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シリアではサンタクロースもテロリストと戦うのに忙しい

◆12月26日

 シリアではイスラム教過激派の者たちが世界中から集まってきて、その数は10万名になると言われているが、その内1万名近くが命を落したようだ。彼等はシリアをイスラム教過激派の国にしようとして、シーア派であるシリア政府転覆を狙い、シリア各地でテロ活動を継続してきた。

 したがって彼等にとってはイスラム教のシーア派でさえ許せない存在であるからして、キリスト教徒などは更に許しがたい存在ということで、キリスト教住民の多く居住する町や村が襲われ、多くのキリスト教徒が殺戮の憂き目に遭って来た。それで、彼等も武器を手に取り反撃を開始している。本来ならばサンタクロースはプレゼントを持って子供達の元を訪れるのに忙しいはずであるが、シリアではプレゼントを持つ手に銃を持ってテロリストと戦うのに忙しいのだ。

 しかし世界の主流メディアはシリアのキリスト教徒が虐殺され、誘拐されても沈黙を保ったままである。欧米諸国はキリスト教徒が大半の国であるがそこのメディアを牛耳っているのはユダヤ系であり、彼等のパトロンは今アルカイダ系グループを使ってシリア政権転覆を画策している者たちであるため、報じようとしない、腐った者たちである。

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●シリア:サンタクロースもテロリストと戦う
http://en.alalam.ir/news/1547579
【12月23日 ALALAM】

 サンタクロースの衣装をまとった戦士がインターネットのソーシャル・メディアに掲載された写真は、シリアに侵入したアルカイダ系テロリストと断固戦うというシリアのキリスト教徒の決意を示している。

 シリアのキリスト教徒は、その他のシリアの少数民族と共に、三年前からシリアに侵入している外国が支援するテロリストと戦うため武器を取って戦うために部隊を動員している。

 寒い季節を迎えクリスマスの先触れとなる雪が降る中、シリアのキリスト教徒は自分達の住居を離れずテロリストと戦うことを決意している。

 外国が支援する武装グループは、アルカイダ系のアル・ヌスラ戦線テロリストを含めて、最近はキリスト教徒が多く住む町や村を襲いキリスト教徒住民を殺戮してきている。

 今月初め、オーソドックス教会のルカ・アル・ハウリ司教は、キリスト教徒に向かって、武器を取り過激派から自分達を守るように訴え、国際社会に対しシリアの反政府民兵達に武器の提供をやめないことを非難した。

 国民に支持されているシリア軍は厳しい寒さという天候を利用し、テロリストに反撃している。



●約1万人の外国人テロリストがシリア戦争で殺害された
http://en.alalam.ir/news/1547751
【12月24日 ALALAM】

 ヨルダンのサラフィ運動はシリアで2011年、外国が支援する紛争が始まって以来、約1万人の外国人テロリストが殺害されたと暴露した。

 ヨルダン・ジハード運動は世界中から特にチュニジア、リビヤ、イラクからシリアに侵入した過激派の9936人が3年近いシリア紛争で殺害されたと語ったと、23日マナマの声通信が報じた。

 チュニジア人1902人、リビヤ人1807人、イラク人1432人、パレスチナ人800人、ヨルダン人202人が犠牲者の中にいる。多くの過激派の者たちはアルカイダ系テロリストの旗の下にシリアの不安定化を諮っている。

 データではレバノン人818人、エジプト人821人、サウジアラビア人714人、イエメン人571人、モロッコ人412人、アルジェリア人274人、クウェート人71人、ソマリア人42人、バーレーン人21人、オマーン人19人、カタール人8人、スーダン人3人、モーリタニア人1人、その他コーカサスの人たちとアルバニア人が30人、シリアの紛争で命を落したという。
 
 この情報では、殆どの死者はアル・ヌスラ戦線グループとイラクとレバントのイスラム国(ISIL)グループに関係する者たちだという。

 その他の報道では、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアからの数名の過激派もシリアで戦っている、という。

 イギリスの防衛研究では、1000のグループからの10万人の民兵がシリアで政府と国民に対して戦っているという。

・・・・・以下略

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12月9日、政府軍が奪還した都市でアサド大統領の写真のある国旗をふるシリア人女性

