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アルカイダ系テロリストによる化学兵器攻撃で多数の死者が

◆12月11日

 ピューリツァー賞受賞者のセイモア・ハーシュが、シリアで化学兵器が使用され、それはアサド政権が行ったもので、アサド大統領の指令でなされた、とする欧米の主張に対し、アメリカが情報の隠蔽を行ったと指摘している。

 根性のあるジャーナリストはたった一人で権力と向き合う事があるが、彼もその一人のようだ。このブログでは一貫してシリアの化学兵器攻撃は反政府側のテロリストが行ったと指摘してきた。しかもその化学兵器はサウジアラビアのバンダル王子から供給されたものだ、とも指摘した。

 イラクに大量破壊兵器が存在すると偽りの主張をし、イラクを悪の国家に仕立て上げ、問答無用でイラクに侵攻した米英であったが、結局その軍事行動の理由であった大量破壊兵器は存在せず、それに対し、謝罪もしないままほったらかしなのが米英のやり方である。今尚、イラクでは凄惨なテロ事件が起きているが、これもそれも米英の侵略行為でサダム・フセインの政権が崩壊したためにおきた政治的混乱状況が継続しているためである。

 今また、シリアで化学兵器を使用したのが、アルカイダ系テロリストであると天下に知れ渡っても、シリアの政治的混乱状況は既に数万人の死者と数百万人の難民を生み出している。このような混乱状況を生み出した元凶は許すべからざる者たちである。

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●セイモア・ハーシュ爆弾発表:アルカイダの化学兵器攻撃をオバマは隠蔽
http://www.thewire.com/national/2013/12/seymour-hersh-alleges-obama-administration-lied-syria-gas-attack/355899/
【12月8日 Adrian Lee — The Wire】

 ピューリツァー賞受賞者のセイモア・ハーシュは再び爆弾発表をした。オバマ大統領は、数百人が死亡したと言われたシリアのサリンガス攻撃をシリアのアサド大統領が行ったと語ったが、それはアメリカ国民に対しては誠実ではない態度と言える。

 9月初旬、ケリー国務長官は、アサド大統領の指令で神経ガス攻撃が行われたという証拠を持っていると語った。「我々はアサド政権に責任があることを知っている」と、オバマ大統領はこの問題が明らかになって数日後に国民に向かって語った。彼はこのことが、軍事介入を考慮することになる「レッド・ライン」を越えさせたと語った。

 しかし、8日に出版された本の中で、有名なハーシュは、情報と軍の高官らの会話を引用して、アメリカがつまみ食い的(チェリー・ピッキング的)に情報を操作した、と語った。

 元情報関係高官は、オバマ政権は大統領が、攻撃の後に得られた情報をあたかも、攻撃が成されているその時に獲得し分析されたかのように見せられるように、時系列を変更したと私に語った。この歪曲は、1964年のトンキン湾事件を思い起こさせると彼は語った。当時ジョンソン政権は、北ベトナムの早期の爆撃を正当化するため情報の時系列を逆にしたことがあった。この同じ高官は、軍と情報関連の官僚機構内には大きなフラストレーションがあったと語った。彼等は手を掲げて「この男にはどうすればいいんだ」「ホワイトハウスにいる彼と彼の取り巻きは情報をいいように変えている」というのだ。

 このオバマ政権はシリアの反政府グループのアル・ヌスラに関する情報を隠蔽した。5月にはアル・ヌスラのメンバーがサリンガスを製造し使用する事ができることがわかって、それは緊急的な脅威と見られたが、それでもサリンの攻撃において考慮されることがなかった。
 ハーシュは、6月のトップシークレットが国防情報局副長官宛に送られたこと、その内容がアル・ヌスラがサリンを獲得し使用したかもしれない、というものだったことを引用した。しかし国家情報長官オフィスも国防情報局も、その問題の書類を特有のコードを指摘しても発見できなかった。

 アメリカの国連大使であるサマンサ・パワーは記者会見で、「アサド政権のみがサリンを保有しているということを指摘することが非常に重要な点だ。そして反政府側がサリンを保有しているという証拠は持っていない」と語った。

