた。

 バンダルのテロ・ネットワークは、何万人というテロリストの「志願兵」に対し、長期に渡る大規模な資金援助、武装、訓練、移送などを施してきたことで明らかである。これらのテロリストは、アメリカ、ヨーロッパ、中東、コーカサス、北アフリカ、その他から来ており、サウジアラビアにいるアルカイダ系テロリストらは、シリアで「イスラムの殉教者」となっている。

 シリアの何十もの武装勢力はサウジの武器と資金のために争っている。ヨルダン、パキスタン、トルコにサウジが資金を出す欧米の訓練基地が出来ている。バンダルは主要な「反政府」テロリスト・グループのイラクとレバントのイスラム国に対し、その越境作戦のため資金を提供している。

 ヒズボラがアサド政権を支援しているので、バンダルはレバノンのアブドゥラ・アザム旅団に資金と武器を送り、南ベイルートのイラン大使館とトリポリでで爆弾攻撃を仕掛けさせた。バンダルはレバノン軍に対し、彼等とヒズボラとの間で新しい内戦を始めるアイデアと共に30億ドルを送った。

 フランスとアメリカの協力の中で、しかし更に巨額の資金援助と更に大掛かりなテロリストのリクルートでもって、バンダルはシリア、ヒズボラ、イランに対する軍事的・外交的攻勢の三つの戦線での主要な首謀者となりその役割を担っている。

 バンダルにとって、シリアで過激派が政権を奪取することは、レバノンのアルカイダの支援の中で、イランを孤立化させる可能性を秘めて、ヒズボラの打倒を目指すシリアの侵略に結びつくであろう。イランはその時、サウジ・イスラエル・アメリカの侵略の標的となるであろう。バンダルの戦略は現実的というよりかはファンタジーである。

                        -その3- に続く

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世界的テロの首謀者と見られているサウジアラビアのバンダル王子

◆1月21日

 このブログでは既に、サウジアラビアのバンダル王子が各種のテロの首謀者であることを再三指摘してきたが、以下の記事はアメリカ人で、カナダのハリファックスにあるセイント・メアリー大学で教鞭を執る社会学者のジェームズ・ペトラスの論文で、サウジアラビアとバンダルの世界的テロ・ネットワークに関するものである。長いので、3回に分けて紹介する。


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●サウジアラビアとバンダルの世界的テロ・ネットワーク (その1)
http://www.globalresearch.ca/global-terrorism-and-saudi-arabia-a-retrograde-rentier-dictatorship/5364556
【1月11日 By Prof. James Petras】

 サウジアラビアは石油が豊富な国のあらゆる悪徳は持っているが、ベネズエラのような美徳は何も持っていない。この国は一切の反対を許さない独裁一族によって支配され、反体制派の人々や人権を擁護する人々に厳しい制裁を加えている。 

 何千億ドルもの石油収入は王族の専制政治と世界的な投機的投資によってコントロールされている。支配エリートは、欧米の武器の購入とアメリカ軍基地による防衛に依存している。生産的国家の富はサウジの支配一族の顕著な消費を増大するよう流れる。この支配エリートは最も狂信的で、退歩的で、女性差別のイスラム版である、スンニー・イスラムのワッハービ派に資金を出している。

 抑圧された者たちと宗教的少数派による内部の反対運動に直面し、サウジの独裁政権はあらゆる包囲からの:海外、世俗派、民族主義者、シーア派が支配する政権;内部的には、穏健なスンニー派の民族主義者、民主派とフェミニスト;王族内部の派閥、伝統主義者と近代化主義者などからの脅威と危険を感じている。これに対処するに、彼等はテロリストの国際的ネットワークに対する資金投入、訓練、武装を施す方向に舵を切った。このテロリストらは、サウジアラビアの独裁政権に反対する政府を攻撃、侵略、破壊することを目的としている。 

 このサウジのテロ・ネットワークの首謀者はバンダル・ビン・スルタンである。この男はアメリカの政治、軍事、情報関連高官らと長期の深いつながりを持っている。バンダルはマックスウェル空軍基地とジョン・ホプキンズ大学で訓練を受け教えを吹き込まれ、サウジ大使として20年以上にわたってアメリカに滞在した(1983年~2005年)。

 2005年から2011年の期間、彼は国家安全保障評議会書記長で、2012年にサウジアラビア情報局長官に任命された。早くからバンダルはCIAと連携した秘密テロ作戦に従事していた。彼の1980年代の数多くのCIAと共同の「汚い作戦」の中には、ニカラグアのサンディにスタ革命政権を転覆させる為、ニカラグアのコントラが関わったテロ作戦に彼が3200万ドルを流したことがある。

 彼が大使としてある間、9月11日同時多発テロとの関係でサウジ王家を積極的に保護する動きを取った。バンダルと王家の中の彼の仲間等が、19人のテロリストの内11人がサウジアラビア国籍であるテロリストによって成されたこのテロ事件を前もって起こることを知っていたという疑惑は、この事件の直後に突然サウジ王家の者たちの航空機が飛び立ったということから示唆されていた。アメリカ情報当局によるサウジ・バンダル連携に関する報告書は議会の吟味に供された。

 アメリカ情報当局と20年間に及ぶ協力関係からなる秘密のテロ作戦を行う経験と訓練に富むことで、バンダルは孤立し退歩的で脆弱なサウジの専制君主国を守る為、自身の世界的テロネットワークを組織する立場にあった。

                        -その2-に続く

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