◆12月19日

 シリア問題でアメリカの姿勢が変化している。シリアの反政府勢力の中にアルカイダ系過激派が多数存在していることで、アメリカ政府はアサド政権の存続ないしは、少なくともアラウィ派の者たちが将来の暫定政権内に多く留まることを受容する考えのようだ。

 こういう愚かなことを大国が行うのである。このブログでは2011年3月にこの反アサド・テロ事件が頻発して以来、一貫してそれが「民主化デモ」ではなく、国家転覆のテロ事件であることを指摘してきており、シリア国民の支持はアサド大統領とその政権側にあることを指摘してきた。

 今ようやくアメリカがその対シリア、対アサド政権の姿勢を変化させることで、欧米マスコミもそのような方向で報道するのであろう。初めから、その姿勢であれば、多くの死者を出す事もなく、また何百万人の難民も出ることもなかったであろう。

 それでも自らの過ちに気がついて、それを改めるのならば、それが遅すぎるという事は無いから、気合を入れて、シリア情勢を復旧していくべきである。そして問題は、過激派のテロリストを生み出しそれに資金と武器の援助をするサウジアラビアの存在であり、とりわけ大きな権力を持っているバンダル王子の処遇である

 サウジアラビアの運命はこの人物を除去するか否かに懸かっていると言ってもいいであろう。欧米と敵対し、アルカイダ系テロリストを支援することで、サウジアラビアは全世界から見放されることになるのだから、早急に方向転換をすべきであり、その際、このバンダル王子の処遇が問題となろう

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●アメリカ:アサド大統領は政権に留まるべし
http://rt.com/news/assad-stay-us-opposition-407/
【12月18日 Russia Today】

 欧米は、シリアの反政府勢力に対し、シリアでの紛争でイスラム主義過激派が優勢となりシリアをジハード(聖戦)の世界的センターにすることを阻止するために、アサド大統領が政権に留まるべしと考えている「明確なシグナル」を送っている。

 来年1月22日にジュネーブで開催される和平交渉の新しい段階で、アメリカはアサド大統領とアラウィ派政権に対する姿勢で劇的な転換をしている。

 ロイター通信は、アサド大統領が即刻辞任するならば和平交渉会談に参加すると表明していたシリアの反政府勢力は、アサドが政権に留まること、また次の大統領選挙に出馬することに合意すべく強要されている、と報じている。

 アメリカが率いる反アサド同盟は、アサドがいないシリアはやがてイスラム主義過激派の中心地になり、イスラエルと国境を接するこの国を中東全体にアルカイダの影響力を拡散する国として利用するようになる、という結論にいやいやながら達した。

 イギリスで12月13日に持たれた、「シリアの友人」の中核グループとシリア国民連合の指導部との会合で、シリアの反政府勢力は欧米はアサドを必要としている、という既成事実に直面した。

 「我々の欧米の友人等はロンドンで、アサドを去らせるわけには行かない、その理由は、彼等が考えるには、混乱とイスラム主義者の民兵の占領が継続すると考えられるから、だという」と、シリア国民連合のメンバーで、サウジアラビア高官らと親しい人物がロイターに語った。

 同じ情報筋は、欧米の反政府勢力のスポンサー達は、2014年に任期満了となった後に、アサド大統領が次の大統領選に出馬しても構わない、と考えていると明言した。

 「何人かはアサドが来年出馬することは問題ではないと考えているようだ」と、アサドが自国民を毒ガスで攻撃したことを忘れたのだろうかといぶかりながら、この情報筋はロイターに語った。 

 シリアの友人を構成する11カ国のグループはシリアに流入する聖戦主義者(過激派テロリスト)と共に現在の状況の責任があるバシャール・アサド大統領を非難する前に、ある宣言を発した。しかしながら、この宣言書は、過激派イスラム主義者に対する議論を変化させ、過激派は「ジュネーブ会議を損なおうとし、シリアの領土的一体性と、国際的、地域的治安を損なう脅威となっている」と主張した。

 シリア危機を解決する為の次の交渉は1月22日にジュネーブで開催される。アメリカはシリアの反政府勢力に非常に厳しい譲歩を要求しているようだ。

 反政府側のリーダー達は、ジュネーブで「もっと建設的」であるべきで、将来の暫定政府の重職にアサド政権のアラウィ派の高官らが残ることを認める必要性がある、と中東の外交官がロイターに語った。