 高度に機密性の高いアル・ヌスラに関する報告がパワー女史のオフィスにまで届いていたかは分からないが、彼女のコメントはこの政府に一貫してあった姿勢を反映していた。

 オバマ政権はこの化学兵器攻撃については、シリア市民が知るのとほぼ同じ速さで知っていた。ハーシュは、このサリンガス攻撃にまつわる当時の状況の徹底的な毎日のブリーフィングでは、攻撃のビデオと写真がインターネットで出回っていたのにシリアについての言及はなかった、と言う。彼は、シリア軍が整備した化学兵器施設で、2012年12月サリンが製造されているのをシリアのセンサーシステムがを示したことが、暴露されたことがあったとつけ加えた。それがシミュレーションかどうかはハッキリしないが、オバマ大統領はシリアに対して、サリンガスを使用することは「受け入れられない」と警告した。

 「もしも、昨年12月にセンサーが示したことが、大統領がシリアに対して、『やめろ』と言うほど重要ならば、何故大統領は同じ警告を3ヶ月前の8月のガス攻撃の時に出さなかったのか?」

 メディアはこの攻撃についての国連の報告に対する反応で、確証バイアス(社会心理学における用語で、個人の先入観に基づいて他者を観察し、自分に都合のいい情報だけを集めて、それにより自己の先入観を補強するという現象)に屈服した。その報告は、使用された兵器は、330mmロケット砲に「暗示的に一致」したと言っている。MITのセオドア・ポストル教授とその他の弾薬に詳しい専門家らは後になって写真を見て、それが即席で現地で製造されたもので、シリア軍の武器庫にあるものとは一致しないと語り、更に、この兵器が発射されたといわれるシリア軍の基地から9kmの距離を飛翔したとは思われない、と語った。

 ポストル教授と仲間のリチャード・M・ロイドは、8月21日の二週間後に分析結果を公表した。その中で、彼等は前に予想されたものよりずっと大きいサリンの荷重の運搬に使用されたロケットを正確に割り出した。タイムズ紙はポストルとロイドのことを「兵器の指導的専門家」と紹介して、その分析結果を報じた。この二人のロケットの飛翔経路と射程に関する後ほどなされた研究は、前のタイムズ紙の記事とは矛盾するものであったが、先週新聞社に電子メールで送信されたが、それは今のところ報じられていない。

 国連の決議はアメリカの軍事介入の機会を失わせたが、もしもこの主張が示されたら、その影響は大きかったであろう。これは実際はなかったイラクの大量破壊兵器について、その証拠があると主張したジョージ・W・ブッシュの残したものが深く傷を残していることを思い起こさせる。ハーシュはこの主張の深刻さについて彼自身で、「このチェリー・ピッキングはイラク戦争を正当化したプロセスと似ている」と示唆している。

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領土外に軍隊を創設してでも、シリア打倒に狂うか? サウジアラビアのバンダル王子

◆12月10日

 サウジアラビアの情報機関の長官であるバンダル王子が煽ってきたシリア内戦で、サウジが支援している反政府武装グループがシリア政府軍に追撃され、次々と敗北を記していることで、バンダル王子が窮地に追い込まれているようだ。

 そこで彼は「ムハマド軍」と言う領土外の軍隊を創設し、それを使用してシリアやイエメンで軍事作戦を進める計画がある、という。つまり金の力で傭兵を軍隊並みに訓練し、最新武器を与えて、正式な部隊として投入する、ということのようだ。

 彼のことをこのブログでは害虫のような存在と形容したが、金の力で問答無用の戦争を仕掛ける悪党である。一昨日のブログでは、彼も変化してきたかのように書いたが、どうもそれは見せかけだけのようで、本音はあくまでもシーア派政権であるシリア政権の打倒のようだ。急進派、過激派と言われる者たちは、一種の狂気に駆られた存在だから、つける薬はないようだ。猪突猛進して滅びるに任せるしかないらしい。

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●軍事専門家:サウジのバンダル王子のシリアでの戦争は失敗に終わる
http://english.farsnews.com/newstext.aspx?nn=13920918000684
【12月10日 FARS News Agency】

 軍事専門家らは、サウジアラビアの情報局長官であるダンダル王子が、彼の民兵軍がシリアの各地、とりわけ東部ゴウタで大敗を記したことで、窮地に追い込まれていると見ている。

 「東部ゴウタ地区は完全に政府軍の手に落ちた。これはシリアでの戦争で権力の移行を実現するため何千人ものテロリストを雇い、シリアに送り込んだバンダル王子にとっては手痛い打撃である」と、軍事アナリストで戦略家のモハマド・ファリド・イッサはFNAに対して9日、語った。
 