 「ジュネーブ会議でアメリカとロシアが受け入れられる合意を引き出すために、反政府側はアラウィ派の者たちが暫定政府内にかなり残留することを認めるべきであろう」とこの外交官は語った。少なくともアサドは、大統領としてかそうでないとしても、権力を弱めることになるだろう、と彼は語った。

 この外交官は更に、反政府側は、「もしもその方式に反対すれば、欧米の支援を失い、残るはサウジアラビア、リビヤ、トルコだけになる」と警告した。

 反政府勢力側の別の者は、現在のシリア当局が軍と治安を司ることで、反政府勢力側の穏健派と後で合同してシリアに溢れているアルカイダ系グループに対処できるよう、ロシアとアメリカは「協力して」いる、と語った。

 反政府勢力側の代表は、反アサドのスンニー派が暫定政府を率いることに反対を表明したが、それはそのような人物はシリアのアルカイダ系グループと戦うことはできないからだ。これに米ロは興味を示している。
 
 「アサドが脇に追いやられ、スンニー派が暫定政府を率いるようになったとしても、アメリカもロシアもアラウィ派が軍と治安機関に対する統制を終わらせることを願ってはいないから、その人物はなんらの力も持てないだろう」と彼は語った。

 欧米の高官の一人がロイター通信に、ロシアとアメリカは既にシリアの将来の暫定政府の候補者について議論をしているが、まだ何も決まってはいない、と語った。

 アサドに対する欧米の見解の逆転は、トルコを経由して穏健派の反政府グループに米英の非致死性支援を供給するチャネルを、聖戦主義過激派が奪取しようとして失敗した後に起きている。

 一週間もしない前、アル・ヌスラ戦線の聖戦主義過激派戦士はダマスカス北方20kmにあるアドラ市で、市民を拉致し残忍な虐殺を行った。

 アドラの80人以上の人々が、一家族全員というケースも含めて、残虐な殺戮にあった。


■シリア問題で米ロは接近

 8月、シリアでの化学兵器による攻撃の後、アメリカのオバマ大統領は、このような化学兵器をアサド政権が使用したことが証明されたらシリアに軍事介入をすることを約束したために、困った状態に陥った。

 しかし、サンクトペテルブルグでのG20会議におけるロシアのシリア問題の平和的解決を目指す強固な姿勢は他の多くの諸国から賛同を得たため、オバマ政権はシリア紛争に対する戦略を見直すことを余儀なくされた。

 ロシアのプーチン大統領がこの化学兵器攻撃は、反政府側によって「演じられた」と指摘した後、オバマ政権はロシアが提案したシリアの化学兵器貯蔵所を空にするという提案を受け入れた。

 オバマ政権がアサド政権に対する爆撃を「自国民のガス抜き」のため取りやめた後、中東の親しかったアメリカの同盟国であり、スンニー派の反政府勢力を支援しているサウジアラビアとトルコとアメリカの間の亀裂が拡大した。

 10月になって、サウジアラビア王家のメンバーが、シリアとイランに対するサウジアラビアの計画を支援することに消極的なアメリカの姿勢のため、戦略的パートナーシップを再考すると脅した。

 そしてサウジアラビアとイスラエルとが反イランにおいて協力するようになったと報じられた。

 ロイターによれば、トルコはイスラム主義過激派戦士に対し、武器を直接供給する決定をした、という。

 アメリカと伝統的な中東の同盟国との間の亀裂が拡大する中、サウジアラビア、リビヤ、トルコが支援するシリアの反政府勢力は、イラン、ロシア、中国に支援されているシリア政権に対しうまい攻撃を行いえるとは思えない、と専門家は考えている。

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ロシアがイランに供給することになったS-300地対空迎撃ミサイルシステム

◆12月18日

 イランにロシアのS-300地対空迎撃ミサイルが配備される日がくるようだ。このミサイルはゲームチェンジャーと言われ、戦場の様相を一変させる能力を持っている。これがイランに配備されると、イスラエルのイラン攻撃は特段に困難になる。それをイスラエルを嫌う。

 イスラエルは以下の記事からも分かるように、優勢な航空戦力を中東全体で維持しておきたいのだが、このミサイルはそれを不可能にさせるものなので、できれば、これをイランやシリアが保有して欲しくないのだ。

 「ロシア製S-300のイランに向けた供給に関連して戦争の可能性が高まっている」とあるが、それはイスラエルが起こすならば、確かに戦争の可能性はあるであろうが、イスラエルが起こさなければ、戦争の可能性は無い。それは近年では常に攻撃はイスラエルがしてきているからだ。イランもシリアも自らイスラエルに戦争を仕掛けることは無い。

 このミサイルは迎撃ミサイルである。侵入してくる敵航空機に対し、それを捕捉し追尾し撃墜する類のミサイルである。だからイスラエルが侵入してこなければ、発射されることはないのだ。要は、イスラエルがお山の大将でいたいばっかりに、イランやシリアが軍事力をある一定の限度以上に上げないように、危ないと思えば、それを先制して攻撃できる自由を維持しておきたいだけである。

 その期間中、イスラエルはパレスチナ西岸に入植地を拡大し、パレスチナ人を更に青空の監獄へと追いやる蛮行を継続している。このような国家がお山の大将でいて、誰もその非を正す事ができないなどという状態は決して好ましいものではないのだから、イランやシリアが力をつけ、イスラエルが勝手なことが出来なくなる環境を整えることは必要な事である。

 従って、ロシアがこのゲームチェンジャーと言われるS-300をイランやシリアに供給することはどんどん進めるべきである。そうして、イスラエルが我が物顔でしたい放題をすることをやめさせる事が必要である。この記事の作者が最後に書いているように、「「犬が吠えても、キャラバンは進む」だろう。イスラエルをお山の大将の座から引き摺り下ろす為に。

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●イランは2000km射程のS-300ミサイルで出陣の踊りを踊る
http://www.jewishpress.com/indepth/opinions/irans-s-300-missiles-1240-mile-range-war-dance/2013/12/15/
【12月15日 Igal Zuravicky — The Jewish Press】

 ケニス・ウォルツは国際政治における新現実主義理論の創設者であるが、この理論では核の拡散がなされれば、事態はより良くなる、というのだ。多くの国が核兵器を所有するようになれば、地球はより平和になる、というのだ。それで、G5+1諸国はジュネーブからダンスを踊りながら去っていくが、背後ではロシア製S-300のイランに向けた供給に関連して戦争の可能性が高まっている。

 イスラエルとイランの紛争に対し適用されるゲーム理論は比較的単純なものである。その前提は、もしもイランがこの爆弾を獲得したら、イスラエルは受け入れられないゲームの終わりであり、従って問題はやるかどうかではなく、いつイスラエルは先制攻撃をするか、ということになる、というものだ。イスラエルのネタニヤフ首相は今年5月、ロシアのプーチン大統領に対しS-300(イスラエル空軍の優勢を大いに損なうかもしれない)をシリアに供給したら、「我々の反応を引き出し、この地域を戦争状態に悪化させかねない」と警告した。

 このS-300はゲームチェンジャーと言われている。地上配備で機動性があり、複数の航空機を同時に長射程で追尾し、半径150km以内の敵の航空機を撃墜できるシステムとして設計されている。ロシアはこのS-300を世界的チェスゲームの駒として、とりわけアメリカがポーランドとチェコに展開するミサイル防衛システムに対抗するものとして使用している。このゲームはレーガン大統領(当時)が1983年に対ミサイルシステムとして「スターウォーズ」計画として知られる戦略防衛イニシアチブ(SDI)を提案して以来継続しているものだ。

 ロシアとイランの間の8億ドルのS-300供給取引は2007年に締結された。2010年5月、欧米情報システムがイラン革命防衛隊のS-300部隊がロシアのミサイル基地で訓練を受けていると報じた。

 イスラエルのペレス首相(当時)がモスクワでロシアのメドベージェフ大統領(当時)との会談の席上、この問題を取り上げた時、彼はロシアが誰に軍事訓練を授けるべきか、告げるものはいないと厳しく言われた。2010年にイランがウラン濃縮停止を拒否したことで、国連は1929決議を通し、イランに対する制裁を課し、イランに対するミサイル供給が禁止された。