 彼は、全ての政治アナリストが、バンダル王子の敗北は彼を失望させたと考えていると語った。そして、サウジの情報局長官(バンダル王子)は、自分の動きがどのような結果をもたらすかを考慮しないまま、中東全体を脅迫していると語った。

 「シリアでの戦争を反政府武装組織側に有利な形で終わらせることは、ミッション・インポシブルになった:従って、バンダル王子に残された道は・・・シリア政府をできるだけ弱体化させることだ」とイッサは語った。

 先月、バンダル王子はサウジアラビアの領土外部隊を指揮してシリアとイエメンでのテロ活動を指導する課も知れないということを示唆する情報があった。

 このサウジの「ムハマド軍」という名称の領土外部隊が設立され、兵士らは特別な訓練を受けている最中で、完全武装がなされていると、アル・ライ・アル・アム通信のウェブサイトで報じられた。

 バンダル王子と彼の兄弟で国防副大臣のサルマン・ビン・スルタンがこの「ムハマド軍」の設立を監督している。サウジ政府はこのムハマド軍の設立と、ヨルダンでの訓練の為に数十億ドルの予算を組んでいる。

 ムハマド軍はシリアでのサウジアラビアの攻撃部隊であり、またイエメンのアル・ハウシ運動に対する戦いのために展開されることになるだろう、と言われている。このアル・ハウシ運動は北イェメンのダマジ地区でサラフィ・グループと戦っているが、サウジアラビアはこのサラフィ・グループを支援している。

 ロンドンの軍事情報筋は、ムハマド軍は5万の兵士で構成され、25万名にまで増加するかもしれない、と語った。またこのムハマド軍の司令部はロンドンに置かれるであろうという。

 シリア国民連合の議長のアハメド・アル・ジェルバが最初にこのサウジアラビアの計画を暴露した人物だ。彼は8月8日の声明で、サウジアラビアはシリア領土外で軍を形成するだろうと語った。

 一方欧米筋では、サウジアラビアは外国からの脅威に直面した際には、サウジの後ろ盾になるように、パキスタンに変わってエジプトを立てて、軍のバックアップにしようと計画していると暴露した。 

 サウジはまたエジプトの国防大臣のアブデルファタ・アル・シシ少将に対する資金援助を計画していると、この情報筋は語った。

 欧米筋は、アル・シシ少将はリヤドのミリタリー・アタシェ時代、サウジの軍関係者らと良い関係を持っていた、と語った。

 「アル・シシの、ミサイルとミグ29戦闘機の購入におけるサウジアラビアに対する最近の傾斜は、アメリカがエジプトに対し軍事援助を停止した後に、サウジアラビアが彼を説得した結果である」と、この情報筋は語った。

 以前の記事では、サウジアラビアのスパイの頭で、元在ワシントン・サウジ大使は、アメリカ高官らにシリア戦争を開始するよう強く迫っていたと暴露した。

 サウジアラビアは、「シリアでの欠くことのできないパートナー」であり、アメリカの考え方に相当の影響を与える存在であると、8月の終わりにアメリカの高官の一人がウォール・ストリート・ジャーナル紙に語った。

 バンダル王子は、8年間いたアメリカの首都から去ったが、サウジ大使として5人はくだらないアメリカ大統領に対し、少なからず影響力を行使した。その彼は、シリアに対する戦争のバランスを傾けようとする欧米による戦いで中心軸として台頭してきた。

 叔父の王に昨年、サウジ総合情報局長官に指名されたバンダル王子は何ヶ月も、シリア政権転覆をもたらすため、武器や訓練をシリアにいる民兵たちに与えることを含めて、国際的支援を獲得するため集中的に努力した。

 シリア政府によって化学兵器が使用されたといわれる問題で、サウジアラビアは厳しい対処が成されるべきとしたが、これはサウジの長期的な目標であった。そのメッセージは現在のサウジ大使でバンダルの子分であるアデル・アル・ジュベイルによってオバマ大統領に伝えられた。

 2月、シリア政府によってサリン・ガスが使用されたと欧米に警鐘を鳴らしたのはバンダル王子の情報機関であった。実際は後から、反政府側がガスを使用したことが証明された。