 その結果、2010年9月初旬、メドベージェフ大統領はこのシステムの引渡しを禁じる決議に署名した。

 実際は、イランとシリアの間のS-300の取引を破棄する代わりに、イスラエルがロシアに、グルジアとの技術的軍事的ギャップを狭める事になる無人偵察機を売る合意は、ロシアにとっては大ごとだった。契約の破棄のため、イランはロシアに4億ドルの賠償の訴訟を起こしたのだ。

 2013年7月5日、ネタニヤフとプーチンとの会談の2ヵ月後、ロシアのヤホントP-800対艦ミサイルが貯蔵されているシリアのラタキアにある武器貯蔵所が攻撃され破壊された。

 このヤホント・ミサイルはS-300のように、イスラエルにとってはゲームチェンジャーと考えられている。この攻撃は当初はイスラエルの軍用機による空からの地上攻撃として報じられたが、後になって50基ほどのヤホント・ミサイルを破壊したのは、ドルフィン型潜水艦からの攻撃と報じられた。

 この攻撃は三つのメッセージをもたらした:イスラエルはゲームチェンジャーは受け入れられない。二番目のメッセージは、イランとロシアに対するもので、地対空S-300ミサイルはイランの核施設に対するイスラエルの攻撃を阻止することはできない。そしてイスラエルはこのような攻撃を複数の方法で実施しうる。三番目のメッセージは、アメリカとロシアに対するものだ:ヨーロッパのチェス盤上で行われるミサイル駒の動きは中東のすごろく盤とはかかわりがない。

 アメリカとロシアがシリアの化学兵器を廃棄させることとジュネーブ合意でで協力している間、ロシアは自身の利益にためにS-300のカードを背後で使っている。イランが欧米と合意するよう説得させたのはトランプカードだったのかもしれない。

 9月5日、プーチンはイランが4億ドルの賠償を求める訴訟を取り下げることを条件に、S-300のイランへの供給禁止を終わらせる決定に至った。

 コメルサント紙は、このニュースを決定の数日後に報じた。プーチンの決定はアメリカのシリアに対する軍事介入を阻止せんとする努力の一部であり、またイランのアヤトラに対する餌でもあるようだ。9月26日、シリア問題の平和的決議を世界は歓迎し、その二ヵ月後の11月24日のジュネーブ合意の結論で更に意気が上がった。、

 三週間にならない12月11日(水)、イランのイマム・サデグ大学の「世界的尊大に対するイスラム革命」と題された講義の間、イラン革命防衛隊隊長のモハマド・アリ・ジャファリ少将は、以下の声明を発したと報じられた:「我々はミサイルの射程を更に拡大させているが、最高指導者は、その射程は2000kmを限度とするよう命令された」。

 これは学生のイランのミサイル開発についての質問に対する奇妙な撞着語法的回答である。イランはミサイルの射程の拡大にいそしんでいるが、その射程はイスラエル(とサウジアラビア)に到達できる範囲に限られているのだ。ジュネーブ合意の議論中、G5+1はイランと北朝鮮のシャハブー6ミサイルに対する協力関係に対する懸念を表明した。このミサイルの射程は3000~5600kmで殆どのヨーロッパが含まれるものだ。

 彼等は、ジュネーブで合意した六ヶ月間の核凍結を引き伸ばす件で、長射程弾道ミサイル開発を凍結することを含むことはありうることを明確にした。反対はなかったが、イランはイスラエルに打撃を与えうる短射程のシャハブミサイルは維持することになった。

 いくつかの制裁措置は解かれたが、六ヶ月間の期間はこれからで、ゲームチェンジャーであるS-300の積荷はほぼその途上にある。言われるように、「犬が吠えても、キャラバンは進む」のだ。

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シリア戦争からの撤退を決めたカタールのタミーム・ビン・ハマド首長

◆12月16日
 
 シリア戦争において、湾岸アラブ諸国の一方の立役者として反政府勢力を支援してきたカタールが、サウジと袂を分かち、平和的解決を目指すことを決定したようだ。以下の記事では、トルコと共同でシリア戦争から撤退を決定した、とある。

 このようにシリアの戦争は、シリア政府とシリア軍が反政府勢力のゲリラ攻撃によく対処し、強靭な抵抗力を示すことで長期化し、特にアルカイダ系の過激派が反政府勢力の主要勢力であった自由シリア軍と敵対するような活動を強化することで、複雑な様相を呈するようになり、政府軍は漁夫の利を得るように、各戦線で勝利を挙げ、反政府勢力側を追撃するようになっている。

 特にシリアと国境を接するトルコは、シリア内のクルド人組織がシリア政府側について反政府勢力と戦闘を始めているし、シリアに流入する過激派がシリア政府軍に追われてトルコ領内に逆流してきており、治安問題化しはじめたことなどもあって、シリア戦争に対するスタンスを変えて、今カタールと共同で撤退を決めたようだ。

 このようにして中東では欧米諸国とイランとの和解、シリア戦争におけるトルコとカタールの撤退、欧米側のシリア攻撃の可能性の低下などで、12月10日号「軍事専門家:サウジのバンダル王子のシリアでの戦争は失敗に終わる」で示されたように、サウジアラビアはシリア戦争で反政府勢力を支援し続ければ、最後には、「そして誰もいなくなった」となり、悪しき政権はその足元から崩壊していく可能性が高まったと言えるだろう。

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●シリア戦争:カタールはサウジと袂を分かち戦争から手を引く
http://en.alalam.ir/news/1544806
【12月15日 ALALAM】

 カタールとトルコはシリア政府転覆を目指したシリア戦争では最初の最大の支援国であったが、この戦争の別の作者であるサウジアラビアと袂を分かったことは大きな変化である、と新しい記事が報じた。

 いわゆる自由シリア軍(FSA)が2年前に脚光を浴びるようになったが、この組織に対する主なる支援者はカタールとトルコであった。FSAはアサド政権の転覆を目指す主要な勢力であった、とアル・モニターが報じた。

 主にアルカイダ系過激派がこのFSAに銃を向けるようになったという、この武装組織が直面している問題を引用しつつ「今日、FSAはその最悪の日々を送っている」と記事は報じている。

 アル・モニターは、シリア紛争で反政府側を支援してきたあるアラブの国の高官の話として、最近の変化の主な理由は、「シリアだけでなく、中東全体の為にも、シリア問題の政治的決着が最良の選択肢であるという決定の後、トルコ・カタールがシリアの泥沼からの撤退というこの統一的決定をしたことにある」という。

 匿名を条件に語ったこの情報筋は、カタールの前王はシリアのアサド大統領と良好な関係を築いており、彼の夫人たちは友人であった、と語ったという。カタールのアル・ジャジーラ通信も、シリアで紛争の起きた当初は反アサドの報道はしていなかった。

 しかしカタールは、紛争のはじめにアサドが議会で行ったスピーチがカタールにとって歓迎されない内容であったために反政府側を支援するようになった。

 シリアでのほぼ3年になる血みどろの戦いの後、12万以上の人間が殺害され、シリアにはアルカイダが台頭してきたことは、カタールとトルコにとっては、更に悪いことが起きるという明確な示唆となった:「エジプトでムスリム同胞団が倒れたことで、中東では多くの変化が現れた;あたかもこの地域の主要な同盟国がその報復を受けるべき、という決定がなされたかのようで、シリアではこれはハッキリしている」とこの情報筋は語った。

 「全く違ったアジェンダを持っているアルカイダ系は言うに及ばず、サウジアラビアに支援されているグループはシリア政府軍と戦う以上にFSAと戦っている」と語った。

 カタールの前首長が引退した時、政策を見直す内部の決定があった。「カタールは小さな国家であるが大いなる可能性を秘めている」とこの情報筋は語った。

 「優先事項、開発とビジネスあるいは政策などを決める必要性というものがある。圧倒的に必要なことは優先事項を決めることだ」という。この情報筋は、この時期、「主要な中東の強国の支援、そしてシリアがどうなるか分からないというある一定の結論に到達した後に、この決定がなされた。カタールはシリア国民の側に立つ。また彼等を支援し続ける。しかし、この紛争の平和的終結を促進することにより尽力するだろう、と」