 ロシアのプーチン大統領にアサド支援を止めるよう説得しようと8月にクレムリンを訪問したのは失敗だったと報じられたが、バンダル王子は欧米に対しては大きな影響力を維持している。これは彼のワシントン滞在時に培われたものだ。彼の最近の外遊は、ロンドンとパリへのもので高官らと意見交換をした。

 大使としてバンダルはまだ消えてない跡を残した。彼の声はアメリカの2003年のイラク侵略を煽った最大の声であった。

 シリア問題ではアメリカのホワイトハウスと議会に何ヶ月も圧力をかけることで、ゆっくりとその成果が出てきている。CIAは、シリアとの国境に近いヨルダン内の軍事基地で、昨年以来バンダル王子と直接一緒に民兵に対する訓練を行っていると考えられている。

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ロシアのプーチン大統領とサウジアラビアのバンダル王子が今年二度目の会談

◆12月5日

 8月29日号「プーチン大統領:欧米がシリアを攻撃すれば、サウジを攻撃する? 」や、10月21日号「シリア大使:サウジのバンダル王子がアルカイダの実際のリーダー」などで指摘したように、プーチンの対シリア政策における断固とした姿勢が、とりわけ、サウジのバンダル王子の脅しをはねつけ、反対にもしもシリア攻撃があればサウジを攻撃すると示唆したことなどがあって、結果的には欧米のシリア攻撃は無かったことで、サウジが孤立化の道を歩み出した。

 そこで、今度はサウジはアメリカから、シリア支援を貫いているロシアに対して、脅しを掛けるのではなく媚を売ることで接近してきている事が分かる。そうでもしてサウジの国際社会における孤立化を何とか避けようとしている様子が窺われる。これが、サウジが資金面でバックアップをしてエジプトがロシア製兵器購入の契約を成立した背景にあると見ていいだろう。要するに、40億ドルをお土産に、サウジのバンダル王子は再度、ロシアに頭を低くして、関係改善を願い出ているということであろう。
(参照:http://www.israelnationalnews.com/News/News.aspx/174777#.Up6jLn4o7IU)

 勿論ロシアにしてみれば、ソチ冬季五輪を控え、テロリストを抑えることができるというバンダル王子の申し出を断る理由は無い。ましてエジプト政府との間で40億ドルの取引が成されるのであれば、なおさらである。

 現在のシリア情勢はシリア政府軍が攻勢に出て、反政府勢力側を追撃している最中である。アメリカの支援やトルコの支援も減少しているから、急進過激派はじりじりと後退を余儀なくさせられている。このまま行けば、シリア政府軍が反政府勢力をシリア国外に追放することになろう。しかし、アメリカからでさえイスラム過激派がシリアに流入しているということもあり、まだまだ内戦は継続するものと思われる。

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●プーチン大統領:シリア・イラン問題でサウジ情報局長官と会談
http://en.ria.ru/russia/20131204/185243041/Putin-Saudi-Intelligence-Chief-Discuss-Syria-Iran.html
【12月4日 RIA NOVOSTI】

 ロシアのプーチン大統領はサウジアラビアの情報局長官のダンダル王子とモスクワ近郊で会談を持ったと、ロシア政府が3日発表した。

 プーチンとサウジアラビアの国家安全保障会議議長でもあるバンダルは、中東と北アフリカの状況について話し合ったと、声明で語った。

 両者はイラン核問題の取り扱いで建設的な動きがあったと指摘、シリア情勢で意見を交わした。このシリア問題では内戦を平和的に解決するための国際会議が計画されているが、ロシアとサウジアラビアはそれぞれ敵となる勢力を支援している。

 イランと六カ国国際交渉国はイランの核問題を沈静化させる取り決めを11月下旬に行った。イランは制裁が解除されることで70億ドルほどの自国資産を使用できるようになった。この取り決めは国際監視機関がイランの核施設をモニターすることを明記している。

 シリアの内戦を終結させる為の、長らく延期されていたジュネーブ2国際和平会議は1月22日にジュネーブで開催される事になっている。ロシアはこの内戦の間、ずっとシリア政府を支援してきており、反対にサウジは反政府勢力側を支援してきた。

 国連によれば、2011年に戦いが始まって以来、10万人以上がこの内戦で殺害され、900万人が移動していると言う。

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シリアから逃れた反政府グループが隣国レバノンでテロ活動


◆12月4日

 シリアでの戦闘で敗走している反政府武装グループの中には、隣国レバノンに侵入し、軍事的にはシリアより安全ということで、レバノンでのテロ活動に専心することにした者たちが多くなっているようだ。