 カタールはシリア戦争では最大の資金援助国であった。これは2011年の改革運動を支援するという形で始まったが、欧米と地域の諸国の介入によって大規模な紛争へと変わってしまった。

 フィナンシャル・タイムズ紙は5月、カタール政府はシリアの反政府運動に対し30億ドル以上の支援を行ったことを暴露したが、その当時サウジアラビアは資金的には二番目の支援国であった。

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シリア政府軍の進撃を伝えるPRESSTV

◆12月12日

 このところシリア内戦において、政府軍の進撃がめざましいようだ。散発的に車爆弾テロなどが起きているが、戦線では政府軍が反政府勢力を駆逐しているようだ。

 チュニジアやエジプトなど、またリビヤなどでも、反政府側の勝利は早ければ3ヶ月で、遅くても1年もしないで結果は出ていたが、ことシリアに限っては、膨大な数の外国人傭兵というか、テロリストらがシリア国内に侵入各地でテロ活動を進めてきているが、シリア政府は倒れないし、シリア軍は崩壊しない。

 その理由は、少数派とはいえアラウィ派が中核となっている政府や軍がシリア国民の広範囲な支持を獲得しているからであり、またその理由は相当に公平な政治をしてきたからに他ならないからだ。少数派であればこそ、他の少数派に対する配慮もされてきたし、多数派のスンニー派の意見を尊重する姿勢を保ってきたからだ。

 そのアサド政権が現在、イスラエルを狼狽させるほどの強靭さを示し、外国から進入してきているテロリストらを追撃、次々と拠点を奪い、奪還地域を拡大し続けている。同時にこのテロリスト等に対する支援は、欧米からもトルコからも途絶え始めていて、今は湾岸アラブ諸国が中心であり、それにイスラエルが軍事や工作面で支援している程度である。

 湾岸アラブ諸国とは、王制であり独裁政権の最たるものであり、この地球上に取り残された最後の前近代的異物であるが、それらの諸国が、「民主主義」を標榜しているといわれる反政府勢力を支援し、また、これも国内に人種差別の存在するイスラエルとが野合して、シリアを攻め立てているのである。どれほど矛盾した構図であろうことか。

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●アサド大統領の成功に狼狽するイスラエル
http://presstv.com/detail/2013/12/11/339427/israel-panicking-over-assad-success/
【12月12日 PRESSTV】

 イスラエル政権は、シリアのアサド大統領が外国の支援する民兵に対する戦いで成功していることに狼狽している、とアナリストがプレスTVに語った。

 「和平が開始したので、イスラエルは狼狽している。彼等はシリアのアサド政府の成功に狼狽している・・・」と、ケビン・バレットは11日、インタビューの中で語った。

 彼は、シオニスト政権は、現在のシリアの「ひどい紛争」に対する「交渉が穏便に終わること」は見たくないのだ、と語った。

 バレットはシオニスト達は、「シリアの不安定化の第一番目の黒幕だ」と語った。

 「我々が見ることになるのは、国際的な監視による選挙を可能にする平和的な合意で、私はアサドは出場するであろうし、勝利する可能性が高い」とアナリストは語った。

 バレットは、イスラエルはサウジアラビアとシリアの不安定化を共謀し、ダマスカスで反政府デモを工作してきた、と語った。

 「このために大金が投じられたし、デモがセットされアサド政府がそれに反応すれば、過剰な反応を、サウジによる何十億ドルの資金で前もって準備されていた不安定化のキャンペーンが、イスラエルの指導もあって、シリアを分裂させる働きを行った」と彼は語った。

 10日、シリア軍はレバノン国境に近いところにある重要な都市を反政府勢力側から奪還した、という。

 シリア軍はダマスカス北方のカラムン地域を確保するため数週間に渡って民兵と戦っている。

 シリア軍は最近一掃作戦を国中で成功裏に実施し、民兵側に大損害を与えてきている。

 シリアは2011年3月以来、破滅的な紛争に巻き込まれてきた。欧米勢力と中東の彼等の同盟勢力が、特にカタール、サウジアラビア、トルコ、が、シリア内で活動している民兵達を支援しているといわれている。

 国連によれば10万人以上が死亡、780万人が移動を余儀なくされている、という。

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