 このこと一つ取ってみても分かる事だが、イスラムの急進主義者という存在が他のアラブ社会に混乱をもたらしている。どこでも急進主義者というものは思想にしろ宗教にしろ、独りよがりの独善者であり他の人々の思想や宗教を無視する狂信者であるから、常に混乱を撒き散らす存在となる。

 シリアはイスラム教のスンニー派もシーア派の流れを汲むアラウィ派も、ドゥルーズ教徒も、キリスト教徒も混在しながら、一定の安定を維持してきた国家であったが、ここ2年半以上に渡る、いわゆる反政府テロ活動によって、多数の死者と負傷者、また町の破壊と大量の難民を生み出した。

 その元凶は、このイスラム教急進主義者らであり、それはスンニー派の者たちであり、それをバックアップしてきたのが、バンダル王子のいるサウジアラビアを筆頭とする湾岸アラブ諸国であり、それと経済的・軍事的・戦略的に強いつながりを持つ欧米諸国である。

 今やアメリカからもこのイスラムの急進主義者らがシリアに入ってきているという。またそれらの者たちが再びアメリカに帰還することをアメリカ政府は恐れている、と言われている。自分達が支援してきたイスラム急進主義者らがシリアでテロ活動することは支援するが、自国に帰ってきてまでそれをやられては困る、という、まことに勝手な考え方である。しかし、「ブローバック」と言う言葉があるとおり、必ず自らの行為の跳ね返り、反射は起こるものだから、湾岸アラブ諸国も、欧米もそのブローバックを今から恐れていれば宜しい。「撒いた種は刈り取ることになる」、とイエス・キリストも言っているように。

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●シリアから逃亡した反乱者がレバノンでテロ活動
http://en.alalam.ir/news/1540870
【12月3日 ALALAM】

 シリアの戦場から逃亡した武装グループがレバノンでのテロ事件の原因というケースが増えている。シリアとレバノン国境沿いのクァラモウン地域のシリア軍と外国が支援する武装グループとの戦闘は、さまざまな武装グループがレバノンに侵入する原因となっている。レバノンの治安担当の高官らは、武装グループの存在は、既に暴力沙汰の耐えない状況を更に不安定化させていると語った。
 「武装グループの中には、シリアよりもレバノンで活動するほうがより安全だと決めた者たちがいる」と、怒りに満ちたある治安当局の高官が匿名を条件に語った。

 「戦争に疲弊したこれらの反乱者らは自分の家族らと共に難民としてレバノンに流入している。難民の内、ある者たちはアルカイダであったりアル・ヌスラ戦線のものであるという証拠を掴んでいる」と彼は語った。このアル・ヌスラ戦線はアルカイダ系グループで、シリア戦争での残虐性で知られている。

 レバノンの第二の都市であるトリポリで週末、少なくとも10人が死亡、数十人が負傷した。この都市では、シリア政府の転覆を目指す民兵を支援する側と拒絶する側との間で戦闘があったが、この週末の戦闘は特別に激しいもので、月曜日には街はシャッターが下ろされたままだった。

 「こいつ等は狂ったみたいだった」と電話取材時に、安全のため名は伏せるよう要求した住民が語った。「普通の撃ち合いではなかった。ロケット砲、迫撃砲、手榴弾を使った戦闘だ。トリポリでは土曜日と日曜日は誰も眠れなかっただろう」。
 治安関係の高官は、「彼等のことは知らないが、武装グループがどんどんシリアから入ってきていることは知っている。難民だけではない」と語った。「これらの新しい戦士らは、トリポリ、ベッカから始めている」と語った。これらの都市は既に数千人のシリア難民が入っている。「そしてパレスチナ・キャンプだ」と彼は続けた。

 「難民キャンプには新しい顔とシリア人の声を聞く」と、パレスチナキャンプのファタハ運動の治安当局者のアブ・マフムドは、電話で語った。アブ・マフムドは、キャンプ内に急進主義者らが増えるのは、レバノン北部のナール・バレド・キャンプの状況を思い出させると語った。そこでは2007年に衝突が起き、3ヶ月間占拠されたことがあった。イラクでの戦闘を逃れてきた急進主義者らがキャンプの軍事施設を占拠し、レバノン軍を攻撃し、その衝突で数百人の命が奪われ、キャンプは破壊された。

 「我々はまたナール・バレドのような事態になることを恐れている」と、アブ・マフムドは語った。地域の志願者で結成されたと言っている新しい武装グループは、レバノン北部でシリア政府を支援する者たちを攻撃するだろうと主張している。

 シリアでの戦闘に慣れているベテラン戦士たちである、と地方のメディアで言われているアッカー・ファルコンズというグループは、600名の民兵を擁し、レバノン北部でシリア・レバノン同盟と対峙している、と言っている。

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サウジとイスラエルの共闘を指摘するシリアのムクダド外務副大臣

◆12月2日

 シリアのムクダド外務副大臣が、サウジアラビアとイスラエルとが共同でヨルダンに戦争指導のためのセンターを開設・運営していると指摘した。パレスチナ問題が勃発した当時はアラブ世界は対イスラエルで団結していたものだが、パレスチナ問題が長期に渡り解決が中々見えてこない中、アラブ国の中には、自国の都合のため、却ってアラブ人の不倶戴天の敵であったイスラエルと手を結ぶ者たちが出てきている。

 このサウジアラビアとイスラエルの対シリアにおける連帯は、サウジ内では情報大臣であるバンダル王子が主導していると思われる。この人物が独断専行でことを進めるやり方に、他の王子たちからの批判も多い。イスラエルのモサドの長官とこのバンダル王子が会ったことで、サウジのサルマン・アブドラアジズ皇太子が激怒したという。

 このシリアでの戦争でシリア政府側が勝利という形になれば、このバンダル王子も情報大臣の役職を解かれることになろう。いい年をしての火遊びであるから、早々に引退すべきなのだ。世に害毒を撒き散らす害虫のような存在である。そしてこのシリアに対する謀略でサウジもヨルダンもその他の湾岸アラブ諸国も、その王制にヒビが入り、「アラブの春」の洗礼を必ず受けて、早晩王制が打倒されていくことになるであろう。

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●サウジとイスラエル:ヨルダン内で共同してシリア戦争を指揮
http://en.alalam.ir/news/1540170
【12月1日 ALALAM】

 サウジアラビアとイスラエルの軍関係者がヨルダンで「軍事作戦センター」を運営しており、そこで彼等はシリアを破壊するための工作を立案指導している、とシリアの外務副大臣のファイサル・ムクダドが語った。

 ムクダドはアラビア語のアル・マヤディン衛星放送で、サウジとイスラエルの軍がヨルダンのセンターを運営し、アメリカとヨルダンの工作員らが協力し合ってシリアの反政府民兵らを支援していると語った。

 「シリア政府は当初より、イスラエル政権がシリア問題に介入していると指摘してきたし、それを証明する証拠を持っている」と彼は語った。

 彼等更に、「イスラエルはシリアの戦争を傍観しているわけではなく、事実は彼等はシリアにいるテロリストを支援してきている」と語った。

 シリア内でのサウジアラビアの役割について聞かれて、「サウジの役割はシリアの破壊であり、人々を殺戮することだ」と語った。
 
 しかしながら彼は更にそれに加えて、サウジ市民が選んだわけではない支配システムの政府によってなされていることだ、と語った。

 ジュネーブで開催が予定されているシリア政府と外国が支援する反政府勢力との会談について彼は、「我々はシリアの将来について外国の介入なしで交渉をすることだろうが、シリア民衆を殺戮しているテロリストらとは決して会談をすることはない」と語った。

 彼は反政府勢力側が会談に参加するとしたことを歓迎すると語り、シリア政府は会談に参加する代表団を結成したと語った。彼は、重要なことは、スケジュールを尊重することであり、会談の日程を変更してはいけない、と強調した。

 数ヶ月間迷い拒否してきた所謂シリア国民連合は1月に予定されている「ジュネーブ2」会議に参加すると発表した。

 しかしながら深刻な亀裂の存在する反政府勢力側は多くの武装グループから拒絶される事態に陥っている。

 連合の合意にも関わらず、いわゆるこの連合の正式な軍部隊である自由シリア軍はこの会談を拒絶、和解のために武器を放棄することを拒否している。

 シリアの反政府側で戦っているアルカイダ系グループもまた背信行為だとしてこの会談に参加することを拒否している。

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